2015/07/22 のログ
ご案内:「学生通り」に模下 紫さんが現れました。
模下 紫 > 学校から自宅へと続く道の一つ一つが、如何なる理由で曲がり、重なり、枝分かれするのか。
それが当時の最高利益を求めた結果が今の形であろうと、決して多くもない帰り道の選択肢には。
ちょっと回り道になるから距離が遠くなる。そんなルートが確かに存在していた。

「界隈の事象が実現するなんて、さすがの私も驚き慄くって。さ。これで例の機械も機能の諸説も君の悩みも全部吹っ飛ぶわけでしょ?」

策に囲われた深めの水路を横に添えて、反対側には時折自動車が慌しげに通り去っていく。見慣れた光景。

効率社会から逸れた人気の薄いこの場所は、所為彼女のお気に入りだった。
薄手の夏制服に、季節はずれのセーターを重ね着していても、歩き電話をしようとも。周囲から送られてくるシロい視線は少ない。
ポケットからチョコ菓子を取り出す。彼女を咎める正しき一般市民達の思考論理をここでは感じずに済むのだ。

「帰り道なら当然か……。え、うん、聞いてる聞いてる。大丈夫だよ、昨日のあれはちゃんと家にしまってあるし、罰もあたってない…しっ!?」

よろめく。

「…んー、強いて言うなら、そうだね。お菓子が食べたいね」

彼女の身体と紙一重の位置を、まごつきながら通り抜けていった自転車の主がこちらを睨む。同い年か少し年下くらいだ。
落としたチョコ菓子には既に先客が何匹が集っていた。3秒ルールを適用する気にはなれない。ポケットは空。
頭頂部辺りからわざとらしく跳ねている一房の髪がしおれた。

ご案内:「学生通り」に影山過負荷さんが現れました。
模下 紫 > 「家に帰ればそりゃあるけど。でもさっきまで私の手の中にあったお菓子はもうないし。失ったものは戻ってこないんだよ。悲しいね。
え、戻ってくるって?そういえばそうだったっけ。 物による?」

この辺りは大体休祝日を利用した散歩、もとい時間つぶしで地形把握をしてしまった。
二つ目の信号を本来右に曲がるのを、真っ直ぐ歩いておおよそ…何分かは覚えていない。手ごろな位置に著名チェーンのコンビニがある。
ただそこには目的のお菓子が売っているかまで把握していない。入ったことがないからだ。
確実性を取るとするなら。
もう一つの候補である、学校からここまでの距離を半分ほど戻るとあるコンビニ。そこでついさっき食べようとしたものを買ったのだから。
でも来た道を戻るということは、さらにそこからUターンをするということ。一日に何度同じ道を通ればいいのだろう。
それなら他は?
家を通り過ぎて住宅街を抜けると、開けた辺りにそういえばショッピングモールがあった気がする。自転車でも充分すぎる距離にある。
現在徒歩。これを選ぶ必要性は薄い。

これ以上無いほどこの先の人生に影響の薄そうなルート選択に頭を悩ませつつ、道を歩く。歩く。
電話はもう切れてしまっていた。用事はいつのまにか終わってしまっていたらしい。

影山過負荷 > カリ……カリ……

犬歯を咥えているポップキャンディに立て、ゆるやかに噛みながら近くを通る
あの子凄い寝癖だなぁ…等と思いながらも、道が同じなのか少し後ろを歩いていた

ああ…言わんこっちゃない、電話しながら歩いているからだ
目の前でチョコを取り落とした少女を見ながら、ぽけっとした顔でそれを見ていた
帰宅する時に他人をよく観察する癖なんて無いのだが、その背中から伝わってくる悲しさと
それに合わせて萎むアホ毛とも言うべき髪が何とも哀愁を誘う

「………」
ごそごそと自分のポケットを探る、取り出したのは棒つきの飴だ
自分が咥えている物と同じで、包み紙にはイチゴと書かれている
歩調を少し速める

相手と並んだ所で、おもむろにそれを少女の前に差し出してみる
「………ん。」

相手は電話中だ、なので話しかけたりするのは失礼だろう
いきなり飴を差し出してる時点で失礼も何もないと思うが
横合いから、そっと出し、どうぞ?と言う様に、少女に目で語りかけてみようと
それから、怪しい者じゃないよと、ニコ…と取り繕うように笑いかける

模下 紫 > 「よし決めた。今日はもう諦めて帰…る?」

面倒くさい。というあまりに強大な意見によりようやく考えに纏まりがつき始めてきたころ。
人の気配を感じて、顔を上げてみる。
恐らく作り笑いであろうぎこちない表情の少年と、差し出された棒つき飴。
これはもしかして、捨て犬にお前も一人か…?俺もだ。と雨の中傘を差し出す不良少年の犬役を請け負ったのではないのだろうか。
と、飴を受け取りつつ女は考える。
というか受け取ってしまった。女は自分の浅はかさに逆に驚いた。

電話はもう切れている。

「食べていいの? これ。」

立ち止まって少年へと問いかける。
そういえばどこかで見たことのあるような気もする。というか、制服からして学園内だろうか。
ただ別段彼に限った話ではなく。この女は覚えよう。とした対象以外、あまり物覚えがいい方ではないのだ。

「食べて良いならたべちゃうけど。 君、すごいお菓子のにおいがするね」

毒があるかを疑っている様子もなく、初対面である事に過敏に反応するほど神経質でもない。
むしろその壁は比較的緩く脆いほうであり、かといって遠慮をするわけでもなく。だからこそ口から出たのはそんな素直な感想。
思ったことをそのまま口に出しただけ。

影山過負荷 > 「おそらく高校生にもなるというのにチョコを落として項垂れている女の子に飴を差し出して
 食べちゃダメってのは相当な悪党だな、僕は悪党に見えるか?」

ほれ、どうぞ、とでも言うように差し出した飴は、特に警戒もなく受け取ってもらえた
よかった、いきなり知らない人、しかも女の子に飴を差し出すというのはそれだけで結構な非日常であり
拒否された時の家に帰って飲むジュースの味を想像すると悲しいものがある
会話した事は無いはず、だからやっぱり知らない子だ、とその顔をまじまじと見て

「君は鼻が利くな…女子力を犠牲に嗅覚を得たのかい?」
ポケットを叩くと…叩かなくてもゴソゴソと探るだけで袋に詰まったアソートのビスケットが出てくる
チョコのチップがついたやつだ。
他にもいくつか入っている、キャラメルとか他愛ない駄菓子類
伊達にこんな季節にジャケットを着ていない

「いや…凄い感情豊かな背中だったから、つい餌を与えてしまいたくなったんだよ
 特にこれといった他意は無いんだぜ、ただ、歩きながら電話は…控えた方がいいな
 大事な電話だったなら仕方ないかもしれないけどな。」

ヒョイ、とビスケットの包みを少女に山なりにパスし、餌付けを試みながら
そう言ってニッと歯を見せた

模下 紫 > 「ふつーは、物珍しそうに目を向けるだけで放置しておくだろうしぃ。それを悪党だー、なんていう気も勿論ないさ」
「君を悪党だとも思わないよ。お人よしだなーって思う、これ美味しいね」

向こうが判別のためか、こちらを観察し返しているのを理解しても、特に拒否的な反応を見せるわけではなかったが。
視線だけはかならず貴方と噛み合わないよう逃げていく。
不器用に剥ぎ取られた包みをポケットに突っ込んで、棒部分が半分程度外に出るくらいまで飴を含む。
気まぐれに舌で転がした。高級感こそ感じない、しかし口内の退屈を凌ぐにはあまりにも充分すぎる。

「餌…」

やっぱり犬扱いじゃないか。失礼な私は人科の生物だ。と答えようとして。気が他にそれた。

「いつなんどきかかさず大事な電話なんだ。車に轢かれるかもしれない超隕石的マイクロリスクをカデンシ2,3個程度引き上げるくらいじゃ。
私の歩き電話を止めさせることはできない。できないけど」

ビスケットを受け取る。
女のセーターに不自然なく収まるお菓子は最大で15個だ。彼のジャケットも中々の猛者であると若干のライバル心を抱きつつ。
飴と同時に頬張るのも息苦しいだろうと、保持を決めて、不意に歩き出した。目的地への道が同じとは限らないが。
分かれ道はもう少し先だ。
今日は偶然不足させていただけで、いわゆる体調不良に近いコンディションだった、と内心で言い訳をする。

「ところで、何年生?」

同じ学校の制服を着ているから。ふと気になったらしい。

影山過負荷 > 「まあな、それが現代日本って奴だ、人と人には隔たりがある、悲しいことだぜ
 でも頭が菓子パンで出来てるオーガニックヒーローだって、カバの子供が落ち込んでたら自分の顔を引きちぎるだろ
 それと同じ事さ」
「それ旨いだろ、新製品なんだ」

よくわからないカトゥーンの例え話をしながら
ガリ、と自分も自分の口の中の飴を噛み砕く、子供だましめいてキツい甘さが口に広がった

「年頃の乙女に餌は失礼だったかな。へへ」
悪い悪い、と笑ってごまかすように後頭部をポリポリと掻き

「そりゃ…アルマゲドンの最中に災難だったな、補給は大事だ、まあ糖分でも取って落ち着けよ
 その…アホ毛を神様と見込んでお布施だ」
先ほど萎れていた頭の上のアンテナは今はどんな具合なのか
人差し指で示して

「1年だよ、1年の影山過負荷ってんだ、先輩でしたぁ。とか言わないよな
 大丈夫、もし君が3年だったとしても、成長期ってのは遅れてやってくるもんだから」
万一の可能性を考え、先に少女の身体的印象にフォローを入れながら
自己紹介を軽くした、特にどうという縁でもないけれども、挨拶は大事だ

模下 紫 > 「棒つき飴一つあれば、顔の原料が小麦粉じゃなくたってヒーローかぁ。きょーみぶかいね。事実私の気分が晴れたあたり」
「ふぅん。新製品かぁ」

基本ストックしてあるものにはチョコ菓子が多く、理由も勿論他ジャンルのものより好きだから。
棒つき飴がそこに加わるかはこれからの気分次第だろう。
手元を見て、そういえばビスケットも無ければヒーローには一歩届かないな、と。

「ご利益はないと思うよ?」

逸れものの髪の房がどうなっているかと言えば回っていた。
くるくると。飛行する気の一切見られないプロペラのように。人差し指に反応した様子はない。、

「あ、一年生なんだ。それじゃ同学年。名前は模下 紫と仮定する。よって先輩ではないQED。
背の高さなんてバレーがちょっと有利になるだけで、一般的な社会生活に有利な点なんてそんなにないよ。
そうでしょ?そうだよね?」

背丈についての話のみではある。が、勿論貴方の言葉の意味はいかんせん意図を察するのに疎い女でも理解していた。
口の回転も、髪の回転も少し速くなる。
小さくなった飴が強度を失って口内で砕けた。しつこいほどの苺の甘さが舌を痺れさせる。好みだ。

「でも名前を聞いたことはないから、別分野かなー。あ、もし今度あったら、私の精鋭たちを恵んであげよう。主にチョコ」

影山過負荷 > 「僕はヒーローじゃなくて、ただの通りすがりだけどな、お役に立てて何より
 一日一善って言うだろ、良いことすれば自分にいつか返ってくる」

パチン、と指を弾いて天を指差す
いいことがあるのかないのか、押し売り気味でも善は善だ

「いやあ、何か益体がありそうじゃねえか、信仰ってのは鍋の蓋でも神だと思えば神なんだよ」
すごい物理学だ。クルクル踊る一房を見つめていた

「模下だな、僕の頭の中の持って回った喋り方をする美少女フォルダに保存しておくぜ
 ああ、ああ…わかってる、想像は自由だ、現実がどうであれ、空想するのは悪い事じゃない
 僕から言えるのは、数値が高い事が武器になるとは限らないという事だ」

大丈夫だ、十分需要はあると思う、銃だって戦国時代じゃ弓の方が強いと思われていたし
きっとその手の人には少女の武器も攻撃力があるのだろう
あえて深くは言わず、この話を置いといて、とジェスチャーし

「分野?よくわからないな…僕は普通科だけど…
 まあチョコには期待しておこう、4月じゃなくても女の子からチョコを貰うというのは悪い気はしないな」
他に生徒の区分なんてあったかな?と思案顔でそう返しながら
気付けば足並みを揃えていたのかもしれない

模下 紫 > 社会への反骨心を滲み出させているような外装に反して随分と好青年的な思考回路を持っている。
年齢相応というよりは、むしろ親や教師世代に多そうな類。
偽善者云々皮肉を吐き捨てる、善を行う人間は救われる、なんて無責任千万な賛同をする。
そのどちらも必要はないな、と踏んだ彼女はただ

「だといいね」

と曖昧な返答を残した。

「まさにその通り。イグザクトリーも水平線を真っ先に越えていくよ。
数値の軽量化は機能の向上や内容量の拡大と等号を結んでも何ら不自然ではないはずだからね。うんうん。」

満足げに頷いた彼女は、美少女フォルダ、という不穏な単語への追求するため。言葉を幾つか用意しようとして。
やめた。健全な青少年には追い求めるものがあるのだろう。という勝手な納得に留めておく。
ちなみに、彼女自身も弓と銃どちらかを選べ、と問われたら真っ先に銃を選ぶだろう。
世論とは非情である。

「まぁ、断られちゃっても、それこそ中に毒でも仕込むような悪党に見える?って聞き返さなきゃいけないわけだしねぇ」

そもそも彼が帰宅途中なのか単に居合わせただけなのか定かではなかった。とはいえ分かれ道も近い。
他愛のない雑談は、いづれ他愛のない終わりを迎えるのだろうが。
それまではなんとなく、例えばビスケットを食べ終わるくらいの間までは、続くのかもしれない。

影山過負荷 > 「だろ?ちょっと返してもらいたいものがあってさ」

結局利益云々に繋がるのだから、独善的な話になるかもしれないが
あくまでたらればの話、精神性の問題だ
いい事を積み重ねて、返して貰う、そう思わなきゃ生きてはいられない

「そうだね、軽量なのはいい事だ、時代は軽量だ、その通り
 君はすばらしい武器を持っている、魅力のあるレディーに違いない!
 そんなレディーと帰り道を一緒できて、僕はなんて幸せなんだ」

持ち上げていくスタイル
僕はどちらかというとフラットボディが好きだし
そう思えば彼女も立派な美少女に間違いないのではないだろうか
いや計ったことは無いから実は凄いのかもしれないが、今は彼女が凄い美少女だ
という確定ロールを突き詰めていく

「なんか僕が恥ずかしい台詞を言ったみたいだな、権利を主張したい」



「じゃ、僕はこっちだから。またどこかで会う事もあるだろう」
そうしてどれぐらい歩いただろうか、他愛ない話をしたかもしれないし
何も話さなかったのかもしれないが、分かれ道。
少女に手を振り、またどこかで会おう等と胡乱な話を取り付け、背中を向けた

ご案内:「学生通り」から模下 紫さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から影山過負荷さんが去りました。