2015/08/16 のログ
ご案内:「委員会街」にシインさんが現れました。
ご案内:「委員会街」に佐伯貴子さんが現れました。
■シイン > そろそろアイツは娘に会っただろうか、と。
考えている最中、一人付添人兼監視役を連れながら徒歩で目的地に向かう。
特に自分から会話を交わすことをせずに、黒衣のフードを深く被りながら進行を続ける。
自身の顔写真が出回っているとか、そこまでは把握してないが、噂として自分が犯人だと出回っているはずだ。
下手に顔を晒すよりは、此の方が適切であろうと。
歩む歩幅は大きく、そして早歩きだろう。
■佐伯貴子 > (早足の相手に合わせる速度で歩く)
(これくらいの運動なら特に負担ではない)
(手には集音マイクつき監視カメラがある)
(刑事課に提出する予定の、シインのデータが入っている)
(今は路上の監視カメラが捉えているので必要なく、持っているだけである)
シイン先生、やり残したことはありませんか?
(当たり前のことを聞く)
(もう終わったからこうして風紀委員本部に向かっているのだから)
ご案内:「委員会街」に流布堂 乱子さんが現れました。
■流布堂 乱子 > 通りの石段に、少女が座っていた。
背に翼は無く、腰掛けた硬い座面から垂れる尾も無く。
もはや紅と呼べるのはその制服のみとなって。
どれかの委員会の、幾つもある部署の、何処かの分庁舎の入り口の、小さな段差に。
少女が座っている。
左手で左耳のインカムを押さえて、通りの雑音を拒みながら。
右手で端末を操作しつつ、
不意に、顔を上げると。
近づきつつ有る黒衣の男と、紅い制服の学生を無表情なまま見つめた。
「お疲れ様、と申し上げましょうか」
呟くような言葉は、どちらに向けられたのか定かではない。
■シイン > 本来ならば"何も無いと"あとはこのまま向かうだけだと。
そういうはずだったのだ、だが。
「やり残したことか、今だな、今に丁度出来てしまった。」
此の場で彼女と出会うとは思わなかったのだ。
歩みを止めて、段差に座っている彼女を見据えたのだ。
お疲れ様。そんな言葉に苦笑を見せて。
「…尾に翼はどうした。」
まずは一言。
以前に存在してた翼に尾がないことに不思議と思ったからの発言。
■佐伯貴子 > 今…?
(風紀委員の制服の女生徒を見やる)
(風紀委員らしいが、顔に見覚えはない)
(もっとも全員を把握してないので忘れているだけかもしれないが)
(名前を問いたいところだったが、ここは見守ることにしよう)
■流布堂 乱子 > 「他に"龍"が出来てしまったので私が龍(わたし)である必要がなくなって放って置かれているのかもしれませんし、
あるいはこんなものを抜き差ししたのが原因で、私と龍(わたし)の因果の接続が切れたのかもしれませんし」
表情を変えぬまま。
聞かれた事に答えながら、少女は『こんなもの』と言う時には胸元を示した。
赤龍のものでない、彼女自身の龍としての角が未だにその胸に埋まっている、と。
それがこれほどに、ただの少女としか見えないほどに赤龍を封じることは無かったというのに。
「……あるいは。
貴方の炎が燃やしてしまったのかもしれませんね。」
冗談ともつかず、恨み言ともつかない様子で、そんなことを少女は言った。
シインを見上げる眼差しにはどちらとも確証を取れるような感情は浮かばず。
言い終えると、目線は二人の歩く道行の先へ、
風紀委員会を遥かに眺めるように向けられた。
「もしもそうだとしたら、いよいよ貴方の罪状も重くなりますね」
■佐伯貴子 > 龍…?
(流布堂の言葉に首を傾げる)
(シインが龍の姿になったのと関係あるのだろうか)
君の名を聞いてもいいかな。
私は2年の佐伯貴子。
(そんな言葉を流布堂に向けて)
■シイン > 「――真実は何処に有るのだろうな。私は未だに"龍(これ)"に関しては詳しくないからな。」
だからこそ繋ぐ言葉に悩みながら"これ"発言の後に瞳を閉ざすと。
彼は白炎を身に纏った。
熱を一切持たずに、額に二本の角と背には大きな翼を一対を生やす。
そして尾てい骨からは長き尾を生やした。
その全てが白炎で構成されて、揺らめき動き。
先に隠れながら動いてたの知ったことではないと、彼女(赤龍)に見せ付けるようにして。
「私はこれを力として受け取ったと言ったが、そうだな。
今なら分かるかもしれないな。」
これは力とか、そんな生優しい言葉で片付けられるものではない、と。
"呪い"だ、彼は小さく言葉にして伝えた。
「罪状が重くなるのだけは、まぁ、勘弁なのだがな。」
こればかりは逃れられないのだろう。彼は半場諦めている。
白炎の尾をゆらりと揺らしながら、肩を竦ませた。
今の"炎"を彼女ならどう捕えるのか、そんな事を胸に秘めさせながら。
■佐伯貴子 > (シインの身体が変わるのに一歩退く)
(しかしここで荒事を行う様子ではないようだ)
(今は二人の「決着」を見守ろう)
(「決着」のために今自分は仕事をしている)
■流布堂 乱子 > 焦茶の瞳が紅い制服の学生へと向けられる。
その瞳の奥に風紀委員への悪意を抱いていようと、殺意があろうと、
あるいはこの被疑者の脱走を手助けしようとしているのであろうと、
察することは容易ではないであろう、情動のない眼差し。
「ええ、勿論ですよ、タカコさん」
だからこそというべきか。
如何にも"聞く前から知っていた"という口振りは明らかだった。
「流布堂乱子、と申します。一年ですから…
いえ、この制服に袖を通して長くありませんから、
貴女の後輩に当たりますね」
「どうぞ、よろしく。この場にいるのは……たまたま、ですよ」
貴子への視線を切って、再び"龍"へと向き合いながら。
どう見たって偶然ではありえないほどに落ち着き払いながら、
風紀委員らしき後輩は自己紹介を終えた。
■佐伯貴子 > 流布堂、だな。
覚えておく。
君もシイン先生に因縁があるのだろう?
ならば私は見守るだけだ。
(腕組みをして言う)
(さすがにここで逃亡幇助などは行わないだろう)
(風紀委員本部は目と鼻の先だ)
(それに、どちらかと言えば「敵同士」のように聞こえる会話)
(黙って状況を見るしかない)
■流布堂 乱子 > 「どのみち人よりも永く生きるのは、貴方の元の体でも同じことだったでしょう」
白い炎を見ても、問うことはなく。
誰へも熱を与えないその炎を、
まるで既知の事柄のように受け入れながら。
「滅びを望むことも、きっと変わらないでしょう。
あるいは、その炎ならば。
自分を滅ぼしながら、全ての他人から全ての大事なものまで巻き込めるかもしれませんね」
純粋な龍ではなく。…元より、決して人でもなく。
どちらともつかないというのに、人の形に近づけられたその姿を見つめながら。
どうしようもなく人へ憧れるその様を、"既知の事柄のように"受け容れながら。
「その呪いは、貴方が引き寄せたんです。
……いいえ、貴方の中に元からあった呪いへと龍が引き寄せられた。」
「呪われた龍、貴方は何も変わっていないように見えますね」
いつかの病院前の晩のように、ただ打ち倒すためにその存在を決めつけた言葉とは違って。
その言葉はゆっくりと紡がれた。
■シイン > 佐伯には特に声を掛けずに、その姿のままに横目で一度だけ視界に映した。
見守ってくれてるだけに感謝しながら、言葉では無く瞳で礼を返す。
別に礼と分かるかどうか、別に分からなくてもいいという考えなのだろう。
■シイン > 乱子の話を余計な言葉で汚さずに、黙って耳へと通す。
どんな風に変わろうと、どんな風に変化しようと。
「結局は"色"が変わった所で根本的な性質は変わらないか。」
質が悪い呪いだ。
強力過ぎる力には誓約を伴うとも聞いたことがあるが、力の代わりに滅びをもたらすとは悪質極まる。
「それで"龍"よ。
お前はどうする?今、この眼の前に存在する"龍"をどうする?」
敢えて名で呼ばずに、はっきりと紡いだ言葉は答えを急かしているかのように見えるか。
■佐伯貴子 > (シインの視線がどんな意味を持っていようが変わらない)
(自分の仕事は「静観」である)
(だから何も言わなかった)
■流布堂 乱子 > 「貴方が、今もなお先生と呼ばれて応じるように。
私も、今は龍と呼ばれても応えましょう」
過去の出会いから言えば、
こう応じるならば瞳を紅くして赤龍の欲求を明らかにしたであろうにも関わらず。
少女は焦げ茶色の瞳をただシインへと静かに向けていた。
どこまで揺れることのない、無表情と見まごうような、殺意。
呪いというならば。
無関係だったにも関わらず、少女の殺意の中に組み込まれたことさえもそう言うべきではないのか。
許す、ということが少女には許されていない。
その赤龍が滅ぼしたものの全てが少女に復讐を叫ぶ。
龍(わたし)を殺せと私に叫ぶ。
それでも、実際には沈黙の時間は極僅かだった。
「……過程は、無意味です。
貴方は龍(わたし)ではない。
どんなに似ていても、鏡を打ち壊し続ける徒労に満ちた人生を送るつもりもありません」
いつかも述べた言葉を、自分に向けて呟きながら。
自分も、相手も。無意味な過程をただ歩いて行くだけだと。
自らの殺意さえもその殺風景な道程のうえで、無価値なものにしてしまって。
石段の上に座る少女は、何もかもから取り残されてしまったようで。
「既にお伝えした筈です。
貴方の向かう結果は…もう少し、先でしょう。
せいぜいは自分の寿命にも満たない刑期を受けて、
花火大会の邪魔にもならないように島の表面から姿をお消しに成るだけかと」
ただ、ほんの少しだけ。
ほんの少しだけ、感情を露わにして、露悪的にその結論を述べた。
「もしかすると、執行猶予でも付いて、結末さえ貴方を拒むかもしれませんけれど」
■シイン > そうか。その一言だけを呟いた。
呟いた言葉の後に、纏った白炎を粒子と変えて、黒衣の軍人は本来の姿を晒した。
明らかな此方に向けられる殺意。
数多の戦場を経験してきた彼が、身体に馴染ませてたその殺意。
心地良ささえ感じるが、戦いは起きない。
今はその時ではないのだから。
「ま、私は私で結末と結果に抗うとしよう。
"呪い"を身に背負いながら。もう歩みを止めないと決めたのでな。
例え決められてることだと言われても、私は私なり動くとしよう。」
真紅の瞳はブレることなく、真っ直ぐな瞳のままで。
それは揺れぬ思いと意思。下手に泣き言を言ってみろ。
義理の姉と義理の娘とあの子達に馬鹿にされてしまう。
「"また"会おう。」
最後に再開しようと意図の言葉を送り、前へと目的地へと進むのだ。
■佐伯貴子 > (シインが動けば自分も動くだろうか)
(流布堂の動きに注目しながら)
■流布堂 乱子 > 「……ええ。それでは"また"。」
歩き出すなら、止めはしない。
いつか、何かのイタズラが"その時"を、
再び、彼の炎が龍(わたし)のそれに成る時を呼ぶまでは。
焦げ茶色の瞳は、揺れることもなく、その姿を見つめて――
「ああ、そうでした。お伝えすることが有ったので此処で待っていたんでした」
先ほど先輩に告げた言葉を全面撤回すると少女は立ち上がる。
折りたたみの杖は既に手元に。二人とは反対へと歩き出そうとしながら。
■佐伯貴子 > (流布堂が言葉を発すれば足を止める)
(「因縁」なのかそれとも)
(「決着」はまだついていないのだろうか)
■流布堂 乱子 > 「シインさん。
これから"殺人未遂"の容疑で出頭するのですよね?」
石段を一つ一つ、確かめるように降りて。
「あなたは、こうして出頭するまでの間は、ずっと逃亡し続けていた。」
こつりこつりと、一つ一つ段を下る。
「病院のことなど知らないし、公園での発砲事件は花火大会の前日にあったものしか無い。」
カツン、と。ようやっと二人と同じ高さにたどり着く。
「……私と貴方はたまたま此処で会った。ですよね?」
■シイン > 乱子の発言に思わずに笑いを見せる所であった。
何とかして耐えることは出来たのは幸運であり、自分の笑みの戦が脆いのに別の意味で呪いたくもなった。
それでも返事は返した。短い返事だ。
「"そうだ"私は女生徒殺人未遂の容疑で出頭する。それだけだよ。」
それは偽善か。
「たまたま出会ってしまった。それだけだ。」
はたまた別の意図か。
特に深く理解しようともせずに。
短い会話はそれで終えるだろうか。
■佐伯貴子 > (病院前での戦闘記録も、公園での戦闘記録も)
(正式な風紀委員のデータベースには存在しないし、自分も知らない)
(だから何も言わないし言えない)
(二人が「納得」すればそれでいいのだろう)
■流布堂 乱子 > 「ええ。それなら、よかった。」
背を向ける前に、黒衣の男と、先輩に頭を下げて。
「それでは先生、どうぞあなたの凶行にけじめをつけてきてください、ね」
その"存在しなくなった"凶行の被害者は、不揃いな足音で、反対の方向へと歩き出す。
交わった過程は再び離れていく。
ご案内:「委員会街」から流布堂 乱子さんが去りました。
■シイン > 「――もう先生ではないがな。」
非情に小さな呟きで言葉として出した。誰に伝える訳でもないのだろう。
それでも尚歩みは続き、数分後には目的地に辿り着くだろう。
■佐伯貴子 > (流布堂を見送る)
(これで「決着」はついたのだろうか)
(そうであることを祈る)
シイン先生、私は一度落第したので、追試を受けてもいいですか?
(そんなことを言いながら歩き出す)
■シイン > 「……追試?私からか?」
どうして今それを言うのだと、誰が見ても明らかに不可思議だと、そんな表情を浮かべる。
更には驚きを隠しきれずに、歩を止めてしまうだろう。
■佐伯貴子 > ええ、入り江の。
「成すべきことを成す」とおっしゃいましたがそれは――
”四十万静歌の殺害”ではなく、”四十万静歌へ愛を告白する”ではなかったですか?
(NOといわれ、そこで気づいた答え)
(エルピスやレイチェルに「最後の手段」として連絡した予想)
(ただの女の勘)
(それだけは最後に確かめたかった)
■シイン > 「あぁ、それか。」
納得したようで、再び歩を進めた。
今度は佐伯の歩に合わせるようにゆっくりと。
「概ね正解だが、細かく言うのであれば、側に居て欲しい。
別にな、愛して欲しいとまでは思わないのだよ。」
そこまでは欲張らないさ、と。
■佐伯貴子 > なるほど…
一応、及第点はもらえるわけですね…と受け取ってもよろしいのでしょうか?
――ならば私も先生を「許せます」。
(微笑みながらそういう)
(なぜなら、自分も似たような感情を四十万に抱いているから)
(そして、風紀委員本部へ辿り着く)
(警備の風紀委員が近寄ってくるだろう)
バロム・ベルフォーゼ・シイン容疑者だ。
(自分は逮捕したわけではない)
(あくまでも「紹介」しただけ)
(「出頭」するのはシイン自身だ)
■シイン > 「妥協点というより正答でもあるからな、にしても――許せる、か。」
何に対して許せるのか。
それについて問うには時間が足りなかった。
残念ながら次回もし出会えた時に残しておこう。
一歩前へ出て、風紀委員へと近寄る。
両手を上げて抵抗する気はない、と。
■佐伯貴子 > (やがて、刑事課の風紀委員が来てシインに手錠をかけるだろう)
(これは異能や魔術、ある程度までの怪力を抑えこむ効果のついた特別製)
(そしてシインは然るべき場所へ連行されるのだろう)
(刑事課ではない自分にとっては見慣れない光景だし、今回は特殊なことも多い)
(見慣れない部屋で慣れ親しまない取り調べを受けるのだろう)
(願わくばシインに)
(そしてエルピスに)
(決着はついたであろう流布堂に)
(誰よりも四十万静歌に)
(完全なる平穏が訪れるよう祈りながら、本部を後にした――)
■シイン > "軍"では手錠を掛ける側でもあったが、こうして掛けられるとまた何とも言えない気分になるものだ。
自身の異能が抑えられてるのを感じるが、此の程度のなら平気で抵抗できるだろう。
ただ、抵抗や反抗などはさながらないのだ。
今は罪を受け入れるだけ、それだけだ。
取り調べなど、暫くは休めずに忙しいだろう。
静かにはさせてもらえないだろう。分かり切ってることだ。
そして、風紀委員に連れていかれ、その場を後にした。
ご案内:「委員会街」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「委員会街」からシインさんが去りました。