2017/11/22 のログ
藤巳 陽菜 > 「自分と関わる事のないものを理解しろなんて無理に決まってるじゃない。」

陽菜の考え方もこの島に来るまでは割と本土的というか…。
自分には関係ない遠い世界の事だと思っていた…。

「誰かね…正直私より際に身体が変身した人はもう少し色々置いてくれてても良かったと思うのよ…。
 全く…。」

或いは置いていたけど研究機関が内で持っているとか…。
どちらにせよ残っている例が少なく過ぎて先駆者にならなければいけない環境。

「まあ、私は自分が人間の側でいれれば良いわ。」

異能に目覚めてあしの形が変形した人間。
ラミアよりは人間に近い存在であるはずだ…少なくとも陽菜はそう考えている。

「くれるの?…ありがとう。」

受け取ったクレープを一気に食べてしまわないように意識して小さく食べていく。

筑波 察 > 「そうかなぁ?無理ではないように思うけどね。
 案外やってみれば上手くいくもんだよ。興味がないだけだと僕は思うね」

だってこの島に来てからは多少なりとも変わったんでしょう?考え方。
こんなことを言うのは、何も彼女に対してだけじゃない。
自分も最近考え方が変わったような気がするのだ。

「はじめの一人は誰でも寂しいものだからねぇ。
 むしろ楽しむくらいの意気込みじゃないと」

今の彼女にはそんな余裕はないだろうが。
初めの一人、特別に拘って生きる身としては夢のような響きだ。

「それはどうだろう。
 ほかのラミアと一緒にされたくないなら、自分は他とは違うんだと胸を張るしかないね。
 ある意味特別を目指さないと。はたから見れば君はラミアだ」>

藤巳 陽菜 > 「私も関わる物が広くなれば理解できるものも増えていくとは思うけど…。
 …正直、自分の身体と周りの物だけでもう精いっぱいなのよ。」

例えばそういう知り合いがいれば理解しようと努めるだろう。
だが、今はまだ他人の誰かに対して理解を深めていくような気にはなれない。

「…人ごとだと思って気楽に言うわね。」

彼はこういう風な人間だと知っているのでもうこれで怒ったりはしない。
流石に少しムスッとするけど。

「…私の友達が言ってたんだけど自分が人間だって思ってる限りは人間だそうよ?
 人がどう思ってようが自分が思い続ける限り。
 見た目の話をするなら魔法でも使えば一時的には何とかなるしね。」

筑波 察 > 「ま、君にそういう余裕が出てくるのはもう少し先だろうね。
 でも理解しようとする興味を自分じゃなくて外に向けてみるのも案外楽しいものだよ。
 意外と他人が解決のヒントをもってたりするからね」

理解できないものを自分の中だけでかみ砕いて消化するのは、正直限界がある。
なんとなく彼女はその限界のあたりにいるような気がする。

「おっと、誤解しないでほしいね。
 僕にだって君みたいな時期があったんだよ?」

これでも悩んで生きてきた身だ。彼女のことを完全に他人事だとは思わない。

「なら僕も君の知り合いとして一つアドバイスをしよう。
 これから先、君は『私は本当に人間だろうか』と不安になるときが来るだろうね。
 もしかしたらそういう経験をすでにしているかもしれないけど。
 そうなった時に『藤巳さんは人間だ』って言ってくれる人を大切にすることだね。
 君にはそういう特別な人がいるかい?」

最後の一口。クレープを咀嚼して飲み込んだ時にそんなことを言う。
いつものふざけた雰囲気とは少し違う、珍しいほどに真面目な口調で>

藤巳 陽菜 > 「…余裕が出来たら考えておくわ。」

いや、むしろそれを思い出すのは行き詰まった時だろうか?
他人を理解する事。それはきっと非常に難しい。
自分ですら理解しきれていないのに…。

「それを拗らせて今みたいになっちゃったという訳ね…。」

きっと、自分の異能について考えて悩んで色々試してその結果。
人の特別になろうとする彼となったのだろう…どうしてこうなった。

「特別な人…。」

人間であるかを悩んだことは未だない。
だが、この先も人間であるかを悩んだことならばある。

自分を人間だと言ってくれる人。
自分のマフラー…赤地に黄色のヒヨコがプリントされたそれを見る。
…いる。

「…ところで筑波君。筑波君はもし私がそう言う風に不安になってたらなんて言う?」

筑波 察 > 「現状僕はこんなんだけどね。
 そのうちまた変わっていくと思うし」

それでも、特別に拘らない自分ていうのは想像できないけど。
なんて続けて笑って見せる。
変化を楽しむようになれば、それはきっと余裕があるということだろう。
目が完全に見えなくなってもダメージが少なかったのは、そういう部分が大きい。

「その様子だとちゃんといるみたいだねぇ?なら未来永劫君は人間だ。
 んー。ラミアではない。って言うかもしれない。
 人間だと断言はしないのは確かだね。僕は君が人間だったころを知らないし。
 でも君が自分の事を純粋なラミアじゃないって断言してるのは知ってるから」

とてもまわりくどい>

藤巳 陽菜 > 「…もうちょっと、面倒くさくない性格に変わってくれるとありがたいわ。」

確かに彼は変わったと思う。
…最初あったころは今に輪をかけて面倒な性格だった。

「…そういうとこ面倒よね…アナタ。
 融通が利かないっていうか、変にキッチリしてて…。」
 
溜息を吐きながら言う。

「普通に人間だって言ってればアナタが大好きな特別な存在になれてたんじゃない?
 …折角のチャンス棒に振ったわね。」

筑波 察 > 「こればっかりはもう少し時間をかけないと治らないねぇ?直すつもりもないし。
 でもまぁ、藤巳さんはラミアじゃないってはっきり言えるよ。それだけは言える。
 それにもしかしたらこれから先、藤巳さんは人間だって断言できる日が来るかもだし」

もしそういう形で特別になれる日が来るなら、もう少しさきかなぁ。
そんな風に言って見せる。特別へのこだわり方は変わったようだ。

「じゃあもし僕が君のように不安がってたら、
 君は僕を人間として認識してくれるのかい?」

ふと、そんなくだらない疑問を投げかけてみる>

藤巳 陽菜 > 「まあ、じゃあ今はそれでいいわ。許したげる。」

ラミアで無いなら異邦人でないならまあ今は良い。
人間かどうかこんな姿も相手を判断するのは難しい。
だから見た目だけで判断していないならそれだけで良い。

「アナタがそんな風に悩んでるのが全くイメージ出来ないんだけど…。
 でも、そうね…人間だなって思うわ。
 今より親しみやすさを感じるかもしれないわね。」

正直、人間でないとか知ったら不安がるどころか喜びそうな気がする。
逆にそれで悩む姿を見れれば人間的だなと思えるかもしれない。

「それじゃあ、私は用事があるしそろそろ行くわ。
 …クレープありがとうね。」

手に持っていたクレープはいつの間にか食べ終えていた。
無意識の内に一気に食べてしまったのだろうか?
そんな事に対して何となく気恥ずかしさを覚えてそそくさと目的地へと向かっていく。

ご案内:「学生通り」から藤巳 陽菜さんが去りました。
筑波 察 > 「そのころには君が人間の姿に戻ってるといいねぇ?」

そうであればわかりやすく彼女は人間だといえる。何も考えなくとも。

「僕も自分がそんなことで悩んでるところなんて想像できないね。
 ……悩んでた方が親しみやすいの…?」

彼女のコメントに微妙な表情を浮かべるが、言わんとしていることはなんとなくわかった。
どうやら彼女の中で僕は相当な変わり者として扱われていることに間違いないようだ。

「ん、僕もまだ寄りたい店があるから」

そう言ってお互い目的地に向かって別れると、溢れかえる雑踏の中に姿を溶かしていった>

ご案内:「学生通り」から筑波 察さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にHMT-15さんが現れました。
HMT-15 > 常世祭も中盤に差し掛かったころ、
学生通りの勢いはまだまだ衰えておらず
幾多もの出店が通りに並び
暗くなっても人通りが少なくなることは無い。

その中で通りの真ん中をガッチャンガッチャンと
金属音を立て堂々と進んでいる四つ足のロボット、
その背部にはそこそこ大きめのボックスが背負われている。
そしてそのロボットは

「アルコール含め各種飲料を販売中。
喉が潤したい貴方はお求めを。
なおアルコール飲料の購入の際は年齢確認の必要あり。」

通りの喧騒に負けないように大きめの声量で
機械音声にて告知していく。
どうやら今日は所謂自走自動販売機をやっているようだ。

HMT-15 > 「毎度ありー。」

無個性な合成音声で伸びた口調。
狙って自販機の少ないルート選択をしているかいもあってか
意外にも売れ行きは好調のようである。
騒ぎつかれた生徒たちが自販機と化したロボットへ
近寄っていき硬貨を差し出し
炭酸飲料、茶、コーヒー等背中のボックスを開け取っていく。

「毎度あり、気温も低いのに炭酸飲料とは興味深い。
毎度あり、温かいコーヒーとは合理的な判断だ。
毎度あーアルコール飲料は未許可だ。」

飲み物を買う生徒にいちいち反応していき
どさくさに紛れてビール缶へ手を伸ばした生徒を
察知すればボックスの蓋をバチンと閉めて
その腕をボックスからはたく。