2015/07/25 のログ
渡辺慧 > 「シッシ」

ドジ、ではないのかもしれない。だけれども、結果的に。
――ふと、その落ちた呪符が目に入る、少しだけ小首をかしげる。

「だから、そのお詫びを受け取った」
「だから、これで終わり」
「でしょでしょ」
「君の方こそ大丈夫?」

流石に、痛いところがないか、さするわけにはいかないしな。
なんて冗談めかして笑った。

「おっと」

確かに、それはそうだ。
面白いものがないのに、なかなか笑えるわけもない。
ならば、話は簡単なのだろう。
しかし――。

クッ、と喉の奥で鳴らす。
その無理やり笑おうとしてる姿も自分としては、それは、それで。

「それもいいけどさ。…………シシ」
「なら、また。俺も笑わせてあげるようがんばろっかな」

やっぱり。碌なことは、言えないだろうけど。

阿賀佐 メアリ > 「あ……うん、わかったよ。
 私も大丈夫、心配いらないよ」

本当はおしりが痛いけど。
そんなこと恥ずかしくて言えるわけがない。

「いや別に……!」

顔を赤くしたまま振り返る。

「無理に笑わせなくてもいいよ。
 きっと私にはそんな資格なんて無い……」

腕を抱えて顔が俯向く。
悲しそうな顔、不安な顔。
周りを不幸にする阿賀佐は巻き込むことを恐れている。
一緒にいたら不幸にしてしまう。
それに……。
そんな自分が笑っていいのかまだ許せてない部分があった。

渡辺慧 > 「資格」

――どうにも。
以前あった時にも、そんな雰囲気はあった。
自罰的、というか、なんとやら。
かといって。別にそこに言及する気はない。
ない、が。

「なら、俺が勝手に、笑わせたいから笑わせるだけ」

彼女が、どういう気持ちでそれを言ったのかはわからない。
だけど、それは自分の考えには、そう。関係ないのだ。
自己満足。――周囲を、不幸にする。

――当然、冗談めかしてはいたが、忘れてなどはいない。

それならば、きっと。不幸になったというならば。
このめんどくさい自分に出会ってしまった、彼女こそ不幸なのではないか?
だから、一度息を吸い。吐きながら、子供のように笑う。

彼女が纏う、その雰囲気を気にもしていないかのように笑う。
自分の前で。
浮かない顔をされる方が。誰であろうと、よっぽど気になる。
――理由なんて、それだけなのだ。

「お覚悟ですよ。今度は、涙が出ない程度に大笑いさせてやる」

阿賀佐 メアリ > 「え……?」

笑わせたいからなどという理由で笑わせるというのか。
やっぱり理解できない。
そんな単純なことで、なんて身勝手な理由。
そんな……。

―――まるで昔みたいな。

「待ってよ!
 覚悟だなんて……そんな私……。
 出来るわけ無いよ」

阿賀佐にとって彼の真っ直ぐな思い。
真っ直ぐな目が耐えられるものではなかった。
何故ならそれは阿賀佐にとって懐かしいものであった。
それはとても優しくて暖かくて……。

―――自分の異能のせいで失ってしまったものであった。

「うぁ……」

慧が宣言したそのそばから、その誓いは破られる。
大粒の涙がボロボロと溢れだす。
またしても、彼の前で涙を流してしまった。
手で押さえて堪えようとしても溢れだす。
止めることも出来ないので背を向けた。

「ごめん、その……。
 あはははは……そのごめん。
 また泣いちゃって……ごめん、ごめんね?」

泣きながら笑ったつもり。
その笑いは以前と違って偽りであった。

渡辺慧 > 「……………なーんで」

いや、当たり前なのかもしれない。
自己満足の、それ。それは今まで、ただ。
かみ合ってきただけで。かみ合わせが悪くなれば、こうやって。
誰かを泣かせて――。
一度経験した彼女の泣き笑い。
だから、自分の態度も、それに合わせられる。

ダケドも、今回は、
それは――。
――謝罪はしない。

なにが、彼女のそれに触れたのか。
ただの、自己満足な、その。
自分勝手さに、だろうか。

頬をかく。……いや、それはひっかきにも近い、少し強い力。

「…………全然わかんないけどさ」
「きっと俺が悪いんだろうね」
――そこに、踏み込むつもりはないけど。

「撤回はしないよ」
少なくとも、自分の前では。自分が、そうやってある為に。
そう言いながら、彼女からもらった。
少し潰れたオールドファッションを齧る。
背を向けた、彼女に。背を向けて立って。

「……おいし」

阿賀佐 メアリ > 「ごめんね……私、変だよね。
 突然泣いちゃって……ドン引きだよね。
 慧のせいじゃないの……私が勝手に……泣いているだけだから」

悪い癖だ。
自分のせいで失ったから望むのを止めた。
世界は真っ暗になった。
自分だけ真っ暗ならみんな不幸にならないはず。

それでよかったはずなのに。
こうしてあの頃を思い出して泣いている。
つまり心の何処かで諦めきれないでいるのだ。

―――なんて自分勝手なんだろう。

「ねぇ、慧……」

こんな変な阿賀佐に対してそれでも笑わせると言った。
それが彼自身であるために。
だから阿賀佐も自分勝手な願いを口にする。

「撤回しないならさ……。
 こんな私でも笑わせれる……?」

渡辺慧 > 背中越しに聞こえる声に、肩をすくめる。

「だから、俺には全然わからないよ」
「分からないけど。知らない」

――自分から踏み込まないそれ。
彼女には、彼女の理由がある。
それを、捻じ曲げるほどの意味はあるのか。
――そんなの、まるでないのだろう。

また、一口。その、甘いそれを齧る。
ドン引き、というなら。自分のそれにだろう。

「でもな」
その先の言葉は浮かばない。
いや、浮かばない、ではなく。
出来ない。しない。させない。
決して、自分が――の――。

「だから」

――自分のために。

口元についたドーナッツのカスを舐め取り。
そのまま歩き出す。

「メアリ」
「笑わせるよ」
「だから、期待すんな」

その口調は、どこか。
笑い声にも似た――。

また会おう。
彼女の耳に、その言葉は届いただろうか。

ご案内:「商店街」から渡辺慧さんが去りました。
阿賀佐 メアリ > きっとこんな自分に、こんな身勝手な自分に嫌気が差したであろう。
それでもいいかもしれない。
それならきっと彼が不幸になることはないのだから。

―――でもそれは阿賀佐の偽りの願い。

本当に嫌われてしまったら、心が傷つきかねない。
立ち直れないかもしれない。
嫌われたくない。
あぁ、なんで自分にまで嘘をつこうとするのか。

「うん」

言葉を待っている。
少し怖い、聞きたくない。
でも聞きたい。
その言葉を身勝手なまでに望んでいて。

「そんなこと言われたら……。
 期待しちゃうよ」

少しだけ笑顔になった。
背中を向けて見えないけれど。

またね。
ちゃんと届いた、そしてポツリと呟いた。

ご案内:「商店街」から阿賀佐 メアリさんが去りました。
ご案内:「商店街」にレムニスさんが現れました。
ご案内:「商店街」からレムニスさんが去りました。
ご案内:「商店街」にレムニスさんが現れました。
レムニス > (夕暮れ時の商店街)
(行きかう人に向けて何やら次々と声をかけている少女がいる)

(何事かお願いしては断れているようでその表情は暗い)

「はぁ…やっぱり難しいんでしょうか。そんなに悪い話でもないと思うんですけど」

(腕を組み、首をひねってため息一つ)
(先ほどから道行く人々に契約を持ち掛けてはみるものの、皆微妙な顔をして足早に立ち去るばかり)

「お手伝いとか、頼まれごととか…意外とみなさん困ってらっしゃらないものなんですね」
「うぅん…どうにかして1回ぐらいは契約しておきたいんですけど…」

(むぅ、と唸りながらも人ごみに目をやり、次なる相手を探しているようだ)

レムニス > 「あっ、あの人…あの人とかいいかもしれませんね」

(目を引いたのは何の変哲もない女生徒)
(買い物の途中だろうか。買い物袋をぶら下げて露店を物色しているようで)

「そうと決めたら善は急げ、です」
「あの、すいませんっ!」

(走り寄り、背後から声をかければ女生徒が何事かと振り返る)

「あのですね。突然ですけど何かそのー…困ってることとかないです?」
「もし宜しければ私にお手伝いさせていただきたいなー…なんて」

(唐突にこんなことを言われて戸惑わない人などそう居ないだろう)
(女生徒も露骨に不審者を見る視線である)

「あぁぁ!別に私怪しいものではないんです!」
「ほら、私悪魔なんです。角も尻尾も、翼だってあるんですよ」

(ほらほら、と言わんばかりに翼を広げて動かして見せる)
(しかしこれが逆効果。女生徒はギョっとした顔である)

「それで、私悪魔なものですから…貴方と契約したいなーと思いまして」
「私が何かお手伝いする代わりに、貴方の魂を頂きたいんですよ」

(トドメである)
(女生徒は「け、結構ですっ!」とだけ言い残して逃げ去ってしまった)

「……あぁ、また失敗ですか」
「何がダメなんですかね……うぅん…」

(何がと言われれば最初から最後まで全てである)
(が、それに気づく様子はない)

レムニス > 「此処の方々は皆素敵な輝きの魂を持ってらっしゃいますし…一人ぐらい、と思ったんですけど」
「そう上手くはいかないものですねぇ」

(はぁ、と再びため息を吐いて肩を落とした)
(彼女は悪魔である)
(契約を結ぶことでその力を増し、悪魔としての格も同時に上がっていく)
(のだが―)

「この歳で未だに契約0件というのは流石に…問題、ですよね」

(彼女は未だ契約というものを結んだことが無かった)
(本来悪魔であれば、もっと蠱惑的な、人を破滅に誘うような契約を結ぶものであるが―)
(彼女はそうではない)

「うぅ、同期の人たちは皆現役でバリバリやってるらしいですし…」
「私だけ契約0件、というのも…お父さんとお母さんに申し訳ないですし」
「立派な悪魔になる!って決めたはいいんですけど…先は長そうです」

ご案内:「商店街」に詩露 久路さんが現れました。
詩露 久路 > 夕飯をどうしよう。
彼の頭はその時までその一点であった。
外食も考えたが、歩いている内に商店街に差しかかる。

自炊しよう。
そう考えて商店街のスーパーへの道を進む中。
「……?」
歩く先に見えるのは女学生に話しかけるどう見ても悪魔。
そういえばそういう子達もいるんだったな、と今更再確認をさせられる気持ちだ。
何やらセールストークをした後に、そそくさと離れられていた。
その場に立ち尽くす彼女を視界に入れつつゆっくりと近づく事となる。

レムニス > (はぁ、と何度目かしれないため息をつき、次のターゲットを物色していると―)
(一人の少年が目に留まる)

「んー……」

(近づいてくる久路をまじまじと見つめる)
(悪魔である彼女には見えるのだ)
(ぼんやりと、なんとなくだが―その人が持つ魂の輝きが)

(彼女からすれば他意はないのだが、何も知らない人からすれば)
(いきなり角を生やした少女がガンを飛ばしてきたようにしか見えない)

詩露 久路 > 「……」
睨まれている。
そう彼は感じとった。。
その目つき、体躯のせいで本土に居た頃は喧嘩をよく吹っ掛けられたものだ。
相手が相手なら、睨み返していただろう。

だが相手は悪魔で女の子である。
とりあえずただこんな所で喧嘩を吹っ掛けては。
(こない……よな?)
習慣が違えば変わるのかも知れない。
など考えつつ。
「何か用?喧嘩の相手はお断りだけど」
その場に立ち止まり、ひとまず声を掛け、ついでに違うとは思いつつも、先んじて制しておく事にした。

レムニス > 「はっ!」

(声をかけられ、彼の魂を読み取るのに集中していた意識が霧散する)
(件の少年に思い切り不審がられている―)

(と、ここでふと思いついた)
(先ほどまでは丁寧に行き過ぎていたのではないかと)
(もっとフランクに接してみれば意外と軽いノリで契約してくれるのではないかと)
(そんなネジの外れた作戦を思い付いてしまった)

(彼女は疲れていたのだ)

「こほん。貴方、いい魂持ってますね!」
「その魂…悪魔に売り渡してみませんかっ?」

(びしぃ、と指さして言う)
(傍から見れば余りにも残念な発言)

詩露 久路 > 「は?」
思わず声が出た後。
魂売り渡してみませんか。
腕を組み、その意味を咀嚼する。
「魂?売り渡す?」
悪魔は魂をどうのこうのっていうマンガの知識はある。
そう考えてみればつまるところこの子は魂が欲しいのだろう。
で、今何故か彼にその魂の所望が飛んできている訳だ。
もう少しだけ考えて。

「いや、普通に考えてそりゃNOだろ」

至極当然の答えである。
しかもあってすぐ、突然軽いノリで魂をくれと言われて「お、ねーちゃん生きいいね!いいぜくれてやらぁ!」
なんて江戸っ子は多分居ない。
それは江戸っ子なのか?というのも置いておいて。

レムニス > 「え゛っ!?」

(此方も思わず声が出た)
(正直言って会心の出来であった)
(最初に強く当たってしまえば後は流れで行けると思っていたのだ)

「えっ、あ、あのっ!ダメなんです!?」
「言い換えれば私と契約してくれませんかってことなんですけど!」
「別に命と引き換えとかじゃないんです。ほら、ちょっと魂貰うだけでして…」

(予想外の返答に完全にテンパッている)
(わたわたと身振り手振りを加えながら説明している)

詩露 久路 > 「そりゃあ……初対面でいきなり魂くださいって。いきなりお金くださいって言われてあげる奴はいないと同じ、だと思うんだけどなあ」
頭を掻く。

彼女的にそれは最高の誘い文句だったのか、非常に慌てて説明を付け足してきている。
「……ああ、全部ってワケじゃないのか」
とりあえず説明の中から気になった事としてそれを拾った。
「で、結局どれぐらい、持っていかれるの?持っていかれたとしてどれぐらい影響が出るとか」
うーん、とバカ正直に考える。
何気に真摯だった。

レムニス > (久路の言葉にぱぁっと表情が明るくなる)
(実は彼が初めてまともに話を聞いてくれる相手だった)

「え、えっとですね!ホントに、ホントにちょっとだけなんです」
「すこーしだけ身体がダルくなったり、ちょっと疲れたなーって感覚になるぐらいで…」

(魂を貰う、とは言っても魂そのものを奪うわけでもない)
(魂が発する輝きに触れ、それを少しわけてもらいたいだけ)
(魂の輝きとは即ち意志の力・感情の力)
(それらを少しだけ分けてもらいたいのだ)
(と、いうことを丁寧に説明し―)

「その代わりに、私が貴方のことをお手伝いさせてもらいます」
「疲れて出来なくなった一日の家事ですとか…探し物ですとか!」
「…どうでしょう?」

詩露 久路 > 「……それを最初に説明しないと魂ください、だとこれもう一発で死ぬみたいにならね?」
ジト目、というか細めると凄い悪い目つきになりながら一応突っ込んでおき
「それぐらいで大丈夫なんだな」
へーと感心する。
というか説明されなければ実際に全部持っていかれると思っていた。

「いや、まあ別に疲れちゃないし……」
と言った所でうーんと考え込む。
それぐらいなら別にくれてやってもいいか、とは思った。
何せこの様子だとまだ一回もその契約、が取れてなさそうな空気すらある。
この感覚は何と言うのか考えれば。
多分、子犬とかがお腹すかせてるのを見かねている感覚、が一番近いのではと結論付け。
「ちなみにその魂を貰えると、具体的にどういう効果があるの?」
折角なのでそれも聞いておこうと、思い聞いてみる。

レムニス > 「うぅ…そこまで説明させてくれる相手がそもそも居ないんです…」
「皆逃げて行ってしまって…世知辛いですね、世の中」

(自分の失敗に気づかないので世の中のせいになる)
(世の中からしたらたまったものではない)

「あ、それはですね」
「悪魔は魂の輝きと契約を糧にして力を増していきますので…私が悪魔として立派になる第一歩が踏み出せるんです!」
「力が強くなったり、悪魔としての格が上がったり!」

(すごいんです!と力説するもメリットがあるのは悪魔だけである)
(人の身からすればイマイチピンと来ないかもしれない)

「他の悪魔でしたらもっとこう、悪い感じの取引で、魂もがばーっと持ってっちゃうんでしょうけど」
「私、そういうのあんまり好きじゃなくて…」
「それで、こんな感じの契約をお願いしてるんです」

ご案内:「商店街」にトトさんが現れました。
詩露 久路 > 「まあ、さっきの説明だとそりゃ、うん、まあ逃げるよな」
濁そうとして結局言う辺りもバカ正直だった。

「へえ、メシ、とはまた意味はちょっと違うんだな」
成長を促す、という意味では。
食事と変わらない余り変わりなさそうであるが。

「ふーむ」
レムニスの説明を聞けば、まあそっちが本来なんだろうな、というイメージだ。
どちらも重く重く、ハイリスクハイリターン。
一方彼女はローリスク、ローリターンで少しずつ、という感じなのだろう。
「ま、いいか」
色々と一人納得した。
これも何かの縁、なんだろう。
それぐらいならば少しぐらい協力しても、バチは当たるまい。
とはいえ問題は契約内容である。
「問題はそれだなあ」
うーむ、と腕を組む。

トト > 「~~~~♪」
鼻歌を歌いながらポシェットからがらがらと金属音を鳴らしている

「………? やぁ、はじめまして、何だか話し込んでいるみたいだけれど、一体何があったんだい?」
二人を見つけると、遠慮なく近づいてきて不思議そうに首を傾げつつ、しつもんをぶつけてくる

「今日は暑いから、人は水分補給はきちんとしないといけないよ、大丈夫かい?」
と付け加えながら、二人を交互に見つめつつにこにこと笑みを浮かべている

レムニス > 「ホントに何でもいいんですよ?」
「私、こう見えても家事は一通りできますから!」
「今日のお夕飯から家のお掃除まで何でも来い、です!」

(得意げに胸を張る。張ったところで張り出るものはないが)

(と、声をかけてくる人物がいるではないか。振り向いて―)

「あ、どうも初めまして」
「ちょっとこの方に私と契約していただけないかなって思ってまして…」
「今契約内容を考えていたところなんですよ」

トト > 「……… 契約?一体何の契約の話何だい?」
ぴくん、と契約という言葉に身体を大きく傾けて反応したり

ぷしゅり、とポシェットからコーラを取り出して、ごくごくとおいしそうに飲み干しつつ、興味深げにレムニスを見つめている

詩露 久路 > ひょい、と声をかけられるのでそちらを見る。
女の子、であろうか。
とりあえず何があったのか、答えようとし。
「え、ああ」
そして大体レムニスが説明したため。
「まあ、そういうコトだなあ」
と、同意をする。
改めて言葉にすれば、トンでもない文章である。
「それが一番よさそーなんだが」
何せ彼の家は男子寮だ。
連れて行けば。
どうなるかは余りに怖すぎて想像が出来ない。

レムニス > 「ふふふ、実は私…悪魔ですから」
「悪魔の契約のお話です!」
「ちょっとこの方の魂を分けていただこうと思ってまして」

(先ほどまで通行人に邪見に扱われていたからか、質問が嬉しいらしい)
(何処か得意げな表情でトトの質問に答え)

「…何か問題でも、あるんです?」
(歯切れの悪い久路の言葉に首を傾げた)

「あ、部屋が汚れてる、とかだったら御気になさらず!」
「多少の汚れ仕事でも私、大丈夫です!」

(ぐ、と拳を握ってガッツポーズ)
(久路が迷う理由を理解していないようで)

トト > 「ふむふむ、なるほど、悪魔の契約、魂を代償にするんだね、それだと僕にはあまり力になれないかも
あ、そうだ、僕はトト、ゴーレムだよ、これ、お近づきの印さ、大変だったみたいだしね。」
口元に指を当てながら呟く、求める魂が、いわゆる【生命】に宿るものなら、トトにそれらしいものは殆ど感じられないだろう
ごそごそとポシェットを漁ると、まだよく冷えたジュースの缶をレムニスに笑顔で差し出して来る

「はい、君もよければどうぞ、でも、悪魔に契約内容を考えられてる、ってことは、君の魂は魅力的なものなのかな?」
久路にも笑顔でジュースを渡そうとしながら、首をこてん、とかしげたり

詩露 久路 > 「いや、男子寮だからな。流石に女の子を連れてくワケにゃ行かないな」
うん、と頷きレムニスのそう返す。
ではどうするか。
今から買い物に行こうとしていた所だ。
それでも大丈夫なのではないか?
「買い物を手伝ってもらう、とかそういうのでもいいんだったら」
とりあえず提案してみる。

ジュースを受け取りながら。
「あ、何か悪いな。サンキュー。……さあ、自分の魂が魅力的だどうかなんて考えた事がないしなあ」
魂のやり取りをすると言う事がそもそもないので当然であるが。
「まあ、本人がいいっていうならそれでいいんじゃないか、とは思う」
うーん、と考えつつ、貰ったジュースを開けて飲みながら、トトへ返す。

レムニス > 「ゴーレム…それで、人とは魂の感じが違うんですね」
(彼の言う「ゴーレム」の定義が自分とは違うのかもしれないけれど)
(人でないのであれば、トトに感じていた違和感にも納得がいく)
(なるほど、と一人で頷きつつ)

「えぇ、魅力的ですよ?」
「魂の輝きって、人の意志や感情の力に似てるんです」
「何か強い芯を自分の中で持っていたり、何かを強く想っていたり」
「そんな人に、私たち悪魔は惹かれるんです」

「この島にはそんな人がいっぱいいて、目移りしちゃいますね」
(くすり、と小さく笑って尻尾をくねらせた)

「買い物のお手伝い…分かりました!それなら荷物持ちでも何でもばっちりです!」
「材料の目利きから何からお任せですよ」
(久路の案に大きく頷いた)
(内容はまとまった。あとは実際に契約するだけ)
(間近に迫った初めての契約に、くねくねと尻尾が落ち着きなく動き回る)

「あ、あの。それではさっそく…よろしいです?」

トト > 「成るほどね、確かに僕にもそれは分かるよ、この島にはいっぱいいる、ということも含めてね。」
何かを思い出したのか、口元に指を当てて考えながらそう話して

「ん、纏まったみたいで良かったね、君は人の敵ではないみたいだし、僕も応援してるよ、頑張ってね?」
にこーっと満面の笑みをレムニスに向けて

「ん、取り合えず大体分かったよ、これから、所謂デート的なものをするんだろう?
じゃあ僕はちょっと邪魔かな、それくらいの空気…だっけ?は読めるのさ、二人の契約を応援してるよ。」
ぐっ、と(無い)胸を張って久路へそう告げたり

詩露 久路 > 「えっ」
デート?
なのかこれ?
「いや、そうじゃ、無いと思うけどなあ」
ギブアンドテイクだし。
無いよな?
と周りに助けを求めようにも当事者しかいない。
諦める。
まあレムニスがどう捉えるかによるだろうこれは。
と結論付け。

「あ。ああそうか。契約はこれでいいモンな」
流石に魂を抜かれる、と言うので少し緊張するが。
「ああ。どうぞ」
とりあえず覚悟だけはして、レムニスにそう告げる。

レムニス > 「で、デート!デートですかこれ!」
「これはあくまで契約であって、別にそんな…」

(トトの言葉に頬をちょっぴり赤くしつつ)
(否定はするも「デート」という言葉自体には悪い気はしないらしい)

「でも…契約=デートだとしたら…私はこれから先何回デートをすることになるんでしょう…??」
「立派な悪魔とは得てしてセクシーで男を手玉に取る物…」
「はっ!そうか、悪魔の先輩のみなさんはこうやってあのセクシーさを身に着けて…!」

(ただ、何か変な勘違いもしているようだった)


「っとと、失礼しました…つい変な勘違いを」
「えと、それでは…名前を教えていただけますか?」
「そういえば自己紹介もお互いしていませんし」
「…私はレムニス・リトラディアっていいます」

(久路の言葉に我に返ったらしい)
(こほん、と咳払いをしてから久路へと向き直る)

トト > 「何だか良く分からないけれど、二人とも納得したようなら良かったよ
お互いが納得できる契約、というものは良いものだ、一方的な契約だって世界にはあふれているんだからね。」
二人を交互に見ながら、にこにこと笑っている、もう見送るつもりのようだ

詩露 久路 > 言われれば名前すら知らないのに契約していた。
「レムニスね。俺は詩露久路」
まあ、お手柔らかに。
と続けながら。
「まあ、契約だからお互い納得しないとなあ」
どちらかが多少折れる事はあるとはいえ。
既に何かもう生暖かく見守る感じになっているトト。
まあ、そうだよな。
などと一人納得しながら。

色々と勘違いをしてそうなレムニスに。
「とりあえず。うん、覚悟は出来た」
どうぞ、とレムニスに。

レムニス > (すぅ、と息を吸い込んで)
(ゆっくりと吐き出して)
(それから、精一杯の笑顔を浮かべてゆっくりと頭を下げた)

「それでは…よろしくお願いしますね、詩露さん」
「今から貴方と、契約を結びます」
「貴方の魂の輝きを少し。いただく代わりに…私は、貴方のお買いものをお手伝いします」

(契約条件を暗唱して再確認)
(間違いはない。後は、手順を踏んで―)

「此処に契約は結ばれました」
「悪魔、レムニス・リトラディアは契約に則り―詩露久路の魂を頂きます」

(瞳を閉じれば、レムニスの腰付近から大きな翼が現れる)
(悪魔としての本来の姿を露わにすれば、周囲の空気が暗く、重く歪んでいく)

(二人の周囲を包むは霊界の息吹)

(この世界にとって彼女は―異世界の悪魔は異物そのもの)
(異物の現出により、二人の周囲が―)
(彼女が本来属する世界に塗りつぶされる)

(久路に向けて片手をかざし、胸骨を下から上へなぞるように手を動かす)
(目に見えない「何か」を引き出すかのように、指先が動く)
(やがて久路の身体から一筋の光がレムニスの掌の中へと吸い込まれていき―)

「……はい、ありがとうございました」

(その光の欠片を大事そうに胸元へ抱きしめて瞳を開く)
(何時しか二人を包んでいた空気は元の商店街の喧騒の中へと戻っている)

詩露 久路 > 世界の変質に目を見張る。
よく分からない色。
よく分からない状況。
が。
彼が抱く感情はすげえな、という一点のみであった。

彼女の手が伸び、光が零れ。
ガクン、と確かに。
身体の中から何かが削れて抜かれる感覚。

「……」
少しだけ、目を細める。

既に辺りは元に戻っていて。
「あ、終わりか」
言葉を聞き、我に返る。
自分の状況を確認すれば、確かにさっきの状況に比べて、気怠さがある。
一種の疲労感。
が、確かに死に至るには遥かに遠かった。

トト > 「………。」
そんな二人の様子を外側から観察していた、その見つめる目は真剣で、一瞬漏れる光に、目を細める
細かい部分までは【二人の世界】だったからか見えなかったが、十分だった

「終わったみたいだね、二人ともおめでとう、問題なく契約は履行されたようだね。」
ぱちぱちぱち、と拍手と笑顔を送っている

レムニス > (ふぅ、と息を吐いて緊張の糸を緩める)
(特に久路の様子に変化もない)
(魂を貰い過ぎてしまう、ということもなかったようで一安心)

「えぇ、これで私の分はおしまいです」
「ホントに…ありがとうございます。やっと私も父さんみたいな立派な悪魔に向けての第一歩、踏み出せました!」
「次はー…詩露さんのお買いものですね!」

(感慨に耽るのは後にしようと意識を切り替える)
(契約はしっかりと果たさなければ)

「魂の輝きを分けていただいたおかげでパワーアップしてますからね!」
「重い荷物も浮かせて運ぶことも出来ますし!」
「何でも仰ってくださいね!」

(ささ、行きましょう!と久路の手を取って歩き出そうとして―)

「……あれ?そういえば何処に何を買いに行くのか聞いてませんでした…よね?」

詩露 久路 > 「ああ。お蔭様でな」
トトにそう答えた。
「そっちから見たら、こう、何か違ったのか?俺から見ると、明らかに異世界見えたんだけど」
少しだけ気になったので横で見ていたのだろうから聞いてみる。

「お、おう。いや、まあすぐそこ(もう目の前に見えてる)スーパーなんだけど」
手を取られ、少し焦りながら。

トト > 「ん… 少し、もやがかかった感じかな?僕からはレムニスの変化は分かったけれど。」
こくこくと久路に頷きながら答える

「じゃあ、行ってらっしゃい、僕はこれで失礼させてもらうよ、よければまた会おうね。」
とレムニスにも手を振りながら、二人とは別の方向にとことこと歩き出したり

詩露 久路 > 「成程、じゃーやっぱりそれはこっちしか見えてなかったんだな」
納得しつつ、トトへと頷いた。
「おう、ジュース、ありがとな」
歩きはじめたトトを見て、再度お礼を言う。

レムニス > 「えぇ、私の故郷の世界が…少しだけですけど、見えました」
「やっぱりこの世界と繋がってるってことが分かって、ちょっと嬉しかったです」
(契約の間だけ、周囲に見えた懐かしい景色)
(故郷とこの世界の繋がりが確かなものであるのなら)
(帰れないということもないだろうと。そう想い、心が少し軽くなった)

「あれ?そうだったんです?」
「でしたらレッツゴー、ですね」

(目の前のスーパーに目をやり、くすりと笑い)

「トトさんも、ジュースありがとうございました」
「また機会があればお話ししてくださいね!」
「貴方のことも、いっぱい知りたいですから!」
(ぶんぶんとトトに手を振ってその背中を見送って)

トト > 「ん、じゃあね二人共、よい一日を… かな?」
ばいばーい、と二人に手を振りながら

「あ、飲み物ならやっぱりコーラがオススメだよ!大抵の所にはあるしね、絶対だよ!」
と謎のコーラ推しをしながら帰っていった

ご案内:「商店街」からトトさんが去りました。
詩露 久路 > トトを見送り。
「コーラね。まあ普通に好きだしな」
とりあえずコーラは買うか。
などと考えつつ。
「じゃあまあ約束、いや契約だしな。手伝ってもらうか」
うん、と頷き。
「折角だしメニューを考えるのも手伝ってもらおう」
自炊するとは決めたものの、メニューは未だ白紙。
どうせなら相談しながら買う方が、楽しいだろう。
などと言いつつ歩きはじめる。

レムニス > 「はい!任せてください!」
「契約に従って、何でもお手伝いしちゃいますからね!」

(初めての契約の余韻だろうか)
(先ほどまでと比べ、少しテンション高め)

(その後、あぁでもないこうでもないだとか)
(彼女の故郷の素っ頓狂な料理だとか)
(いろんな話をしながら買い物を済ませたそうな)

(こうしてレムニスの最初の契約は終わり)
(彼女は立派な悪魔に向けての最初の一歩を踏み出すこととなった)
(その契約相手は詩露 久路という少年)

(彼女が長い長い年月を経た後にも、想い出の一つとして必ず語る名前)
(思い出深い最初の契約の物語は、こうして幕を下ろしたのだった)

ご案内:「商店街」からレムニスさんが去りました。
ご案内:「商店街」から詩露 久路さんが去りました。