2015/09/26 のログ
ご案内:「商店街」に紅葉 椛さんが現れました。
紅葉 椛 > 男装用の服を探してから数日。
前回は結局他のものを買って帰ってしまった。
あれはあれでとてもよいものだと思ったが、予定のものとは違う。
変装するためには、やはり男装。
そんな激しい思い込みから、また商店街をぶらぶらと歩いていた。

「うーん……それにしても男装ってどうやるんだろう……
 胸はサラシを巻いて……でも私小さいしなぁ」

独り言を呟きながらショーウィンドウを見ていた。

ご案内:「商店街」にリビドーさんが現れました。
リビドー > 「……肌寒いからと買ってみたは良かったが。」

 別の店から出てくる年若い風貌の誰か。
 リビドー先生ではあるのだが、装いが秋のものへになっている。
 あたたかそうなもこもことしたコートを着こみ、少し伸びた髪を後ろで縛っている。

 最近髪が伸びてきた事を気にしていたものの、肌寒いので伸ばす事にしたらしい――
 衣服や髪型の印象か、以前よりも幼い印象を見受けられる。
 
 

紅葉 椛 > 「そういえばまだサラシ巻いてなかったなぁ……」

本当に潰せるのか、それを確かめていなかった。
手段ばかりを考えて、確認を怠ってしまった。
わざわざ慧を呼び出してまで探してもらったのに、これはいけない。

「とりあえず買ったら確認かなぁ……
 どんな服がいいんだろ」

男装はおろか、自分の服すらまともに買ったことがないのだ。
男性用の服など思いつくはずもない。
困った表情を浮かべながら、別のショーウィンドウを見ようと歩いていく。

リビドー >  
「……おや。」

 ふと、足を止める。
 見覚えのある顔だ。

「彼氏へのプレゼントでも選んでいるのかい。」

紅葉 椛 > 不意にかかった声の方を向くと、見覚えのある顔。
あれは確か───

「リビドーセンセだっけ、違うよ?
 私は彼氏なんか居ないし」

声の主へと近付いていく。
やはりこの人は本当に大人なのか疑わしい。

リビドー > 「そうかい。
 ま、でなければ彼女代行などはしないか。」

 軽く冗句めかして笑ってみせ、軽く手を挙げら。
 となれば、と、ふむ と 下を剥いて一つ呟き、椛に視線を戻す。

「男装にでも目覚めたのかい。」

 大分的はずれな言を飛ばす。
 冗句混じりな砕けた調子であるあたり、本気ではなさそうだ。

紅葉 椛 > 「そうそう、恋人が居たら代行はしないね。
 居なくても面倒だからあんまりしないけど」

実際、何度か来た依頼は全て断っている。
物珍しさと、万が一高額ならばという魂胆で例としてあげているのだから。
面倒ならば断ると言っている以上、詐欺ではない。

「当たらずも遠からず、かな。
 変装として男装も覚えておかないとって思って」

冗談混じりに話しているようだが、それが当たっていて驚いた。
普通に考えれば冗談の類なのだろうが、椛としては大真面目である。

リビドー > 「そうかい。で――
 ――変装、な。何でも屋さんは大変そうだ。」

 くつくつとちょっと笑ってみせて、から、改めて椛の身体を見る。
 少し胸があるなとも思うが、サラシで何とかなりそうな風にも見えた。

「眼鏡をかける、おたふく仮面を點ける。
 そんな変装もついこの間見かけたな。――ま、地味な服装を選んでおけば概ね間違いはないんじゃないかい。
 変装用途ならば、下手にセンスを出してしまうと逆に目立ってしまうかもしれないよ。」

紅葉 椛 > 「そうなんだよね。
 いつもの格好がこれだから、尾行とかだと目立っちゃって」

変装をして目立たなくなるかはわからないが、とりあえずやれることはやっておこうという考えのようだ。
そのまま誰かと歩いて目立たなければよし、目立てば諦めよう。

「それすっごい目立つ気がするんだけど。
 正体がバレなければいいとかならそれでいいんだろうけどね。
 なるほど……地味めな服装……どんなのがあるかな」

地味な服装といえば、黒いシャツに黒いズボンなどだろうか。
いや、それだとかえって目立つかもしれない。
うんうんと唸りながら考え始めた。

リビドー > 「いっそジャージでも着るかい。
 ……ボクとしても少々難しいな。知り合いに居ないのかい、同年代の男の服装。」

 緑色の芋っぽい奴、と言ってみせつつ。
 どうみても目立ちます。

 ……ともあれ、男性の友人はいないかと促してみる事にする。
 時折、ディスプレイにも目を向ける。49800 とか見えた気がした。

紅葉 椛 > 「ジャージって余計に目立つ気がするんだけど。
 うーん、数日前にお願いしたんだけど……その時は女の子らしい服をおすすめしてもらってね。
 だから結局買えなくって」

白パーカーの少年との買い物を思い出す。
褒められた事なども思い出し、仄かに頬が赤くなる。

「他に知り合いは思いつかないし……リビドーセンセに任せたいくらい」

リビドー > 「ボクも大分無精だから難しいんだよな。
 少々派手なのを選んでしまう傾向もある。」

 唸る様子で思案しながら、考えこみつつ。

「制服……はある意味目立つか。
 トレーナーは幼いか。とりあえず長く、ラインの出ないジーンスないしズボンは有っても良いか。
 服飾のセンスは持ち合わせてないが、順当に考えれば体の線を出さない方向で考えても良いかもしれないな。」

紅葉 椛 > 「派手なのはどうかな……最悪私ってバレなければいいけど、できれば手抜きで尾行しても気付かれなさそうなのがいいかも」

前提が手抜きである。
手抜きでできるのならそれに越したことは無いのだが。

「ゆったりしたズボンと……体のラインが出ないような服……なるほど。
 その辺りを探せばいいのかな?」

リビドー > 「センス抜きで語るなら、だな。後はキミのセンス次第だぜ。
 ……手を抜くかどうかはキミの采配次第だな。ビシっと決めれば女の子からもモテるかもしれないよ。」

 手抜きと聞けば苦笑を浮かべる。
 ついでだ。店内に入る事にしよう。

「……と、入らないのかい?」

紅葉 椛 > 「別にセンスはあんまり、かな?
 手抜きじゃないとお腹空くし。
 それと、女の子からモテるのは目的じゃないからねー」

1人を除いて、という言葉は飲み込んだ。

「ほんとに一緒に考えてくれるんだ。
 それなら入ろうかな」

近くの店の扉を開き、中へと入った。

リビドー >  
「素人意見で良ければ付き合うとも。」

 もう一着ぐらい見ておきたいしなと付け加える様に呟いてから、店内へ。
 ――割りと色々な物が揃っている衣料品店らしい。男性向けの衣料品を探すには十分だ。

 一角を見れば、達筆で『野性』と書かれた妙なTシャツも飾ってある。
 ……"レジにて500円"の値引きシールが張ってあったりもするが。

「ふむ。割と無難な店かな。」

紅葉 椛 > 「それじゃあよろしくね、リビドーセンセ」

丸投げである。
いや、自分でも一応は見るのだが。

ちらと掛けられている服を見れば、カラスがプリントされたシャツがある。
プリントの下には『peacock』と書いてあり、吹き出しには『コケコッコー』と書いてある。
店のセンスに一抹の不安を感じたが、きっとその服も普通なのだろう。
リビドーも無難な店だと言っているのだし。

「そうなのかな?
 男性用の服はわからないからわからないけど」

リビドー > 「ああ、そっちはワゴンセールだな。
 安上がりだが変なものしかないかもしれないよ。」

 苦笑を浮かべて視線を外す。
 真っ当な衣類のあるところを探ってみる。
 だいたい安くて一着5000円前後。そのくらいのお店みたいです。

「とは言え、基本はキミのセンスで選んでしまった良いと思うよ。
 変装用とはいえ、気に入らないのよりかは気に入る方が良いだろう。」

紅葉 椛 > 「ああ、なるほど。
 だからこんな変な服が」

納得したようにセールの場所から離れ、リビドーについていく。
値札を見れば、思ったほど高くなく、予算を超えることはまずなさそうだ。

「私のセンス……思いつく服はパーカーとか……他は、執事服とか?」

偏った知識の少女は、これくらいしか思いつかないようだ。

リビドー >  
「……執事?」

 思わず聞き返しました。
 そういうのが好きだったりするのだろうか、と思いつつ。

「あ、ああ……うん。適当に選んでみると良いんじゃないかい。」

紅葉 椛 > 「執事って男性しか居ないから男らしいかなって……」

実際は女性も執事になれることは知らないようだ。
コスプレという考えはないようで、これでも真面目に答えているつもりらしい。

「それなら……」

少し奥へと歩いていく。
そこにはスーツが多くあり、想像している執事服と似たようなものを選んでいく。
少しすると、リビドーの下へと戻ってきて

「これとか?」

ジャケットとシャツ、ウエストコートなどを持ってきた。
運良く小さいサイズがあったようで、笑顔を浮かべている。

リビドー >  
「なるほど。」

 "少々大人びている気もするが、ませ気味の男の子としてば悪くないか"――
 ――リビドー自身も年若い風貌を持つ事もあり、その上で大分ませた
 ――もとい大人びた調子を取る故に、見た目よりもやや上を突くようなチョイス好印象の反応を見せる。

 若い割には軽い執事風――は少々目立つかもしれないとほんの一瞬考えるものの、好印象が上回った模様。
 とは言え、執事服に似た意匠があるような気がしたゆえの苦笑も見せる。

「良いんじゃないかい。似合うとは思うぜ。」

 それにしても、いい笑顔な気がする。気に入ったのだろうか。

紅葉 椛 > 「それならこれで決まりかな?
 思ったより簡単に決まったねー」

胸はサラシでなんとかする。
肩は最悪肩パットか何かで。
髪は……括ればきっとなんとかなるだろう。

化粧などは頭に全くないようで、変装ではなく、コスプレのようになるのは言うまでもない。

「似合えばいいんだけど、折角だし明日着ようかな。
 お会計してくるね」

最近服にお金をかけすぎてる気がするな、と考えながらもレジへと歩いていく。

リビドー > 「ははっ。ま、色々試してみるといいかもしれないよ。
 流石に一張羅では足も付きやすいしさ。」

 レジへ歩いて行く紅葉を見送りつつ、空いた時間にワゴンを漁る。
 次に会った時になにか見繕ってもいいかなどともぼんやり考えながら、ワゴンを眺めて時間を潰す。
 
(相変わらず妙なものが多いな……) 

紅葉 椛 > 数分後。
会計を済ませ、リビドーの近くへと。
流石にスーツ類は高かったようで、少しだけ沈んだ顔をしている。

「買ってきたよー、一緒に考えてくれてありがと」

沈んだ表情から一転、笑顔を咲かせる。
服の入った袋を胸に抱いて、満足そうにしていた。

リビドー >  一瞬やや消沈した顔が見えた。
 ――あの手の服は安いものでもなし、割りかし高かったんだろうな。
 幾らしたのだろうかと脳裏をよぎるものの、聞くのも野暮か。横に置いておくことにした。

「ああ、構わないよ。そもそもつまならなければ途中で帰っている。
 ……ふむ、少々小腹が空いたな。この近くにクレープ屋が有った筈だが。食ってくかい。その程度の小銭なら奢るとも。」

紅葉 椛 > 財布に入っていた諭吉が思っていた以上に消えた。
予算内ではあったのだが、安い服を見ていただけにダメージが大きい。
しかし、これでとりあえず変装ができるのならと気を持ち直した。

「ならよかったよ。
 え、ほんと? 私クレープ大好きなんだよね。
 遠慮せずに奢ってもらおうかな」

ちょうど小腹が空いていたところに嬉しい申し出。
断る理由もなく、その提案を受けた。

リビドー >  
「構わないよ。可愛い子と美味しいものでも食べないとやっていられない位でね
 最近は問題児が多くてな――最近も神社を壊した様な奴が転入して来たりと大変だぜ。
 他にも悪霊やら何やら……全く。」

 一体どんな手を使ったんだか。
 ……ま、実際の所は大方変に潜られるよりは学生証を渡して監視させる方を選んだのだろう。
 学生証を利用すればまぁ、偽造でもない限り足が付く。偽造なら偽造で足が付く。

「試合を回して身体を動かしたり、こうやって興味のある生徒と他愛もない話でもしてなければ参っちまう。
 ま、二個でも三個でも飲み物でも構わないから、体重と相談するといい。」

 口ぶりは軽く、冗句にも聞こえるようなそれだが――内容が半端に具体的な辺り、
 割りと真実味を帯びている風にも聞こえるかもしれない。少なくとも、もう少しの気分転換はしたいらしい。


「さ、行こうか――」

 言葉を切ってゆっくりと歩き出す。
 この後はクレープに舌鼓を打ちながら、語るまでもない会話でもしたのだろう。多分。きっと。

ご案内:「商店街」からリビドーさんが去りました。
ご案内:「商店街」から紅葉 椛さんが去りました。