2015/11/19 のログ
ご案内:「学生通り」にやなぎさんが現れました。
やなぎ > 学生になって数か月がたつ。

勉強も生活も大分慣れてきた。
アルバイトもそのへんのコンビニで決まったし、十分暮らしていける。
難があるとすれば食生活だが。
学校にもなじんできた…というよりは、ほぼ空気である。
ただひたすら静かに一人勉強するだけ。なのだが、
成績は中々伸びなかった。


今日も今日とて未提出の課題をどうやろうかと、
インスピレーション待ちぶらぶら散歩をしているのであった。

やなぎ > 「未提出のやつが2つ、明日までのが1、やり直しも1……」

てきとうに数を数えてみた。
中々この怠惰は軍のころから抜けないが、今回がピークでもある。

平和ボケ。

ああそういえばとここでの出来事を思い出す。
もう随分前の事。
残した爪痕は決して消えることはないが、風化していくのも事実だろう。
只、自分にとっては、今までで最大にやらかした出来事の一つであり、忘れるなんておこがましい。

「まだ謝れてないんだよね……」

それも今更だ、と。

やなぎ > 女学生銃撃事件。
ふと思い出し、懐かしい単語だと溜息をついた。
その当事者がのうのうと授業を受けているのであるから、
せめてもと空気のように過ごしてきた。
結果、特に何事もなくこうして過ごせている。かもしれない。


やれそんなことを考えてる間に、課題の案がまったく思い浮かばないという事に気づくも、
まーいっかと楽観的に考えるのだった。

…課題やるなら酒場でやろうか。
それはなんて名案なんだと考えながら店を探し始めた…

ご案内:「学生通り」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > やなぎがフラフラと歩道を歩いていると、大半が店に入るか家に入るかして人通りがまばらな歩道―――貴方の正面で、困ったような表情で携帯を見つめている少女が居た。

貴方がその存在に気づくと同時。
顔を上げた彼女は周囲に視線を巡らせ、貴方と視線が一瞬合う。


貴方の周囲には、貴方だけだ。気のせいではないだろう。


そうして、何か急くように小走りで貴方の方へ駆け寄ってきた。

やなぎ > そういえばここは学生通り、酒場なんてまずなかろうと気づいたその時だった。
人と目があった。ぱっと目をひくオレンジ色の髪が印象にのこった。
あの人も学生かなぁと考えていると、その人物がこちらへ向かってくるのが見えた。

「…あ、あの?」

声をかけ、一瞬だけ後悔する。
もしかして自分の背後に誰かがいるとか、そんなオチはないよなと焦りながら。

谷蜂 檻葉 > 「すいませんっ! ちょっ、ちょっと携帯貸してもらえますかっ!?」

開口一番。貴方の言葉に被せるようにして走り寄った彼女はそういった。

言いながら彼女が差し出したスマホの電源は消えている。

「その、友達と待ち合わせしてたんですけど時間になったはずなんですけど来なくて、
 連絡しようとしてたら電池切れで、今日席を予約してるんですっ!おねがいしますっ!」

わたわたと、まくし立てるようにしゃべる彼女は本当に焦っているようで、
両手を前に合わせて貴方に深く頭を下げる――――おかげで、遠目に通行人の視線が少し集まってしまっている……。

やなぎ > 「な、なるほど。そういうことでしたら。」

それは焦るよなぁとポケットに手をつっこみ、
取り出すはイヤホン付軍用小型通信機…
すぐにしまってから自分は携帯を持ってないことに気づいた。

「…すみません、わたし携帯もってなくて…公衆電話があった気がするので案内しましょうか?」

いっそその辺の通行人に自分から頼みにいくか。自分もなんだか焦ってきた。

谷蜂 檻葉 > 「え”っ
 あ、や、すいませんありがとうございます助かりますっお願いしますっ!」

頼んだ相手も携帯を持ってない、と聞いて一瞬視線がさらに泳いだが、公衆電話があると聞いてまた頭を下げる。
公衆電話というものがあり、それが島内にあることは知っていたものの、
一度も使ったことがないため、気に留めたこともなかった。

そのまま、案内に任せて彼の後をついて歩く。

「はぁ、よかったぁ。予約で埋まっちゃうお店を委員の子に無理言って入れてもらったのに急に連絡がなくってもうパニックで……帰り道、ですよね?私、公衆電話って使ったことなくて、この辺に有るだなんて考えにも登らなくって……」

やなぎ > それは本当に焦るよなぁなんて頷いて。

「ああいえ、どこか寄ってこうかなって考えてて、そしたら偶然。
 それにしても予約いっぱいの店ですかぁ、きっと美味しい料理店なんだろうなぁ」


少し歩いた先にぽつんと電話BOXがあった。
それを指さして、

「あれです。使い方わかりますか?」

谷蜂 檻葉 > 「ええ、生徒運営なんですけど、昨年から凄い子が何人かまとめて入ってきたとかで今大人気なんですって!
 ここですここです。外観は洋食屋さんみたいなんですけど何でも美味しくって。今のおすすめは和食とイタリアンって噂ですよ。」

思いを馳せるやなぎに、紹介用のミニカードを差し出す。
ここからそう離れていない場所だが、路地の奥の方にあるようだ。

「た、多分わかります……!」

電話BOXまでたどり着くと、おっかなびっくり小銭を入れてぎこちなく操作する。
昔に比べて、設置されているものも大分使いやすくなっているのだろうか―――

四苦八苦していたようにも見えたが、
やがてつながったようで、またまくし立てるように電話口で2,3言告げて電話を切った。

電話BOXに入ってから数分たたずに戻って来て、晴れやかな表情で3度目の礼を見せる。

「はぁー…ほんっとうに、ありがとうございました。静歌―――ああえっと、待ち合わせの子場所を勘違いしてたみたいで。あっちの方の公園にいるって言ってました。 

あーえっと、その、すぐ行っちゃうんでお名前教えてもらってもいいですか? 今度、しっかりお礼したいんです。」

本当に不躾で申し訳ないんですけど……どうでしょう?

そう呟くように言って、小首をかしげながらやなぎを見つめる。

やなぎ > 「へぇえ、知らなかったです…。和食かぁ、おいしいなら是非食べてみたいですね。」

にこやかにカードを受け取りながら、でもお高いんでしょうとぼんやり考えていた。

そして電話BOXに入った彼女を待った。
あの様子だと無事うまくいったのだろうか、と安心する。
戻ってくれば会釈をして。

「いえいえ、無事連絡がとれたようでなによりです。」

電話の相手は静歌という名らしい。
頭に"四十万静歌"という人物がすぐに思い浮かぶ。
――顔が強張った。が、すぐに微笑んで

「お礼だなんて。大したことはやってませんけど…
 ……常世学園一年のやなぎ、です。」

彼女の知り合いだと聞いて一瞬まようものの、
名乗らないのは不自然だろうと思いなおした。