2017/09/14 のログ
ご案内:「学生通り」に紫崎衿沙さんが現れました。
■紫崎衿沙 > 夕方、学生通り沿いにある小さな洋食レストラン、『かもめキッチン』。
ディナータイムを前にしてキッチン内では準備に追われているが、
客はほぼ居ないためか、ホール内では暇を持て余しており。
そんなアイドルタイムを利用して、窓際の席では珍しく、不良少女が
本を読んでいた。
「…さっぱり分からねぇ」
読んでいるのは、今日の授業で教師に勧められた心理学の本。
しばらく活字を追っていたが、なかなか頭に入ってこない。
少々専門分野に踏み込んだ内容のためか、いきなり読むには難しい。
「…辞書」
なかなか難しいが、諦めるつもりはないらしく。
電子辞書を取り出し、知らない専門用語をいちいち調べながら、
かなり遅いペースではあるが、少しずつ読み進めていく。
■紫崎衿沙 > 珍しく真面目な顔で読書に勤しむその姿を、
他の従業員たちは物珍しそうに見ている。
その視線に気づかない程度には集中していたが、
それも長くは続かない。
すぐに限界を迎えたのか、椅子の背もたれに身体を預けて
天井を見上げると。
「…先はなげえなこりゃ。なんでこんなもんずっと読んでられるんだ」
この本を借りた時の図書館の様子を思い出し、呟く。
数ページしか進んでいない本にしおりを挟めば、頬杖をついて外に
視線を移した。
■紫崎衿沙 > しばらくぼんやりと外を眺めていたが、
ふと時計を見ればそろそろ勤務開始時刻が迫っていた。
本を鞄に入れ、荷物をバックヤードに置いてから
自分の使っていたテーブルを片付ける。
途中、店長から受けた妙な衣装の提案をきっぱり断ると、
入ってきた客に視線を移し、最近自然になってきた笑みを浮かべると。
「いらっしゃいませ。2名様、こちらの席へどうぞ」
徐々に忙しくなる店内を機敏に動き回り、閉店までの時間を過ごすのだった。
ご案内:「学生通り」から紫崎衿沙さんが去りました。