2017/11/05 のログ
ご案内:「高層ビルの屋上」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > どんなに科学が発達しようとも、魔術と異形が世を跳梁跋扈しようとも、人の営みや生活の本質が変わるわけでは無い。
人が知恵を得て、コミュニティを築き、組織を作り上げた時代から、変わらぬものもある。
――即ち、長々とした会議である。
「……島の運営を実質的に担っているとはいえ、政治家ごっこが過ぎるんじゃないかな。気持ちは分からなくも無いが」
風紀委員会の実働部隊の一員として参加した会議ではあったが、時間を浪費するだけの無意味なものであった。
無論、彼等が無能だとか怠惰であるというわけでは無い。ただ、形式と縦割り型の組織を意識する余り、会議そのものに意味が無くなりつつあるというだけだ。
尤も、それこそがある意味で成熟した組織の会議なのかも知れないが―
「…まあ、こういうのもこなしていかないといけないしな」
溜息混じりに吐き出した言葉に、力は無かった。
■神代理央 > とはいえ、収穫が無かった訳では無い。
風紀委員会で使用する武器・兵器の入手経路には父の会社を噛ませる為の下準備を整えているし、度重なる任務での成果を持って、より攻撃的な任務への参加許可も得た。
結局、己が受けている任務の内容を鑑みれば火種は多ければ多いほど良いのだ。
此の島が気に入りつつある己としては複雑な気分ではあるが、最近は本社からの通信も上機嫌なものばかり。
図らずも彼等の望み通りに動いている訳なのだが―
「…まあ、勝者にならずとも最後に笑っていられればそれで良い、か。敗北して無様に倒れ伏すよりはな」
誰ともなしに呟く独り言。
尤も、その声は高層階に吹き荒ぶ突風にかき消され、高層ビルの森林へと消えて行くことになるのだが―