2015/09/30 のログ
朝宮 小春 > (異能そのものはいくつか見てきた。魔術という技術に関しても、いくつか見てきた。
 しかし、こうまでストレートに、誰もが一度は思い描く現象を目の前で見せられ、それを体験させられたのは初めてかもしれない。
 空間が文字通り裂けて、そこを通り抜ければ、商店街。
 本当に商店街? と周囲を見回して。
 携帯の現在地を見れば、携帯が完全に混乱していて。)

………大丈夫。
まだ、まだ大丈夫。
このくらいなら、理解はせずとも納得できるわ。

(そんなことを言う。
 驚いたけど、と付け加えながら、自分の目を押さえて。
 歪んだ空間を通ったからか、全くの常識人は少し身体の方も混乱したらしい。)

………まだ、いろいろできそうね?
本当、恐ろしい子だわ………食事は、どこで食べるか決めてるの?

(相手を見て、首をちょっとだけ傾げる。
 昼食ぐらいは出してあげよう、と思ったりもするのだけれど、相手次第だ。希望を聞こうと様子を伺って。)

蒼穹 > (携帯は、完全に圏外を示していた事だろうか。何しろ、電波なんか届かない域に、一時的に入ったのだから。
確認するかのような、辺りを疑う様子からは、信じられないと言った風な様子が伺える。
そんなきょろきょろする彼女を見る目は、楽しそう。)

あっはは、驚いた?
…ま、今のは転移魔術って言うんだけど。私が使うやつはかなりオールドタイプなの。
なんて、説明はいらないかな。

(超常が交錯する様な島だけれど、基本的に学生街の常識人は普通の人。
彼女もまたその一人で。頭も体も?な状態なのだろうか。
といっても、今は普通の商店街。背中をさすってあげよう。)

んー、コハルちゃんが思いつく限りなら、何でも出来ると思うよ?
…あ、ええと。…何処で何食べよっか、お勧めはある?

(にっこり慢心的な言葉を言ってのける。
ふる、ふる、と元気よくあたりを見まわして。…実際、こういう普通の人が何を食べるかとかは、良く知らない。
ファーストフード店とかをチョイスするのが良いのだろうか。)

朝宮 小春 > ……お、驚いたは驚いたけれど、大丈夫、大丈夫。

(背中を擦られて、ふー、ふー、っと吐息をゆったりと二度。
 ……その上で、にこりと微笑みを返すことにする。
 大丈夫、と口にして。口にしたのだからなんとか大丈夫にしなければいけない、という使命感で心を引き戻す。)

……オールドタイプ、ねぇ。
オールドもニューも、私にとっては同じかもしれないけれど。
………思いつく限り。

(思いつく限り。 少しだけそれを考えて真剣な表情になりかけて。
 ……相手の言葉に、は、っと気がつく。)

そうね、………私が知ってる場所だと……この近くだと裏手にある食堂とうどん屋さん?

(苦笑交じりに首を傾げる。
 なんとも今風では無いというか、若者が集わない場所ばかりであった。
 ハンバーガーとかでもいいけれど、と相手に尋ねつつ、とりあえず、と歩き始めることにする。)

蒼穹 > あっはは、ビルの一つでも倒壊した方がびっくりしたかな。
…まぁ、今のは、魔法使えない人には宜しくなかったのかも。

(放心、と言うわけでもなさそうで。大丈夫そうならそのまま擦るのを止めて、背中に手を置いておいた。)

んー、とね。ま、今の時代はああやって、何かのワープゲートを媒介にするんじゃなくて、
直接こうして―――

(超初級の転移魔術の行使。その名は忘れた。
己の姿が左右に歪んで、徐々にぼやけて薄れていく。軈て背中に置いた手の感触も消えるだろう。)

―――瞬間移動できるってわけさ。これが、ニュータイプっていうか今の主流だね。
オールドタイプは、踏み入る動作が必要で、くぐり抜けることも必要だけど汎用性が高くて、転移距離も長い。
ニュータイプはその逆かなっ。

(同じ様な要領で、先程のぼやけて薄れていくのを逆再生する様な形で、濃くなり、形となる。
転移した先は、丁度彼女の前。悪戯に笑いながら、手を振ってまたしたり顔で解説。蒼い髪を見せつける様にかきあげた。)

思いつく限り…つっても深く考えなくても良いけどね。

(おーい、と目の前で手を振りつつ。ただ、彼女が如何なるむちゃぶりをしてこようか楽しみでもあったのだが。)

おー、うどん屋さんかー。私はラーメンとかの方が好きだけど。
コハルちゃんがお勧めなら、そこでもいいよー。

(今時じゃない、とても意外なお店だったのでつられるように苦笑い。
じゃあそっちにする?とか、聞き返しながら、前の方を向いて、通りに出た。)

朝宮 小春 > …………!!

(びく、っと身体が震えた。
 背中の手の感触が消えて、目の前に表れてくる少女。
 喉をこくり、っと鳴らして、驚いた表情で……すう、っと息を吸い込んで、吐き出す。)

………大分驚いたけれど、この程度では驚いたうちに入らないというか。
もっともっと驚くようなことは、きっとたくさんあるんでしょう?

(そうやって、髪をかきあげる彼女を見つめて、少し笑う。
 自分に自信があるのだろう、能力を隠す所作すら見えない。)

…そうね、………食事が終わったら、また驚かせてもらおうかしら。
どんな人の能力を見ても、驚かないようになりたいのよ。
少なくとも、ショックを受けないくらいに?

(言いながら、うどん屋さんに向かって足を進め始める。
 目的をもう一度、彼女に伝えて。
 怯えて、竦んで、生徒の能力から目を背けるような教師には、どうしてもなりたくない。)

ええ、……ああ、ラーメンもいいけれど、まあオススメ、かしら。
じゃあ、そこにしましょうか。
お爺さんとお婆さんがやっているんだけれど、結構美味しいのよ。

(驚きのショックから立ち直ってきたのか、ぱたぱたとサンダルを鳴らして歩き出す。
 大通りから、一本裏道に出る方向へと曲がって。)

蒼穹 > お?

(今度は、驚いてもらえただろうか。
後ろに居たはずの者が、唐突に前に出てきたら誰だって驚くだろうけれど。
兎も角、悪戯が成功した悪餓鬼さながらの様に、半笑いを浮かべるのだった。
相手が先生だからというのもあってか、尚一層こうしてからかうのは楽しい。
因みに行動が一々慢心的なのは、今に始まった事ではない。己の力量に絶対的な自信を持ち、自らの力量に対する裏付けなんかも手ぬかりなく。
どうしようもなく慢心的で、さりとて本人は慢心とは無縁のものであると信じているのだから困りもの。)

あっはは、まぁね。大体の事は、出来るさ。ただー…何だろう。魔法で何か作れって言われたら苦手なんだけど。
じゃあ、何見せてあげよっかなーっ。

(そうして、また悪戯を企むような無邪気な笑みを湛えながら、冗談半分の思考を巡らせた。)

ん、了解了解。何か希望があったら見せたげるさ。
どんな人の能力を見ても、ね。…無理しちゃダメだと思うけど。力は貸すさ。

(どんな人の能力を見ても。というのは存外無茶も良い所だと思った。
己でさえ、この混沌の溢れる島では時折驚くこともあるのだから。
…先生としての心がけ、と言ったところなのだろうか。裏手へ向かって歩いていく。)

…ん、じゃあお昼はそれで。へー、じゃあ老舗ってやつかな。
ま、お勧めならそこに行くさ。

(平常通りの歩幅になれば、また横に並んで歩いて行く。
大通りを真っ直ぐ…と思いきや右に。一足遅れで華麗なターンを。)

朝宮 小春 > (くすくすと笑っている相手を見つめながら、ちょっとだけ不満そうに唇をとがらせる。
 悪戯手段の一つなのだろう。その悪戯気分であれだけのことができるのは、それはそれで非常に危険なのではと思わなくもなかったのだけれど。
 そこは、相手がまともにコミュニケーションを取れる相手であることから、考えないことにする。

 己が能力に絶対な自信と、そして今見せたものが「簡単なこと」だからできるものだろう。)

………なるほど、得意や苦手はあるのね。
そう、ねぇ。一時的に身体に変化を起こすとかそういう…?

(ぼんやりと思う。やはり、ちょっと自分で「実感」しなければダメだ。
 転移魔法も自分で実感したからの「混乱」である。)

………無茶だとは思っているけど、ここで先生をやるからには、仕方ないわ。
自分で持っているわけでもないのだから、せめて、いろんな知識だけはつけておかないと。

老舗……まあ、そうなるのかしら。
事情でこの島に店を移したそうよ。 お孫さんが学園の生徒だとか。

(言いながらしばらく歩けば、木造の古めかしい家屋に、暖簾がかかっていて。
 がらり、と戸を開けば、カウンターにテーブル席も3つほどしかない、本当に小さなお店。)

蒼穹 > んー。何か壊すとかだったらさ、割と何でも出来るんだよ。
体に変化…?あー、そうだ。例えば、重力を一時的にぶっ壊して空に浮くとかどうかな。

(横目に見えた不満感を露呈した表情には両手を合わせて片目を閉じてお茶目に悪びれない笑みを向けておく。
彼女から見れば、そんな魔術を簡単にやってのける己は人の様な"何か"に見えるのだろうか、それとも。

その身を以て体験したいのなら、と。思いつくのはそれくらいだった。生憎危ない魔法ばっかりしか持ち合わせていない故に。
…因みに普通の人間は無重力空間では浮くことしかできない。)

そもそもさー、何でコハルちゃんはここで先生してるわけ?異能も魔術も使えないのに。
よく聞くのがさ、異能が発現して両親に疎まれたって言うの。大方そんなんでこっちに地球人はきてるって言うのに。
わざわざ何でこんな危ない所に、ノーマル人間なキミが務めるのさ?

(率直な疑問を言いつつ、暖簾に腕押し。開いた戸に追従し、店内にはいれば締める。
開いているのだろうか、控えめに言っても随分狭い店舗だけれど。)

…あー、そういう。
事情ってのはよく分からないけど、こんな島に…って、言わない方が良いね。

(お店であるのにずけずけそんな事を言うわけにもいかず。
はっと気付けばさっとわざとらしく口を押える仕草。)

朝宮 小春 > ………………それは、なんだろ。
…ある意味面白そう? 後で受けてみようかしらね。

(にこにこと楽しげな彼女の姿を見ても、その瞳に恐怖は無い。
 ちょっと不満気に悪戯な妹を見やる姉のような、そんな瞳だった。
 危ない魔法の、その深度を知らないが故、とも言えるだろうか。)

……? ああ、異能も魔術も使えない人間も絶対に必要なのよ。この島の外に出て生活をする人間を作ろうという目的があるのに、そういう能力を持つ人間だけで社会を形成したら、外に出ていく必要が無くなってしまうじゃない。
だから、私のような人間がいるわけ。

………まあ、ね。
正直なところ、母親がちょっとばかり問題を起こして、普通の学校から飛ばされた、ってのも無いわけじゃないんだけど。

(視線を少しだけ横にズラしながら、言葉を濁す。
 現在も指名手配されている犯罪者、だとは口に出すことはできない。)

………ん、大丈夫よ。
ここのお爺さん、奥で料理をするし、何も聞かずに何もしゃべらない人だから。
それに、私もその話、一度してるからね。

(穏やかに微笑む。ガラガラの店内には誰もいない。
 麦茶の入ったポットとグラスがおいてあって、自由に飲める形になっていて。
 メニューだけがどん、と置かれている。
 サービス業、という感じのしない、古風なお店。)

蒼穹 > …無重力空間だと、よっぽど特殊な道具ないと動けなくなるけども。逆に重力十倍にする魔法とかもあるよ。
後は、どんな魔法でも封殺しちゃえる能力とかあるけど、これはコハルちゃん目線じゃあんまり凄くないかな。

(優し気な目線でも向けられていたのだろうか、彼女の向ける目線は仕方ないわねとでも言いたげだったのかもしれない。
こうして、悪戯を悪だくみしているうちこそ大人しくて可愛らしいけれど。
もっと、畏れられるような存在だったとは、露も知らないだろう。知らない方が良いのかもしれないけれど。)

あー…成程ね。
そういう。…じゃあ先生だけじゃなくて生徒もいるんだろうなぁー。
ともあれ、そういう人員だったんだ。つまり純系純潔地球人で無魔力無異能なそれこそオールドタイプ人間ってわけだね。
あ、悪い意味じゃないんだけどさ。

…あー、それは。うん…そういう事かー。
それでも、選りにもよって、こんな所に飛ばされちゃうなんて。

(家族が犯罪を犯して、その地域に住みにくくなる、なんて事はザラな話だろう。
彼女も、そう言うのに巻き込まれただけだろうし、深く聞く理由もその気もなかった。
だから、彼女の母親がどういう人かとか、そんな話は出さなかった。)

あ、そうなんだ。…んじゃ…まぁ、ゆっくりして行けばいいのかな。
窓際行こうよ。

(どの席も閑散としている。そのおじいちゃんとやらも見当たらない。
簡素そのものな作りの、文字通り老舗だった。…お金がなかったのかもしれない。
寂し気だ。木で作られたテーブルの上に、陽射しの線がかかっていようか。)

朝宮 小春 > ………動けない状況そのものが、怖いといえば怖いと思わない?
…あんまり思わないか。

(微笑みながら、苦笑を一つ。
 自分の思い通りに身体が動かせない状況は、それだけでも怖いと思うのだけれど、きっと彼女はそんな経験も少ないに違いない。)

……そりゃ、ね。 でも生徒はここに来るなら、ちゃんと理由があるのだろうけれど。
先生はそれがお仕事なのだから、お仕事でここに来ているのは間違いのないところよ。
ま、オールドタイプ人間って言われるとそれもどうかと思うけど、その通りかもね。

……飛ばされた、っていうよりも、ここなら働けるって聞いたから。
自分でも教壇に立っていいって言ってくれた場所なのだから、それなりに役に立ちたいじゃない?
それなのに、生徒の能力に怯えていたら迷惑になっちゃう。

(穏やかに微笑みながら、この学園への感謝と、その思いを口にする。
 相手からすれば、ちょっとうざったいくらいの、根っこからの先生。
 何の疑問も抱いていないような声で。

 窓際に座ってメニューを開けば、かけうどんだの、天ぷらうどんだの、分かりやすいメニューが幾つか並んでいる。
 値段は比較的安い。
 メニューの品数は少なめだった。)

蒼穹 > ん。ああ、そうだ。
何なら重力操作もなしに、動けない金縛りの状況を作るって言うのも出来るよ。

(何しろ出来ることが多いと、思い当たるのも一苦労。ぽん、と手を打てば新たな提案をして指差した。)

オールドタイプも何も、人間は人間なんだろうけど。
…仕事ってのは大変だよね、色々と嫌になってくる。私もあれ、風紀委員だとかいう仕事を毎度毎度と…。

ううん?どういう事かな。探せば別にあったと思うけど。
それとも、先生が不足していたのかな。…兎も角、若手でノーマル人間な先生が要求されてたんだね。
…あっはは、そういうのもまた、普通の人間としての反応だと思うけどなぁ。

(世界変容があって、島の外がどうなったか何かは知らない。
彼女の様に、普通の人間は、そういうおかしな異世界人には驚いてしかるべきだし、
異能や魔術なんかにだって、理解が追い付かないのが普通だ。だから、怯えたっておかしくはないと、そう思うのだけれど。)

んじゃま、安直にてんぷらうどんと行きますか。
てんぷらって脂っこくて良いのよねー。

(さっさとちゅうもんを済ませて、自分の分のガラスコップをかっぱらって麦茶を注ぐ。
気付いた様に後々から「あ、飲む?」とか断片的な質問を投げた。)

朝宮 小春 > ……その上で、ちょっと身体が重くなったり、浮いていったり?
確かに、それは怖いし、慌ててしまいそうかも……。

(本当に、何でもできるらしい。
 ただ、有り難い話ではないけれども。………彼女自身が、この状況に慣れている。
 相手が何でもでき、自分は一つとして真似できない状況に、覚えがある。
 だから、その会話そのものに違和感も、何かを我慢している様子も無く、自然に言葉をやりとりできていて。)

………そう? 私は好きかなって思っているんだけど。

(嫌そうにする子を相手に、にっこりと微笑みながら、ぽんぽんと頭を撫でる。)

確かに外の世界でも先生は求められているけれど、ここだって同じことよ。
私は、この学園の子に少しでも自信を持って、外に出てもらいたいから、今の仕事を大事に………今いる生徒を大事にしよう、とは思っているわ。

(青くさい綺麗事ではあるけれど、それを堂々と、真っ正直に話すことができるのが彼女の強み。
 だから、普通の人間じゃなくてもいい、と彼女は言う。
 その緩衝材になることを、望む。)

………ええと。 天ぷらうどんと、きつねうどんを一つづつね。

(気配を察してやってくるお婆さんに二つの品を告げれば、穏やかに微笑んで奥に引っ込む。
 物静かな二人の、物静かな店。

 頂くわ、と水を受け取りながら。)

蒼穹 > …ううん、そういう事かな。ああいや、無重力空間では動こうと思ったら動けるんだっけ。
ただ、もがいてももがいてもそこから動きだせないんだっけな。…どうだった?

(よく分かっていないらしく、遂に先生に聞くと言う必殺技。
色々あれやこれや並べてみるけれど、自分からしても、相手が出来ない事が出来ると言う事は結構多かった。
ただ、深い考えもなく、普通にと言った風に話を進める。)

あっはは、先生は先生っていう仕事が好きだから、でしょ?
私はもうね、正義と秩序を騙る建前の組織に良いように扱われる可哀想な馬車馬だよ。

(社畜は辛いねと肩を竦めて。そう身長差もない彼女を撫でられつつも、屈んで見上げる。)

…なんで、だから。…深い理由なんてないか。
たまたまこっちに来て、それでも、縁あって今の生徒を、とか思ってるのかな。
だったら、クラスの担任とか、してみたらどう?少ないながらもそういう先生もいるみたいだけど。

(真面目なんだな、と思うし。先生であることに彼女なりのこだわりを感じる。
授業では見えない面が見えたのかもしれない。といって、滅多と授業に出ないのだが。)

おお、んじゃま、お水飲みながら待ってようか。

(彼女に麦茶を入れたコップを差し出した後、改めてもう一個グラスコップを。
お婆さんのいいたいみんぐでの来訪を見送って、
もう一個お茶を注ぐ。それから一口啜った。)

朝宮 小春 > ……………想像するだけで怖いけれど、でも、目の前に知らない人がいたら、かな。
知ってると、ちょっと不思議な体験で終わっちゃうかもね。
あれよ、抵抗できない、逃げられない状況になるのが怖いから、そこからは安全です、って分かっているとね。
まあ、分かっていなかったら本当に怖いんだけど。


…ふふ、私はそうね、こういう仕事は好きよ。
貴方がそうやって働いていることは知っているからね。
でも、貴方のおかげでこうして商店街も歩けるんだし、感謝してるわよ?

(かがんで見上げる彼女の頭を何度も撫でつつ。
 相手の言葉に少しだけ目を閉じる。)

たまたまとは思わないけれど、うん、少しでも私と関わっていい方向に行けたら、やった意味があるな、って思うしね。
担任は考えているけれど………まだ任せてもらえないかもね。
来たばかりでもあるし。

蒼穹さんは………特に、目的とかは無いのだったかしら。

(苦笑を浮かべつつも、麦茶を静かに飲んで。
 ことん、とテーブルに置く。
 誰も来る気配のないお店の中で、いい匂いが奥から届いてきて。
 そんな中、こちらの目的を語った後、相手にそれを尋ね返す。)

蒼穹 > …あっはは、なるほどそう来るか。
地震も何でも、そうだけど。これから来るって分かってたら怖くもなんともないよねって話で。
じゃあどうしようかなぁ…。

(考える仕草もほどほどに、例えば今彼女の動きを魔術で縛ったらどうなるだろうかとふと考えてみるが、
生憎ここはお店なので騒ぎになってもまずいし。…来ると分かっていて怖いもの、何かあるだろうか。)

元々研究者になりたかったらしいけどね。今はもう、って感じかな。
…ま、あんまり面白くない仕事だよ。情報給料権力と3拍子揃った御褒美があるから良いんだけどさ。
わーわ、そんな感謝なんてされちゃっても困るなあ。

(くすぐったそうな表情を浮かべる。)

…?そもそも、コハルちゃんってこっちに赴任すること希望したの?
あらら、そういう。…ええと、なんだっけ。来たばかりだし若手だし…無理かー。

うん?目的ねぇ…目的。
さぁ、忘れちゃった。私さ、見ての通り異邦人だし。
あんまり思い出せないけど、意図的にこっちに来たわけじゃないんだよね。

(そう昔の事でもなかったはずだけれど。ここに来た目的はなく。
頭をかきながら片目をつむって思考。…そろそろ、注文が届くのだろうか。)

朝宮 小春 > どうしてくれちゃうのかしらね?

(なんて、くすくすと笑う。 今何かされる、なんて考えてもいない様子の、のんびりとした一般人。)


………なりたくは思っているけどね。
…今は、封印。 こうしてここで先生として全力を出せないのに、出来るわけがないもの。
………ふふ、まあ、その3つのうち1つとか2つしか無いものもあるんだから、ちょっと大変だろうけれど、頑張って貰わないとね。

(なんて、ちょっとだけウィンクして。
 くすぐったそうな表情を浮かべる彼女を優しく撫でる。)

………まあ、そういうことになるかしら。

(詳しくは語らない。まあ、他の学校から断られたことや、人のツテがこの学園にあったことなどは、語ることではないだろう、と。)

まあ、今更若手とも言ってられないのだけれどね。
やっぱり、何かしらがあった時に押さえ込める先生の方が、重宝はされるわね。

………そう。 じゃあ、しばらくは………何か目的ができるまでは、ここで静かに暮らすことが目的なのかしらね。

(ここまでで、二人の前にことん、とうどんが置かれる。
 透明なつゆと太いうどんは、あっさりとした味わいであるが、満足感の得られる一品だった。
 とくに麺に関しては、即席とは全く違う味わいで。)

蒼穹 > …さぁ、ね。

(こうしてくれちゃおうとか答えて金縛りをしてみようとか思ったが、やっぱりやめておいた。)

ヘマやらかした、んだっけ?
財団に申請してみればいいんじゃないかな。この島にも馬鹿でかい研究所とかあるしね。
何処かしらには入れると思うけど。―――今はそんな気分じゃあない、か。
ちょっとどころじゃないっての。…ま、偶にこの仕事も悪くないって思う時は、あるけどさ。

(いつまで撫でてるのさ、と言いつつ。撫でられ続ければ。
…こうして感謝されるから、気分が良い。破壊神もまぁ随分大人しくなったものではないかと、内心自嘲はするけれど。)

ふぅん。そう。

(歯切れが悪い。けれど、気にする事でもなかったので、そうとだけ返しておく。)

んじゃ、申請してみりゃいいんじゃない?結構クラスの所属希望者とか居そうだし。
ま、強い教員は歓迎されるだろうけども。

さぁ…どうかなぁ。私は大人しくしてるってのが出来ない性質だしね。
何か面白い事でもあったら程々に乗り掛かるさ。…帰る宛もないし。

(見たまま異邦人、と言ったが。髪色瞳の色こそ作り物めいた青さがあるけれど、見た目普通の人間だし。
気まぐれで飄々と、適当に楽しさを求め歩く風の様に、通ったところを滅茶苦茶にする嵐の様に、そんな生き方をと思う。

うどんが運ばれたらしい。良い香りがする。割り箸を二つに分けて頂きます、と。)

朝宮 小春 > …ふふ、その言葉もちょっと怖いかも?

(なんて、ちょっとだけ笑って。……その上で、視線を窓の外に一度向ける。)

そうね……授業をサボる子が素直に授業に出てくれるようになったら、思い残すこともないから、研究者に再転向しようかしら。

(そんなことを、くす…っと笑いながら呟いて、頬をつんつんしてやる。ほれほれ、なんて。)

それにね………、何より、今はここで何が出来るか、はっきりさせたいの。
ここでも何もできないなら、今から研究室に戻ったとしても、きっと何も得られることなく終わると思うから。
ここで教師として教えながら、自分の気になることは調べたりはしているけれど、ね。
……それに、尊敬している人から、私はこういう仕事が向いている、って言ってもらったしね。

(穏やかに声を出しつつも、首を横に振って。
 先生でいたいの、と小さく付け加える。)

そうかしら……。
担任、ねぇ…………希望者が多かったらそういうのもいいかもしれないけれど。
教える担当科目がバラバラでもあるから、あまりクラス、って感じにはならないかもしれないわね。

(この学園での編成制度が、イマイチまだ全て飲み込みきれていない様子の教師。
 のんびりと担当科目をひたすらこなしながら、この場所の環境にだけ早く慣れてください、という配慮なのだろう。)

面白いこと、ね。
……私が言えた義理ではないけれど、できるだけここにいられると、いいかもしれないわね。

(頂きます、とつぶやきながらうどんを口にして。
 やっぱり、食べ始めても誰も来ない。 静かなお店である。)

蒼穹 > 怖がってるうちが花さ。本当に怖けりゃ怖いなんてさえ思えないだろうから。

(うどんの麺を摘み上げて、口に運び、食事を始める。)

そりゃあなんかのフリかい?残念だけど、私は気紛れなんだ。
素直に授業に出ることもあるだろうし、出ないこともあるだろうね。
そりゃ未来永劫…ん、ん。…変わんない、よっ。

(ちょっとかっこ付けようと思った矢先に突っつかれた。身を引き気味に後退後退。)

…感傷に浸っているところ悪いけどさ。同意したいところだけど。そうとも限らないって私は思うけどね。
研究者がやりたいなら研究者を目指せばいいさ。中途半端が嫌って言いたいのかもしれないけど。
気紛れって言うのもいいんじゃない?なんて、不良女子高生からのありがたくないお言葉でした、と。
先生向いてるなら先生やりゃ良いと思うけども。…どうなのかな。満足してる?楽しい?

(ふと、捻くれ曲がった横槍を入れつつ。結局はそこなのだと言いたげな後付。)

んー。そう。
まぁ、教科担当はバラバラだろうから、HRとかするだけのクラスね。…ま、その気がないなら言わんでおくさ。
基本的にクラス担任の先生は少ないしね。…人間の普通の学校じゃ中学高校は担任教師が普通つくらしいけども。

(その辺りの人間の文化は、あまり詳しくないので曖昧模糊な言い様。)

さぁ、どうかな。…ここも楽しいけどさ。あんまり同じところに留まってるってのも退屈なもんだよ。
ま、この世界は奇妙な事に、逐一変わっているし、何でもありな世界なんだけどね。

(どっちかというと己自身奇妙でなんでもありの側だけれど。そこは気にしない。
てんぷらを掴み上げて、豪快に齧った。)

朝宮 小春 > ……きっと、そうかもしれないわね。
ええい、って腹をくくるしかないかもね。

せっかく貴方を授業に出席させる良い口実ができたと思ったのに。

(なんて、小さく笑って……。)

………私の性格上、それはちょっと難しいかも。
それに、今に満足をしているし、とても楽しいわ。
確かに………確かにね、なるだけならなれるかもしれない。
風紀委員になるだけなら、誰だってなれるのと同じ。

けれど、人を本当に暴力から守るためには、きっと「力」がいるでしょう。

その上で、直接的に守るだけじゃない、他にもいろんなことができるじゃない。

私は、そちらのほうが向いていたって……そういうこと。

(軽く例えながら、そう呟く。
 研究者として一線で立ち続けるのは、難しくとも、意思は潰れぬ。
 意思はそのままに、立てる場で立つ。)

………そういうことなら、私でよければ?
あ、もし開くとしたら入る?

(にっこりと笑いながら、目の前の不良生徒を勧誘してみる。)

………………そうかもしれないけれど、そこはアレね。
私は、ずっと同じ場所にいることは苦にならないのよね………性格の違いかな。

(天ぷらはお婆さんの自家製。 上品……といった味わい。
 シンプルなうどんも相まって、なんとも見た目だけは高級そう。)

蒼穹 > …一体何に腹を括るんだい?

(つんつんと、ナチュラルに横腹を擽りつつ。)

残念ながら、私はそういうのじゃ釣られないのよ。ごめんね?

(悪びれない何時もの笑みを浮かべながら。)

風紀委員を例に出すのはやめてほしいなあ。私はなるだけなった勢だからそんな事言われると痛いよ。
ま、そんなもんはさておき。
先生はそういう性格で考え方なんだろうし、仕方ないと言えば仕方ないのかな。
別に研究者になれって言うんじゃないよ?ただ、今を楽しむべきだよ。それが、私の考え方。
楽しいならいいんじゃない?昔の事なんて振り返ったって取り返しはつかないよ。
昔の事振り返って後悔するくらいなら、時間巻き戻す魔法の研究でもした方がよっぽど有意義だと思うけどね。
先生やってて楽しいなら、それで良いじゃん?

(共感、と言うわけでもなく。次から次へと水を差してしまっている気がするけれど。そこも悪びれない。
誰であったとしても歯に衣着せぬ物言いをする、恐れを知らぬ性格。)

あら、意外と。さぁどうかな。ただ先生は人気そうだし。
ま、それに甘々だし単位も増えるし。厳しくなきゃ入るよ、多分ね。

(しっかりと多分を付ける。確約はせず、また飄々とした物言いだった。)

そういうもんよ。
私とコハルちゃんじゃ性格もその他も色々違うからね。仕方ないんじゃないかな。

(そそくさ食べ進んだ。…割かし美味しい。うどんはあまり食べないけれど。やはりてんぷらは衣が命。
結構な御手前で。)

朝宮 小春 > 怖がるも何も、その場になってみないとわかんないんだから。
怖がらない、気合で我慢するって覚悟をするだけね。

その覚悟をどれだけできるか、ちょっと不安だったんだけれど。


(静かに相手の話を聞きながら、分かる。
 相手がどちら側の人間なのか……人間じゃないとか、そういうことは置いておいて。)

ええ、きっと……きっと、考え方には違いはあるのだろうけれど。
それも、仕方ないんじゃないかしら。

説教臭いと思われると思うけれど、自分が人を導くのであれば、その場だけではなくて先を見据える目を持って………少なくとも、そうであろうと努力をしなければいけないと思うの。

それこそ、自分であろうとすることが先に来るのか。
自分の役割を果たすことが先に来るのかの違いね。

それは、きっと人によって違うから、仕方ないわね。

(相手の言動を受け止めながら、それでも微笑みを浮かべて。)


あまあま………
いや、そこは厳しく行くわよ。 よし、厳しくしよう。

(拳を握って瞳が燃えた。
 明日から熱血教師を目指します!

 うどんはボリュームはあれど、シンプルなもので、あっさりと完食をして両手を合わせる。)

蒼穹 > んなもん我慢しなくたって、怖い物は恐がったらいいとおもうよ。
それが普通の人間なんだからさ。…どうにも、そういう所で変に気を張ったり、拘ったりしてるみたいだけども。
…それがコハルちゃんらしさってやつかなぁ。

(譲らない様だから、それだけ言って、切り上げておこうか。)

あっはは、先生っていう立場はなかなかどうして大変なものだね。
…もう一回言うけどさ、そうやって、自分が描く理想像に追い縋るのは良い事だけど。
何処かで落としどころつけとかないと、不必要に疲れちゃうよ?
…ま、私の考えを押し付ける気はないけど。
努力って言うのは何分苦手で嫌いなものでね。こういう所にでも、正確や諸々の違いっていうのは出てくるんだろうね。

(一足遅れで完食して両手を合わせれば、ごちそうさまの挨拶。それからまた麦茶を啜って。)

うん?ああうん、頑張ってー。

(燃える教師を横に、棒読み気味の応援を送りながら席から立ち上がる。)

さて、と。帰りましょうか。…コハルちゃんの家まで送ろうか?
ああ、それとも私の家に来るかい?お風呂もトイレもキッチンもないけど。

(鞄を提げて、お財布を取りだす。「ここ置いとくよー。」と、一声向こうにかけて、料金を置き据える。
見た目誰も居ない古風な作りのお店から、そそくさと出て行こうとする。)

朝宮 小春 > ………ふふ、まあ、そういうことになるかもね。
好き、というと語弊があるかもしれないけれど、私は努力することは好きよ?
できないことが一つづつできるようになることは、やっぱり楽しいもの。

だから、……叶わなくても、理想を打ち立てて、そこを目指したいのよ。
ふふふ、面倒くさいでしょう?
(くすくす、と笑いながら、相手の言うこともわかる、と頷く。
 その上で、自分を「面倒くさい」と評しつつ。)

大丈夫よ、そうなりなさい、なんてお説教をするつもりはないし、これからも無いからね。
(これで「大変な先生だ」と思われてもたまらない。自分の掲げる生き方なだけだ。)

……そうね、送ってもらえるなら有り難いかも?
正直、ここ最近いろいろあったものね。

また来ますね?
(と、奥に声をかければ、お婆さんが静かに手を振って見送ってくれる。
 話の邪魔を一切されない静かなお店から外に出れば、大通りのざわめきが響いて、少し音のある世界に戻ってくる。)

蒼穹 > …そうなんだ。ま、多分その辺りも互いの相違点に依るものかな。
私は努力はあんまり好きじゃあないんだ。最初から何でも出来るから、かもしれないけどね。
…面倒くさいね。本当に。

(目を逸らし、やや呆れ加減。分かっているならと思うけれど、もうそれ以上は言わない事にしておく。)

そう。…ま、コハルちゃんはそう言う人だしね。
でもさ、疲れたらたまには息抜きも必要だと思うなぁ。

…じゃあ行こうか。
転移しても良いし、歩きでも良い。確かにこの辺りも最近物騒だったしね。
ま、過ぎたことを言っても仕方ないか。適当に万引きでもないかとか見回りつつ、帰路につこうかなーっと。
どの辺に家あるのさ?

(んー、と伸びをしてみるけれど、その仕草に対した意味はない。
大通りは相変わらず混雑気味、今がちょうどお昼時で、ざわつく通りを進んで―――。)

ご案内:「商店街」から朝宮 小春さんが去りました。
ご案内:「商店街」から蒼穹さんが去りました。