2017/08/14 のログ
■鈴木竜一 > 貴女が少しの罪悪感を胸に悲鳴を上げて逃げてくれれば,それでいい。
あとは自分も,自慢の脚を生かして脱兎のごとく…その予定だったのだが。
「…いや,そうじゃなくって,君が居たら………」
逃げられないじゃないか。
青年がそう言う前に,貴女は倒れた哀れな男2人に,トドメを刺した。
この馬鹿男2人も酷い奴らだが,これはこれでひでぇ…。
「…おーらい,なんだよカッコ良く犠牲になろうとしたのに。」
肩を竦めて苦笑し,それから貴女の言葉に周囲を見回す。
そうよね,今この場に居る中で最大の危険人物はチンピラ2人を無慈悲にボコったワタシよね。
「……よし,逃げっか!」
お騒がせしました。なんて周囲に声を掛けて…青年は自然な動作で貴女に手を差し出した。
貴女がそれを掴めば,貴女が転ばないぎりぎりの速さくらいで,引っ張ってくれるだろう。
その痛い視線を振り切るあたりまで。
■和元月香 > 彼の本心には流石に気づかなかった月香は、どこか予想と違う反応を不思議には思ったが言及はしない。
「犠牲にか...どーだかねぇ」
しかし、彼が自己犠牲精神はあまり持ち合わせていないと
勘づいたらしく、性悪そうににやりと唇を歪めた。
「よっし、らじゃー!」
緩く応対して、差し出された手に自然に自らの手を重ねる。
足は速い自信はあるが、流石に運動系の男子の全力には体力的に難しい。
気遣ってくれた事にも心の中で感謝しつつ、周りに向けて軽く頭を下げてからその場を後にする。
■鈴木竜一 > 200m程度走ってから角を曲がると,人影は殆どなくなった。
ベンチを見付ければ,青年は足を止める。殆ど息を切らしていない。
「まー,逃げ切れる自信はあったんだけどさ,一発目で掴まれたら終わりじゃん?」
そこで初めて貴女の言葉に返事をして…きっと貴女は疲れているだろうから,座るよう促した。
…助ける必要あったかなぁ。と内心では思いつつも…
「…まー,タイミングと運が悪かったってー感じだねぇ。
さっき引っ張られてた腕,痛かったりしねーかな?」
…こうやってお近付きになれたのはあの馬鹿男たちのお陰かな。
なんて,一方で役得気分を味わったりもして。
■和元月香 > 青年が立ち止まった所で、月香はがくんと足が揺れる感覚を味わう。
首やら腕やらから汗がだらだら流れているのと目の前の青年を見比べて、
(うっわ体力おばけか...すご...)
と素直に驚いていた。
かなり運動神経はいいほうなのだが、それ以上か。
「いや、ほんとありがと...。
...別にね、最初から股間キックは出来なくとも無かったけど悪目立ちすんのは正直避けたくて...。
結果的に君が悪目立ちしちゃったんだけど。
え、あ、平気だよー」
ベンチに腰かけて、礼と謝罪を同時に述べる。
申し訳なさそうな、しかしへらりとした裏表の無い笑顔は
そこそこ美少女の月香の顔には映えるだろう、多分。
それから腕をぶんぶん振りながら痛みについては平気だぜと伝える。
いや、そもそも感じないから痛いもクソも無い。
その腕が内出血していようが痛くないものは痛くない。
■鈴木竜一 > 実はと言えば,運動神経そのものは決して良い方ではない。
走るためだけに鍛えられた肉体は,その単純な動作に最適化されている。
……だから,喧嘩は強くないの。
「あー,そういうコトか。見かけによらず悪い奴だなぁ。
ぶっちゃけちょっと気分良かったし,ぜーんぜん気にしなくていーぞ。」
最初に見た時から可愛いとは思っていたから,
そんな貴女を結果的に助けられて,お礼まで言われて,笑顔を見せられて…
…いや,ご馳走様ですっていうか,なんていうか。
でも,貴女の腕を見たら,そんな気分も吹っ飛んで……
「……バカタレが,どう見ても平気じゃねーぞソレ。
ったく,無理に動かすんじゃねぇよ。」
貴女が腕を止めれば「じっとしてろ。」と言ってから,すぐ近くの自販機でスポーツドリンクを買う。2本。
そのうち1本を貴女に,ほれ,と差し出して…
「…俺は飲むけど,お前は飲むんじゃなく,冷やす。
きれーな腕に痣残したくなかったら言うとーりにしろよ?」
…そのまま隣に座るだろう。
■和元月香 > 「.......?君が気分いいならいいけど...。
でもごめんねー、何か用事あったらほんと申し訳ない」
何故気分いいんやろ、と不思議そうに首を傾げる。
月香は自分の容姿が他より優れていることは自覚しているが、それを全く重要視していないので彼の心情は理解できなかったらしい。
謝るにしては軽い口調で頭をかく。
「...、あー、別に平気なんだけどナー」
目敏い貴方の視線には肩を竦め、大人しく腕を下ろす。
ごにょごにょと俯いて呟く言葉は、最後の抵抗のようなものか。
全く痛くないので、痛い素振りを見せなかったら逆に何とかなるのではと目の前の青年を少し甘く見てしまった。
「...おーう、ありがと」
隣からスポーツドリンクを受け取り、腕に当てる。
ただただひんやりとした感覚に、少しだけ目を細めた。
(...ただのいい奴じゃんこいつ)
穏やかな時間が、何かを軽くする。
ふぅ、と溜息をついて隣の青年をなんとなしに見つめた。
ご案内:「学生通り」から和元月香さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に和元月香さんが現れました。
■鈴木竜一 > 「ほら,男ならヒーローにあこがれるモンじゃない?今回のはこう,ちょっとやり過ぎた感あったけど。」
貴女が不思議そうにしているから,男としての感覚を教えてあげよう。
ヒーローにはもちろんヒロインが必須なのだが,そこは恥ずかしいので説明しない。
その結果,なんだか随分単純で馬鹿馬鹿しいことになったような気もするが…。
「…あー,そうそう,俺炊飯器買いに来たんだけども,学生街には無かった!」
用事と言われればそんな風に応えて,自分で自分の失敗を笑う竜一君。
貴女の隣で,スポーツドリンクを半分くらい一気に飲んで…
「ちっと大袈裟だったかも知んないけどさ,こーいうの最初が大事だから。
今日はお風呂でもあんまし温めないほーが良いんじゃねーかな。」
…その経歴がら,怪我に関する知識は豊富だ。
この島の感覚では内出血など大した怪我ではないのだろうが,この青年はまだこの島に染まり切ってはいない。
「…………ん?どした?」
貴女の視線に気づいて,首をかしげるただのいい奴こと,竜一君。
■和元月香 > 「まぁヒーローはかっこいいよね!
君もヒーローみたいだったかは別にして、かっこよかったと私は思うよー」
確かにくだらない事だったが、こっちにとっては正に救世主だった。
にっと笑ってそうさらりと言ってのける。
「それは商店街にあるんじゃね?
てか自炊するんだねー、凄い。
私は炊飯器爆発させたことあるから自炊とか夢のまた夢で」
手をひらひらと振り、
けたけた笑いながらこれまたさらりと言ってのける。
あの時は警察呼ばれかけたなぁと他人事のように思いを馳せる月香。
「...ん。分かりましたー」
大人しく頷く。
怪我の治療は何かとぞんざいにしがちだが、恩人の言う事ぐらいはきちんと聞こう。
そんな事やあんな事やらを考えていて、
相手の顔をまじまじとながめていたが、
「...えーっと、君の名前知らないなーって」
何となく誤魔化すようにそう告げた。
■鈴木竜一 > 「おっけー,そう言って貰えれば悔いは無いぜ!
俺の女に何してくれてんの?とかそーいう流れで行くのもアリだったんだけど,さすがにハズかった…。」
ベタなプランBを披露しつつ楽しげに笑って,
「やっぱそうだよな!俺も10分歩いて気付いたわ!
…やー,外食ばっかだと貯金の方が爆発しそうでさ。
……ってか,炊飯器って爆発すんの!?何がどうしてどうなったんだよ一体…。」
肩を震わせて笑いながら,スポーツドリンクを飲み干した。
貴女が大人しく頷けば,よろしい。なんて偉そうに言ったりして…
「……あぁ,なるほどなー,そしたら自己紹介,俺は鈴木竜一。
で,そーいう君の名前は?」
■和元月香 > 「漫画でよくあるやつね!それもかっこよかったと思う!
羞恥心は倍ぐらい強かったと思うけどブフッ」
想像したのか、盛大に噴き出した。
いつもの事だが失礼な奴である。
「おされな街って感じだから、この辺は本気の買い物には向いてないねぇ。歩くだけならいいんだけど。
いやー、なんかフライパンとか鍋とか、火や熱を使うやつは何故か...」
うんうん、と笑顔で頷いた直後、
1度は爆発してる、と訳の分からない事をど真面目の真顔で言う。
「鈴木くん、鈴木くんね!
私は和元月香、好きに呼んでいいよー」
よろしくね、と人当たりのいい笑顔で何故か親指を立てた。
■鈴木竜一 > 「カッコ良いか!?なんかこう,めっちゃ痛い奴って感じしねぇ!?」
貴女も盛大に噴き出したので,不採用で正解だったようだ。
セーフセーフ!
「ホントにもう,食い物とファッション系の店ぐらいしかねーの!
って…何ソレ,料理が上手いとか下手とかそーいう次元じゃねーし…。」
内容は爆笑ものなのだが,貴方が真面目に言うもんだから,苦笑するしかなかった。
「んー,じゃあ,同じ感じで,和元さんな!
こっちこそよろしくー。」
いえーい。なんて言いながら,同じように親指を立てて,貴方の拳に軽く当てる。
「さってと,俺は目標達成のために,商店街のほーに行ってみるけども…
…和元さんはどーする?また絡まれたら面倒だし,送ってってやろーか?」
■和元月香 > 「ふ、ふふ...この島すごい漫画っぽいやつ多いし大丈夫なんじゃないかな」
よっぽど自分の妄想がツボにハマったようでげらげら笑い始めた。
なんとも楽しげに。
「貧乏学生にはあんまり縁のある場所じゃないよね...。
私が聞きたいよマジで。
サラダとかは普通に作れるのに...」
テンションだだ下がりで遠い目をする。
彼の言う通り上手い下手の次元では無い。
単に何かの呪いをかけられているのでは、と戦慄したり。
「よろしくー」
うぇーい、とノリノリで挨拶をし、
再び高いテンションに戻ると、スポーツドリンクを腕に当てながら立ち上がる。
「私もついてっていい?
せっかくだし、惣菜か何か買っていきたいし」
にこ、と笑ってついていく旨を伝える。
■鈴木竜一 > 「…無意識に魔法使っちゃってるとか異能がどうとかそーいうヤツ?」
遠い目をしている貴女を見て,青年は思い付きを呟くことしかできない。
てか,それだけ爆発させて無事なのもスゴいと思うが…
「…マジか,そしたらさ,ちょっと案内してくれないかな?
俺まだこの島来たばっかしでさ,どこに何があんのかぜーんぜん分からないもんで。」
こちらも同じように立ち上がって,そんな提案。
商店街は美味しいコロッケのお店を1つ知っているくらいの知識量だ。
貴女の脳内マップに全てを委ねるしかない。
「あ,そうだ…ある程度冷えたろうし,もう飲んで良いぞ。」
律儀に冷やし続ける貴女の様子を見て楽しげに笑いながらそうとだけ言って,
それから青年は歩き出す。貴女の歩幅に合わせることも忘れずに。
■和元月香 > 「多分違うんじゃないかな!!
...もしそんな異能持ってたらこの島には私多分いないよ?」
ただの不器用故。
やけくそ気味に謙遜し、ぼそっと意味深なことを呟く月香。
終始ずっと同じ笑顔だったが。
「いいよー。
私もまだ来て半年ぐらいだけど、案内ぐらいはできるから」
軽く了承し、んーと伸びをする。
スクールバッグを肩に掛け直しながら、月香は満面の笑顔を投げかけた。
「...あ、いいの!よっしゃ」
冷たい飲み物にありつけた喜びか、まどろっこしくキャップを開ける。
そのまま先導するように、竜一の手を引いて商店街方向へと歩いていこうか。
■鈴木竜一 > ただ炊飯器を買いにきただけのはずだったのに,
気付いてみれば女の子を(一応)助け,その子に手を引かれて買い物をしている。
貴女の助けがあれば,炊飯器くらいはすぐに見つかるだろう。
けれど,あまりにも色々な事がありすぎて,青年は一つ,大きなミスを犯した。
それは,楽しい買い物が終わって貴女と別れ,彼が寮に戻ってから気付く事実なのだが…
『連絡先,聞き忘れた……!!!』
…最高のタイミングを逃した青年は,結構後悔したのだそうな。
ご案内:「学生通り」から鈴木竜一さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から和元月香さんが去りました。