2016/09/02 のログ
■東雲七生 > 「たった半日でこれだもんなあ。」
あちこち関節を鳴らしながらのストレッチを終え、衣服を正して一息つく。
今日は新学期一日目という事もあって、七生はしっかりと制服に身を包んでいた。
もっとも明日からは普通り、Tシャツに上着だけ羽織るという気崩しの限界まで挑戦した格好で登校するのだが。
「なんか久し振りにまともに服着たから、ってのもあんのかなー。」
思い返せば夏休みの間、事ある毎に服を着て居なかった気がする。
大半を海や川で遊んでいたから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
■東雲七生 > 「よっし、運動がてら遠回りして帰るか!」
まだ時刻は正午を少し回ったくらいか。
七生は時計塔の方を仰いで時刻を確認すると、
制服を脱いで通学用のデイパックに詰め、それを背負い直す。
遠回りと言っても大仰なものではなく、ちょっと海岸を走ってから帰ろうという、ただそれだけのことなのだが。
「帰る頃には昼飯かな!
今日は何だろ……つか、深雪、家にいると良いんだけど。」
昼食に思いを馳せながら、七生は地を蹴った。
小柄な体は重力から解き放たれたというには些か乱暴に過ぎるくらい勢いよく宙を舞い、
街路樹の枝を足場にさらに上昇してあっという間に建物の屋根の上に。
自分が通って来た通りを一度眺めると、満足げに進路を南へと向けて七生は屋根の上を走り始めた。
ご案内:「学生通り」から東雲七生さんが去りました。