2016/07/23 のログ
ご案内:「学生通り」に尋輪海月さんが現れました。
尋輪海月 > ――夜の時間。未だこの時間でも賑わう通りを闊歩する老若男女共の波を横目に、一つの店から出てきて、片手に持ったスマートフォンを弄る、女学生。
画面に表示されているニュース記事は、マップ機能を応用したゲームの大反響の記事と、昨今の夏の気候変化へのああだこうだと仮説ばかりを並べる、要は今年も暑いよ気をつけろといった内容のそれらを、つまらなさそうに眺め、画面をフリック。
「……難しい事は、あたしには分かんないなぁ。でーも」

口角が上がる。 画面に表示される、バイクの記事。新しく出るというそれらの記事に目を通す彼女の黒瞳は、星でも浮かんだように煌めいていた。

「……これは難しくても、絶対つまらなくない……ふふふー」
上機嫌に歩き出すその背中と、スマートフォンを持っていない方の手に、パンパンのショルダーバッグとトートバッグ。どちらも容量を無視して詰め込んだような今にも破裂寸前のそれらを、さして重くなさそうに持っている。

尋輪海月 > 「……ほー、へー……うはぁ、何これ……ごっつい……で、でも、かっこいいなぁー……」

ぶつぶつと独り言をしながら歩く。何せ歩きスマホ、えっちらおっちらと危なっかしい足取り。だがその異様さに人の波はそれとなく避けていく御蔭で、何事も無く人の足の途絶えてくるような、静かな所までやってくる。
……街灯の灯りが付いて、仄かに明るいけれど、やや不穏な……

「………………あ、あれ。」
顔を上げた時には、時既に遅し。こんな場所まで足を運んでくるのは初めて。くわえて、自分の住んでる寮とは間違いなく違う場所。
熱中していたとはいえ、よくぞここ迄行ってしまったなと後に自慢することになるが、そんなことは兎も角。

尋輪海月 > 「……」

周囲を見渡す。住宅街……といえばそうだが、その住宅街と行ってもピンきりがある。そう言えばあのピンきりって言い回しはピンがどっちできりがもうひとつのどっちなんだろう。
いやいやそんな事考えている場合ではない。

「……えー……ええっと、地図……地図はっと……」
世の中便利な物がある。使わずしてどうする。スマートフォンを弄る指先が、かたかた震えてるのはきっと動揺ではない。夜になって急に冷えてきたからだ。そうだ。落ち着いている。私は落ちつ……


画面をひっくり返したように、バッテリーにばってん。
直後、間抜けなバイブレーションと共に、画面は暗闇に染まった。

ご案内:「学生通り」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
那岐夜車丸汀 >   ジジ…   パッ

とある街路樹近くの灯りが唐突に点滅した そして ぱっと灯りが灯った。
その下にいつの間にかいる巫女装束で尚且つ見た目10歳児の幼女。
広げていた檜扇を指先だけで閉じれば キョロキョロと辺りを見渡してからのち。


「……そこでなにをしておる? おひめさん」


此方からすれば 端末を持って何かをしているようにしか見えていないが、尋輪さんの方を視つつ ぽつりと訪ねよう。

尋輪海月 > 「……」
夏の夜だ。そしてちょっとだけ曇るこんな夜で、こんな薄暗くて、おまけに人の気配もないようなところだ。

そして自分は、結構小心者だ。裏表総合的に小心者だ。
故に、故に。

「ッひぃいっ?!!」
灯りの点滅でさえも、心臓がげろんと口から転がり出て素足で逃走し始めるような衝撃だ。
それだのに、急に、急にそこに、真っ白な、儚げに、されど美しい幼女が現れようものなら、

「ッ……で、で……でぇ……!!」
見る間に顔が蒼白と化す。貴女に負けず劣らない真っ白さに、どさっと結構な重さのトートバッグを落とす。瞳一杯に涙。がくがくと唇が痙攣し、
――喉の奥から、蓋を切っての大音声。

「出たあああああああああぁぁぁッ!!!」
近所大迷惑の絶叫と共に、振り返りながらのクラウチングスタイルダッシュ。なおその足元に落としたトートバッグにより無様な前方宙返り転倒と終わった。
無様、かつ滑稽な逃走失敗の構図に、貴女は何を思うだろう。

那岐夜車丸汀 > 一寸した実験だったんじゃ 転移魔術のアレンジを夜にやってみようって。
霧化とかその手の能力が微妙だったから、使用している術式を弄ったら 何かが偶然だったのか
灯りが点滅した際に転移してしまったんじゃあ… そんな具合。
偶然成功してしまった転移魔術のモノよりも それよりも。

「で? で? 」
なんじゃろ、このおひめさんは。あ、荷物落ちたのじゃ。
彼女はいったい何に驚いているのか そもそも原因はおまえさんじゃ に気づいておらず、
痙攣し何を言うのかと 声をかけるタイミングもそもそも登場から毛躓いたのに気づかない上に
夜の静寂を突き破った声に 目を見開いてびくんっと驚いてしまった。

「ぬひゃ?………出た?儂 確かに転移して出たのじゃが。」

           ・・・
幽霊か?いや、ここにはいない筈なのじゃが…。いても即退魔じゃあ!
どうしたんじゃ おひめは、と逃げようとするおひめさん(尋輪さん)をゆっくりと近づくべく。

あ、すっ転んだわ。色々と聞きたい事もあるし すたすたときちんと歩いて近づく次第。

「ぬし 何故 逃げようと? ここには 幽霊は居らんよ?」
その幽霊に間違えられている、というのに気づいていないらしい。

尋輪海月 > 「ぁわあああッ……あ、あし、動か……か、かなしば、ひえっえええ……!!」

すっ転んだ際に盛大にあちこち強打して、のたうち回る事さえ出来ず震えながら、もはや錯乱にも等しい状態で、死にかけの虫のような動きで必死に声のする方、つまり貴女から逃げおおせようとする真っ最中。
近づいてくる足音。あれ、幽霊なのに足あるんだ。へーハイカラ。
いや待てそんな事いってる場合じゃない。待て。なんだ。
幽霊にハイカラって。いやそもそもハイカラってな……等。
兎も角思考は濁流が如く。
やがてもう直ぐ傍まで来たとこで、頭を抱えて蹲った。
「ご、ごめんなさいお父さんお母さん。私たっかい奨学金借りてやってきたけどなんか怖い話に出てくる幽霊に祟られて行方不明で終わるみたいだよあたしいいい……!!!」

那岐夜車丸汀 > (金縛り?まだ 何もしてないわ!っていうか 何から逃げようとして居る?)

してしまったのは 登場に問題があった転移と声掛け位だ。言葉でどうこうする術がない あっても使っていない。
それなのに 彼女のこの怯えようは一体なんだ??混乱の極みをいっている気がしないでもないが
落ち着かせる手段が此方もない。どうしようもない。(…んーむ)

あれか 幽霊になりきった方がいいのか。出来なくはない 浮遊。
でもそれをする前に のたのた逃げようとする彼女と普通に歩いていた己、
ほぼ傍まで近寄れてしまったので 蹲る彼女を見下ろして

「儂 幽霊じゃないんだが。まぁ 間違えられるとは自覚して居るが。
祟られる?行方不明? 何の事じゃろ か?」
何を持ったら 幽霊疑惑終わるのだろう?どうしたものか。
うむ、幽霊には出来るものが少ないという 触れる という行為をするべく、
避けられなければ彼女の肩付近をぽむりと軽く叩いてみようと手を伸ばす。

尋輪海月 > 「ッひぃっ……ぃ、え……?」

触れる手。とうとう自分もあっちの仲間入り。お父さんお母さん先ゆく不幸をお許し下さい等頭の中のぐるぐるという逡巡が、その触れた感覚にゆっくりと停止していく。

「……ぇ、え……ゆ、あれ、ゆーれい、じゃ、ふぇ……な、な、い……ッ?」
割とがち目な泣き面晒しつつ、ゆらりと振り返った。……ぽろ。右の片目から落ちる、カラーコンタクト。その下の真っ赤な瞳が貴女を濡れて見つめる。
多分この目をわざわざカラーコンタクトで隠している辺りそれは割と隠したい事かもしれないが、その呆けと恐怖の余韻に、考慮の余地がない。じい、と見据えてきた顔はやがて、

「……っ、は、ああぁぁぁぁぁー………」
空気が抜けていくような声と共に、身体は茹でたもやしの如くしんなりと崩れ落ちた。

「……び、びっくりしたぁぁぁぁぁ……!!」

那岐夜車丸汀 > 触れることによって 幽霊疑惑はよ終わってくれ が解決されれば僥倖。
さわさわ触ってみた、さてどうなる事やらであった。暫し待機 しかしさわさわ。

当初から幽霊ではない で来ているので 登場から微妙だったアルビノ幼女は理解してくれた様子に
すっごい深い溜息を吐いて安堵をし…何か落ちた。彼女の瞳からコンタクトらしい物体が落ちた。
視力悪いのか??…色なき世界を視ている為 カラーコンタクトとは気づいておらず、彼女の瞳の色に気づいてもいない。
そもそも瞳の色でどうこう気にしないし言わないので―だって見た目が幽霊に間違えられる己は
色々と外見弄るのがメンドイわ!と敢えて何もしていないし。

(お、しんなりしたのじゃ。何でこんなに怯えて居る??)

「ん んでじゃな、そなた ここでナニをしておった??」
当初の質問へと漸く戻る訳である。大きな荷物を持って―近くに落ちているが、をちらりと見て。

尋輪海月 > 「ッえ、あ、えぇと……ちょ、ちょっと、道に迷ってしまって……スマホ見ながら歩いてたら、知らないとこまで……」

多少呆けている為に、割と素直に応答した。崩れた格好で、顔だけ向けるような格好をちょっとずつ、もぞ、もぞと直し、せめて座る姿勢にて。触れられている間は、まだ若干強張っているが……

「……あッ」

此処でようやく気付いた。落ちているそれと、ちらりと片手の充電の切れたスマートフォンの画面に反射して映った自分の顔。さっとコンタクトを拾い上げ、同時に、その手でその目を隠す。

「っいやその、怯えてっていうか、こ、怖かったというか……!ゆ、幽霊かと思いまして……!!!」
誰が。とは、あなたが。など、口が裂けても言えない。

那岐夜車丸汀 > 「道か。歩きスマホはやるべき事ではない。あらぬ犯罪・事故 
 招かれざる者を呼び寄せ 悪の道に踏み外す恐れすら孕む。
儂は 視えて居らんからの、咎めるのはせんが…控えるようにの。」

こんな立場なもんで、と懐から風紀の腕章をちらりと取り出し またそれを引っ込めた。
座り直してくれたようだ、身長此方も低いので 彼女が座ってくれれば見下ろす高さも縮まろう?

「視力悪いのか…ふむ。」
コンタクトを拾い なおかつ その目を隠す。視力劇的に悪いのじゃな、と勝手に思い込んで、独り言を呟いてから

「ここには 幽霊はおらんからの。 いても 儂が弾くが!」
即殲滅してくれるわ!と違う方向に勘違いをして 握り拳を作り言い放ってみた。

(ああ、色々とすっ飛ばしてしまったが 道に迷ったのだったな)

「どこに行こうとして居った? そのスマホは使えんの?
案内か 簡単な地図位は渡せると思うのじゃが、どちらがよいかの?」
彼女の持って居るスマホへと視線を向け? 選択肢を続けて訪ねて。

尋輪海月 > 「う……ッ!!」
見えた腕章の字に、さあっと青ざめた。よく色のころころと変わる顔だ。
少しだけ身体を強張らせ、小声に『すいませんでした……』と呟くと共に、がっくりと項垂れた。
言い訳はしない。何せ余所見の中でも一番たちの悪い事をしていたのだ。
指摘されれば素直に反省する模様。根はそこそこ真面目ではありそうだが、同時にちょっと、間の抜けているようにも見える。

「……え、………あ、あぁ。はい、ちょっと、まぁ……」
視力。いや違うと言いかけて、言い換えた。
そういう事にしてくれれば助かる。しかし、風紀委員の人だのに、自分のこの髪とか目とかに物申す事はないのだろうか。いや、それとも割とありふれてるのだろうか。この人も髪白いし目赤いし、同胞の好で見逃して貰えてるのだろうか。等邪推しつつ、

「……あ、えっと、……この近くを通ってる電車の駅から、何駅か先のとこで、そこにある寮に帰る……はず、だったんですけれども……スマホはちょっと、充電がもう……っあ、えと、ち、地図さえあれば、自分一人でどうにかっ!!」

ばっと立ち上がった。何時迄も座り込んでいてはどうしようもない。と、両手をつき、トートバッグを拾い上……げれなかった。
ずるっと横にバランスを崩し、目の前でどっしゃあっと派手に再び転倒してみせる。

那岐夜車丸汀 > 幼女姿なんで任務出来ないのだが 持たされている腕章。
本来の姿は 年頃?の少女なのだ。本来の姿ではない為 腕章は持って居ても
指摘は出来てもそれ以上指導と補導と連行は出来ない。いや、しちゃいけない。
謝りに 不思議そうに見つめる赤い 赤い瞳。

「スマホの視過ぎは視力悪くするらしいぞ…ぞな。
 儂 スマホあまり必要でもないし…言う資格ないわな。」
視力だと思い込んでいる。元々全盲な上に異能で色が無い状態で見ているに過ぎない。
つまり色と言うより色の薄濃さで視ているに過ぎず、彼女のいう髪の色や瞳の色に理解度が無い。
それに外見でどうこう判断しない、色を言ってもらわないとそもそも判断も指摘もしない出来ない。

「んん、そうか。 この近辺の電車の駅までの道筋を描いている地図があれば良いわけじゃな。
スマホも電源が落ちればただの金属の塊じゃーな。
ちとまて 地図は作成する。」

檜扇を取り出した 閉じたままの檜扇を持って 何か小声を呟くと何処からか紙がにゅっと出てきた。
そしてその紙をぱしっと掴むと とんとんと檜扇で叩いて―文字が浮かび上がってきた。
指でなぞってこれでよいかな、と確かめたのちにーずるっという音と転倒した音に素早く反応し

「どうしたんじゃ?? ぬし。  ほれ ここ等辺の地図じゃ、足元が不安定そうじゃの…
色々心配なのじゃが…そのバック重いんではないのか??」
今しがた作成した地図と檜扇を持ったまま 転倒している彼女の様子を視つつ 心配そうに。

尋輪海月 > 「……あ、あぁ、いや、その、はい……???」
がっくりと座り込んだ格好のまんまに、ただこく、と、頷くだけ頷く。立ち上がった一瞬だとそこそこ身長は高いが、今、その姿勢故に視線の高さはそう変わらない。
故に、その赤い瞳を自然と注視していた。
……いや、待て。それどころじゃない。今、今。

「……ちょ、ちょっと、さっきころんだ時に、ま、まずい方向に足を捻挫か、なんか、多分……?」
鈍痛。ちらりと自分の足に視線を向け、手で擦る。
痛みが、なんだか、さっきのをきっかけに、じわじわと出てきているような……いや。気のせいじゃない。違いない。痛い。結構痛い。みるみるわなわなと身体が震えてくる。

「……う、ううっ……?!」
足を、がしりと掴む。痛みを抑えるつもりだけれど、むしろそれが逆効果かなんかか。
「ッーーーー?!!?!?」

再三に渡って悶えた。それはもう念入りに悶えに悶える。
割と見てて迫真なそれは、多分、最初のつまづいてころんだのがかなりまずい具合に足に甚大なダメージを与えたものと思われる。金縛りどうのこうのといっていたそれは、恐らくこれのことか。

那岐夜車丸汀 > すっ転んで 派手に割と…その荷物は随分と重そうだ。
荷物はあとで重力を弄ってしまおう、そうじゃないと幼女の己が持てそうにない。
色々と当初から彼女の事を見捨てる事が出来そうにない 名も知らぬ初対面同士だが。
じーっと見つめる深紅の瞳 とその視線がそれたのは 彼女の言葉と痛そうな素振りな…足。

「足の捻挫は 罅が入ったりすると 痛いのじゃ。骨折なら痛覚が麻痺る事がよくあるから 固定して病院に運べばいいのじゃが。

…攣りじゃないのか これ…悶えるのは うむ。

治癒しておくぞ。是位しか出来ぬのでな。  地図は此処にねじ込んでおくのじゃ。」

悶え中の彼女の足 許可も取らずに 詠唱破棄のままむんずと彼女の足―主に抑えている部分に掴むように触れ
淡い色を 癒しの術式を展開 痛覚麻痺 筋力回復 骨格形成 血流回復 痛覚復活 以上。
問題が無ければ 光が収まった頃には彼女の足は痛みもなくなっているだろうか?

地図は…トートバックのポケットにねじり込んでおいた。

尋輪海月 > 「え、ほ、ほね……ッえ、これ、折れ……ッいった……?!」

聴こえた言葉にぎょっとして振り返る。そして痛みに重ねて再び痛んだ。やばい、痛みの度合いがちょっとすごい。折れてても不思議じゃないくらい痛い。いや、折れた感じではなく、
本当にまずい具合に捻ってしまったのか。
そうこうしてるうち、多分八割方話を聴き逃しつつも、徐ろに足を掴まれる。あ、待ってと言うより先、痛みがくると身構え……て、

「…………ぁ、え……えっ?」
……す、と、その部位に触れた。目を閉じていて、一体何が起きたのかの一部始終を見逃していたが……どうやら、何か途方も無い何かで、足を治されたのだと気づく。

「……え、いや、ええっ?!ちょ、今のどうやって治したんですか!?あ、はい、ありがとうございます!?じゃなくてっ……あっ」
近所迷惑の大音声のままだった。さっと口を押さえ、
……そっと一言。

「……ぁ、ありがとう、ございます。本当に……何から何まで……」