2016/10/23 のログ
ご案内:「学生通り」に和焚 武さんが現れました。
■和焚 武 > ぽつ ぽつ
黄昏時の学生通りを、ずぶ濡れの少年が遠慮なしに歩いている。
空は快晴、雨に濡れたというわけでもない。
近くを通りがかった人間と、振り被った本人だけがゴミのような臭いを感じていた。
(学生寮以外にもシャワーのある施設ってなかったっけな)
そうぼんやり考えながら、両手をポケットに突っ込みながら無造作に歩き続ける。
「ひっくしっ」
いつものような『向かい風』が、少年の体を冷やしてく。
■和焚 武 > (……大したこたぁ、ないんだけど。寒いもんは寒いなぁ。
今日が冬じゃなかったのはラッキーだ)
道中見つからなくったって、寮にシャワールームがあることは知っている。
運悪く故障でもしていなければ、この汚れもすぐに落とせることだろう。
ここで少年、結構重要かもしれないことに気付く。
(やべ、サイフ……ポケットだった)
そのままざっぱーん……だったので、下ろしたての万札が大変なことになっているかもしれない。
折り畳み式のサイフをゆっくりと広げ、破いてしまわないようそっと中を覗く。
(……おお、よかった。これなら乾かせば大丈夫だな)
なお、乾くまでメシ抜きである。
貴重な食費が完全に使い物にはならなかっただけ、非常に運がいい。
■和焚 武 > 今日もいい一日だと空を見上げれば、九本の大きなキクラゲが螺旋を描いたような飛行物体が見えたので手を振っておいた。
「―――ぬぇへへ」
常世島には色々な異種族がいるとは聞いていたが、ウワサは本当らしい。
どうやって生きているのかもわからないようなモノがたくさんいる。
生き方も何もかも違うものが一つの島で共同生活するってことは、大変なことだろうなぁと思っている。
そんなこの常世島に、少年は何の目的もなく訪れてしまったのであるが。
■和焚 武 > こうして寮の前に着いた少年だったが、ここでまた更なる問題が発生する。
(あー……鍵ぃ、落としちまってんな)
川に飛び込んだ時にポケットからこぼれ落ちたのだろう。
「まあいっか。新しいの貰えりゃあ」
その日はインターホンを押して寮長に開けて貰い、無事にシャワーを浴びることに成功した。
次もいい一日であることを祈りながら、明日の自分を迎えに行くのであった。
ご案内:「学生通り」から和焚 武さんが去りました。