2016/11/08 のログ
ご案内:「学生通り【常世祭期間中】」にマナ・ヴァールさんが現れました。
マナ・ヴァール > (…こんなことなら迎えに来てもらえば良かった。)

そんな後悔をしているのは今時、セーラー服を着て地図を片手に眺める少女。
いつまでも子供じゃないから大丈夫と兄の好意を突っぱねてそら見たことか余裕、余裕と
地図を片手に来たものの珍しい出し物を見るたびに、異邦人なんかを見るたびに道を一本ずつ間違えていたようだった。

(何か目印になるものはないかしら…。)

そんな事を思いながら目に入るのはその時計塔。

(時計塔が見える場所にいるって言えば兄さん来てくれるかな?)

流石に難しいかもしれない…。
それに来れたにしても時間がかかってしかたがない。

(他に何か目印になりそうなものは…)

そうして地図を片手にあたりを見渡す様子はどうみてもお上りさんである。

マナ・ヴァール > (話には聞いていたけれど、本当に人が多いのね…。)

人混みよりも一人を、一人よりも3、4人を好むこの少女にとってこの人混みは苦であった。
…そして、もう一つ地元では誰もが二度見したこの封印と魔眼を誰も気にしないのが辛かった。

(…もう少し、目立つようにした方がいいのかしら?)

目立つことを愛し、人と違う事を誇りたいこの少女にとってこれは大きなショックである。
本物がいるこの場所で造り物が目立つことなどできるだろうか?目立っても惨めになるだけだろう。

…実際さっきから顔が爬虫類っぽい人とか鳥っぽい人とか偶に近くを通るし多くの通行人はそれを気にも止めない。
それをまじまじと見るのは少女と同じ片手に地図を持つ人ばかりである。

マナ・ヴァール > そういう同類からしてみれば少女の格好は珍しく見えるかもしれないがこの常世島ではあまりに普通に過ぎる。
そう考えると今までの人生の14年間、いやこの魔眼と封印を付け始めてからの7か月を否定されたような気持ちになる。
もしかして特に何もないのに封印とか言って包帯まくのって恥ずかしいんじゃないかなとか思い始める。

(いや、そんな事ない!そんな事ないわマナ・ヴァール!この名前に誓ってそんな事ないわ!)

そう、必死に辞書とにらめっこして自分の名前を生かして必死に考えたこの名前に誓ってそんなことはあり得ない。
テストに筆記体で書いたら0点扱いにされそうになったが必死に頼んだら使っても良いと言われたこの名前に誓って!

(こんなところで落ち込みそうになるなんて私らしくもないわ、ちょっとここは気持ちを変えるためにも…)

「《封印》を解くとしましょうか!」

頭の中で流れるBGM!

『我に宿りし深淵よ…我に宿りし混沌よ…』

オリジナルの呪文詠唱を始めれば周囲の人がざわついて…。

『その漆黒の闇の暗さを…我が右手から解き放たん!』

マナ・ヴァール > …そして走ってくる赤い制服の学生達!

『そこの君!今すぐ呪文の詠唱を止めなさい!』

本気で怒ってくる赤い制服の学生たち!

「止めなきゃどうするのかしら?それに詠唱は既に終わっているわ…。」

煽る少女!

『そんな!だが魔力の類は感じられないぞ!』

「ふふ、貴方には…いや、人には分からないでしょうね。」

ああ、間違いなく分からないだろう。
何故なら何も発動していないのだから!

『ふざけるな!一体何をしたんだ!』

「私は呪文を詠唱して『封印』を解いただけ。
 …ただ、それだけよ。」

周りに更に集まってくる赤い制服の生徒!

マナ・ヴァール > 『封印ってなんだ!貴様!正直に答えろさもなくば!』

「さあ?何かしら?貴方に言っても分からないでしょうね。」

『き、貴様!』

何故ここまで煽るのだろう。
多分慣れていない環境でストレスが溜まっていたんだろう。
そこに相手しくれる人が来たから嬉しくなったのだろう。

そこにあるのは認識の差。

実際に魔術を振るいそして敵対する風紀委員と憧れて想像するだけの少女の差。

『分かったこのまま風紀委員の本部まで連行する。』

「やれるものな…えっ?貴方、風紀委員なんですか?」

聞いた事があるこの島では風紀委員が警察のような役割を持つと…
つまり…

「あーごめんなさい!ごめんなさい!全部嘘です!そういう設定なんですぅ!」

『はぁ?』

先ほどまでの格好をつけた喋り方はどこへやら…
全てを説明して許してもらい厳重な注意を受けて迎えに来た兄にも色々と言われて
マナ・ヴァールの常世島最初の日は過ぎていくのだった。

ご案内:「学生通り【常世祭期間中】」からマナ・ヴァールさんが去りました。
ご案内:「噴水広場」に狐々さんが現れました。
狐々 > (お祭り期間が始まり、たくさんの人でにぎわっている広場に、その狐はやってきた。
お祭り気分で、その頭の花飾りは派手な赤と白の牡丹)

わー、すっごい賑わってる…!

(いかにも田舎出身らしく、ごった返す人混みに慣れていないようで、弾んだ声を出し。
まず初めに目についた、焼きそば屋の屋台に駆け寄り(見た目に反して食事は人間らしい))

焼きそば一つ!

(店主にそう言って、お座りして調理を待つ。
ほどなくして袋に入ったそれを受け取るだろう)

ご案内:「噴水広場」にマナ・ヴァールさんが現れました。
マナ・ヴァール > キツネが喋ってる!キツネが焼きそばを食べている!
しかも、買って食べている!この島に来たばかりの少女を襲ったのは強いショックだった。
獣人っぽい人なんかはこの島に来てもう一日で凄い数を見たがまんまのキツネが物を買っていると…

(本当に驚くことばかりね…。
 心臓の弱い人がこの島に観光に来たら死ぬんじゃないかしら…)

そんな事を考えながら焼きそばを受け取ったキツネをまじまじと見つめる。

(まさか、お箸まで使えるのかしら?)

輪ゴムで止められた割りばしを見てそんな事を考えてから視線はじっとその手?前足?へと…。
…かなり失礼な類の視線である。

狐々 > (その視線に気づかず、焼きそばを受け取るとそのパックを口に咥え、近くのベンチに歩いて行き、「ぴょん」と飛び乗る。
そして、咥えていたパックを自身の足元(ベンチの座面)に下ろし)

じゃ、さっそく…

(箸は使えないのか、パックを開けるとすぐ横に退ける。
お座りしていよいよ食べ始めようとしたとき、何かが脳裏をかすめた)

《…行儀悪いかも》

(人混みで食事をするのに、普段の犬食い…狐食い?ではどうなんだろうと。
少し考えてから、しゃがんでいる後ろ足に体重を移し、おもむろに両前足で焼きそばのパックを持ち上げる。
其処に顔を近づけ、まるでハンバーガーか何かのように「持った状態で」食べ始めた。
…パックを持っているだけなので、結局は犬食いとさほど変わらないようにも思えるが)

マナ・ヴァール > (ベンチに座った!やっぱり、かなり頭がいいみたい…。)

その動作からは動物よりも人間に近いものを感じる。
こういう種族なのかもしれないしもしかしたら…。

(…食べ方可愛い…もしかしたら狐の呪いを受けて狐の姿に変えられたのかも…或いは…)

その豊かな想像力は真実をとても知りずらくする。
基本的に思いこみが激しくそして、気になったら知らずにいれない性格なのである。

「ねえ、そこのあなた。やきそばを食べてる頭の飾りがキュートなあなたよ。
 あなたはキツネなのかしら?それとも…大妖怪九尾の狐の封印から
 漏れ出した妖気が形を成した姿!そう、九尾の現身とも呼べる存在…
 本体の復活をもくろんでたり…いや、今の無しで。」

自分設定が入るのは良くない。

「…特殊な力を持ったキツネなのかしら?
 それとも異世界とかから来たそういう種族なの?
 不快な気分にさせたらごめんなさい。ただ何となく気になって…。」

狐々 > んぐんぐ…美味しっ

(何故だか、お祭りで食べるものはどれも美味しく感じられる。
御多分に漏れず、彼女もそういった感覚なようで食べるのに夢中に…なりかけたところで、自分に向けられた声に気付く。
顔を上げてその相手の方を見て)

だ、大妖怪?九尾??
…何が何だか分からないけど、私は普通の狐だよ。
先祖に人間がいるってだけで…

(妖怪とか九尾狐とかいう類のものは聞いたこともなかったらしく、首をかしげる。
その語調はいかにも一般人のような感じで、特別な力等は感じさせないだろう。
ただ、最後にポロっと核心を言ってしまっているが)

マナ・ヴァール > 漂ってくる焼きそばのソースの匂いが食欲を…
焼きそば屋の店主が手招きしている感覚さえ覚え始めるが耐えて唾を飲み込む。

「普通のキツネは喋らないわよ。凄いキツネだって誇りなさい。
 この私がマナ・ヴァールが保証するわ。」

他のキツネは喋れないはずだ。
喋れないよね?喋れるのはきっと特別なキツネである。
そしてこの少女の保障に何の価値があるというのか。
分からない分からないが自信に溢れている宣言である。

「先祖に人間?えっじゃあそれってそのご先祖様は狐と…
 いや、昔は結構あったのかしらそういうの…」

キツネの語源は来つ寝よだって話も聞いたことがあるし…。
…やっぱり多かったかもしれない。昔の人は自由だ。
そこから子孫がキツネの方になる話は聞いたことが無いが人間にキツネが伝えるすべなどないのだろう。

狐々 > うーん、そうなのかな…?
探せば居そうだけど…

(喋れる=凄いことである、という実感が今一つつかめない様子。
自分の家族がそうだったせいで、感覚がマヒしているのかもしれない)

そうみたいだよ。
お父さんに聞いたことだし、昔から代々伝えられてる話だから、その人に会ったことはないし、本当かどうかもわかんないけどね。

(その口ぶりから、かなり前であるということがわかるだろう。
会ったことがないほど昔な上、彼女の外見がほとんど普通の狐であることから、最近の祖先に人間はいないらしい)