2015/07/28 のログ
白崎玲刃 > 【どんどん玲刃へと近づいてくる風紀委員達
しかし、玲刃はそれに構わず強く強く弦を引き絞る

そうして、玲刃へと近づいた風紀委員達が
玲刃を確保しようと構えたその時、】

………っ!
【身体強化による力の限界まで弦を振り絞った玲刃は、
その弦を手放し、
その衝撃で玲刃の片手を折りながらも、長剣がマッハ3の速度で射出される、

突然の、長剣が高速で射出された事による轟音に、風紀委員達は怯む

だが、玲刃は射出された長剣に硬く括り付けられたミスリル銀糸製のフックロープを掴み】

セット B
【事前に持っていた防護の符3枚を使い切りる事によって
身にかかる膨大な空気抵抗を防ぎながら
射出された長剣のに括り付けられたフックロープに引かれながら玲刃は上空へと飛び去って行くのであった。

その速度は、玲刃の体重によって多少減衰したものの、かなりの速度を誇っており、
風紀委員達には追跡する事は不可能であり、

建物の屋上に立つ風紀委員達は、ただ射出した長剣により飛び去って
空高くへと消えてゆく玲刃を、ただただ呆然と見送るのみであった。


しかし、果たして玲刃はこの後どうやって無事に着地するのであろうか、
既に防護の符は使い切っているはずであろう。】

ご案内:「風紀委員会本部取調室」から白崎玲刃さんが去りました。
ご案内:「委員会街・ラウンジ」に緋群ハバキさんが現れました。
ご案内:「委員会街・ラウンジ」から緋群ハバキさんが去りました。
ご案内:「委員会街・ラウンジ」に緋群ハバキさんが現れました。
緋群ハバキ > 常世学園には数多の委員会が存在する。
主たる物を挙げれば、最高意思決定機関である生徒会。
法執行機関である風紀委員会。
警察権を持ちつつ、内外への危機管理を担当する公安委員会。
学生たちの生活を直接的に支えるインフラを整備する生活委員会。
学府としての名実を保証し文化の集積地としての面をも担う図書委員会。
学内の催し事を一手に切り盛りし、学生たちの生活を潤いあるものとする式典委員会。
そして、交通の大動脈である鉄道を管理運営する独立組織である、鉄道委員会。

その他にもそれらの下部組織や、それらに所属しない業務を粛々と遂行する大小様々な委員会に属する生徒たち。
この学園を設立した常世財団がそれらの積極的交流を促し、学生自治を円滑に行われる事を期待して設置された施設がこの委員会街の交流ラウンジであった。

ソファやテーブルなどの調度品は豪華で、まるでそれこそ大空港のラウンジの如く。
徹底的に接客スキルを叩きこまれた専門のバイト学生達によって不便なく利用出来る飲食サービスなど、自分が一介の学徒であるという事実を忘れそうになる。

赤マフラーの少年は、そんな自身とは場違いに感じられる空間で居心地悪そうにソファに身を預ける。
背中が沈み込む程よい感触と、夏らしいトロピカルな風味のカクテル・ジュース。
セレブ趣味があるなどとは口が裂けても言えないハバキの心中では、格安で贅沢な身分を楽しもう! などという調子に乗った小市民的な当初の思惑が音を立てて萎んでいくのであった。

「……俺、やっぱチェーン店の喫茶店とかが落ち着くなぁ……」

最早半べそでストローを吸う。

ご案内:「委員会街・ラウンジ」にギルバートさんが現れました。
緋群ハバキ > 周りを見渡せば、ノートPCを広げて熱心にダイヤ表と格闘する鉄道委員会の腕章を着けた生徒や、歓談に興じる、赤を基調とした風紀の制服に身を包んだ生徒たちや、熱っぽい視線を互いに向け合う見るからに文学青年と文学少女、という取り合わせの図書委員の生徒たち。
手持ち無沙汰で肩身狭くジュースをちびちびやっている自分のような者など居ないのだ。
羨ましい。妬ましい。特に最後の図書委員。
女子生徒の方がおっとりした雰囲気で発育の良いメガネちゃんだというのも中々に許し難い。

ともあれ――

「……。」

気持ちを切り替えて、有益な事をしてみよう。
自身の孤独から無理矢理目を逸らすと、少年は周りの生徒達を観察するという方向に行動の舵を切り替えた。
改めて見れば成程、色々な委員が居るものだ。
耳を澄ませて聞いてみればその会話内容も様々で――

『夏季休暇期間に合わせた新たなダイヤ改正案が――』『――生活・風紀両方との折衝が必要になるね』『それでさー女子寮周辺のパトロールを厳しくって――』『聞いた聞いた! TCB団とか言う非モテの連中も――』
『君の瞳、「もうじつに、金剛石こんごうせきや草の露つゆやあらゆる立派さをあつめたような」――』『ふふ、あなたの言葉は「そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしている」ようね――』

最後の図書委員カップルやっぱり爆発しろ。
そんな詮無い嫉妬心が浮かんで来た。孤独は人の心にささくれた刃を研ぐのである。

「はぁ……これ飲んだら帰ろかな」

世にも情けないため息と共に、未だたっぷりあるトロピカルジュースを吸う。

ギルバート > 「折角だから口説いていけばいいのに。
 フリーの女子なんていくらでもいるんだろ?」

プレートにいくつかの料理を載せて、気落ちしている少年の隣に陣取った。
冷製のジェノベーゼは青々と生い茂る深緑めいており、フルーツトマトがその涼しげな外観に一点の色を添えている。
また、山盛りに盛られたローストビーフは肉厚。西洋わさびのツンとくる匂いが、一段と食欲をそそるだろう。
加えて色取り取りの野菜を挟み込んだサンドイッチ。濃い目のマスタードが見事なアクセント。

「忙しくてメシ喰う時間なくてさ。
 多めに持ってきたんだ。食うだろ?」

フォークでパスタを巻き付けながら。

緋群ハバキ > 「……いや、まぁなんっつーか。
 どっちかって言うと既に出来上がってる関係に『なになに混ぜて!?』って言う事の難しさを痛感してる感じで」

不意に掛けられた言葉と、空腹を刺激する匂い。
足音はリラックスした自然なものである反面、所作に隙の無い仕草。

「やった。ありがたく頂きます!
そっち
 実働が忙しいなんて、穏やかじゃねーよなぁ」

同じく一年次の金髪の少年に返す笑顔は、散歩の途中で遊び相手を見つけた犬のように人懐こい。
遠慮無くローストビーフへフォークを伸ばし、口中で噛みしめればシェフこだわりの玉ねぎの洋風ソースとわさびの刺激が肉の旨味をより引き立てる。
舌から広がる幸福感に更に相好を崩しながら、安堵のため息を一つ。

「久し振り、ギルくん。
 夏は謳歌してる?」

ギルバート > 「これ以上ない充実振りだよ。
 おかげで土日の感覚なくて、メシ喰おうとしたら3件連続定休日なんてやらかしたぐらい。」

あっという間にパスタを平らげて、ローストビーフを束で口に放り込む。
肉質的な食感とうま味が、噛み締めるごとに咥内に広がっていく。
咀嚼するたび飲み込むのが勿体無いと思うのはおかしな話だが、ことこの一皿においてはそれが現実の出来事である。

「……ああでも、件(くだん)の少年には会えたよ。
 例のエネルギープラント占拠事件の。ほら、うちの隊も出動あったろ?」

喉を鳴らしてアイスティーを流し込む。
砂糖不使用完全なストレート。
食事を味わうには、このキレが丁度いい。

「事前情報通り、司法取引があったようだ。
 今度から晴れて一年生、だってさ。
 ……そっちは何か聞いてる?」

緋群ハバキ > 外見相応、食べ盛りを地で行く食いっぷりに負けじと己もまたパスタを皿へと取り分ける。
銀器にさえよく絡む翡翠色のソースは無論、パスタにも満遍なく味わいを乗せて。
口に含めばバジルとオリーブオイルの風味が鼻に抜け、舌にはチーズの芳醇な味わいが残る。
全く、卒がなくそれでいて高級店の嫌味すら感じさせない。完璧なサービスは伊達ではないようだ。

「ああ……例のアレ絡みか。
 事後処理の色々でこっちも大変。ウチの部署のパソコンさんも毎日遅くまで書類を入力されてはプリンタから吐き出してるよ」

肩を竦め、彼の言葉に応える。
お互い学生らしい夏季休暇とは無縁の生活に、恨み節を吐きたくなる反面充実を感じているのは確かなようで。

「いんや。そもそもウチは事務方だからね。
 学籍関連の云々も全くこっちにお鉢が回ってきてないって事は、風紀が中心に動いたって事じゃないの?」

ま、君が会えたって事はその辺共同で監視しつつ学生生活の援助を行うって事でもあるだろうけどねー、と続けていつの間にか皿から失われたジェノベーゼパスタに嘆息。
自身が最初にオーダーしたジュースを一口吸う。

ギルバート > 「……まあ、そういうことになるらしい。
 『仲良くしてくれ』なんて言われたときはどうしようかと思ったけど、そう悪い奴ではなかったよ。
 なんというか……昔の自分も、"ああ"だったのかもしれないって思うとさ。」

思い返せば、『囚人』の嫌に純粋無垢な表情が浮かび上がる。
かと言えば内面は非常にクレバーだ。頭もキレる。
行政的には、是が非でもほしい人材であったろうことは疑う余地もない。

「髪は短かったけど、それ以外は殆ど女の子みたいだったな。
 華奢だし、150cmもないぐらいで。怖いくらいだったよ。
 ……だからって、手を出すのはNGな。一応釘刺しとくけど。」

ジト目で一言。次の瞬間にはけらけらと。
あまり口が上手くないギルバートも、ハバキの前では自然と舌が回った。

緋群ハバキ > 珍しく饒舌な彼の様子に、なんだか微笑ましいような気持ちになる。
寡黙、という印象を人に与える事が多いギルバートであるが、その下には年齢相応の少年らしい顔を覗かせる。
そういう顔を見せてくれるぐらいに気の置けない友人であるということが嬉しいし、誇らしくもある。
だからこそ、『彼』を選んだ公安上層部の人選には素直にうなずける部分があった。

「いいじゃん。友達は多い方がさ。
 折角の学園生活なんだし……って、なんだよそれ。
 俺はそういう趣味ねーですよー、ギル君がそのケがあるとは知らんかったわ」

冗談めかした言葉に切り返し、近況に於いてのその手の話を思い出す。
密やかかつ、真面目くさった表情。だがその内心は笑い出したい位であった。

「ま、俺には? そもそもほら、夕霧先輩居るし??
 いやー海楽しかったわ。二人でこう、波間に漂うSummerDay......」

うっとりと、思い出を反芻するかのような表情で。
掌中で夏色のグラスを弄びながら憧れの先輩とのひと夏の思い出を語る様は、思春期特有の突っ走る思いを全力で表現していた。

ギルバート > 「えっ海行ったの! 二人っきりで!?
 夕霧先輩と言えば有名な綺麗どころじゃん。
 いつの間に……。」

いきなり殴りつけられたような衝撃。
むせ返りそうな胸の痞え。
何度か咳払いをし、アイスティーで飲み干した。

「どうせオチがあるんだろー。
 わかってるよ、それぐらい。
 今度はフラレるまで何秒だった?
 そろそろレコード更新の時期かなって思ってたんだよ。」

気になるのは二人の関係ではあるが、まさか今後につながるものがあるとは思ってもいなかった。
何処までいっても"いい人なんだけどー"止まりが、よくある女子のハバキ評だったからだ。

緋群ハバキ > 「ふ、ふふふ。
 夏を迎える前までの俺とは違うぜギル君」

不敵な笑みで相変わらずグラスを揺らせば、からからと涼しげに鳴る溶け始めたロックアイス。
少年がこの手の話題で余裕綽々に続きを語る事など、まさに空前絶後と言っても差し支え無い。
ギルバートが受けた衝撃をアイスティーで飲み下すのを待って、いっそ鬱陶しい程の勿体つけた口調で続ける。

「オチも無く、恙無く。
 浜辺で手ぇ繋いだり、海の家行って割高な焼きそば食ったり。
 帰りには『今日は楽しかったですねぇ、おおきに』ってな、こうな」

辺りの視線も憚らず京風のはんなりした口調を声真似しながら、如何に感動したかを情感たっぷりに語った後。
つと、眉尻を落とした視線をギルバートへ向けて。

「……まぁ後は普段通り、先輩と後輩って感じ。
 や、勿論楽しかったし、ドキドキしたけどさ。自分でもこんなの初めてで結構、びっくりしてんだ。

 そういうギル君は?」

戸惑いを衒いなく口にして、問い返す。
彼もまた、以前女子の先輩の話題が俎上に上ったような。

ギルバート > 「レイチェルと任務で一緒になったぐらいだよ。
 一年の。ハバキも知ってるだろ?
 ……ああでも、ドレス姿は可愛かったな。
 普段見られない一面って感じで。」

空になったグラスを指で弾く。
曖昧なバランスで積まれていた氷の粒が、音を立てて崩れ落ちた。

「……えーと。そんだけ。」

空いた皿を片付けるボーイを横に、深く深いため息を落とす。

「ひと夏の思い出にはまだ余裕あるし、なるべく平和なのでお願いしたいな……。」

すくりと立つと、ドリンクの追加に向かう。
ハバキの分も追加を受け付け、戻るころには二人分を運んでくる。
そうして暫く話し込んだ後、いつものように解散した。
ギルバートにとっては息の詰まるような毎日において、久しぶりに心安らぐ時間だったろう。
親友との語らいは、いつの時も心に潤いを与えてくれるものである。

ご案内:「委員会街・ラウンジ」からギルバートさんが去りました。
緋群ハバキ > 「あー、あの金髪が可愛い。
 分からんぜー任務で一緒になってって事も……ってドレス!?
 ぞ、像を結べない俺の貧困な想像力がかなしい!!」

気の利くギルバートにさんきゅ、と短く礼を告げ。
戻ってきた頃には、再び新たな会話の華が咲く。
自身にとって自然体で付き合える彼とのひとときは、彼にとっても貴重な日常なのだろうか?
分からない。が、そうであればいいと思う。

未だ多くの学生達が歓談するラウンジで、その風景に溶け込んで居た我が身に気付いたのはギルバートと別れた帰り際の事。
抜けるような夏の空を見上げながら、心の中でもう一度親友への感謝の言葉を呟いた。

ご案内:「委員会街・ラウンジ」から緋群ハバキさんが去りました。