2016/05/12 のログ
ご案内:「学生通り」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > 今日はバイトもオフな放課後。
というか、来る仕事来る仕事七生が請け負うもんだから臨時休日を言い渡された次第である。
思いがけず退屈になってしまった七生は、ひとまず学生服姿のまま当ても無く学生通りをぶらぶらする事にしたのだった。
「んー……こういう時、普通の学生らしい趣味が無いってきっつい。」
級友達はバイトだったり、部活動だったりで忙しく。
メールを送ってみたものの返事は一通も無い。
ご案内:「学生通り」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
■東雲七生 > カラオケやゲーセン、漫画の立ち読み。
暇な放課後の過ごし方を級友に訊いてみた時は、そんな答えが返って来たのだが。
どれもこれも屋内であまり体を動かさずじっとしている類のもので、やっぱり七生の性に合わなかった。
「やっぱり俺も何か運動系の部活に入るべきかな……」
参ったなあ、と独りごちる。
同じ年の頃の同性はみんなして自分より上背があるから、あんまり集団の中に居たくはない。
■那岐夜車丸汀 > (此処は何処でしょうか 何やら賑やかな場所に出てしまったようです)
てくてくと流れるままに歩く、学生服でないあたり一寸不審人物まっしぐら気味な少女は、
時折視線を?泳がせながら学生通りを歩き始めた。
極普通に振る舞うには異能を使わな…いや 人を避ける位なら使わなくても動ける。
暫く この通りをふらついて 地理を覚えてみようと試み始めて。
■東雲七生 > 考え事をしながらぼんやり歩いていたが、ふと学生服の多い中に和装の人影を認めて足を止める。
服の次に目が行ったのは白い髪。
「んー……?」
最初は珍しい格好で歩いてるな、と思っただけだったが微かな挙動のおかしさに首を傾げた。
その違和の正体に七生自身気付かないまま、遠巻きに少女を眺める。
■那岐夜車丸汀 > (やはり 多すぎる、ですので 使いましょうか)
異能を使わざるを得なくなってしまった、学生服の歩いていたり 立ち止まっていたり 急に動いたりと
障害になりうる全ての気配は読み取る事が出来ない。なので、異能を使う事にしたのだが、
《チッチッチ》
小さな舌打ちを僅かにして 先程よりは滑らかな足運びと身の熟しで
学生服が溢れる人通りを移動し始めたのだ。
が舌打ちだ、少女の周りが微妙に避けている様な居ない様な。
東雲の視線には―まだ気づいてい無さそうか もしくは捉え切れていないか。
首をかしげて 東雲が居そうな方向を漠然と顔を向けてみた。
(もう一つの方が音は出ませんが 疲れやすいですし。…気のせいでしょうか、見られて??)
■東雲七生 > 違和感の正体が掴めないまま、人混みの中を往く少女を目で追う。
小さく首をかしげていたが、妙に少女を道行く人が避けたりしているのを見て更に首を傾げる。
どうせ暇だから、と半分興味本位で少女の後をゆっくり追い掛け初めて、
「……あー?」
ある程度近づいたところで、僅かに聞こえた舌打ちの音。
それも一度や二度では無く、少女がある程度進む度に聞こえてくるそれに既視感を覚える。
と、少女の顔がこちらを向いた。
それである程度の予想が出来たのか、ゆっくりと少女に近づいていく。
「あ、えっと……なあ、もしかして目ぇ、悪い?」
不躾に訊ねてから、これじゃあ誰に声を掛けてるのか分からないかな、と思い至る。
ちゃんと伝わってくれたらいいけど、と視線を泳がせた。
■那岐夜車丸汀 > 何せ 異能の正体は超音波疑惑だ。学生服のほとんどは若い人の筈。
年若ければ若いほど 高周波や超音波等の耳障りな音を身に感じやすい。
嫌な音の一つを少女が発している様なものだ、それは避けるだろう。
舌打ちだけでも 道行く人は避けると思うが、避けてくれれば尚動けるので余り気に留めず、
足取りが急いでもなくゆっくりなので、此方によって来る足音を聴いた上で漠然とした視線を向けるのだ。
(此方に近づいてくる 足音が。…無機物では無さそう。え、私ですか!?)
近づいてくる人物を漠然とだが 異能で象ってみた。
(…捉えた、よし 私に声をかけてきたのは この人ですか。)
「…え、あ、はい。目ですか? ほぼ見えておりませんね。…よくお分かりで。」
今度はきちんと東雲の方に体の向きを向けて会話に応じてみたり。視線はどことなくだが 普通の人の様に振る舞っているつもり。
■東雲七生 > やっぱり。と一つ頷く。
異邦人街に住んでいる関係上、あらゆる種族を目にする機会があった。
その中にはもちろん、視力を持たない者だって居た。そういった異邦人たちが聴覚に頼って日々を暮らす姿を七生も何度か見ている。
少女の仕草は、それによく似ていたのだ。
「いや、知り合い──かな、近所に同じように歩く人が居てさ。
……どっか行きたいとこでもあんの?だったら案内するよ。」
暇だからさ、と付け加えてから、はたと気づく。
お互い名前も知らないのに流石に不躾過ぎただろうか。
「っと、俺は東雲七生。常世学園二年。
……えーと、アンタも……学生?」
それとも最近来た人?と服装から判断もつかないので質してみる。
■那岐夜車丸汀 > 目の前の彼の動きは 僅かな音も落とさず拾って視覚の代わりになる。
目に視えているかのように此方も対応していく、これだけ至近距離だ能力無くても大丈夫。
ここ最近 辺りを彷徨ってみたが 面白き人 面白き場所 幾つか目星をつけてはいる。
気のせいだろうか ふと東雲から視線を外し -すぐに戻した。
「そう、でしたか。…この様な物を貰いましてね。
案内、ああ…学園の方に参りたいのですが、まだたどり着けない様です。
極論言えば 女子寮に辿り着けておりません。
漠然と 学生服?が此方は多いようですので 方向性はあっていましたでしょうか?」
こちら、と帯の裏から取り出したのは 常世学園の学生証(点字で全て打たれている)。
顔写真はさすがに点字ではなく普通の証明写真のようだった。
「…二年。私は 確か…常世学園一年、
那岐夜車丸 汀。一応学生ですね… 最近 此方に《来た》ばかりでして。」
妙な空間から 来てしまったようで、と異世界から来てしまった事も答えておこう。
■東雲七生 > 「なぎやしゃまる なぎさ。」
名乗られた名前を復唱して。一体どんな漢字を使うのだろうかと怪訝そうな顔をした。
まあ名前なんてものは呼べれば十分にその機能を果たせるので漢字が解らずとも問題ないのである。七生にとっては。
「一年……って事は、後輩かあ。ふふ……
あっ、と。女子寮はもうちょい行った先だな、結構でかい建物だし入居者も多いから、近くに行けば解ると思うけど……」
うーん、と軽く首を捻ってから改めて那岐夜車丸の姿を見る。
出で立ちこそ学生通りでは浮いているものの、異世界人というには些か普通過ぎる気もする。
しかし、嘘をついているという風でもないので、七生は彼女の言葉をそのまま信じることにした。
「そっか、別の世界から来てたんだな。
まあ、似たような境遇の奴とかも居るしさ、すぐ慣れると思うぜ。
よーこそ、常世島へ。ひとつ先輩として歓迎するよ。」
ははっ、と満面の笑みを浮かべる。
相手の視力が悪い事を把握したうえでの仕草なので、単純に癖なのだろう。
■那岐夜車丸汀 > 「…あ、この様に書くのですよ。久方ぶりに字を書くので曲がらければよいのですが。」
見せた学生証は特殊過ぎた。顔写真以外点字では普通の人は点字に熟知していなければ暗号と相違あるまい。
ごそごそと袖の中から取り出したのは メモ紙、帯から 学生証を引っ込める代わりにペンを出し
さらさらと書き始めたが…ちょっと力強い筆跡で 《那岐夜車丸 汀》と認めてみた。
若干右上に文字が傾いた以外、目が見えていないとは思えない綺麗な筆跡。
「先輩のようですね。 …ああ、この先でしたか。
大きい建物…入居者が多い。近くにいけば人もおりましょうか?
辿り着ければ 色々と聞く事と致します。」
見られている気がする、何か珍しいでしょうか?
異世界からずっと着ている服装だが。ゴスロリは此方では浮くだろうか?
制服というのは強制でもなさそうなので 最低限程度に着ないつもりだが。駄目であろうか?
「妙な空間から来てしまったようです。…そうなのですか、多いと。
お気遣いのお言葉 有難うございます。…能力を使わなくても 笑っておりましょうか?
声のトーンが上がっております。」
視力はほぼない。光の明暗が感じ取れるかどうかだ。視覚の代わりにほかの感覚が鋭くなった位で
彼の向けて 深々と頭を下げたかと思うと 一つ指摘するように応じてみたり。
■東雲七生 > 「あ、えっと……わざわざ丁寧にどうも……」
なるほど、これでなぎやしゃまる。と書かれた名前を見てふんふんと頷く。
何だか凄いご立派な名前だった。那岐夜車丸。もうなんか苗字だけで名前っぽい。
「そうそう、どうせなら近くまで……いや、女子寮まで送ってくよ。
どうせ暇だし、後輩にこの辺の事を教えるのも先輩の務めって奴だし。」
ふふん、と必要以上に先輩風を吹かせる。
矮躯と童顔の所為か二年生になってひと月あまりたった今もなお一年生と間違われることも少なくない。
しかし目の前の相手は“見た目で”は人を判断しないらしく、先輩であると自ら名乗ってもそれをあっさり信用してくれた。
単純にそれが嬉しいのも否定できない。
「まあ、そういう場所柄だからさー、ここって。
……え?あ……そんな事もわかんの?」
笑っている事を見抜かれて、少し驚いたように両手で頬を押さえる。
思っていた以上に視力を補う能力に長けているらしい、と認識を新たにした。
■那岐夜車丸汀 > その見せた紙は差し上げてしまおう。すすすっとペンの方は帯の方へと引っ込ませていく。
因みに その名前自体 ここに来た時点で名前も忘れた為 急遽その場で作ったと言える名である。
本名は忘却の彼方である為 これからずっと使う名でもある。
然し持っていた手帳に書いてあった文章で作った苗字であるので長かった。
苗字だけでも既に漢字5文字だ。テストの際は不利な気がしている。
「わざわざ お手数お掛けします。数日前に来たばかりでして。
送って下さることに感謝致します、正直 自分では地理が疎いせいかたどり着けなかった気が。」
彼の背丈に関して 全く触れていない。何となく声の発せられる高さが低い気はしていたが
特に外見でどうこう判断―しないので 勘と彼が先輩 というので信用する事にしたというか。
「…見えない代わりに 色々と鋭くなるのですよ。さて。
そろそろお願いしましょうか、女子寮へ連れて行って下さいません?」
何か照れていらっしゃる気がする。ふふっと笑っておこう。
さてそろそろ 連れて行ってもらいましょうか、と彼に向けて手を差し出してみた。
異能を使って 彼の後ろをついていくのは造作でもないが、手を握られて歩くのはもっと楽だ。
どちらを彼は選択するだろうか どちらにせよ 彼に女子寮に連れて行ってもらった事だろう。
■東雲七生 > ふむふむ、と手渡された紙。そこに書かれた名前と目の前の少女を交互に見る。
那岐夜車丸、と呼ぶか名前の方で汀、と呼ぶか。苗字で呼んだ方が先輩らしいか、とか色々考えていたが。
ペンが帯の内へと消えていくのを目で追って
「その格好は……えっと、元居た世界の格好なのか?
何て言うか独特というか、あんまり見ない感じだけど。」
ただの着物と言うにはひらひらしている気がした。
別段おかしいという訳ではないが、物珍しさはある。
白い髪と赤い目と、色素の薄い彼女の雰囲気と相俟って不思議な雰囲気を醸し出していた。
「……ああ、うん。
じゃあ案内するぜ。ついでに学校の事も少し話しながら行くか。」
促されれば我に返って、少し得意げに胸を張る。
しかし差し出された手を見て、少しだけたじろいだ。少女が健常者然として振る舞うのなら、少しだけ周囲の見方も変わるのではないだろうか。
そんな余計な考えが胸裏を過る。
「え、えっと……じゃあ、失礼して。」
恐る恐る手を取ると、握って引かずにそのまま自らの肩にそっと載せた。
これなら“それらしく”見えるだろうかと。
しかし改めて身長差が浮き彫りになり、これはこれで心穏やかでは無いな、と思いつつ。
女子寮へと向け、歩を進め出した。
ご案内:「学生通り」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から東雲七生さんが去りました。