2015/08/01 のログ
ご案内:「学生通り」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (夏休みに入ったというのに見まわりである)
(普段から休みは不定期なのでそんなに関係ないのである)
(ただトレーニングにさく時間が多く取れるのは嬉しい事である)
今日も平和だ。
(実家に帰るなどしたのか、心なしか学生たちの数が少ないようにも見える)
(歓楽街なら逆に人も多いだろうか)
■佐伯貴子 > (部活などで学園に行く生徒もいるだろう)
(とりあえず危険なことは起こらなさそうだ)
暑いな…
(じりじり照りつける日差しさえなければ夏休みバンザイなのだが)
■佐伯貴子 > (浜辺の監視員の仕事は希望者殺到で仕事にありつけなかった)
(風紀委員だって学生だ、夏を満喫したいのだろう)
(それは自分だって同じだった)
(帰るべき実家といえる場所もないし、せいぜいこの島で楽しみたいものだ)
(とぼとぼ歩く)
■佐伯貴子 > (ひと通りこの辺りを回ったらカフェにでもよって冷たいものを食べよう)
(その欲望だけが自分を支えていた)
(暑い)
水ようかんとか…いいな…
(不意に風鈴の音が聞こえたような気がした)
(セミが鳴いている)
ご案内:「学生通り」に神宮司ちはやさんが現れました。
■神宮司ちはや > 同じようにうだる暑さの中をとぼとぼとちはやは歩く。
今日の特別講習に出席したその帰り道であったが、
やはり日差しが暑い。容赦無い。私服のポロシャツも汗が張り付いてちょっと気持ち悪い感じがする。
少し俯きながら道を歩いていたせいで、曲がり角に来た時
向こうから貴子が歩いてくることに気付かなかった。
そのまま道を曲がれば出会い頭にぶつかるだろう。
■佐伯貴子 > おおっと。
(だらだら歩いていたとはいえ、運動神経や反射神経などは良い方だ)
(神宮司の両肩に軽く手を添え急ブレーキ)
危なかったな。
すまん、私の不注意だ。
(手を離して一歩下がると軽く頭を下げる)
(こう暑くては注意力散漫になるのは当然とも言える)
■神宮司ちはや > 貴子のとっさの急ブレーキと、肩に手を置かれたことにびっくりして
「にゃうっ?!」
謎の奇声をあげつつ、無事に衝突を免れる。が、持っていたかばんをびっくりした余波で取り落とし、
運悪くかばんの口が緩んでいたせいか、地面に落ちると中身が散乱した。
ノート、筆記用具、教科書、携帯電話(今どき珍しい二つ折り)、お財布、ティッシュ、タオルなど……
あわあわと貴子と散乱した荷物を見比べ
「い、いいえぼくこそぼーっとしててごめんなさい!」
同じように頭を下げて詫びると、慌てて屈んで荷物を拾い集め始める。
■佐伯貴子 > ああ、なんかすまん…
(相手の様子を見て軽く頭を掻いたあと、しゃがみこんで荷物を拾うのを手伝う)
お互いちゃんと前を見て歩かなければな。
私は2年の佐伯貴子という。
(所属は制服を見ればわかるだろう)
(貴重品らしきものにはなるべく触らないように、無難なものを拾う)
■神宮司ちはや > 「あ、いえ本当に……ごめんなさい。ぼくちょっと抜けてて
よくこういう失敗ばかりしちゃうんです。
だから気にしないでください……」
苦笑いしつつ、荷物を拾うのを手伝ってもらえると嬉しそうに貴子を見る。
あらかたかばんにしまい終えると、また肩にかけてしっかり口を閉じた。
「本当に、すみませんでした。ありがとうございます。
2年の佐伯貴子さん……佐伯先輩、ですね。
ぼくは1年の神宮司ちはやといいます。式典委員の所属で……
先輩は、風紀……の方ですか?その制服。見回りだったんでしょうか?」
深々と相手に頭を下げて礼をするとちらりと相手の制服に視線を投げる。
遠目からでも目立つ色だから、なんとなく風紀の物々しさとして覚えていた制服だ。
■佐伯貴子 > 気にするな。
多少抜けてても自分なりに頑張っていれば周りが助けてくれるさ。
私がそうだからな。
(笑顔を返す)
(悪い人間ではなさそうだ)
そう何度も謝るな、いいって。
神宮司か、よろしくな。
式典委員には世話になっている。
文化祭もよろしく頼むぞ。
(制服の襟をつまみ)
これか、これで街中を歩いていると普通の学生はちょっと安心するかもと思ってな。
見回り「のようなもの」だ。
■神宮司ちはや > 「あ、ありがとうございます。佐伯先輩……」
彼女の毅然とした物言いと凛とした態度は
へなちょこ男子のちはやにはかなり眩しく映った。
優しい言葉をかけられたなら、少し照れたように微笑み返す。
「よろしくお願いします。佐伯先輩。
式典委員会でも風紀の人達には警備などでお世話になっていますし……お互い様です。
そうですね、確かにその制服なら目を引きますね。
あ、じゃあ今お仕事中だったんですか……?ええっと、その……
もしお暇があれば先ほどのお礼で、何か少しお返ししたいんですけれど……。
この先に、ぼくが好きな水ようかんのお店があるんです」
もし、よければなんですけど……。と小さく呟きながら恐る恐る相手の様子を伺う。
真面目そうな相手だから断られるかもしれない。
■佐伯貴子 > (実のところ佐伯貴子の中身は大したことないのだが)
(言葉遣いや態度から勘違いされることが多い)
式典委員が頑張ってるから警護する意味もあるのさ。
礼をされるほどのことはしていないが…
水ようかん!?
(過剰に反応した)
あ、ああ…ちょっとしか付き合えないし、おごってもらうわけにも行かないが…
水ようかんなら行こう。
(少し興奮気味で顔が赤い)
(甘味には目がないのであった)
■神宮司ちはや > 過剰に反応する貴子にきょとんと目を丸くしたが
了承がとれたなら嬉しそうに笑う。
「あ、良かったです。ではそう遠くないのでご案内しますね。
お忙しいなか、時間を割いて頂いてありがとうございます。」
貴子の一歩先をとことこと案内するように歩き出す。
暫く日陰が落ちる道を器用に見つけながら歩くと、
ひなびた和風の木造建築、入り口はレトロな感じの漂う喫茶店がぽつんと見えるだろう。
看板の下に『氷』と書かれた小さな旗が翻っている。
「ここです、緑茶とかあんこのお菓子がおいしいって聞いて言ってみたら本当に美味しかったんです」
振り返って貴子にそう話すとなれた様子でガラスがはまった引き戸をがらがらと開けて入店した。
■佐伯貴子 > そんな、いちいち丁寧な口調を使わなくてもいいぞ。
息苦しくないか?
私に敬語は使わなくてもいいし貴子ちゃんとでも呼んでくれていいんだぞ。
(などと、うっかりしている割にはしっかりしている相手に声をかけながら歩く)
ありがたい…和菓子系の甘いものはあんまり食べていなかったからな。
(嬉しそうな顔で店を見れば、いかにもといった感じだ)
(続いて入店する)
私は水ようかんと麦茶でも頼もうと思うが、神宮司は?
■神宮司ちはや > 「ええ?貴子ちゃん?ですか……?
あ、いえ目上の人とか年上の人にはだいたいいつもこんな話し方なんです。
……ちょっと堅苦しいな、って思われるなら頑張ってみますけど」
ちょっとびっくりしたような顔でそう言うもどこか親しげな相手に嬉しそうに笑う。
店員に案内された二人用の対面の席に着けば、メニューを少しだけ眺めつつ
「じゃあぼくも先輩と同じ水ようかんで、水出しほうじ茶にします」
二人分の注文を店員に頼むと、改めてちょっと緊張したように姿勢を正す。
「先輩ももしかして和菓子お好きなんですか?ぼくもケーキより、和菓子のほうが好きなんです」
■佐伯貴子 > まあ、君の自由だから強制する気はないが…
頑張るほどのことなら頑張らなくていいよ。
(こちらが慣れればいいだけの話である)
(席に付けばメニューをちらりと見る)
こんな店があったなんてな。
(注文が終われば店内を見回す)
(テレビで見た古き好き日本といった風情だ)
どちらが好き、ということはない。
どちらも別々な味わいがあるし、暑い時にはケーキより水ようかん。
団子よりパフェ…だ。
ただ、あまり珍しいメニューは頼むのをためらってしまうな。
(甘味にはそれなりにこだわりがあるのだ)
(そわそわした気分を隠しながら運ばれてくるのを待つ)
■神宮司ちはや > 「あ、じゃあえーとだんだんと……という感じで」
気弱そうにそう笑う。
店内を珍しげに見回す貴子に頷いて
「ぼくも最初に見た時びっくりしました。
なんだか学園はどこも先進的っていうか都会!っていう感じで……
だから田舎みたいに懐かしいここのお店は、本当にホっと出来て好きなんです」
わざわざ内装とか建物とか、店長さんが拘って建てたそうですと付け加えた。
「うーんと、それじゃあ甘いもの自体が結構お好きなんですね。
ここだと、おまんじゅうとか抹茶パフェとか、宇治金時とかかなぁ……。
あんこがのっているものはだいたい美味しいですよ。あまりしつこくない甘さで」
そうこう話しているうちに店員が二人の注文の品を持ってくる。
ガラスの器に盛られたぷるんとしたまあるい水ようかん。
それと、和食器のタンブラーに注がれた麦茶、グラスに入ったほうじ茶だ。
■佐伯貴子 > そうだな…
こんな店には初めてくるが、どこか懐かしい感じがするな。
君はいい趣味をしている。
私もここに通おう。
(なるほどというように頷きながら聞く)
ほう、その様子だと常連なのかな。
抹茶パフェには挑戦してみよう。
あんこが美味しいと外れを引くことはなさそうだな。
(などと話していると、お待ちかねが運ばれてくる)
…いただきます。
(手を合わせてそういうと、水ようかんを切り分け口に運ぶ)
(ぷるんとした食感、冷たすぎないのに涼を感じさせる温感)
(存在感はありながらとろけていくような甘い食感)
おいしい…!
(小さく、だが強く呟いた)
■神宮司ちはや > 褒められたことが嬉しいのか、少しはにかんで笑う。
貴子が一口水ようかんを食べて、うなったのを見てホッとした様子で自分もスプーンをとった。
「えへへ、お口にあったようで良かったです。頂きます」
小さく救い上げた水ようかんを頬張ると、上品な甘さが伝わってくる。涼し気なのどごし、舌触り。
うん、変わらずにやっぱりここのお菓子はなんでも美味しい。
その後、貴子とはいろんな甘いもののお話だとか他愛もないことをちょっとずつ喋った。
すっかり二人が水ようかんを食べ、お茶を頂いて満足したあと、
せっかくだからと二人分の会計を済ませ店を出る。
「さっきのお礼、ですから気にしないでくださいね」
そう言って店の入口で財布をしまい、貴子に向き直る。
■佐伯貴子 > (水ようかんに求められる全てを内包した水ようかん)
(これはなかなか貴重だ)
(そして麦茶、甘味を邪魔しない程度の風味としっかりしたコク)
(どれをとっても満足の行く味だった)
(そして、甘いものの話になると様々な持論を述べ)
(会計を支払われると敗北感を味わった)
気にする。
次は私が奢る。
次にあった時は決して財布を出すんじゃないぞ。
(言葉は強いが、腹と心が満たされていたこともあり、口調は穏やかだ)
では、いつまでもサボっていられないのでな。
ごちそうさま。
またいずれ。
(店の扉を開け、手を振ると笑顔でその場を後にするのであった――)
ご案内:「学生通り」から佐伯貴子さんが去りました。
■神宮司ちはや > 存外きりっとした口調でそう言い出されてしまっては
気の弱い自分では断りきれず曖昧に笑って頷いてしまった。
貴子と店を出た先で
「はい先輩もお気をつけて、お疲れ様です。
また今度、甘いモノを食べましょうね」
そう言って、ぺこりと頭を下げ貴子の毅然とした後ろ姿が去って行くまで見送った。
そろそろ自分も寮に戻ろう。お茶を頂いたおかげで気力も元気も戻ってきた。
しばらくはアスファルトの道のりだって何とかなりそうだ。
ご案内:「学生通り」から神宮司ちはやさんが去りました。