2015/06/14 のログ
大好きなお母さんへ > 「あら、「おかあさん」にもないしょなの? ああ、「しずか」がはんこうきだわ……」

およよ、とわざとらしく嘘泣き
少なくとも「お母さん」は自分のことを本当に「お母さん」だと思っている
「お母さん」を演じているわけではなく、「お母さん」なのだから「お母さん」なのだ
「お母さん」は「お母さん」以外の何者でもなく揺るぎなく「お母さん」なので疑う余地もなく「お母さん」である

「ありがとう、ふたりとも! ふふ、「おかあさん」まいにちだってメールしちゃうんですからね
……まあ、まだあんまりつかいかた、なれてないんだけど……」

二人のアドレス帳には、それぞれ「お母さん」「ははうえ」と記録された
名前などない
「お母さん」は「お母さん」であり、それ以上でも、それ以下でもないのだから

「まあ、ふたりともほんとうにやさしくそだったわね……よぉし、ここは「おかあさん」がおごってあげる!」

そしてそのまま3人で、ファミリーレストランへと向かう、が

「あ、お母さん」
「おー、おかんやん!」
「母ちゃん……!?」

ぞろり、ぞろり
二人の兄弟が
二人の姉妹が

「増殖」えていく

鈴成静佳 > んー、まあ、お母さんにならいいか、見せても。プレゼントだから包装は開けないけどね。……怒らないでね?
(と言って、財布から家電量販店のレシートを取り出す。そこには《PCゲーム:白濁♥女子寮 -ふたなり佳ちゃんオスイキ天国-》という商品名が記載されている)
……ゴメンねー、お母さんの会社のソフトじゃなくてさ。でもこれがあの子の趣味に合ってるとアタシは思ったのよ!
(どうやら静佳の本当の母親はエロゲー会社勤務のようだ)

(静佳は物事を深く考えない性質だ。完璧に『お母さん』の異能にどっぷり飲み込まれている)
(ファミレスは空いている時間帯。6人がけのボックス席に通されると、静佳は『お母さん』の隣に座る。2人で『お母さん』を挟み込むように座るよう、棗おねえちゃんに促す)

(……しかし、ほどなくして『兄弟姉妹』が店内に溢れ出す)
……あれ? あれれ? お母さん、こんなに産んでたっけ???

久喜棗 > 「ほれー、静佳が隠し事などするからははうえが悲しんでおるではないか
 家族の間で隠し事などダメじゃぞー?」

嘘泣きする「おかあさん」に悪ノリしてニヤニヤと含み笑いしながら静佳を責める

「儂も毎日ははうえにメールするぞ!
 なぁにこういうのは慣れじゃよ慣れ
 儂もちっとは手こずったが何度も練習する内にちゃんと出来るようになったからのう」

たわいもない会話のやりとりをしながら歩いていく
何の変哲もない幸せな日常、だが異常は収まるばかりか加速していく
おかあさん、おかあさん、周りの人間がそうつぶやくたびに兄弟が増えていく
棗はそれでも、こんなにたくさんの兄弟が一同に集まるなんて偶然もあるものだぐらいにしか感じなかった
この異常事態を疑問に感じない事こそが本当の異常なのだが

「むう、ははうえにだけ見せるなどずるいぞー、儂にも見せぬかー」

「おかあさん」にだけこっそりとプレゼントの中身を見せる静佳に、後ろから覗きこもうとピョンピョンはねてみる

鈴成静佳 > だーめっ! 棗おねえちゃんは清純派なんだから、こんな下劣なタイトル見たら失神しちゃうもん!
アタシだって最初見た時はドン引きしたし……(嘘臭いはぐらかし方をしながら、レシートをしまい込む)
ま、いわゆる「エロゲー」ってやつよ。氷架ちゃんの趣味なの(言いふらし)。今度遊びに行ってごらんよ?

大好きなお母さんへ > 「……まあ……」

ちらり、と静佳に見せてもらったプレゼントは、少々「お母さん」の想像を超えていた
さしもの「お母さん」も、目を丸くして、そして、悟った

わたしは、アダルトゲームを制作する会社の社員なのだ、と

「……いいのよぉ、こういうのは、あうものをするのがイチバンだもの」

くす、と内緒話でもするように笑った
棗には内緒だ

「あら、「なつめ」はさすがおねえさんねえ、「おかあさん」、いつまでたってもなれないわあ
こんど、やりかたとかおしえてねえ?」

かと言って、静佳を贔屓しすぎるわけでもなく、棗にも同じように、約束と取り付けてあげた
お母さんにとっては、ふたりとも、みんな、等しく愛しい「我が子」なのだから
喧嘩などしたら、「お母さん」は、きっと、悲しむだろう


百鬼夜行
もし、仮に、「お母さん」を「お母さん」に見えない存在がいるとすれば
人をぞろぞろと連れ歩き、その先頭に立つその姿を
或いは
   或いは


店内が、「我が子」たちで満ちる
店員も「我が子」
店長も「我が子」
清掃員も「我が子」
無数の「我が子」が中規模の店内を埋め尽くす




ぱぁん




「お母さん」が両の手をぴしゃりと叩いた

「……ああ、ごめんよ母さん」
「お母さんの邪魔しちゃいけないね」
「またこんどあそんでねおかーさん!!」
「おふくろ、先家帰ってるぜ」

静佳と棗、それにファミレスの店員以外の「我が子」たちが、一斉に帰っていく

呪いだ
「おかあさんちょっとフタリとおはなしがあるから、
みんなはサキにかえってなさい ヨリミチしちゃダメよぉ」
という意志が、二人と店員以外に波紋のように広がった

「……ええ、わすれちゃったのぉ? あなたたちは、いーっぱい、「かぞく」がいるでしょう……?」
にこりと
微笑んだ

鈴成静佳 > (秒単位で増えていく『兄弟姉妹』にはむしろ静佳が戸惑いを覚えていた。少し前まで、静佳には兄が1人だけだった気がする……気のせいか?)
(気のせいだ)
(そうか)

(母親の威厳か。柏手1つで散っていく『兄弟姉妹』に、息苦しさが和らいでいくのを感じると、ふぅ、と1つため息を付く)
(ひとまず溜飲がさがると、やはり『お母さん』への敬慕の念が増してくる)
……いやー、こんなにいっぱい産んでたなんて、やっぱりお母さんはすごいや。アタシも早くお母さんみたいないいオンナになりたいなー。
「いっぱい勉強して、早くいい人見つけて、早く結婚して、いっぱい子供を産んでね」って。この島に来る直前にお母さんに言われた言葉、覚えてるよ。そのために勉強も頑張ってるよ!
……男のほうは、まだ、ビミョーだけどね。フフッ。

久喜棗 > 「え、えろげー?というとあの猥褻ゲームか?
 そ、そうか…あの子は真面目なように見えたが意外とムッツリなのじゃな…」

ほうほうと感心したように相槌を打つ、今度氷架の所へ遊びに行く時に話を聞いてみよう

「しかしあの子はまだ18になっておらぬのではなかったかな?
 あまり厳しく言うわけではないが、そういったものは本来はちゃんと大人になってからするものじゃぞ」

と一言だけ注意した後、未成年にも酒を勧める自分が言うのでは説得力がないな、などと自嘲した

いつしか周り中囲むように兄弟だらけだった
ざわざわと周りが騒がしくなり流石の棗も得体のしれない不安感を感じ始めたその時、「おかあさん」がパンと手を打った
それを合図にするように兄弟たちは離れていく
棗はやはり「おかあさん」は頼りになるなぁなどとズレた思いを抱くだけだった

鈴成静佳 > ムッツリだよー。めっちゃムッツリ。アタシと正反対だねー。(鼻の下をこすりながら)

おとなになってからとか……そう固いこといわないの、棗おねえちゃん!
16歳も18歳も500歳も誤差のウチだよ、あははー(恐ろしい歳の差の姉ができたせいか、静佳の中で年齢の概念が崩れつつある)

……おっ、料理きたきた!(なぜか静佳の目の前に並べられるお子様ランチ) いっただきまーす!

大好きなお母さんへ > 静佳の「お母さん」の情報が、少しずつ埋められる
かなり性に対して大らかな人物であり、それでいて、明るく、静佳のことを思いやっている「お母さん」
静佳の大好きな「お母さん」だ



塗り替えられる
       塗り替えられていく
大好きな「お母さん」の顔
大好きな「お母さん」の体
大好きな「お母さん」の声
全てが、まるっきり、最初からそうだったかのように
それに、きっと
大好きな「お母さん」も、きっと
――二人の、姉妹だ

「「しずか」ならだいじょうぶよぉ、ね、「なつめ」?
でも、あせってへんなオトコのヒトにつかまっちゃだめよぉ?
ちゃんと、「おかあさん」にしょうかいするように」

ああ、きっとその彼氏も、静佳の兄弟だろう
人類みな兄弟だ!

「「なつめ」はおねえちゃんでしっかりものやさんだけど、そーいうところはウトいわよねぇ
イマドキのコって、けっこう、はやいっていうわよぉ?」

そのうちに、「息子」が嬉しそうに料理を持ってくる
兄の経営する店で、頑張ってるよ! とでも言いたげだ

「ふふ、ありがとう……いただきます」
お母さんの注文したものは、デミグラスハンバーグだ

久喜棗 > 大浴場の時に自分がされたことを思い出し、ムッツリはどちらかというと静佳の方では?などと思いもしたが
可愛い妹のやることだし、ただのスキンシップなのだろう……多分。と思いツッコミはせず
代わりに静佳へと生暖かい視線と苦笑いを向ける

「ま…まぁそうじゃな。だが少なくとも風紀委員には見つかるでないぞ
 彼奴らは儂と違ってうるさい上に実力行使もしてくるでな
 そういえば静佳は寮生活であったな…寮には風紀委員も手出しはせぬのかな?」

と小首を傾げる。そもそも自分と静佳は姉妹なのに何故違う場所で暮らしているのか
更につっこめば「おかあさん」とも共に暮らした記憶が……そこまでで思考は途切れ、疑問は霞の向こうへと消える
後には何を考えていたのかも忘れ、モヤモヤとした感覚だけが残った

棗のもとに注文したハンバーグが届けられ、フォークで口へと運んでいく

「ふふ、今日はははうえとお揃いじゃな!
 ここのハンバーグはなかなか美味しいのう、なぁははうえ
 って静佳、お主なんでお子様ランチなぞ頼んでおるのじゃ…」

鈴成静佳 > (注釈:静佳はムッツリスケベではなくただのスケベである)
まぁねー、風紀の人とかはコワイよね。それに、寮にも風紀の人はいるよ。
でもエロゲーくらい普通だって! 風紀の子だってきっとやってるよ! うんうん。アタシはPC持ってないからできないけど。
こっそりやるとか買うとか、方法はいくらだってあるからね。それにエロゲー程度なら捕まっても怒られる程度だよ。
(この持論にはそこそこ自信があるようだ)

……あれ? アタシがお子様ランチっておかしい?(首をかしげ)
アタシ、この100人兄弟のなかで末っ子も末っ子だったから、これ頼まなきゃなーって感じがね……あれ……感じたっけ……(やや訝しみつつもお子様ランチを頬張っていく16歳)

うん、変なオトコには気をつけるよ。でも大丈夫!
アタシ、どんな奴に捕まっても逃げられる魔術をマスターしたからね! すごいでしょー、お母さん!(胸を張る)

久喜棗 > 「静佳はともかく風紀のものがエロゲーをやっておったらさすがにマズいのではないかな…
 いや、実際どうかはわからぬがな……というより今どきの若者はそんなに性が乱れておるのか
 儂の若い頃はエロゲーどころか春画の一つすら手に入れるのに相当な苦労をしたというのにうらやま…いや、けしからんな!」

零しそうになった言葉をゴホンゴホンと咳払いすることで誤魔化す
棗も固いことは言うが興味自体は人一倍あるようだ
一番のムッツリはもしかしたら自分なのかもしれない

「いや、おかしいというよりよく注文が断られなかったのう…
 注文した時変な顔をされなかったか?静佳よ」

大好きなお母さんへ > 「ああ、ふうきいいんサンたちはこわいってきくわねぇ
いっかい、「あって」みないとなあ……ふふ」

全く生まれも育ちも異なる人間を血縁関係にすると、当然矛盾も生まれる
しかし、矛盾について考えれば考えるほど、「まあ、いいか」で済まされる
兄弟であることを、何故そうなのかと、考える必要など、
――ないのだ

「まあ、そうねえ。オトシゴロということで、おめこぼししてくれるかも……? じしんはないけどぉ
……フフ、いいえ? ぜんぜんヘンじゃないわよお
かわいい「しずか」は、いつもおこさまランチですもね
でも、「なつめ」のいうとおり、ハンバーグもおいしいわよぉ」

キコキコとナイフで自らのハンバーグを切って

「はい、あーん♥」

と、静佳にハンバーグの刺さったフォークを差し出した

「……へえ? すごいわねえ「しずか」! さすがは「おかあさん」のコだわあ
どんなまほうなのぉ?」

鈴成静佳 > んー、そんな変かなぁ?
(お子様ランチを注文した時の店員……もとい『お兄ちゃん』の表情を思い出してみる。「またか、この妹はいつまでも末っ子根性か」とでも言わんばかりの仏頂面であった)
……変じゃないよー? ねーお母さん?
あ、お母さんありがとう! あーん♥(ボテ腹幼女から差し出されたハンバーグを嬉しそうに頬張る16歳)……おいしい!

ん、アタシの魔術ね、テレポート! 見てて……
(隣にいた静佳の身体の輪郭が一瞬ブレる。次の瞬間には、静佳は『お母さん』の隣から正面の席に移動していた)
……んふふー。すごいでしょ!

久喜棗 > 「おかあさん」が静佳にフォークで一切れのハンバーグをあーんと渡しているのを見て
自分も同じメニューではなく違うメニューにすればよかったと、少しだけ後悔する
そうすれば「おかあさん」に自分もハンバーグを分けてもらえたのに
無性に「おかあさん」に甘えたい気持ちが湧いてきて止まらなかった
静佳を褒める「おかあさん」を見ていると自分も自分もと心のなかがそわそわしてきてしまう
だが自分はお姉さんなのだから我慢しないとダメだ、静佳の前なのだから

「おお、テレポートなどすごいではないか静佳!
 お主もとうとういっぱしに魔法が使えるようになったのだなぁ」

「おかあさん」といっしょになってオーバーに感動してみせる

大好きなお母さんへ > 「ええ、ヘンじゃないわよぉ。「しずか」はみんなのかわいい、いもうとですもの!
ふふ、そーぉ? でも、たまにはべつのものもたのんでもいいかもしれないわね?
このハンバーグみたいに、あたらしいデアイがあるかもしれないわよぉ?」

ちら、と棗に視線を配る
おねえちゃんだから、と自分を抑制している顔
「お母さん」にはなんでもお見通しだ
「お母さん」ほど、我が子の理解者はいないのだから

「「なつめ」もたべざかりよね、ほら、「おかあさん」のもあげるから、
いっぱいたべて、おおきくなるのよ? あーん♥」

500年の時を超え、なお身体が大きくならず、幼いままの棗
それを知ってか知らずが、「大きくなるように」と、同じようにハンバーグのついたフォークを差し出した

「わ! テレポート! すごいじゃない「しずか」っ、
それならアブないヒトにねらわれてもだいじょうぶねえ」

えらいえらいと拍手をした後に、手を向かいの静佳へと伸ばす

「撫でてあげる」というおまじない

鈴成静佳 > (再び瞬間移動して元の席にもどり、続きを食べつつ)ふふん、まぁねー。棗おねえちゃんと風呂に入ったあの日にはすでにほとんどマスターしてたよ。見せる機会なかったけどね。
あと……他の魔術はちっとも覚えられないんだ。この転移魔術だけ特別っぽい。あははー。
(ハンバーグをあーん♥してもらえたことにソワソワする棗おねえちゃんの気持ちの機微は察していないようだ)

うん、今度はお兄ちゃんお姉ちゃんのプレッシャーに負けないで好きなの頼んでみるよ!
ここのファミレスはマルゲリータピザが美味しいんだよ! みんなで食べたいね!
(かわいいいもうとと言われて満面の笑みを浮かべる。そしてボテ腹幼女……『お母さん』の腹を眺める。もうじき、もっとかわいい妹が産まれるのだ。楽しみだ)

(そして、『お母さん』が頭を撫でようとすると、静佳は猫背になって頭を下ろし)
ん、やだ、お兄ちゃん達や棗おねえちゃんが見てるのにそんな恥ずかしいよ、お母さん……んふふー♪
(されるがままに、幼女に頭を撫でられてご満悦の16歳)

久喜棗 > 心を見透かされたように「おかあさん」に優しくされ、少し照れくさそうに微笑む

「わ、儂はたべざかりというような歳ではないぞははうえ
 まぁでもせっかくははうえがくれるのじゃからな、ここはありがたくいただくとしよう」

素直ではない言葉とは裏腹に嬉しそうにハンバーグを頬張る
いつの間にか喉につっかえていた小骨も消え去りこの異常な空間で幸福感を満喫していた

「そうかそうか、あの頃の静佳とは違うのじゃなぁ
 もうこうして子供扱いしてやれるのもあとわずかなのじゃろうな」

あの頃とはいつの話なのか、少なくとも棗にはそんな記憶は全くない
だがそんなことは今の棗にとってはどうでもいい話だ、蚊ほども気にならない些細な話だ

「しかし他の魔法はダメとは奇妙な話じゃな、何ぞ心当たりでもあらぬのか?静佳よ」

鈴成静佳 > 心当たりねぇ……(しばし首をかしげるが)まぁ、アタシがバカだからかなー(単刀直入)。
瞬間移動の魔術だけ「イメージ」がしっくり固まって、それ以外がちんぷんかんぷん。きっと偶然ってやつだね。あはは。

……そう、アタシだってもうすぐお姉ちゃんになるんだから。棗おねえちゃんと同じ!
オトナなことも結構いろいろ手を出してきたし、子供扱いはヤメにしてほしいね!(ない胸を張る)

大好きなお母さんへ > 「ふうん……それはどうしてかしらねえ、「おかあさん」にもわからないわあ……
でも、きっと、そのテレポートのまじゅつは、カミサマが「しずか」にくださったものなのかもしれないわねえ」

しみじみと頷いて、同じく注文していたコーラを啜る
家族の団欒、楽しい外食だ

「いいのいいの、きにしないでじゃんじゃんたべて!
「しずか」も「なつめ」も、「おかあさん」のかわいいかわいいムスメなんだから
ちょっとぐらい、あげたくもなるのよぉ」

ふふっと、嬉しそうに頬張る棗を見て「お母さん」も幸せそうに笑んだ
500年生きたと行っても、血を分けた娘は娘
いつまでたっても子供は子供なわけで

「ふふ、でも、オトナでいるのにつかれたら……たまに、コドモにもどってもいいのよぉ
「おかあさん」は、いつでもまっているから。ね?」

ゆっくりと静佳の頭を撫でながら、慈しむように




やがて、3人の皿が空になる
「ふう、食べたわねえ……ふたりとがいしょくなんて、いつぶりかしら?
「おかあさん」、すっごくたのしかったわぁ♪」

鈴成静佳 > ホントこの術は便利! もちろん食い逃げとかには使わないけどね。
あとたまーに失敗して服が脱げたりするけどね。アハハ。外で脱げちゃうのももう慣れちゃった感あるよ。
いやー、修羅場のときの半狂乱のお母さんを思い出すなぁ。血は争えないってやつだね。んふふっ!
(盛大に思い出し笑いをしながら、供された食後のコーヒーをブラックですする。精一杯のオトナアピールだ)

うん、アタシはもう殆どオトナだけど、それでも、いつまでもお母さんの子供だからね。
また島に来てね! 今度は寮にも遊びに来てよ! お風呂が気持ちいいよ!
前みたいにみんなで洗いっこしよ!(曇り一つ無い笑顔で『お母さん』と『棗おねえちゃん』を見つめる)

久喜棗 > 「なるほどのう、つまりはコツの問題なのかも知れぬな
 残念ながら儂の魔法の知識はごく狭い領域ゆえ手助けしてやれぬが
 それを先生に伝えれば助言を貰えるのではないか?
 ふふ、そう言うでない。お主がすぐ大人になってしまったらははうえも悲しむぞ?
 大人にはゆっくりとなればいい、急いでも良いことはないのじゃからな」

オトナなことと言われてもせいぜいエッチなゲームをしたとかお酒を飲んだとか、その程度だろうと
棗は優しい目で妹である静佳を見つめる
空になった皿の前で満足そうにお腹を擦る
本当に久々の家族団らんの食事に棗はお腹も心も満腹になった

「そうじゃなぁ、ははうえと食事するなど久しぶりじゃのう…」

久しぶり、というが前回の記憶はもちろん無い
思い出そうとすれば偽記憶が形成されるだろう

「そうじゃ、静佳はいいこと言うのう!
 あそこのお風呂はあまり人も来なくて貸し切りみたいに使えてな、湯船も広くて温度もちょうどよくて
 三人で入るにはピッタリじゃな」

「おかあさん」の返事も聞かずに今度の約束を勝手に並べ立てる
まるで子供のようにはしゃぎながら「おかあさん」に甘えようとした

「ふぅー、流石に満腹じゃ。そろそろ帰るとするか
 静佳もははうえも元気そうで安心したわ
 今度メールをするから、その時にでも予定を合わせるとしようか」

言って席を立つ、親子の関係の者が別れて帰るのは何となく変にも思えたが
やはりそういった違和感は軽くにしか感じることはなかった

ご案内:「商店街」から久喜棗さんが去りました。
大好きなお母さんへ > 「おふろ……いいわねえ、そうね、こんどごいっしょしようかしらぁ?」

くすっと笑って、その時のことを考えた
きっと、お腹の子も喜んでくれる
そう信じて、愛しそうに胎を撫でた
もちろん、娘のお願いごとを、聞き入れないお母さんではない
できるだけ娘の願いは聞き入れたいし、甘えさせてあげたい

「お母さん」は、子離れができていなかった


「ええ、そうねえ。ふふ、おかいけいは「おかあさん」がはらうから、きにしなくていいわよぉ?」

そして、代金を払って、各々「別の道」を進んだ





なぜなら




3人は、親子でも何でもない、他人だからだ

鈴成静佳 > それじゃーまたね! お母さん、棗おねえちゃん! 元気でね!
(手を振り、それぞれの家へと帰っていく3人。プレゼントを抱え、ルームメイトの元へ)

……んふふ、お母さん妊娠かー、さすがだなー。この母あってのこのアタシってとこだわね。
それに棗おねえちゃん……あれ? 棗……おねえちゃん?(ふと立ち止まり)

なんでアタシ、棗ちゃんのこと「おねえちゃん」なんて呼んでたんだ?
(腕組みをしてしばし唸る)……うーん、あの立ち振舞はおばーちゃん臭いとは思ったけどおねーちゃんって感じはないし……

……ま、いいか! アタシ疲れてたんだな!(すぐに悩むのをやめ、頬をパンパン)
帰ったら氷架ちゃんのことおねーちゃんって呼ばないようにせいぜい気をつけなくちゃ!(気を取り直し、スキップで寮へと帰っていく)

ご案内:「商店街」から鈴成静佳さんが去りました。
大好きなお母さんへ > そこには、確かに、「愛」があった
親子の「絆」があった
家族の「情」があった

けれども、それらは全部嘘っぱち

「……ああ……」

お母さんは、泣いている
お母さんは、お母さんではないから、泣いている

「はやく……」

はやく
   はやく

 は
 や
 く


「……かんぺきな、「おかあさん」にならなくちゃ……」




お母さんは、そのままお家へと帰った
愛しい我が子たちが待つお家


――総会本部へと

ご案内:「商店街」から大好きなお母さんへさんが去りました。
ご案内:「商店街」に彩渕・京さんが現れました。
彩渕・京 > がたごと。
夕暮れ時の商店街を、車椅子に乗った青年が行く。
講義も粗方終わった時刻の商店街は、当然だが人通りも多い。
できるだけ他人に迷惑をかけないルートを選びながら、商店街の石畳を車輪が進む。

彩渕・京 > 「……どうするか」

学園の帰りにここまでやってきた目的は、自主的な見回りのためである。
そう、見回りだ。
決してどの駄菓子屋をひやかそうかとか、帰りに何を買って帰ろうかとか、古本屋に目当ての本が入荷しているかもしれないなとか、

そういう煩悩はない。
断じて。

彩渕・京 > ないが、店内を見回るのも大事だろう。

「ふむ……今日は駄菓子屋を見回ろう」

商店街の西側。よく見回っている(通っている)駄菓子屋へと向かう。
今日は何を買おう。

果物の果汁入りのジューシーなグミか。それとも定番のアメか。そこそこ長く楽しめるガムか。
菓子ではないが、渋くビーフジャーキーもいいか。

彩渕・京 > 十数分後。
綾渕は駄菓子屋に辿り着いていた。
見慣れた店内に、店主のお婆さんの姿が見える。

「今日はグミにしよう……」

スムーズに入店して、もはや内装を覚えた店内を一直線に進む。
葡萄の果汁入りグミを手に取って会計に。

彩渕・京 > 「会計……ええと、500円玉で」

会計をすませて店の外へ。
店の軒先に出たところで、ふと振り向いた。

「……!?」

そして、目をある一点に釘付けにした。

彩渕・京 > 目に留めたもの。
それは何の変哲もない自動販売機である。
特筆すべき点があるとすれば、それがカプセルトイの自動販売機……要するに、ガチャガチャであったことか。

彩渕・京 > 別にガチャガチャが物珍しいわけではない。
ここに何度もきたことがある以上、ガチャガチャ自体は目にしたことがある。
問題は、新しく入荷したらしいそのカプセルトイの中身が、

「これは……“機械戦記アルトリウス”の……!」

彼の好きなロボットアニメのそれだったことであった。

彩渕・京 > 慌てず、騒がずにカプセルトイ自販機に近付く。

「200円のタイプか……」

財布を開く。
両替を考えないならば、中に入っている100円玉は7枚。
単純に言えば、3回挑戦できる計算か。

彩渕・京 > 迷わず2枚の100円玉を自販機に投入。
目的は主人公機ではなく、むしろサブキャラの可変機である。
緑を基調としたシャープなデザインが綾渕の好みだ。

ご案内:「商店街」から彩渕・京さんが去りました。
ご案内:「商店街」に綾渕・京さんが現れました。
綾渕・京 > がちゃがちゃ、ごとん。
自販機の受け皿に、赤と透明色のカプセルが落ちる。
ゆっくりと手に取って中身を確認。

「……ハズレか……!」

綾渕・京 > 当然再度挑戦。
2枚の100円玉が、自販機の中に呑まれていく。

がちゃがちゃ、ごとん。

「……くっ……!」

カプセルの中で存在感を放っているのは、赤色の主人公機。
違う、お前じゃない。

綾渕・京 > もう一回。
もはや内心の焦燥も隠さず、押し込むように2枚の100円玉が自販機へと滑り込む。

がちゃがちゃ、ごとん。

「…………またか!」

カプセルの中には、さっき見た赤色の機体。

綾渕・京 > 残りの100円玉は1枚。
200円を要求する自販機には届かない。
だがここで諦めるわけにはいかない。

車椅子を旋回させ、駄菓子屋の中に戻る。

「おばちゃーん! 両替えお願い!」

綾渕・京 > ダメだった。
買い物することを要求された。
1000円札でガムを買って、お釣りの100円玉で再度ガチャに挑む。

綾渕・京 > 「くっ……!」

またもハズレ。緑色の雑魚機体が、カプセルの中で笑う。

「だがここで退いてなるものか……!」

もはや完全に意地になっている事に気がつかないまま、がちゃがちゃと自販機にへばりつく。

綾渕・京 > ――十数分後。

「……何故こうなってしまったのだろう」

綾渕のカバンの中には、十数個になる赤と透明色のカプセルと、グミやガムやアメ、ビーフジャーキーなどなどの駄菓子が詰め込まれていた。

ちなみに、カプセルの中に狙っていた可変機は一つもない。
半分近くは赤色の主人公機である。どんな嫌がらせだ。

綾渕・京 > 予想外の4000円近い出費と、カバンの中で思いっきり自己主張するカプセルと駄菓子を抱えながら、しばし店先で呆然とする。
綾渕・京 > 「……は」

数分の後、己を取り戻した綾渕は、それでも自分の中に重くのしかかる先ほどの数十分をなんとか意識しないようにしながら、商店街を出ていった。

ご案内:「商店街」から綾渕・京さんが去りました。
ご案内:「商店街」に烏丸 九郎さんが現れました。
烏丸 九郎 > ぐぬぬ

(ここは商店街。その一角にあるベンチに座り、少年は唸っていた。
その片手には常世島の求人雑誌『アイランドワーク常世版』が握られていた。
少年は、バイトを探していた。
夏になったら海の家でバイトする気はあったが、こうも早急に金が必要になるとは思わなかった。)

烏丸 九郎 > (こんななりでも雇ってくれそうな…それなりに割のいいバイト
探してはいるものの、なかなかこれといったものがない
かと言って、夏まで待てるかといえばそうでもない。
双子の治療費の支払い…分割払いではあるものの、バイトをしなければ干からびる…。
さて、どうしたものか。)

ご案内:「商店街」に鈴成静佳さんが現れました。
烏丸 九郎 > (コネでもあれば、働き口も、すぐに見つかりそうなものだが
あいにくと少年には人脈というものがなかった。
いっそこの髪も染めなおしてしまうか…
そうすればコンビニのバイトもイケそうではあるが。)

鈴成静佳 > ♪~
(大量のお菓子を抱えて歩く静佳。部屋で食うための買い溜めだ)
(……と、ベンチに座る赤のメッシュ入りの頭を見つけると、そちらに駆け寄り)
あっ! 九郎くんじゃん! 何読んでるの?

烏丸 九郎 > おうっ…!?…ああ、静佳か。
求人情報誌ってやつだよ。

(静佳に声をかけられると、ドキッとした。
初対面があんな状態だったのだから無理もないが、少し顔が紅潮する。
対する静佳は気にもしてないようなので、こちらもできるだけ冷静に対応した。)

鈴成静佳 > (今日の静佳には、電車の中で初対面を果たしたときのような、謎の妖艶さは微塵も感じられないだろう)
(だぼっとした格好で大量のお菓子を抱えた彼女には若干のおばちゃん臭ささえ感じられるかもしれない)

求人? バイトするんだ。九郎くんがんばるね~。
なんか急ぎでお金が必要だったりするの? 楽器買ったりとか?(情報誌を上から覗き込みつつ)

烏丸 九郎 > (静佳の雰囲気を察してか、冷静さを取り戻す
さすがに年がら年中発情していたんじゃ、身も持たないだろう。
こういった面も持っているのだから、女ってやつはわからない。)

ああ、ちょっと急に金が必要になってな…楽器とかじゃねぇんだけど…。

(双子の治療費…とは言う必要はないだろう。)

烏丸 九郎 > (情報誌の中を覗きこめば、歓楽街のバイトが載ってるページである。
わりはいいものの深夜労働だったりするところが多い。)

鈴成静佳 > ふぅーん……(冊子を覗き込みながら身体をひねり、ベンチの隣に腰を下ろす)
いやー、夜の仕事ばっかりだねー。九郎くんみたいなイケメンならこの手の仕事は引く手あまただろーけど、翌日の学校とかに響きそうなのはよくないねー。

(バッグからペットボトルのジュースを取り出して口を付けつつ)
男の子は手っ取り早くお金稼ごうとすると肉体労働系ばかりになっちゃって辛いよねー。
楽器とかじゃないなら何だろうな~。あ、アレだ! 夏に向けてエステとか? 体を焼くとか?(当てずっぽう。理由に興味があるようだ)

烏丸 九郎 > がくせーだし、バイトっていっても夜くらいしか体空いてないからよ。
ちょっとムリしてでもやんねーと、来月生き残れねぇしな。

(静佳を隣に迎えながら、再び情報誌とにらめっこ。イケメンと言われたことに関しては…正直ちょっと照れくさい。
自分で言うのはいいんだが、他人に言われると照れてしまう性質なのだ。)

肉体労働…そうだな、その線も考えねーとなぁ…。

(肉体労働なら、給料もいいし、深夜帯でも仕事がある。一応候補に入れておこう。)

はは、そんなんだったらよかったんだけどよ…

(少し沈んだ表情で静佳の冗談(?)を受け流す。)

鈴成静佳 > ま、その点アタシみたいな美女にはサクッと大金を稼ぐ必殺技があるんだけどねー。フフフ。(不穏な発言)
仕事するならなるべく休日や夕方を選んだほうがいいよー。やっぱり夜の歓楽街っていろいろコワイもん。
九郎くんなら肉体労働とかもイケそうに見えるけどねー。暑くならないうちに体験してみるのもいいと思うよ!(細身ながら鍛えられた腕や肩を眺めて、その男らしさに目が細まる静佳)

(……しかし、その表情が沈んだのを見ると、かなり深刻な事情が後ろにあることを察する)
……むぅ、遊び目的のバイトじゃないんスね。
アタシにも協力できることとかあったら言ってね? 一緒にバイトするとか、そういうのでもいいからさ。あまりそういう経験ないけど。
氷架ちゃんの大事なアレ……じゃなくて、恩人だからさ。野垂れ死にとか見たくないッスからね。
(真面目な眼差しで、悩む九郎さんを見つめる)

烏丸 九郎 > 必殺技…ねぇ。まぁ、女子ならではって仕事も多いけどよ…

(その内容を察してか少し頬を染めつつも言葉を濁す。)

休日か夕方かー、なるほどなー。まぁ、そういう仕事でもいいんだけどよ。
まともな客商売とか俺にはできなさそうでよぉ。
まぁ、探してみっけど、やっぱ肉体労働系がいいかもな…。

(静佳の視線には気づかず、ガシガシと頭を掻きながら情報誌をめくっている。)

なに言ってんだお前…。静佳や氷架に迷惑をかけるつもりはねーよ。
これは俺の問題だしな。野垂れ死ぬ気もねぇから、安心しろよ。

(見つめられる視線に真剣なものを感じながらも、茶化すように笑って見せて)

鈴成静佳 > やだ……カッコイイ……(ぽっ、と擬音を口に出しつつ)。
でも困ったときは助け合いッスからね? うちら友達なんだから、ね?
「身から出た錆」ならさすがに見捨てるかもしれないけど……たぶんそんな感じでもなさそうだし。

ふーん……でも客商売も苦手なんスか。意外な感じ。
(と言いつつ、以前電車で会った時のおどおどした雰囲気を思い出すと、然り、とも言えるか)
今からその辺練習しておくと後々社会に出た時に役に立つッスよー? 営業職とか!

烏丸 九郎 > けっけっけ、そうだろ?

(冗談めかして笑いつつ、続く静佳の言葉には、笑顔のままで、こう返す。)

ああ、ありがとよ。本当に参った時は相談させてもらうぜ。
友達、だからな。
でも、友達でもよ、金の問題は自分で解決しねぇとって思うしな。相談するのは最後の手段にしておくぜ。

(情報誌をめくりながらちょっと困ったように頭を掻いて)

ああ、ちょっとな…。敬語とか苦手なんだよ…。
それによ、こういう髪型は受けがわりぃしな。

鈴成静佳 > まぁねー。お金の問題は難しいしね。
九郎くんが困ってたらご飯奢ってあげたりはするけどお金を貸したりは絶対しないからね! フフッ。
とはいえ、「金の問題」と「金が必要になった経緯」は別ッスからね。よく考えて、サクッと相談するといいよ。アタシ暇だから~。(手をヒラヒラ)

ま、でも九郎くんが自分で解決したいってんならそれでいいと思うよ。
肉体労働系に行くとしたらアタシも一緒にバイトー、ってわけにも行かないしね。
(荷物を抱えて立ち上がり)
……そんじゃ、九郎くん頑張ってね~! これは餞別!
(買い物袋から徳用の菓子詰め合わせを取り出して封をあけ、クッキーとチョコが合わさった菓子の個包装を1つ、九郎くんの脚の上にぽんと置く)

またね~!(大きなお尻をふりふり、去っていく)

ご案内:「商店街」から鈴成静佳さんが去りました。
烏丸 九郎 > おう、ありがとよ。またな。

(静佳のお尻を見送りつつ、ひらひらと手を振る。
一緒にバイトか……かと言って、自分から首を突っ込んだ手前、友達に迷惑をかける訳にはいかない。
まぁ、静佳が言うように、ご飯くらいはおごってもらってもいいかなと思うが…
女の子におごってもらうのもなんだかかっこ悪い気がした。)

んー…夕方のバイトなぁ……

(ぺらぺらと情報誌を見つめながら、いただいた菓子をポケットにしまう。)

烏丸 九郎 > むずかしいぜ…

(ふらりと立ち上がると、少年は求人情報誌を睨みながら歩き出す。
その足は、歓楽街の方へと向いていた。
夜の歓楽街は怖いところだというのはわかるが…
ともあれ行ってみよう。よさ気なバイトがあればそれが一番ではあるし)

ご案内:「商店街」から烏丸 九郎さんが去りました。
ご案内:「商店街」に正親町三条楓さんが現れました。
正親町三条楓 > 商店街での買い物も終了。
休憩とばかりにベンチに腰掛け、缶のミルクティーを飲む。

久々に委員会活動もない。
さて、これからどうしようか。

正親町三条楓 > 「ん~……!」

思いっきり伸びをする。
委員会の調停者なんぞをやっているせいか、肩こりがひどい。
もっとも、一部に言わせれば心労ではなく身体的特徴のせいらしいが。

正親町三条楓 > 楓はミルクティーを飲みながら思い出す。
今日の昼間会った、あの可愛い男の子。
学園の英雄の一人、霜月零。

「またお会いしたいですね~♪」

さて、次はどんな風にからかおう。
もう少しサービスしてもいいかもしれない。

正親町三条楓 > 「ふぅ……」

けだるげに溜息を吐く。
そういえば、こんなにのんびりしたのは何時ぶりか。
公安・風紀の争いが始まってからは、休む暇も無かった。
少し休憩してもバチは当たるまい。

ご案内:「商店街」にカミューさんが現れました。
カミュー > 「むむ、そこな者は楓委員長でござるか。」

ベンチの後ろから近づいてひょこっと隣の顔を出すだろう騎士風の。
片手にアイスのクレープを持っているようだ。

正親町三条楓 > 「……あら~?」

ふっと視線を移せば、なかなか面白い格好をした子が一人。
鎧に新撰組の法被……どういう格好だ?
が、その特徴的な格好は、見れば忘れないだろう。

「はい、どなたでしたか~?」

カミュー > 「4年のカミューでござる。
…名乗ったことなかったでござるか?」

そう言いつつ首を捻る。
一応委員に所属しているがまあいたりいなかったりと、カミューの顔は知られているかは曖昧だ。
相手は流石に掲示にも出る有名人なので、一方的に見知っているだけということもあるかも知れないし。
以前見ていても京都旅行帰りでかなり格好は様変わりしている。

「ちょうどよい、いくつか聞いてみたいことがあったのでござるが…
隣、いいでござる?」
相手の座っている隣を指差しつつ、そう尋ねた。

正親町三条楓 > ――少なくとも、鎧の上に新撰組の法被を着たとんでもない人物の事は忘れないと思う。
……が、腕にある公安委員会の腕章を見れば、なんとなく思い当たる人物は居る。

「――あ、確か騎士の方でしたね~」

どうぞどうぞと言って隣を譲る。

――可愛い子が、もう一人。
今日はなかなか良い日のようだ。
ほんの少しだけ、ちろりと舌を覗かせる。

カミュー > 「いかにも、騎士でござる。…いや、いまはさぶらいに転職中でござるか?」
以前は頭装備もヘルムだったのだが、鉢巻になってしまっている。それで転職できるものでもないだろうが。

「では遠慮なく。」
前に回ると隣に座って、クレープをぱくり。幸せそうだ。

正親町三条楓 > 「あら~、お侍さんになるんですか~」

いや、面白い子だなぁと思いながら。
クレープをそっと見る。
…………
自分も買ってこようかな、ときょろきょろ辺りを見回し。

カミュー > カミューが食べているのは62アイスクリームのサマークレープだ。
後ろの回りこむ前にやってきた方向…数店舗向こうのあたりにお店はあるかもしれない。

「うむ、でも聖騎士はやめられないので聖騎士兼武士でござる。
っと、そういう話が本題では おや、どうかしたでござるか?」
辺りを見回す様子に不思議そうに。

正親町三条楓 > 「いえ~……」

残念、周りにクレープのお店は無いようだ。
話かけられてクレープを買いに行くわけにもいかず……

しょうがないので、ちょっと名残惜しそうにクレープを眺めるだけにしておく。

カミュー > 「…? そうでござるか。」

ぱくり…とクレープを一口食べて、相手の視線がそこに向いていることに気づく。
ふむ?と少し動きを止めた後、相手の手元がミルクティーだけなのを見て。

「……よければ、一口どうでござるか?」
クレープのまだ口をつけていない角のほうを差し出した。

正親町三条楓 > 「あら~♪」

心底嬉しそうに顔を近づけ。
あーん、はむっとクレープを口にする。
もぐもぐと食べながら、嬉しそうだ。

カミュー > こちらも相手が食べやすいようクレープを差し出したまま、首を曲げて目を閉じ下方向からクレープの反対側に口をつける。
もし口を離していなければ、互いの顔がだいぶ急接近するだろう。

「ん…もぐもぐ。 一口でよかったござるか。
アイスであるから溶ける前に食べ切ってしまわねばならないのだが。」

間接とか、近いとかそう言うことは自然にあまり気にしない様子。
もともと毒見役のいる生活だったからでもあるが。

正親町三条楓 > 「ん……」

かなり恥ずかしい格好なのだが、動じていない様子。
ちょっと驚きだが、ぺろりとアイスを舐めとり。

「いえいえ、ありがとうございます~」

満足そうににっこり。

「それで、御用はなんでしょう~?」

カミュー > 「そうか、おっと。
そうだったでござる。」
しまった、と言う様子で額の鉢巻をぺちり。

「…しばらく不在だったので詳しく知らないのでござるが。
式典委員長名ででていたあの掲示についてどういう印象のものだったか、聞いてみたい。」
不意に真面目な顔つきになった。

正親町三条楓 > 「――あぁ、あれですか~」

こくりと頷き。
なるほど、確かに公安委員で、事情を知らないとなれば気になる所だろう。

「確かに、今回の事件は公安委員会の不祥事と言ってもいいものでした~。
でも、私や多くの人間は、公安委員会を信用していますから~」

そこで一度言葉を切り。
少年の顔をじっと見る。

「『事件は風紀委員、有志の生徒、公安委員会の内部告発で解決した。昨今異能犯罪は凶悪化の一途を辿っている。今回の事件のように、公安・風紀両委員会が手を取り合って対処しましょう』
というのが、私の言いたい事ですよ~」

にっこりと笑って言う。
そう、橋渡しが自分の役目なのだ、と。

カミュー > 「そう、それでござる。
掲示どおりの答えだな…。経緯については詳しく知らないでござるか?」
その答えには不満がある、という色を少しにじませて。
あの掲示は万人向けだったが、それと同じ答えでは納得しにくいのだろう。

「いつの間にか緊急連絡も入っていたりと、知らない側からすると物騒で。
それに片付いたといっても学園の様子も今までどおり、以前どおりというわけにはいかないのではないかでござる。」
はあ、とため息。

正親町三条楓 > 「――そうですねぇ」

こくりと頷くと。
楓はかいつまんで説明する。
西園寺偲による『炎の巨人事件』の概要を。
もちろん、表向きに出せる情報だけ、だが。

「なかなか、複雑な事件ですよね~」

カミュー > 「複雑と言うか、面倒そうな事件でござる…。」
ちょっと考えるのが面倒になり始めた…。半目でだらーんとした雰囲気をさせながら。

「そんな複雑なのに、楓委員長は解決したと言えるのでござるか。
…ああ、いやこれ以上はほかの頑張る公安の話でござるな。」
嫌な直感を感じたものの、面倒なので首を横に振って。

「おっと、クレープのアイスが溶けそうでござる。」
慌ててクレープに口を付け、一口分けた部分にも気にせず舌を出して溶けかけのアイスを大きく舐め取る。

正親町三条楓 > 無理もない。
この事件は複雑だ。
――そして、確かに終わっていないのだ。
ロストサイン残党は、今なおこの学園にはびこっている。

「解決したと、言わなければいけない事もありますからぁ。
――期待していますよ、公安委員さん」

くすっと笑って、この話題を打ち切る。
あまり、面倒な政治事に向いていそうもない子だし。

「あ、もう一口もらいますね~♪」

言うがはやいか、楓も舌を伸ばす。
カミュの舌と触れそうなくらい近くなり。

カミュー > 「勘弁して欲しいでござる。
拙者真面目にやったら卒業してしまうがゆえ。」
嫌そうな表情をしてみせて。

「おうっ」
差し出そうと横目で視線をやるとすでに楓の顔は近づいてきていて、変な声がのどから出る。

見た目は美少女と美女が互いに顔を寄せ合い、クレープの包み紙に隠れて、互いの舌先が触れ合った。
冷たく甘い氷精のなか、温かく熱を持つ唾液が絡み合った…ような気がする…。

正親町三条楓 > 「――くす♪」

ちょっといたずらっぽそうに笑うと。
彼の舌の上にあったクリームを舐めとり、自分の口へと運ぶ。
情報の代金代わりだ、これくらいしてもバチは当たらないだろう。

「ご馳走様でした~♪」

カミュー > 「むう、お粗末様でござる?」
恥ずかしい、というわけではないがびっくりはした。
よくわからない様子で定型の挨拶を返す。

一口分ける、と言うのがこちらの文化だと思っていたが、もう少し過激なこともするようだ。
カミューは己のなかの日本文化を修正した。一つ頷いて覚えておこう。

正親町三条楓 > あまり反応が良くない。
むしろこういう事に関して無知と言うべきか、幼いと言うべきか。

仕方がないので、もう少し身体を寄せる。
ー―にしても、本当に男の子なのだろうか。
胸も少し膨らんでる気がするし、腰など羨ましいくらい細い。
思わず凝視してしまう。

カミュー > ほとんど食べ終えたクレープの残りをつまんで口に放り込む。
ポーチから便利なウェットティッシュを取り出すと軽く手を拭こうとして、近寄ってくる隣の相手の様子に気が付く。

「…?
拙者になにかついてるでござるか。」
視線を胸に、腰に感じる。
まさかこぼさなかったか、と自身でも確認して。
白い薄絹には汚れは付いていない。

…となると、別の目的だろうというところまでは推測が付く。
「…楓委員長はそう言う趣味であったかでござる?」
首を少しかしげて、そう聞いてみた。

正親町三条楓 > 「そういう趣味ってどういう趣味ですかぁ?」

じーと腰を見る。
細い。抱きしめれば折れそうな程に。

対して自分の腰を見る。
最近流石に食べ過ぎて、ちょっとウエスト周りが気になってきた。
反省。

「――本当に男の子なんですかぁ?」

つんつんと腰のあたりをつつきながら

カミュー > 「おうっ おうぅ!?」
鎧やコルセットで常に締め上げられるために細い、その腰をつつかれて悲鳴を上げる。
反射的に逃れるように身をくねらせて。

「あ、男だと知っていたでござるか…。
その、胸ばかり見ているからこちらの文化でお姉さまとかスールだとかそういう趣味かと思ったでござる。」
カミューの発想はちょっとマイルドだった。
ほっとする。いや、ほっとしていいのか。

「ちょっと変わった体だが、男でござる。」

正親町三条楓 > 「私にそっちの趣味はありませんよぉ」

西園寺偲じゃあるまいしぃ、という言葉は飲み込む。
公安の資料に、確かに男と書いてあった。
あまりにあまりなので二度見した。
ついでに書き間違いではないか確認した。
だから覚えていたのだ。

「本当、女の子みたいですよね~……足も細いし」

ぼそっと呪詛のように呟きながらつつくのをやめない。

カミュー > 「それは失礼したでござる。
こちらでは学校によってはそれが嗜み、とか聞いたがゆえにっ!?」
謝罪の途中で再度つつかれて声がうわずる。

「くっ、くすぐった、いっので… か、勘弁してぇー!?」
つつかれすぎてベンチから転げ落ち、
はぁ…ふひゅぁ…はぅぅ……と涙目で熱い吐息をこぼしながら楓に足を向けて地面にはいつくばった姿勢になる。

羽織もスカートも動いてはだけて、白い太腿があらわになり。
スパッツの一部がちらりとみえていた。

正親町三条楓 > (あ、ちょっとなんかムラっときた。
というか誘ってるんですかねぇ、この子。
正直、盛りのついた男子学生にだったら襲われてもおかしくないですよねぇ)

などととんでもない事を考えながら。
そーっと足を撫で回し腰をつつく。

「えー、でもー、足もこんなにすべすべで、腰も細いじゃないですかぁ。
本当に女の子なんですかぁ?」

カミュー > 「そううっ!?お、女の子……
いや違っ!!聖女だけdっ!」
なんか誘導に引っかかりかけて、慌てて否定。
そのあいだもつつきまわされて地面を這いながら魔手から逃れようと身悶えていた。

脚に女性の手が触れれば、ここまで気にしなかったカミューも流石に身の危険を感じ。
「足はちょっとでござるっ!?際どいでござる!際どいでござる!!
加護によって毛がほとんどなくなったり肌がきめ細かくなったりはするがっ!」

うつ伏せから仰向けに姿勢を変え、危ういスカートを片手で押さえながら足の防御を試みる。
ただし守りに使えるのは片手だけだ…。

正親町三条楓 > ちっ、引っかからなかった。
というか、この姿、他から見るとかなりマズいのでは?

……まぁ、いいか。
どう見ても女の子がじゃれあってるだけだし。

「……ずるい」

自分の足よりも細くてつるつるだった。
無駄毛処理の心配も無さそう。理不尽だ。

「えー、やっぱり女の子っぽいですよぉ。
男の子っていう証拠はあるんですかぁ?」

カミュー > おそらく誰かが来たらまずい…というか商店街。
ちょっと人通りから離れているとはいえ、何かの拍子に少女たちがベンチのそばで絡み合う光景が見えてしまうかもしれない。

というか助けを求めるカミューは周囲を見回した。騎士は実力行使で跳ね除けないッ!

「ずるいといわれてもぉおうっ!?
いやその、確かに体は男であるが楓委員長は女の子であるがゆえ、流石に証を見せるというわけにも!
あっ、力、筋力ならあるでござる!」

太腿に異性の指が滑らされて言い訳の途中に変な声がでてしまう。
助けがこなければわたわたと片手を振り回しながら、説得での解決を願うしかない…!

正親町三条楓 > 「えー、じゃあ、こっそりでいいですからぁ。
見せてくれるって『約束』してくれたら、やめますよぉ♪」

ちょっと本気になってきた。
足どころか太ももまで手を這わせながら。
二人の男女(傍から見ればどう見ても女の子同士)は絡み合う。

まぁ、見ようによってはくすぐりあいっこしてるだけに見えなくも。
なきにしもあらず、といったところか。
――人通りの少ない事を感謝するべきだろう。

カミュー > 「こ、こっそりで約束…?」
ひどく嫌な予感がする。ここで認めてはいけないような、逃げるべきと言う警鐘が頭に響く。
相手の言葉を確かめるように口に出しながら。

だが片手を振り回してしまったために、無防備になった肢体を這い回る指先はその思考を許さない。
中性的な声で女性のような悲鳴を上げさせられて、警鐘はかき消された。
「わ、わかった、『約束』!やくそくするでござる!
今度っ!こっそりと人のいない場所でならいいでござるぅぅぅうっ!?」

叫びをあげつつ、やめてくれるよう懇願する。

正親町三条楓 > 「――あは♪」

異能の悪用も極まれり。
契約遵守<ミスラ・ジャッジ>は何者も逃がさない。

無意識の催眠が如き呪いが、カミューに襲いかかる。
それは楓との『約束』を、守るよう強制するもので……

「――じゃあ、行きましょうかぁ♪」

ひどく恍惚とした表情で。
式典委員長は立ち上がり、君に手を差し伸べる。

カミュー > ぱちっ、と気づかぬほどの光が弾けた様な衝撃が微かに生まれる。
呪い分類…魔に属せば、聖女の力は大きな威力をもつ。

とはいえ意識しなければ完全にそれを 崩壊、させると言うわけにはいかず。
微かにそれはカミューへと纏わり付く。
優しくその細い腕を、ささやかな胸元を、肉付きのいいお尻を、包み込むように。

ぞわり、と全身の感度をあわ立たせるようなその感覚に、カミューは戸惑い、…頬を震わせて艶やかな息を吐いた。

「あ、いやっ、その今からと言うのはいささかー!?
約束はしたけど今度というか、予定は無いが…っ!
あ、ひ、ひとりで立てるから大丈夫でござる!!」

慌てつつもその手を払いのける様子は無く、ばたばたと立ち上がって土を払う。
騎士らしさゆえか、それとも異能の効果か。もしくは交じり合った異能が予想外の効果を生んだのか。
相手の誘いを否定する様子は、ない。

正親町三条楓 > 「――んふ、それじゃあ、また今度……二人だけの、『約束』、ですよ」

妖しいため息とともに、カミュを潤んだ瞳で見つめる。
なるほど、噂の聖女の護り。
まさか契約遵守<ミスラ・ジャッジ>の効果を防ぐまでとは思わなかった。

とはいえ、効果はあったようだ。
――次に会う時が、楽しみだ。

「――また、会いましょう」

艶のある声でカミュに告げる。

カミュー > 冷や汗を垂らしながら、約束と言う言葉にこくこくと頷きつつ……時折身を震わせる。
いちど、いちど……『約束』を受け入れるごとに、何かが濡れていくような感覚がその身を襲う。

頬を赤らめ、その感覚に耐え…そして艶のある声で囁かれたら、もう耐えられない。
腰が砕ける。脚を広げて地面にぺたりと座り込んだ姿勢になって。

「…はい。」
蕩けた様な声音で返せた返事は、それだけだった。

正親町三条楓 > ――その穏やかそうな表情とは裏腹に。
楓の眼光はまるで、獲物を仕留めた肉食獣のようであった。

ご案内:「商店街」から正親町三条楓さんが去りました。
カミュー > 残されたカミューはしばらく息を整えるように胸を上下させ、その場所に伏していたが。
やがてゆっくりと立ち上がると、ふらふらと己の住処へと帰っていった…。

ご案内:「商店街」からカミューさんが去りました。