2017/08/13 のログ
ご案内:「学生通り」に鈴木竜一さんが現れました。
■鈴木竜一 > そうだ,炊飯器を買おう。
そう思い立ってからの行動は早かった。
以前ならネット通販なんかを利用していたところだが,離島扱いの送料を取られては割りに合わない。
ってか,そもそも多分届かねぇよな……。
というわけで,学生街をぶらぶら歩いているのだが,
……今になって思えば,商店街の方へ行くべきだったのかもしれない。
ほとんどの店が食べ物かファッション関係である。
学生をなんだと思ってるんだ。
■鈴木竜一 > これまで料理なんてしたこともなかったが,
これからはそうも言っていられないかもしれない。
毎日三食外食とか貯金が爆発するし,多分1ヶ月もたずに身体を壊す。
その第一歩としての炊飯器を買いに来た結果がこの有り様である。
神は言っている。男子厨房に入るべからず。と。
……多分すげー古い価値観の神様だなそいつ。
脳内セルフツッコミをいれながら,青年は学生街をぷらぷら歩く。
ご案内:「学生通り」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 学生通り。
何だかんだ言って、月香にとっては久々に来る場所となる。
食材は商店街で事足りるし、路傍の出店で買い物をする金も無い。
実際、今回足を運んだのも暇だったからだ。
...しかしながら。
月香は今ちょっとした面倒事に直面していた。
『ちょっと一緒に遊ばねぇ?』
『独りでぶらぶらすんのマジ寂しすぎるっしょー』
「.......」
(いやほっとけやなんだこいつら...)
ナンパである。
この月香にナンパである。
贔屓目に見ても容姿が良いとは言えない、派手な身なりの男が2人。
迷惑にも道の真ん中を陣取って、大声で誘いを掛けてくる。
人通りは多くはないが、周囲の目はかなり冷ややかだ。
『暇なんでしょ?一緒に遊んだ方が楽しいって!』
「ちょ、」
急に乱暴に腕を引かれた。
月香は流石に目を丸くし、派手につまづいてよろける。
■鈴木竜一 > そんな貴女の面倒事の目撃者の1人となったこの青年。
貴方とは逆側から歩いてきたから,ナンパ男2人の背後,貴女と正面から向き合う位置にいるだろう。
正直に言えば,最初は『確かにあの子美人だなぁ。』くらいにしか思っていなかった。
その他大勢と同じように,関わり合いになることを避けようとしていたのだが…
「……あっ……。」
…誰も助けに入らないのを良い事に,馬鹿男2人は調子に乗っている。
そしてどうも,周囲から他の救世主が現れる様子は無いようだ。
あーもー,マジかよ……これ,タンコブくらいで済むかなぁ……。
内心でそう呟いてから,一度息を整えて,
「にーさんら,その辺にしといたほーが良いんじゃねーかな?」
落ち着き払った声で,できるだけ余裕を感じさせるように振る舞って,
2人の背後から声を掛け,両者の肩をポン,と叩いた。
■和元月香 > (...まぁやっぱり誰も助けてくれないよね!)
見て見ぬふりをして脇を通り過ぎていく通行人達を責めるつもりは無い。
月香がその立場に立ったら助けるのかは別として、
面倒事は避けたいのは現代人の性というやつだろう。
実は月香はこの男らの股間を蹴るなりして逃げる事は容易い。
だが人前だ。変な悪評がつくとめんどくせぇのである。
しかし...そこへチンピラ2人を促す勇気ある青年が現れた。
『、あぁ!?』
『なんだテメェ!?』
「...っ、え、あ...」
(きゅ、救世主...!)
小物くさいイキった声を上げながら、貴方の方を睨むチンピラ2人。
月香はと言うと何とか体制を立て直し、突如現れた貴方を少し目を潤ませながら見つめている。
■鈴木竜一 > 予想通りだったし,さほど迫力があるとは言えなかった。多分,昔の顧問の方が怖い。
さて,とは言え,問題はここからだ。
経験が無いわけでもないが,喧嘩慣れしているというほどでもないし,
戦いで役に立つような異能や魔術も無い。
…まぁ,殺されてもコンティニューできるんだろうけれど,死にたくはないし。
「………悪ぃ。」
ここはひとつ,先手必勝一撃離脱。
2人それぞれの肩に置いていた手を離す…
…と同時に,左右から2人の頭を掴み,大胸筋をフルに使って衝突させる。
振り向いただけの中途半端な姿勢なら,お互いのデコが見事に“ゴッ”と良い音を立てるだろう。
それだけで気絶するほどではないにせよ,時間は稼げる。
「…ごめっ!早いとこ逃げて!」
本当ならかっこよく2人とも完全にぶちのめしたいところだ。
が,この2人がよほどのヘタレでない限り,きっとこの先の展開は,その逆になるだろう。
ヘタレだったらここで終わるかもしれないけれど…。
いずれにせよ,今のうちに逃げて貰えば安全だし,カッコいいまま終われる。
■和元月香 > 『ぎゃっ』
『がっ!』
脳が揺れ、汚い悲鳴を上げて地面に崩れ落ちる男達。
少しばかり予想外の撃退法に月香は潤ませていた目を丸くする。
「え、いやいくらなんでも...
助けてくれた人置いて逃げるのは私はちょっと無理ですかね!?」
普通の女子なら悲鳴を上げて逃げるところだが...。
流石に狼狽えてそう声を上げた月香だが、男達を見下ろして何かを閃いた。
「...今の見なかった事にして」
貴方に呟くようにそう言うと、スニーカーの爪先をさりげなく勢いと鋭いモーションをつけて容赦なく2人の股間にめり込ませた。
周囲には漏れない程度だが、
ドゴッ、ドゴッと音が確かに響く。
小さく、しかし悲愴な悲鳴が上がるが振り上げられていない足は男達自身の体に隠れて月香が何かをしたのかさえ周囲には分からなかっただろう。
見られなかったらいいのだ、と閃いた結果であった。
「...別の意味で逃げた方がいいと思うんですよね...」
(視線やばいし)
そのまま気絶はしないが起き上がれなくなった男達と、何より自分達に注がれる痛い視線に気付き、月香はこっそりとそう尋ねた。
ご案内:「学生通り」から和元月香さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に和元月香さんが現れました。