2018/03/04 のログ
■神代理央 > 期末試験も一通り終了し、今日は風紀委員としての任務も無い。
……筈だったのだが、巡回当番の生徒がインフルエンザで欠席となれば、ゆっくり休んでいる訳にもいかないだろう。
というわけで、寝込んだ生徒の代わりに学生街の巡回任務にあたっているのだが―
「……何というか。こういう治安の良い場所での任務は久し振りだな」
最近は、もっぱらスラムだの落第街だので荒事ばかり。
一般生徒の行き交う学生通りでの巡回任務は、正直楽を通り越して退屈なレベルだ。
己の異形を召喚する訳にもいかず、風紀委員の腕章をぶら下げてぼんやりと通りを徘徊していた。
■神代理央 > 普段の任務地である落第街とは違い、此の場所では風紀委員の腕章に嫌悪感や敵対心、警戒心を持たれる事は無い。小柄な体躯と男らしくない顔立ちに好奇の視線を向けられる事はあっても、それはほんの一瞬の事で直ぐに掻き消えていく。
元々交番代わりの風紀委員の詰め所がそこかしこに存在する学生通りでは、そもそも戦闘部隊――厳密には、そういった部隊に配属された訳では無いのだが――である自分の出番等、あるはずも無かった。
「とはいえ、必要な任務であることには違いない、か。風紀委員の評判を落とすわけにもいかんし、精々看板代わりになるとするか」
見栄えの悪い異形の召喚は避け、真面目な表情を作って巡回を続ける。途中、ポケットから取り出した飴玉を口に含みつつ、全く問題の起こらない平和な任務に淡々と取り組んでいた―
■神代理央 > 道中、迷子になった子供を道案内したり、財布を落としたというカップルの探しものを手伝ったり。
平和というよりも牧歌的な任務を黙々とこなし、並行して飴玉を噛み砕く数も増えていく。
「……平和なのは素晴らしい事だが、その只中に立つのは性に合わんな。乱世を求めている訳では無いのだが」
本心では、硝煙と血風を求めて闘争心が疼いているのかもしれない。だが、少なくともその我欲は理性で封じる事が出来ていた。
だからこそ、平和を謳歌する此の街の只中で埋没する様な任務はつくづく向いていないなと、休憩がてら腰を下ろしたベンチで溜息を吐き出した。
■神代理央 > 一通り巡回も完了し、夜勤担当の委員へと引き継ぎを行う。
夜間の巡回・警備を担当する風紀委員は学業に専念出来ているのだろうか、と僅かに疑問を覚えたが、気にしても仕方ない事でもあるのでその疑問を頭から振り払う。
腕章を外して一生徒へと戻った少年は、帰り道で甘味をつまみ食いしながら帰路についたのだろう。
ご案内:「学生通り」から神代理央さんが去りました。