2015/07/05 のログ
ご案内:「学生通り」に九耀茉莉さんが現れました。
九耀茉莉 > かつり、かつり、かつり、かつり。

夜の学生通りに、足音が響く。
道を往くのは、黒ずくめの少女。

時折誰かとすれ違うも、まるで気に留める事も無い。
ただ、少女は道を往く。

九耀茉莉 > 「………ここも、はずれ。」

呆と、呟く。
探し人は見つからない。

此処は治安も良いのか、不躾に絡んでくる男も居ない。
声を掛けて来る数少ない人間も、全員が親切心や心配からのものだった。
他人からどう見られようが特に気にもならないが、流石に子供扱いされて警察を呼ばれるのは面白くない。
童顔らしいのは少し自覚があるが、こんな弊害があるとは。

九耀茉莉 > また、誰かとすれ違う。
誰なのかはどうでもいい。

「お兄様」でないなら、誰だって同じだ。

「…やはり、治安が悪い所を探した方がいいのかしら。」

冷静に考えると、自分の探し人がこんな治安の良い場所に居る可能性が想像出来ない。
このような場所を拠点にするには、雑多な手続きが多い。
……彼に、そんな手続きが出来るような基盤は無い筈。
ならば、やはり治安が悪くとも、そういった手続きが要求されない場所に居る可能性が現実的だった。

九耀茉莉 > 「……いけない。思考の硬直化は落とし穴に嵌るわ。」

頭を振って、固まりかけた思考をバラバラにする。
もし、何らかの手立てでこの世界に基盤を持っていたら?
もし、何処かの誰かの親切心で匿われていたら?
もし、この世界の誰かの戸籍等を運良く手に入れる事が出来ていたら?
先程の思考は、根本から裏切られる。

そう、世の中は、意外と自分が思う通り進むものではない。