2017/08/04 のログ
鈴木竜一 > ひょいと立ち上がって,屋台を覗き込む。
何の変哲も無い焼き鳥。よくスーパーの駐車場とかでやってるアレだ。

「おっちゃん,適当にお勧めのやつ10本くらい!」

多い,と思われるかも知れないが,空腹は時に我を忘れさせる。
おっちゃんがオマケしてくれたこともあって,タレ6本,塩6本の一大勢力となった。
既にやってしまった感が漂っているが,若さゆえのあやまちである。

「まじっすか!ありがとーございます!」

サービスにはちゃんとお礼を言ってから,青年は元のベンチへ戻る。
そしてそこで気づくのだ。

多くね?

鈴木竜一 > こういう馬鹿な事をしても,向こうでは友達に配ればよかった。
だけれどここでは,そうはいかない。
……そう考えると,少しだけ寂しい気持ちになった。

「友達100人とか作る奴天才だよな…。」

そんな歌を思い出したりしながら,焼き鳥を頬張る。
それ自体が最高の味!という訳ではないが,空腹は最高のスパイスである。

ご案内:「学生通り」に鈴木竜一さんが現れました。
鈴木竜一 > だが,問題はその量ではなかった。
あまりにも単調な味だ。正直,飽きる。
というかご飯が欲しい。家に帰ってからとかじゃなく今すぐに欲しい。

「…………タレと塩の他にもう一種類くらいは別の味が欲しかったなぁ。」

結果,2本ずつ余った。
サービスしてもらった手前全部食べたかったのだが,少なくとも休まないと無理だ。

鈴木竜一 > 「……もって帰るか。」

置いといて腹が減ったら食べればいい。
焼きたての美味しさを失うのは勿体無いとも思うが,食べきれないのだから仕方ない。

美味しかったのは確かだが,環境うが変わった寂しさを改めて感じさせられた。

向こうでそうだったように,こっちでも仲のいい友達はできるのだろうか。
そんなありきたりな悩みを抱えたまま,青年は学生街を歩いていく。

ご案内:「学生通り」から鈴木竜一さんが去りました。