2015/09/15 のログ
ご案内:「学生通り」に『ナイト』さんが現れました。
■『ナイト』 > 学生街のメインストリートは今日も平和だ。
先日『モンク』が暴れて以来は、特にこれといった騒ぎは起きていない。
高級住宅や店などが並び立ち、あらゆる人々が行き交っている。
──さて。
金色の長髪を靡かせ、青い甲冑を纏った騎士が、宝具『イービル・エクスカリバー』を堂々と地面に突き刺し、ベンチに腰掛ける。
そして偉そうに、通行人を見渡した。
ここにいつ奴は大半は、雑魚だろうか。
異能を持つ奴、魔術に優れる奴、武術に自信がある奴。
それぞれいる事だろう。
だが、大半はただの雑魚だ。
「この私『ナイト』を喜ばせる強き者は現れないのですか。
是非とも、この『イービル・エクスカリバー』の餌食にしたいのですがね」
遠慮する事なく言ったものだから、偶然聞こえていた通行人の女性がどん引きしていた。
ご案内:「学生通り」に久藤 嵯督さんが現れました。
■久藤 嵯督 > 強者の気配がするかと言われれば、そうでもない。
むしろ、気配さえ殆どしないと言ってもいい。
その足音はいやに静かで、それに地獄を切り裂くような眼光。
その大半の中に嵌まらない人間である事は明白。
パトロールの途中で明らかな不信人物を見かけて、はぁと溜め息をつく。
大方人間社会をよく理解していない手合いか。そうだとしたら実に面倒だが、これも仕事だ。
やや強い風に白金の単髪を揺らしながら、甲冑の女のもとへと歩いて行った。
「おい、そこの。何のつもりかは知らんが、刃物は鞘に収めろ。
警告の無視は敵対行為と見做す」
ご案内:「学生通り」に寄月 秋輝さんが現れました。
■寄月 秋輝 >
「敵対とは違うと思いますが」
横からひょっこり顔を出す。
周囲の通行人にそれとなく離れるように指示しながら。
「それ、例の七人の『英霊』ですよ。
不審人物に扮するにしてもわかりやすいですが」
風紀委員から嘱託員としての権限で仕入れた情報を、携帯端末片手に呟く。
面倒なほうの仕事に当たった、と言わんばかりの目で騎士を見つめている。
■『ナイト』 > その白金の髪をした男は気配もなく近づいてくる。
足音が静かでありながら、その眼光は鋭い。
そこには強者の風格は感じられない。
そうは言っても、ただの雑魚だと切り捨てるのは早計。
『ナイト』は久藤嵯督を一瞥すると、表情を変える事なく問うた。
「お前は、強き者がどこにいるか知っているのですか?
知っているのならば、教えていただきたいところです」
警告を完全スルーで話を進める。
もはや、警告など最初から聞いていない、そんな風でもあった。
ただ堂々とした態度を崩さず、特に形相を変化させる事もなく、淡々とした口調だ。
横からひょっこり現れる寄月秋輝にも視線を向ける。
「英霊はかなり知れ渡ってしまったようですね。
他の連中が暴れすぎましたか。
そんな事は、私にとってはどうでもいい事ですけどね。
お前は強き者ですか?」
微動だにせず質問する。
■久藤 嵯督 >
「はて、この女らしき人物は報告に挙がっていないハズだが……
七英霊の書を読んだクチか?」
目の前の存在が霊であるかどうかの判別は、魔力や霊力と言った要素を持たない嵯督にとって難しい事。
この青年は見て判断したのか、それとも本当に情報を以って理解したのか。
少なくとも、目の前にいる女は自らが『英霊』であることを自称した。
完全には信用せずに、兎も角今はそれを前提として話を進める事にする。
もし報告が真であれば、警告しても無駄だろう。
「強き者か。ああ、心当たりならあるとも。
確か、ここからずっと西へ行ったところにある未開拓地区……そこにある荒野に行くと言っていた。
"そいつ"なら、お前を満足させてくれるかもしれんぞ。どうだ?」
『教える』と言うよりは『誘う』ような言い草。
よく見れば、口元が少しだけ釣り上がっているのが見えるか。
それも誰かを罠に嵌めるとかそういった類のものではなく、ただ愉しみを見つけたかのようなもの。
■寄月 秋輝 >
「気になったので、禁書庫に赴いて確認してきました。
相手も否定しないあたり、間違いないかと」
言い切り、久藤を見る。
笑っている。
これは自分が戦う必要はないな、と端末を仕舞った。
「少なくとも、それなりに強くなければもう少し下がってる。
でもどうも今回は僕が相手する必要は無さそうだ。
この人が案内してくれるだろうし、よそで楽しんでくるといいと思うよ。
……さっさと満足して成仏してほしいな」
細く息を吐き出しながら、そう言い放った。
興味は特に無く、大きな被害が出ないならば戦う必要もない。
面倒ごとに付き合うつもりは皆無らしい。
■『ナイト』 > 嵯督は、警告はあっさりとやめてしまった。
そして、強者がいる場所まで教えてくれる。
彼からの情報は誠か嘘か。
『ナイト』には確かめる手段がない。
「西にある未開拓地区の荒野ですか。
荒野……この島にはそんな場所が、そういえばありましたね。
転移荒野と呼ばれている場所ですか。
それで、その“そいつ”とはどんな人ですか?
この私を満足させてくれる程に強いのなら楽しみにできるんですけどね。
この宝具『イービル・エクスカリバー』もさぞ、その血で喜ぶ事でしょう」
淡々としながらも、それなりに饒舌に喋る。
教える、というよりかは、誘っていると言った方が正しいと思わなくもない。
それ故に警戒してしまう。
その証拠に、久藤嵯督の口元はよく見ると釣り上がっていた。
「そうそう。
その情報を私に与えた意図が何かあるなら、今のうちに正直に言っておいた方がいいと思いますよ」
鋭い眼つきで、警告するような言い方だった。
寄月秋輝の言葉にあっさりと頷いてみせる。
「はい。
私は七英霊の一人『ナイト』です。
お前の情報に偽りはありません」
正直にというよりかは、見下すかのように堂々と述べた。
否定などする必要はない。
己が強者と思うならば、堂々とすればいい。
「そこまで言うのなら、確かにお前はそれなりの腕以上はあるのでしょう。
よそで楽しむか、この場で楽しむかは私が決める事です。
良い事を教えてあげましょう。
英霊は満足するだけでは、成仏しませんよ。
永遠に、己の欲望を満たすために動き続けるだけです。
討滅されるその日まで、英霊の殺戮は続きます」
アドバイスというよりかは、もはや丁寧口調で煽るような言い方だ。