2015/09/17 のログ
■薙 > 小動物が逃げていったのを見てくすりと笑みを浮かべる
「鬼」としては可愛らしい風景、に笑ったのではない
「鬼」でありながら、「静」の時は完全に意を消してしまう
そうでなければ動物は近寄れない
その底しれなさに思わず笑みが漏れたのだ
「その前に…新人の竜胆薙と申します。ご鞭撻のほど、よろしくお願いしますね」
姿勢を但し、深く頭を下げる
「……正式に名乗らせてもらっていなかったもので、では参りましょうか」
頭を上げると、にっこりと笑って共に歩き始める
「そうですね、お聞きしたいことは沢山…その前にその質問にお答えします。
───この学園都市では異能という凶器を持ち歩いている者ばかり…。
それは、刀剣のように目に見えず、取り締まることも難しい。
ささやかな平和と幸せを望む人々が、常に危険に晒されているのと同義です。
…私が風紀委員、その特別攻撃課を志願したのは、一番気兼ねなくそれらを傷つける悪人を斬り捨てることができるから。ですね」
歩きながら、淡々と抑揚のない声でそう答える
真っ黒な瞳はただただ、自らが歩く目の前の道を映している
■迦具土正道 > 風紀委員会・警備課・警備隊長職級者。
迦具土正道だ。
【返礼にとばかりに名乗りを返す。通称までをも付け加えようかと逡巡が挟まるが、辞めて置いた。】
【何処の世界に鬼と自己紹介をして正しく意が伝わると云うのだ。其んな呆れが沸いたからだ。】
【質問に応える薙に其ちらを見ずに同じく抑揚の無い言葉を重ねる】
【知らぬ者が聞けばどの様な愁嘆場だと勘違いされかねない様な機微の無い声色だ】
見事な心意気だ。竜胆。幾分、己の理想と近い。
特に異能と云う脅威に自ら相対しようとするその意気が何よりも無条件の賛辞に値する。
正義の本分が其れなれば、其の理想に向けて振る刃の何が歪もうか。
此の島には斬り捨てるべき物も多い。其の時、キミの信念の刃が必ず必要にも成る。
異能と云う暴を収める為に風紀は《力》を携える必要が必ず在る。己は其う思って居る。
【真意を一切疑わず、己の正義と照らしあわせて肯定の意を示す】
【迦具土正道に取っての其の苛烈とも云える薙の言葉は全肯定に値する言葉でも合った】
【少なくとも其れを、彼は信じて疑って居ない】
■薙 > 名乗られるまでもなく存じている
とはいえその愚直なまでのこの姿勢こそが、この先輩の真価であり、
その在り方それ自体が迦具土正道であると
ただの名乗りに、それだけわからせるだけの力を感じた
「そのご返答、ありがたく思います。元より迷いはありませんが、更に引き締まるというものです」
うっすらと笑みを浮かべ、今度は見上げるように視線を向けて
「では私からも質問を……。
今しがた後にしましたが、公安委員について先輩はどうお考えですか?
情報の開示が少ない故に細かいことはわかりませんが…風紀委員本部で閲覧可能な過去の資料を見ると、
公安委員が起こした事件…少なくはありません。
私はそんな組織が今も司法権の一部を握ったままでいることが不思議なのですが」
■迦具土正道 > 【理論としての正しさと云う寄り。寧ろ染み付いた定式と云う形で言葉は語彙の強さを孕む】
【其して返って来た返答も又、背を後押しする必要も無い程に確たる物であったために】
【正道は薙の方を見る事は無かった。故にその笑みも見ず質疑を聞く】
同じ正義を信じる者として言葉を違えずに云おう。
其の様な事件を鑑みるまでも無く、己は或れを……《不要な組織》と思って居る。
【其れは悪意でも憎悪でも無く、只其れだけの事で在ると云う様な言い様で在り】
【同時に公安に所属する者への後ろめたさなど微塵も感じさせない語調だった】
キミの云う通り、風紀と公安の権能は重なる部分も多い。
現在は住み分けと云う形で互いが互いに譲歩と強権を有すると云う歪な形で成立して居るが、
本来其の権利は確たる一つの組織が有すべき権利だ。
其れを思えば、風紀委員或いは公安委員の何方かは確実に不要な存在で在り、
己は逮捕特権と云う権能に於いて一本化されるべき組織で在ると思って居る。
其の上で、己は其の一本化が風紀と云う名を冠していてもさして問題は無いと云う理由に於いて、
彼の組織を不要な組織だと思って居る。此方が或る程度正常に廻って居る事を含め、熟な。
今日も、市井で行われて居る異能絡みの事件に於いて、公安がどの様に動いて居るのかを、
現場のレベルで確認したく張っていたと云うのが本当のところだ。
同じ組織として一本化されさえすれば、此の様な雑事に惑わされずに済む。
此れが、己の意見だ。
……竜胆はどの様に捉える、公安委員と云う組織を。
■薙 > 途中、口を挟むことはなく最後まで耳を傾ける
嬉しいものである
名簿と資料から このような人物であろう と想像した迦具土正道という男性は、
予想通りというにも温く、想像を超えて、想像通りであった
人間誰しも表裏があるもの、などと、ヒネたことを言っているような人間に会わせてみたいものだ
「私はまだ転入して間もない人間。
故に、手にしている情報は資料や噂で見聞きしただけのものです。
ですが、今のところの私の意見は迦具土先輩とさして変わりません」
そう、不要であると
「大衆が信を置き、心の拠り所となる止まり木は二つも必要ありません。
その役を担うのは、汚点を多く残す公安委員会よりも私達風紀委員が相応しいと思います。ですが───」
そこで一旦、言葉を止めて
言いよどんだのではないだろう、ただ、頭のなかで言葉を選択したのだ
「風紀委員にも不要な部分は多く思えます。
活動記録と名簿を照らし合わせると、名を連ねるだけで差したる働きすらしていない者がいます。
落胆すべきことですが、まずは腐った枝葉を落とさなくては接ぎ木はできません」
公安委員を不要と断じ、必要な存在を統合し新たな風紀委員として新生する
それにはまず風紀委員に自浄作用を担う者が必要だろう、と
手段は………口にはしない
■迦具土正道 > 【視線は真直に正面を見据えて居る。表情は眉一つ動かない。】
其うだ。
異能と云う人外の能を持つ悪が現れた時、見るべきは其の悪其の物で在り、
背中に背負うべき物は大衆其の物で在るはずだ。
――其処に、風紀と公安と云う軋轢が生じ、介在する余地など本来は遭っては成らない。
正義と云う刃を振り回す際に、其の刃の刃渡りすら定かで無い者が居れば、刃は刃同士で空中で火花を散らす。
結果として大衆を守れ無いなどと云う結果が残るのならば、二つの組織の連立など面子以上の何も守れはしない。
【故に不要。故に彼は公安と云う組織に正義なしと断じて居る。】
【信じる正義が在れば、風紀に所属をすれば良く。】
【また風紀の正義が信じるに値しないと云うのであれば内部から変えれば良いだけの話だ。】
【風紀公安の連立と相互関係が生む混乱は、彼に取っては只の害悪でしか無い。】
ああ。其れとて例外では無い。
腐った子葉は幹を腐らせ、根を腐らす。
止まり木と成る事を正義とする為らば、根腐れを起こした大樹など只の張り子だ。
己は、其れすら止めん。風紀は正義を背負うからこそ正当などではなく、
正当な正義を背負う者のみが風紀を名乗れる組織であると、己も思って居る。無論、己自身も含めてだ。
だから己は。竜胆。キミに改めて云って置く。刃を振る事を躊躇うなと。正しきを証明する為の刃は、正義を傷つけ無い。
【其れは彼自身が常日頃から掲げている正義の形でも在り、執行の鬼を鬼たらしめてる狂信の形でもあった】
■薙 > 「………」
ぎゅ、と携えた太刀を握りこむ
やはり、間違えていない、間違っていない
風紀委員に身を置いた、その選択は間違っていない
───否、間違いという概念すらもそこにはない
信ずる道をただ突き進むのみ。障害があるならばそれは、自身が悪と断じて斬り捨てれば良い
すべての言葉を胸に刻みこみ、反芻するように自身の内で繰り返し
飲み込むように、頷いて
「親しみやすい風紀委員、相談に乗ってくれる風紀委員、身近な存在。
色々な風紀委員が存在し、それらも間違った姿ではないと思ってはいます。
けれど、それらは全て…己の命を賭して、罪なき人々の生命を財産を守る存在という前提の上に積まれるもの。
……私はそれができない者に風紀委員を名乗る資格はない…とまで思っていますけれど」
我ながら、少々過激でしょうか?と問いかける
■迦具土正道 > 【鉄の信念は鋼の刃に歪の音も無く噛み合う】
【其れが幸運で在るのか不運で在るのかすらも鑑みず金属の温度のみを介在させ】
――其うだな。
己とて其れら全てを完全なる不要、と断ずる事は出来ぬ。此の身体も鋼で出来て居る訳では無い。
己が身に余裕が在れば助く事、或いは己の信ずる正義の為に今の様に時間を分ける事が必要な時も在る。
だが本質で無い事も確かだ。
《人の心》が正義を行使する事に不要な場面でまで、其の《心》を抱えて居る事も愚策と呼べるだろう。
正義の本質が《力》で在る以上、必要な場面ですら其の力の行使を躊躇わせる心は只の垢だと己も思うよ。
本来、風紀とは《畏怖》と共に在る物だ。――畏れ、嫉まれ、憎まれ、だが必要とされてこその正義だと己は思う。
其の畏怖が脅かされることは、此の島の前提に関わる。異能と云う暴を抱いて尚秩序を成立させる事自体に破綻を生じさせる。
己は、其れだけは看過出来ん。舐め、侮られ、嘲弄されれば、誰が罪なき大衆を悪辣から守るのだともな。
【ギリ、と握りしめた拳が肉の音を立てる】
【先の風紀委員本部への襲撃。或いは図書室へ壊滅的な打撃を与える程の悪】
【其れらは存在、其して行為自体が此の島の秩序の維持を困難にする駆逐すべき絶対悪である】
【其れを排除する為には、或いは薙の様な《攻撃》に特化した風紀の在り方をすら、許容肯定していかねば成らぬ程に】
【脅かされているのは風紀・公安と云う組織其の物に留まらず。此の島が成り立つ為に絶対に必要とされる倫理や秩序其の物であろうから】
……過激で在るな。だが、正義が過激な物では無いとも、己は思わん。
其の過激さを失い本質から外れた風紀もまた、キミが云う様に風紀の其れでは無い。
なればこそ、優しさを磨くなら其の牙を抜く形ではなく隠す形で在って欲しいと願うがな。
……竜胆。何かの助力になれただろうか。
■薙 > 「……ありがとうございます、迦具土先輩。
正直なことを言えば、風紀委員には少なからず落胆を覚えていたところでした。
今のこの組織には、先輩や私のような考え方を好と肯定する…、
いえ、出来る人材はそう多くないでしょう。
それも含めて…恐れられることすら厭わず己の正義に邁進する迦具土先輩は尊敬に値します。
正義なき力と同様に、力なき正義もまた、助けの必要な方々の求める警察組織ではありません」
風紀委員会の本部が見えてきたところで、僅かに足を早めて正道の前へとまわり、後ろ歩きに、言葉を投げる
「先輩の率いる機動隊員は、法のためではなく人のために殉ずることができそうですね。
もう少し早く知っていれば、私もそちらに志願していたかもしれません」
と微笑んでみせた
■迦具土正道 > だろうな。
己も、己の在り方を曲げる事は無いが、己の在り方が力を持たずとも主張出来る物とも思って居ない。
理の正しさで持って駆逐すべしと平等なる正義を掲げて捩じ伏せに来る者も居るだろうな。
其れが大衆の代表の立場を背負っている事も、公安の顔をしている事も、
風紀の名を冠している事すら在ると思って居る。其れが無いとけして思わん。
【風紀委員会の本部の建物を背後に背負い、薙に向けて云う】
だから敢えてこう云おう。己が悪辣に向き合う時と同じ言葉にて。
其の全てに――何時でも相手をしよう。忌々しき正義を掲げる彼奴らの隣人として。
……――何一つ恥じる事無き《風紀正義》の名の下に。
【握り締めた拳が、メリと肉を握り込んだ音を生じさせる】
【微笑む薙への、自分なりの、風紀の名を背負う内の一人からのエールとして】
……己の部隊は蔓延る悪に向けて攻勢の動作が出来ん。
飽く迄《警護》で在る故な。此の島が元寄り風紀に依る攻勢が必要なき平和な状況で在った時の残滓だ。
警護が護り、刑事が裁く。旧態然としたその在り方だけでは守れぬ者も出て来たと云う事やもしれん。
或いは――其う云う形でしか捌けぬ悪が、跳梁跋扈する様に成ったかの何方かだろうな。
【嘆かわしい事だが、嘆いている暇など有り得ない】
【男は表情一つ替えずに現状を憂えた。克己すべき要因でしかないと云う意を込めて】
共に励もう。信ずる風紀の名の下に。
【巨躯が小さく会釈をする。そして本部のドアを開き、中へと入っていった】
【一度も、振り返りはしなかった】
ご案内:「委員会街」から迦具土正道さんが去りました。
■薙 > 「信ずる、風紀の名のもとに……」
反芻するようにその言葉を口にすし、自身の体を抱き締めるように、左腕の腕章を握りしめる
「捨てたものではありませんね」
ぽつり
一言だけそう小さく呟いて
その巨大な背を追うようにして風紀委員会本部、その中へと歩み消えた
ご案内:「委員会街」から薙さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に不凋花 ひぐれさんが現れました。
■不凋花 ひぐれ > 本来であれば、このような場所に出入りするのは委員会所属者のみ。
目的が無ければまず来ることもない。
しかして外を出歩く程度であれば自由そうなので、特に許可も貰わず外側を散策することにした。
鞘を左右に揺らしながら周囲の声に耳を傾ける。
今度の学際の話だ、次の事案の対処法だ。予算案はどうだと、大小様々な議題と格闘する声が聞こえる。
瞑目して顎を引きながらどこからか聞こえる声に耳を傾けていた。
■不凋花 ひぐれ > 次の議題。先日問題を起こした―――。
何 して―――
「……」
はたと薄目を開いた。
外回りに出ている何かの委員――と思われる人物が往生する彼女を見かけて声を潜めていた。
眼を閉じてだんまりしている姿を見れば――刀を所有していれば尚更不審に思うのも当然のこと。
「……申し訳ありません。この周囲の見学に着ただけですので」
不審な動きをすれば即座に"何か"は動くだろう。極力刺激しないように頭を下げながら練り歩く。
周囲に興味がある風を装うわけではないし、それは本心ではあるのだが、はっきりと体現するのが難しい。
周囲を見渡しながら歩いてみたって見えるわけでもないのに。ただ声を頼りにどこにどの委員があって、どれほどの人数がいるのかを把握できるくらい。
確か何種類か委員会があって、その中に役職は細かく決められていた。
出歩いている人もきっとそんなタイプだろう。
■不凋花 ひぐれ > その人たちはこちらに視線を向けてくることはなかったが、間違いなくマークされた。
事情を知らなければそうなる。説明する気は無いし、職質されないならそれで良い。
あちらもあちらの仕事があるはずだ。
「色々とありますね」
規模も異なれば広さも桁違い。静かに瞼を落としながら感嘆した。両手に刀を握り締めた。
■不凋花 ひぐれ > 刀を持ち上げる。段差があることに気付いて動き出すまでに数秒。回り道は出来ないかと探りながら慎重に。
委員会街の奥まったところまで来た気もする。
道中、面白い活動をしているところは多々"聞き受けられた"。
こういう場所だと立ち入り禁止区域、特に関係者以外立ち入りを禁ずる場所もあるだろう。
まだたどり着かないのであれば余裕はある。鞘を揺らしながら障害物を探る。異常なし。
――何かしらの立て看板のみで禁止の指定がなされていたらそれはそれで問題になるが。
■不凋花 ひぐれ > 「ここは」
ふと、呟いた。
「……どうやったら委員会に所属できるのでしょう」
単純な疑問。顎に指を這わせ、頬に手を置いた。今更ながら見学したところでどうすれば。
こんにちは、所属させてくださいなんて、弟子入りするために道場をくぐる若者じゃああるまいし。
顧問に相談するのが無難だろうか。非常勤の人に相談するのも良いかもしれない。
具体的な内容を聞きそびれたのも問題だったが、何も焦る理由などないのだ。
■不凋花 ひぐれ > 「……今日のところは一先ず失礼しましょう」
ここまでの道のりはおおよそ把握できた。この街路は特に気になる危険物も見受けられないため問題なく動ける。
また次回、今度は怪しまれたりしないように対策をしないといけない。
見学中の腕章など、あれば良いのだけど。
「ではお仕事お疲れさまです」
陰に隠れて様子を伺っていた『何か』さんに深々と頭を下げる。気づかれたことに狼狽している彼らを他所に、彼女はカランと下駄を鳴らして委員会街を後にした。
ご案内:「委員会街」から不凋花 ひぐれさんが去りました。