2016/06/18 のログ
ご案内:「学生通り」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 落第街で後輩との言い合いを終えて数時間後。
一度家に帰って着替えた七生は、学生通りにあるベンチの一つに突っ伏していた。

「ああああ……」

時折呻き声が上がる事から、どうやら死んだり寝たりしているわけでは無い事が覗える。
しかし、かたくなにうつぶせのまま動こうとしないので、通りかかる人々は不審そうに、遠巻きに眺めながら通り過ぎていっていた。

東雲七生 > 人それぞれに生きてきた歴史がある。
それは解ってる、理屈では。

(ただ、実感が無いんだよな……)

今の七生には、学生として常世島で暮らした1年ちょっとの記憶しかない。
入学以前、島に来る前の記憶は殆どが欠落してしまった。
というか、そもそも島の外に居たのかさえ怪しい。

「はあああああああ……」

その所為か、どうしても上っ面な言葉を並べてしまう。
実際のところ、どうなのかは判らない。
しかし、七生にとってはとても上辺をなぞるだけの様に思えて仕方が無かった。

東雲七生 > 「やっぱり、もっとちゃんと、相手のことを知ってかないと。」

ぐっ、と両の手を強く握って心を決める。
今のままでは、きっと自分の事さえままならなくなってしまう。
そんな気がするのだ。根拠は無いけれど。

「よ、し。そうと決まれば、ええと、次にあいつに会った時はとりあえず謝らねえと……。」

どんな顔でまた会えば良いんだろう。
次から次へと湧いてくる悩みに、しばらくの間ベンチに突っ伏したまま頭を抱える七生だった。

ご案内:「学生通り」から東雲七生さんが去りました。