2017/08/08 のログ
ご案内:「学生通り」に神代 理央さんが現れました。
■神代 理央 > ―今日は実に機嫌が良かった。実家との協議の末、所属願いを出すのは風紀委員会ということで了承を得た。
夏期講習で受験した模試の結果も上々であり、日頃振りまいていた愛想笑いと優等生っぷりが功を奏して教師の受けも良い。
学園からの帰宅途中にクレープの屋台を発見し、自分好みの甘さ加減――フルーツのホイップクリーム盛りメイプルシロップマシマシ――に舌鼓を打っていれば、自然頬も綻ぶというもの。
「飲み物も買っておくべきだったかな…。クレープだけじゃちょっと口寂しいというか…喉が乾くというか…」
クレープを齧りながら鼻歌交じりに歩みを進める少年。
もし、彼の面倒を見てきた使用人達が此の姿を見れば、明日は槍が振るか戦争かと戦慄を覚える程度には、少年は上機嫌であった。
■神代 理央 > だが、そんな愉快な時間も長くは続かなかった。
迷子になったのか、半べそで蹲る幼児を放っておけず、風紀委員会の詰め所――交番と呼んでも良いのだろうか――まで案内した。
その途中で母親らしき女性と鉢合わせになり、とびきりの笑顔を浮かべた幼児と頭を下げる母親に笑顔で別れを告げる。此処までは良かった。
「ばいばいおねえちゃん!」
――……怒るに怒れず、地団駄を踏む訳にもいかず。
悪気なく満面の笑みで去っていく幼児を見送りながら、深い溜息を吐き出した。残ったクレープを一息に食べきったが、何だか甘くない。
「…筋トレ、しようかなあ」
目下足りないのは肩幅だろうか、と頬張ったクレープを飲み込んで項垂れる。