2015/10/14 のログ
> 「・・・ありがと。」

表情はぼんやりとしたものの。
うれしいのか頬が若干朱に染まる。

「わかった、じゃあ、そうする。」

こくり、と深くうなずき視線を前に向けると、
差し出されたひとつの鎖。
彼女のローブから出ているような気がするが、
臆することなく差し出されたそれを手に取った。

「じゃあ、えっと・・・・」

差し出された鎖、
少し手の中でじゃらじゃらと鳴らしてどうするか考える・・・。
少し間が開いて決まったのだろう。

「こうする。」

ぎゅっとその鎖の先を握り締めた。
眼を瞑ってしまうほど強く。
そして力をこめたからだと手を一気に緩めて
鎖から手を離し鎖は垂れ下がる。
垂れ下がった先を見つめた後、
彼女のほうへと再び視線を戻して

「これで・・・、いい?」

こてっと首を傾げてぼんやりとした声でたずねてみた。

蒲刈久々津 > 「…なるほど」

目の前で目を瞑る程に精一杯の力で握りしめられる様子を、
ジッと見つめて聞こえてるか分からない声量で呟く。
鎖を握りしめられたからといって、神経が通っている訳でもなく、特に痛いという感覚が湧く事はない。

「ありがとう
 なんとなく理解、した」

先ほどの白と同じ様に目を瞑り、
少し彼女が取った行動について考えた後にその答えを返すように口を開く。

「生きる、という事に関して強い意志を感じる。
 これは後々良くも、悪くも、動くことがあるけど…生きるということは基本いいこと。喜んで、いい。
 詳しい事、分からないけど、大きな事故、または事件に巻き込まれても生還する…かな?
 …ラッキーアイテムは、日記。今からでもつけると、いいことあるかも」

纏まったようであまり纏まってない、ぼんやりとした答えを初めての客である白に返す。
それは果たして白がどう受け取るかは分からないが、感じ取った事を素直に、全て吐き出す。

> 「・・・?」

どんな答えだろう?
と、不思議そうに首を傾げて、
眼を瞑った彼女を見つめて答えを待つ。
少しして開いた口から発せられた言葉を聴き・・・

「うん・・・、生きたい、かな。たぶん、私はそう思ってる、と思う。
・・・そっか、大きな事に飲まれても、生きていられる。
うれしい、かな?
日記、じゃあ、ちょっとつけてみる。」

彼女の結果をそのまま受け止めて反論は無い。
こくりとうなずき納得したと暗に告げる。

ごそごそと鞄の中を探り一枚の硬貨を取り出し。
ゆっくりとその硬貨を彼女へと差し出す。

「代金、です。占ってくれて、ありがとう。」

ふんわりと、やわらかく薄く、微笑みを浮かべて差し出す。
今にも消えてしまいそうな微笑みで

蒲刈久々津 > 「…だからといって自ら危険なことに乗り込まない、ほうがいい。
 危険に自ら乗り込む、ということ、それは巻き込まれてる、ではないから」

念には念を込めてアドバイスを与えつつも、
自分の占い結果に対して素直な反応を貰えてる事に純粋に嬉しいらしく再び表情が緩みかけるが、
客に見せないように一瞬顔を背けてすぐにいつもの硬い表情に戻す。
そして差し出された硬貨を受け取る。

「こちらこそ、ありがと、う
 お友達とかいたら、話の種にでも使ってくれると…いい」

少し宣伝してくれるかも、と淡い期待を抱くようなそんな一言を残して、
街灯付近はそうでもないのだが空を見上げればすっかり暗くなった空を確認すると
ジャリ、と鎖が軋む音を立てながら蒲刈は動き出す。

「それでは、またのご利用をお待ち、してます。
 学校であったら、その時は普通に、話そう」

それだけ言い残して蒲刈は自宅といえる病院を目指して大鎌を杖にしつつ歩き始める。
その一歩歩く度にジャラ、ジャラ、と鎖の音をその場に残して

ご案内:「学生通り」から蒲刈久々津さんが去りました。
> 「うん、そうする、いろいろ、有難う・・。」

ちょっとだけ言葉に詰まった様子を見せる。
お礼の言葉を残してぺこりと深く礼をする。
彼女が去って言ったその後のこと。
私はひとつ呟いた・・・。

「危険なのは・・・、私自身・・・。巻き込みたくない・・・・。
生きたい、生きたい、けど、生きることを、許されていない、
握った感情は、生きたいと、手放した感情は・・・。」

「放棄する意思を・・・。」

みえなくなった彼女の後姿・・・。
背を向けて私も去っていった。

ご案内:「学生通り」からさんが去りました。