2016/09/13 のログ
蒼穹 > 「うっわ………。」

もうやだ帰りたい。惹かれるどころかドン引きである。
でも叩かなきゃ気がすまなかった。叩いても後悔しかなかったけど。

「あい、おしまい。」

行く手を阻んで伸びるチャラ男Aの手を、何ら構えもない状態からひっつかんで、
それはもう、軽々ともう片方から迫るチャラ男Cへ投擲した。
投擲である。
ハンマー投げより軽やかで、演出か何かと見紛う程しれっとやった。

破壊神の超常膂力は、調節可能だが、見ての通り見た目に反して馬鹿力。
ただ、当然降りかかる火の粉を振り払った程度で、やってやったという気にはならない。

「今終わったよ。全く…。

幸せそうな顔してたね、割と。」

ハゲになったチャラ男Bは、結構ほくほくしながら走ってた
もともと彼女にちょっかいをかけるようなやつだから、まんざらでもなかったのかも。

「さー、行こうか。余計な時間喰っちゃったし。」

のんびりと、商店街の闊歩を再開する。

クラウディア > 「はああ…最ッ高ォ!ね?ね?もう一回だけやって?
次はもっと手首のスナップ利かせて、首を撥ねんばかりに思いっきりやって頂戴?」

彼女は龍ではあるが不死ではない。
世の中には鱗が流体の性質を持つ龍も居るらしいが彼女は違うし今は人型だ。
当然、首を撥ねれば死ぬ。
後悔はしなそうだけれど。

「こっちに投げて!」

別に作戦とかではなく。
別に必殺技ではなく。
趣味である。
あの勢いのあるでっかいボールにぶつかったらとっても痛くて気持ちいいだろうなあという羨みからである。
この本性を知っていればチャラ男達は話しかけてこなかったんじゃないかと思うほどの、見た目と内面の差である。
なお、投合方向とは間逆の位置に居た事は気にしていない様子。

「わかるわ…わかるわぁ…髪は女の命だから燃やされるのはごめんだけど。」
「虐められて悦ぶ気持ち、すっごいわかるわぁ…お友達になれるかもしれないわね。」

いや、チャラ男Bが喜んでいたのはそういう理由じゃないはずだ。
精神はともかく物理的ダメージはほとんど無いチャラ男Bと一緒にほうほうの態で逃げ出す3人組。
何事も無かったかのように、また本屋に向けて歩き出す。

「うふふ…本屋行くまでに何回ぶたれるかしら…。」

頭の中で妄想して悦ぶ少女と。
それを読んでドン引きする少女と。

ギリギリ周りの人に迷惑が出ない程度にちょっかいを掛け合いながら、人通りが多い道を進んでいく。

着くまでに引かれた回数とぶたれた回数。
そして恍惚とした笑みを浮かべた回数は、内緒の話。

ご案内:「商店街」からクラウディアさんが去りました。
ご案内:「商店街」から蒼穹さんが去りました。