2015/06/27 のログ
ご案内:「学生通り」にクゥティシスさんが現れました。
ご案内:「学生通り」からクゥティシスさんが去りました。
ご案内:「学生通り」にクゥティシスさんが現れました。
クゥティシス > (放課後。学生たちで賑わう通りを、路地から覗き込むようにして様子を伺っている)
(どうにも、慣れないのだ)

「……う、うぅ。何かニンゲンいっぱいいるし。…狩りは、しちゃダメなんだよね」
「え、と。どうすればいいんだっけ…」

(拾ってくれた先生―岡部というニンゲンから教えられたこの世界のルールを思い出す)
(狩り―と彼女は呼ぶが、一般的に言う窃盗―はダメ)
(何かが欲しいと思えば、対価―金銭を支払う必要があること)

「これ、使えばいいんだっけ…」

(腰のポケットを開けば小さな巾着袋一つ。小銭がいくらかはいったそれを手に取り、出店と巾着の中身を交互に見やる)

クゥティシス > 「10…50…100、と…」

(巾着袋の中身を手に取り、書かれた数字を読み上げる)
(出店の看板に書いてある数字は―250)

「足りる、んだよ…ね?」

(手持ちの硬貨に書かれた数字が合計600。岡部の話してくれた通りなら問題ない筈)
(合計250になるように小銭を掴み、巾着を腰袋へとしまいこみ)

「……大丈夫、大丈夫。変なこと、してないよね…」

(一歩、大通りへと踏み出した)
(周囲を流れる人々と自分を見比べておかしなところはないか考える)
(大丈夫。何もおかしなことはない。自分はこの社会のルールにのっとって行動しようとしているだけ―)

「あー…何でこんなこと。ぱっと狩っちゃダメなのかなぁ」

(心臓が何かに縛られたように息苦しい)
(まさか狩りよりも緊張するだなんて思ってもみなかった)

(大通りの中。その姿はおかしくもなんともないだろうが)
(きょろきょろと辺りを見渡しては自分の姿を見て、先ほどからため息をついたり息を飲み込んだりしているのは大層怪しいことに彼女は気づかない)

ご案内:「学生通り」に楓森焔さんが現れました。
クゥティシス > 「―よしっ」

(こうして迷っていても誰も代わりにあの出店のケバブを買ってきてくれるわけでもない)
(ニンゲンの社会の中で生きてみると決めたのだ。自分で一歩を踏み出さなければ)

(一歩。を踏み出そうと思ったら、横から歩いてきた人にぶつかった)

「ぅわ、っと!ん、もぉ!なんだよぉ!」

(うー、と喉を鳴らして威嚇するも件の人物は人ごみに紛れていなくなってしまった)

「これだからニンゲンは―」

(と言いかけて思いとどまる。いけない。一括りにはしないのだと決めたのだ)
(たまたま、たまたまあの人が感じの悪い人間だっただけだ)

「よ、よし…気を取りなおし、てぇっ!?」

(ふるふると頭を振ってもう一度歩きだそうとしたところで今度は後ろからぶつかられてつんのめった)

「あっぶないなぁ!なにすんだよ!」

(と、叫んでみてもやはり件の人物はもう居ない)
(悔しいやら情けないやら)
(ぐ、と拳を握ってこみ上げる感情を抑え込む)

楓森焔 >  がらんごろんと学生通りに異質な足音が響く。
鉄だ。鉄製の履物――鉄下駄を履きながら学生通りを走る少女が一人。
あからさまに人の波が割れていく。
不審者を見る目つきか、それとも"ああ、いつものか"といった類のものかは分からないが、少女もその流れに乗りながら走っていた。
「ん?」
 人がざっと退けば、それにぶつかってしまう者が出るのも道理。
どうやらその波に呑まれてしまった少女がいる。亜人だろうか。
「おう、そこの。大丈夫か?」
 なにやら戸惑ったり怒ったり。はために放っておけ無さそうな様子の亜人の少女に、鉄下駄の少女――楓森焔は声をかけた。

クゥティシス > 「―っ!?」

(後ろから声をかけられて耳と尻尾が総毛立つ)
(先ほどから自分など居ないかのように人々は歩いていたというのに、まさか声をかけられるとは)
(びくびくと肩を竦めながら振り返り―)

「だ、だだ、大丈夫…だし!」

(とてもじゃないが大丈夫ではない声色で返事を返した)
(これまでなら構うな!とでも叫んで逃げ出していたのだが、今はそうもいかない)
(自分は人間社会に溶け込むと決めたのだから)

楓森焔 > 「大丈夫そうに見えねえけどな」
 けらけら歯を見せ笑いながら立ち止まる。
 相手の足元から頭まで、軽くざっと見たあと、ぽん、と手を叩いて。
「なるほど。あれだな? こっちに来たばっかって奴か」
 明らかにその所作はここに不慣れというか、緊張感を漂わせていた。
亜人であることを加味すると、こちらにきたばかりの異邦人――ということなのではなかろうか。
 そんな予想を立てながら腕を組んで。
「分かる。分かるぜー。俺もさー、こっちにきたばっかんときはどうしたらいいか全然分かんなかったし、異邦人?ならなおのことだろ」
 などと、うんうんと頷いて自己完結を始める。

クゥティシス > 「な、何でわかるの!?クゥ、そんなに変だった!?」

(不安も動揺も全部見透かされていたらしい)
(自分はそこまで浮いていたのかと問うも、気づいていないのは本人だけだ)

「こっちに…って…でも、貴女ニンゲンだよね?」
「此処のニンゲンは皆此処で生まれたんじゃないの??」

(この世界がこの島の外にも広がっており、人間が文明を築いていることなど知らないのだ)
(道着の少女の素性を測り兼ね、首を傾げれば尻尾が同じくふにゃりと傾く)

楓森焔 > 「割と変だったな!」
 相変わらずの笑顔を浮かべながら真っ向唐竹割りの勢いで言い切った。
しかしながら、その後の問いにはううん、と首をひねって。
「んー、まあここってわけじゃないぞ。えーっと……なんつったらいいのかな。
本州……つって通じそうにねえし、ええーーーっと」
 真剣に悩むこと十五秒。ばしん、と自分の腿を叩いたあと、
「海あんだろ、海。あそこをばーっとまたぐとデカい島があるのよ。俺はそっちの出身。ってか、ここに居る奴は多分そっち出身が多い、と思う」
 要するに日本の本州のことであるが、あまり頭のよくない彼女は一から説明しようとして、こんな大雑把な説明に落下した。
 こんな説明でいいかな?とことさら首を傾げつつも、自分なりに"良し"が出たらしく、再び笑顔を浮かべ直すと
「俺なんかはあそこの学園に通うためにこの島に来てな。一年生の楓森焔ってんだ、よろしくな!」
 学園を親指で差しつつ、握手を求めてみる。

クゥティシス > (焔の説明に逐一頷きながら、最後に感嘆の息を漏らした)
(どうやら此処は本格的に自分が居た世界とは別の場所らしい)
(海を隔てた先には故郷があるのではないかと思ったりもしたが―そういうわけでもない、と)

「―っ、え、えと。クゥ、はー…クゥティシス。クゥティシス・トトル・ラクィア」

(名乗り返し、差し出された手と焔を見比べ、ごくりと息を飲む)

「よろ、しく……?」

(おずおず、といった言葉がぴったりであろう)
(差し出された手の指先をそっと握って―)

(すぐに離した)

楓森焔 >  握られた指先。すぐ離されたあと、自分の手を見つめてぐーぱーと手を閉じたり開いたりしながら、
「おう、よろしくな! ……っと、あれか。握手ってのもわかんない感じ?」
 仲良くしようぜ、みたいな挨拶なんだよ。とか説明。
一人握手を実演、しようとして失敗する。左手と右手では当然である。 
 諦めて照れくさそうに頭を掻いた。
「あー。んで、こんなところでどうしたんだ? 用もなけりゃ、こんな人の多いところ歩きまわらないだろ、多分」
 恥ずかしさをごまかすように、本題に話を移す。

クゥティシス > 「ん、と。…あれ。あれ、欲しくて」
(指さす先には香ばしい匂いを発するケバブの屋台)

「これ、渡せばあのお肉貰えるんでしょ?」
「やってみようと思ってたんだけど。その、タイミングが…」
(手にした小銭を焔に見せて恥ずかしそうにうつむいた)
(この世界で当たり前に行われている行為一つに手間取る自分がひどく情けない)

「あの。ちょ、ちょっとお手本見せて!」
「違うの、一人じゃ出来ないとかそういうんじゃないけど!」
「ほら、あの、いきなりぶっつけ本番は!アレだし!」

(照れ隠しにまくし立てるも、焔には恐らくまるわかりだろう)
(要するに買い物なんて初めてて不安でいっぱいなのだ)

楓森焔 > 「おお、なるほどなあ! ケバブは美味いぜー、俺なんかこないだ二つ食っちゃってさ」
 その恥じるような彼女を気にすることなく、むしろ無神経そうに肩をばしばしと叩く。
「よし、任せろ任せろ! まあ簡単なもんだよ。見てな」
 意気揚々と屋台へ歩いて行く。
『おっちゃん! えーと、チキンでデカいの一個。んで、ソースは辛い奴』
 大声で、立てかけられたメニューを指さしながら注文しから金を払い。程なくして戻ってくる。
「な? 簡単なもんだろ? あそこは牛か鳥か選んで、デカさ選んで、あとはソース選ぶだけ。辛いの駄目ならヨーグルトソースとかいうのがいい」
 戦利品を掲げながら言うと、そのあたりのポールに腰を落ち着ける。
「ほら、行ってこいよ。折角だし一緒に食おうぜ」
 なんて、最後には背中を叩くだろう。

クゥティシス > (肩を、背中を叩かれるたびにびくりと震えるも、焔はそんなこと気にする様子もない)
(これがニンゲンのコミュニケーションの常道なのだろうか??)

(などと思っていると焔はいとも簡単にケバブを手にしたではないか)
(これなら―)

「わ、わかった。行ってくる…っ!」
(最後に背中を押され、ぎくしゃくと歩き出す)
(屋台の前に辿りつけば、店主が笑顔で「いらっしゃい!」と声をかける)

「あ、あのっ!!え、えっと!」
(牛、牛か鳥を選ぶんだ)

「牛!牛のお肉!おっきいの!」
(ソースを選ぶんだ。辛いのがダメなら―)

「よー…ヨーグル、ト?…で!」
(伝わっただろうか。焔の言葉に従い、最低限の言葉だけを並べるのが精いっぱい)
(顔は紅潮し、頬には汗が伝う)
(何とも情けない顔。そんな顔を見て、店主も何かを察したのか)

『あいよっ!ビーフのLでヨーグルトソースだね!』
(笑顔で注文を受けてくれるやさしさを見せてくれた)
(程なくして、ケバブを手にクゥティシスが駆け寄ってくる)

「で、出来たっ!!ほら、ほら!!クゥもご飯、狩りじゃなくて買い物で、手に入れた!!」

(初めて見たおもちゃを見てはしゃぐ子供のように)
(何とも言えない笑顔で駆け寄ってくる)

楓森焔 >  相手の一挙一動に手に汗握りつつ観戦。
 七難八苦の注文に、「よし、そこだ! いけ!」とかまるで試合を見ているかのような掛け声だ。
 彼女がケバブを買い終わって駆け寄ってくると、
「よっしゃー! ハイターッチ!」
 とかいいながら勢いで片手を上げた。
まさに勢い。伝われこの想い、といわんばかりの笑顔だ。
 それが成功するもしないもさておいて、それが終われば
「ま、とりあえずそっち座れよ。一緒に食おうぜ」
 なんて、隣の小さなベンチを指で差した。

クゥティシス > 「ハイターッチ!」
(掲げられた手に、自分の手を合わせて心地よい音を響かせる)
(言葉の意味は分からなかったけれど、きっとこれで正解。だってこんなに楽しい気持ちになれたのだから)

(指さされるままにベンチに腰掛けさっそく一口)
(口中に溢れる肉の旨みに、さわやかなヨーグルトソースの酸味がよく合う)
(目を輝かせて焔の方を見やり)

「これ…美味しい!」
「確かにこれなら二つ目も欲しくなるかも」
(うんうん、と頷きながらもう一口)

「…ね、ニンゲンはこんな美味しい物いつも食べてるの?」

楓森焔 > 「イエーイ!」
 手を打ち合わせれば、最高に気持のいい音が焔の頭を揺らす。
いいね、いいね、なんて身体を揺らしながら隣に座るクゥを見た。
 目を輝かせるようにケバフを食べる彼女に、別に関係のない彼女の胸もなんとなく踊った。
「だろ? 美味いもんだ。……こんなおいしいもの、か。
まあ確かにいろいろ食ってるよ。中にはマズイもんもあるけど、人の好き好きってな。
人間ってのはそういう美味いとか、楽しいとか、そういうのをツイキュー? するいきものらしいぜ」
 なんてもっともらしいことを言ってみるが、これは歴史の教師とテレビ番組の受け売りである。
 しかし、ほんとに不慣れなんだなあ、とか思いながらケバブをかじった。
「なあ、お前、ここの生徒なんだろ?」

クゥティシス > 「へー…楽しみを、追求…かぁ」
「クゥとは大分違うんだねー…」
(昨日までの自分は生きることに精いっぱいで、楽しみらしいものに目を向ける余裕などなかった)
(これからこうして人間社会で生きて行けば、そんな余裕も生まれるだろうか?)

「ん、うん。此間ね、転入してきたの」
「だからホントに何も知らないんだ。この学校のこと…ううん、ニンゲンたちのことも」
(ケバブを食べ終え、指先についたソースを舐めとりながら答える)

「あ、でもちょっとは知ってるよ?」
「こうやって何かが欲しい時は買い物しなきゃいけないってこととか…無暗に人の者を狩っちゃいけない、とか」

「あとはー…うん、焔みたいに良いニンゲンも結構いる、ってことも最近わかって来た」

楓森焔 >  自分とは違う、とつぶやく少女の言葉を神妙に、頷きながらとっくり聞くと。
「苦労してんだなあ~!」
 なんて、大きく息を吐いた。同情、というわけではない。
自分もそれなりに苦労したはずだが、彼女の苦労は多分それ以上だろう。
それを慮ると、思わず喉を息が突いたというだけのことで。
「はっは! まあ、いい人っぽいふりして近づく悪い奴もいるけどさ」
 足をぶらぶらと振りながら口元を拭った。
「お、そうだ」
 その指を、ぴっと立てて、名案とばかりにポールから飛び降りる。
「寮の俺の部屋か、俺の道場にこねえ? や、良かったらでいいし、アレだ、会ったばかりの奴のテーアン?をばっと受けるとは思えないんだけどよ」
「そうしたら、いろいろ教えられるしー……少なくとも、ここらよりは危ない奴は少ないと思うんだけど」

クゥティシス > 「どう、じょう?」
(聞きなれぬ言葉に首を傾げたが、それでも彼女の提案が自分にとって悪いものではないような気はする)
(色々と教えてもらいたいこともある。何せ見る物すべてが新鮮なのだ)

「ん、と…それじゃ、また今度お邪魔することにする!」
「場所だけ教えてもらってもいい?」

(腰袋から岡部にもらったこの街の地図を取り出して焔へと差し出した)

楓森焔 > 「ああ、えーっと……武術って言って分かるか? 危ない奴に襲われたとき、じゃあどうやって身を守るか! って感じの奴。それを教えてんだ。道場ってのは、要するにその学校みたいなもんかな」
 いざ、知らない相手に説明したらいいかがまったく分からなかった。
そのため護身術のような説明になってしまったが、まあ間違ってはいないだろう。
 クゥから地図を受け取ると、そのままさらさらっと場所を記して
「よしきた。もし来て、気に入ったら住処にしちまっていいから。
俺も一人だと何かと暇な時が多くてさ」
 なんて、ついでにルームシェアの提案をしつつ。
「あとはー、そうだな。烏丸九郎っていう、ここんとこがびっと赤くなってる髪の奴は信用できる。
もし会うことがあったら、俺の紹介だって言って頼っちまっていいぜ」
 髪にメッシュを入れた少年。判別に困らない程度に風貌を伝えつつ。
彼はいわゆる焔の生徒であるとか告げながら。
「よし、こんなもんだな!」
 ちょうどケバブも食べ終わったか、くしゃりと紙を丸めた。

クゥティシス > 「武術…」
(焔の説明を聞いて少し考える)
(この学園の生徒として編入したとはいえ、自分が追われていることには変わりない)
(ある程度自衛の手段がないわけでもないが、キチンとした戦い方を学んでおくのも良いのかもしれない)

「ん、わかった!道場に、クロウだね?覚えとく」
(こくこくと頷き、地図についでに「クロウ=いいひと」と書き加え)

「それじゃ、クゥはそろそろ行くね」
「あっちのも、向こうのも食べてみたいし!」
(立ち上がり、通りに並ぶ屋台やカフェを見て笑顔を浮かべ)

「それじゃ、ありがとねホムラ!」
「バイバーイ!」

(ぺこりと頭を下げ、大きく手を振って去っていく)
(あっちこっちの屋台に顔を出しつつ、結局岡部から貰ったお小遣いを使い果たし後日怒られたのは秘密)

楓森焔 > 「気になるなら、今度さわりでも教えてやるよ。
あ、食べられない部分はゴミ箱ってのに捨てるんだぜ」
 そう言いながら、ゴミ箱に包み紙を突っ込んで。
「よしよし、次に会う時が楽しみだな!」
 最後にもう一度クゥの背を叩き。
「あいよ、それじゃあな、クゥ! また今度!」
 手を振って、見えなくなるまで彼女を見送った。
 大変そうだけど、なんとかなってよかった。
できるだけ力になってやろうと心に決め、鉄下駄をがらごろと鳴らして走りだす。
ひとまず部屋でも片付けておくかなあ、とぼんやり考えた。

ご案内:「学生通り」からクゥティシスさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から楓森焔さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にチェシャさんが現れました。
チェシャ > 今日も今日とてふわふわは、行きつけのコンビニの前で
人が通るのを待ちながら箱座り

チェシャ > 「今日の~ふわふわのごあんは~なぁ~あ~にぃ~?」

等と、即興で自作したご飯の歌を歌いながら

チェシャ > そのうち、人が来なくてつまらないのか
ごろーんとお腹を丸出しにしながらアスファルトの上で伸びをして
ぽかぽかと温かい日差しの中、日向ぼっこをし始めた

ご案内:「学生通り」に遠峯生有子さんが現れました。
遠峯生有子 > そのふわふわのいきものは、
たとえばこんな感じにぽやぽや歩く少女を待ってはいただろうか。
休日だというのに図書館を訪れて、
目当ての本を借り終えて、岐路に着こうとしているような。

チェシャ > 日向ぼっこをしていたふわふわも
目の間を通る少女が来れば
(ごあんくれるひとかしら……?)
と、思いながら じーっと少女を見つめるのであった

遠峯生有子 >  その視線に気づいたのかもしれない。
 あるいは単に道端に転がるふわふわなるものに、見慣れた道端とはすこし違う様子に
 ふと注意を取られたのかもしれない。

 明らかなことは、その少女が
「ねこだー。」
 といいながらそのしろいものの脇にしゃがみこんだことである。
「ねこさんこんにちはー。」

チェシャ > 挨拶をされれば
「こんにちはー」と返しながら
手を振るかのように前足を挙げると、おいでおいでをする

「おねーちゃん今暇ー?
ふわふわと遊んでくれる人なのー?」
首を傾げる様にして、遊んで欲しいとねだるような口調で尋ねる

遠峯生有子 > 「喋ったー。
 わああ、喋れるねこさんだ。すごい。
 ふわふわちゃんっていうの?
 遊ぶって何するの?
 ねこじゃらしとかは私あんまり上手くないよ。」
 動物に普通に話しかける人間が、常に相手も人語を話すと想定しているわけではない。
 わけではなかったが、既にこの島へ来て3ヶ月も経過しようとしていれば、
 見たそれを信じないわけにもいかなかった。

チェシャ > 「うん、あのねーチェシャはねー、喋れる猫なのー
ふわふわはね、名前はチェシャって言うの
でもね、自分の事をふわふわっていうこともあるのよ
おねーちゃんの名前はー?チェシャにも教えてくれるー?

撫でてくれるだけでもいいの」
そういいながらごろーんとお腹を見せて、撫でやすい体制になる
とっても構って貰いたそうに目を向けながら

遠峯生有子 > 「あははー。ふわふわちゃんじゃなくてチェシャちゃんね。
 私は、ふゆこ、だよー。
 遠峯生有子っていうの。

 チェシャちゃんそんなとこに寝転んだら暑くないー?」
 撫でろというので遠慮なく。
 顎の下に手を入れてわっしわっしと撫でる。くすぐる。

チェシャ > 「うん、チェシャって言うの。でもねーふわふわちゃんっていうのでもいいのよ?
ふゆこちゃんね!チェシャはねー覚えたの!
遠峯生有子……うん、覚えた!

ううん、ここはねーぽかぽかしてお腹が暖まって気持ちいん
これから暑くなると嫌だけど今日みたいにちょっと涼しい日は
お腹ぽかぽかなのー」
そんな事を言いながら、撫でられれば嬉しそうにごろごろと喉を鳴らして

「やなぁぁぁぁぁんっ……!きもちぃぃんねー、ふゆこちゃんはとっても撫でるのが上手なんねー!」

遠峯生有子 >  にこにこと、チェシャのいうことを聞きながら、少し考え、
「んー。でもちゃんと名前があるならそっちで呼ぶよ。」

「猫って居心地のいいところ、
 すごく知ってるんだね。
 暑くないならいいや。」

 いいやっていうのはつまり、下げていた鞄を下ろし、
 両手でおなかのひときわふわふわなところをさすりさすり。

「撫でるの上手?
 あはは、ねこさんの感想聞いたの初めてだー。」

チェシャ > 「うんーわかったわー

うん、あのね。ちゃんと気持ちいい時だけアスファルトで寝っ転がるんだよ
暑いときはねー、アスファルトに居ると肉球火傷しちゃいそうなの……
だからねー、そういう時は木陰の涼しい所が好きー」

そんな事を言いながら、両手でお腹を撫でられれば気持ち良さそうにとろんと目を細める
きっと、生有子の方ももしかしたら
手入れの行きとどいた、艶のあるふんわりとした触り心地が気持ちいいかもしれない

「うん……上手ねー……上手だからねぇ
ふわふわねんねしたくなっちゃったん……」
そんな事を言いながら、完全に目を閉じ始めて
気持ち良さそうに 本格的に寝始めてしまった

遠峯生有子 > 「チェシャちゃんてなんかすごく綺麗だね。
 ずっと外にいるわけじゃないのかなー。
 実はどこかのおうちの猫?」

 ふわふわふわ。きもちいい。顔をうずめたいくらい。さすがに実行には移さないが。

 そうして撫でている間にそのふわふわした生き物がとろーんと
 夢の世界へと蕩けてしまったことに気づく。
(寝ちゃったー。)
 起こさないように、顎の下を軽くこちょこちょと撫でる。