2016/11/10 のログ
ご案内:「商店街【常世祭期間中】」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > どうやら、常世祭というものが始まったらしい。この島に来てまだ間もない少年には初めての行事だ。
異能の特性故に、過剰に他者と関わるのは出来る限りは避けてはいるものの…
こうした祭というのは少なからず心躍るものがあったりはする。
そんな訳で、商店街をぼっちでブラブラと気儘に私服姿で歩いていたのだが…。

「……?」

そこで、その光景を見かけた。片方は…風紀委員会の制服を纏った女性。
もう片方は…何やらヒートアップしていると思しき男。…両者を交互に見て。

「……喧嘩の仲裁、なのかな…」

死んだ魚のような瞳を別の方角に向ければ、あっちにも別の風紀委員ともう一人の男。
そちらはどうやら何とか話し合いは出来ているようだが、こちらはそうでもないらしい。

(俺が関わってもロクな事にならないと思う……けど…)

困ってる相手を捨て置けはしない。風紀委員会とは全く関係ないのだけれど。
そのまま、ゆっくりと歩を進めていく。出来る限り両者を刺激しないように。

「……あの、どうかしましたか?」

龍宮 銀 >  
(同僚は退院して来てから雰囲気が変わったと言う。
 なんだか少し柔らかくなった、と。
 自身としてはあまり変わったつもりは無いのだけれど、言われてみれば仕事中に相手と言葉を交わすことは多くなったと思う。
 犯罪に手を染める者にはそれなりの理由があるのだろうと思えると言うか、なんと言うか。)

我々もこうしてここに来た以上は状況を把握する必要がありますし――いえ、別に逮捕すると言うわけではなく。

(怒りの矛先がこちらに向いてきた彼をなだめながら、そんな事を考えて。
 つまりはあまり校則のことばかりを考えていても、人を助ける事は出来ない、ということだ。
 そうして根気良く説得を続けていたら、後ろから掛けられる声。)

ああいえ、大したことでは――はい、はい、聞いていますよ。
それで、歩いていたら相手の方が余所見をしていてぶつかった――ああ、ぶつかられたんですね。

(振り向いて返事をすれば、今度は正面から大声を出された。
 新たな彼にジェスチャーで謝罪をして、向き直る。
 そんなことをしている間に同僚の方は話が終わったらしく、こちらにやってきた。
 代わると言われ、聞いたことを簡単に伝えて交代してもらった。
 小さくため息。)

飛鷹与一 > 声を掛けたはいいが、全く関係も面識も無い赤の他人の自分だ。
そこから先、どうしたものかと自らのコミュニケーション不足を少々痛感する。
そして、どうやら自分が声を掛けるまでも無かった気がして来た。
目の前で男を宥めている風紀委員の女性の同僚と思しき人物がこちらにやって来たからだ。

(……あれ、これ…俺が声を掛けなくても別に問題なかったんじゃあ…?)

どうやら、その場はその同僚さんが引き継ぐらしく、そうなると自分の行動は余計な事でしかなかった気がする。
とはいえ、一声掛けてしまった以上、そのままそそくさと立ち去るのも何だかな、と思う訳で。

「……その…お仕事ご苦労様です…。」

なので、交代してもらって溜息を零している彼女に労いの言葉を掛けるくらいはせめてしておく。
社交辞令の延長程度にしかならないだろうが、風紀委員会の人が大変なのは素人目でも分かるのだ。

龍宮 銀 >  
――ああ、ありがとうございます。

(労いの言葉に少し遅れて反応を返す。
 話を聞くという職務は引き継いだものの、風紀委員の仕事はまだ終わっていないのだ。
 改めて姿勢を正す。)

常世祭の準備期間に入りましたからね、いつもよりこうした事はどうしても増えてしまいます。

(愚痴、と言う訳ではないが、やはり普段よりも仕事が増えるのは間違いない。
 こうしてそれをわかってくれる一般生徒の存在は精神的にもありがたいのだ。
 困ったように笑いながらそう声に出す。)

飛鷹与一 > 「…お祭、ですからね…ハメを外してしまう人が増えるのも致し方ないかと思います…。」

生気や覇気に欠ける視線を目の前の風紀委員の女性に向けつつ、静かに頷いた。
祭、というものは精神的に高揚する…そしてタガが外れやすくなる。
楽しく賑わう一方でこうした揉め事も飛躍的に増えるのだろう。
しかも、これから祭が本番、ともなると風紀委員会の人も頭が痛いだろうに。

「…俺達みたいな一般生徒が楽しめるのは貴方達のお陰だと思います。
頑張って下さい……あぁ、えぇと無理をしない程度に」

そう、僅かに笑みを返して会釈しつつ立ち去ろう…と、したのだが。

「――!!」

不意にその場から勢いよく動いた。行き先は先ほどの男と彼女の同僚の方角。

龍宮 銀 >  
仕方ない事ですね。
そのために風紀委員がいるわけですし。

(人が動く以上は仕方の無いことだ。
 どちらにせよそれでお給料を貰っているのだ。
 そんな事は覚悟している。)

いえ、仕事ですから。
あなたも、巻き込まれないよう注意――!?

(いきなり動いた彼に驚きの表情。
 動いた先は先ほどの男性の方か。
 何事かと、彼の動きの先へ目を向ける。)

飛鷹与一 > 急に動いたのは勿論理由がある。それも至急の。
立ち去ろうとした矢先、何気なく視線を向けた先で…先ほどの男が彼女の同僚に手を挙げていたのだ。
どうやら、宥めたかと思ったら何かの弾みでまたヒートアップしてしまったらしく。
同僚の人も身構えてはいるが、男が拳を繰り出す前に二人の前に素早く割り込む少年。

「――っっ…!!」

反射的にその同僚さんを突き飛ばし、護身術…を使う時間が無かった。
思い切り代わりに少年は顔面を男に殴り飛ばされて吹っ飛ぶ。
何か格闘の心得でもあったのか、かなりの衝撃だ…受身は取ったが地面を転がる少年。

(……勝手に体が動いてしまった……あと、凄く痛い)

他人事のように思いつつうつ伏せの状態から顔だけを上げる。
視界がチカチカする辺り、まともにイイ一撃を喰らってしまったようで。

龍宮 銀 >  
――!

(先ほどの男が同僚に殴りかかった。
 かと思えば、そこに割って入って同僚の代わりに殴り飛ばされる少年。
 こちらも駆け寄り、男の身体を抑え、脚を掛けて地面に押し倒す。)

いきなり何を――っ!

(興奮しているのか何なのか、その状態から暴れる男。
 仕方なく拘束しようとしたが、抵抗する力が半端じゃない。
 もみ合っているうちに、男の肘が顔に思い切りぶつかる。
 自身は男の上から地面に倒れるが、代わりに同僚や周りの生徒達が男へ殺到し、取り押さえられたようだ。)

つ……大丈夫、ですか。

(同僚の代わりに殴られた彼へ頭を抑えながら近寄って、助け起こそうと。
 肘が当たった際に口が切れたようで、口の中から血の味がする。
 手で拭えば赤い制服の一部に、より濃い赤が少し付いていた。)

ご案内:「商店街【常世祭期間中】」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > まず、真っ先にチカチカ明滅する視界で確認したのは…あの同僚さんは無事だった事。
それを確認してから、ゆっくりと身を起こそうとする…が、軽い脳震盪でも起こしているのか。
ガクンッ!と、上体を起こした所で地面にまた倒れてしまう。

(…情けないなぁ。一応護身術とか習って多少鍛えてるのに)

それに、あの男のヒートアップ。もしかしたら自分の異能のせいではないだろうか?
そうとは限らないが、そんな考えを拭えない。そんな事を考えていたら助け起こされて。

「……大丈夫…です。受身だけは取ったので……んっ!」

助け起こされた姿勢から、一度顔を背けてペッ!と地面に血の混じった唾を吐き出す。
そこに一つ白い異物が混じっている。どうやら衝撃で歯が1本折れたようだ。

「…あの同僚さんは……ああ、いや。それより…そっちも大丈夫、ですか?」

自分の心配は二の次。彼女の同僚と、彼女の怪我の度合いを真っ先に案じる。

龍宮 銀 >  
ああ、横になっていてください。
すぐに保健課の者が来ますので。

(言って保健課に連絡を入れる。
 しかしいきなり暴れだすとは。
 同僚は自身より口が上手いはずなのだが、地雷でも踏んだのだろうか。
 彼の異能を知らない自身には、そう考える事しか出来なかった。)

私は大丈夫です。
――ですが、我々は風紀委員です。
一般生徒の盾になる事も仕事ですし、それなりの訓練もしています。
あなたの好意は買いますが、二度と今のようなことはなさらないでください。

(あのままでは同僚は殴られていたかもしれないが、そう言うことも仕事のうちだ。
 そんな事は風紀委員ならば皆理解しているだろうし、まして一般生徒に庇われるなどあってはならない事だ。
 その上怪我までさせて、何のために風紀委員になったのかわからない。
 お説教のような口調で語りかける。)

飛鷹与一 > 「……いえ、流石にそこまで手間を掛けさせる訳にもいきませんので…」

まだ脳震盪の余韻が残ってはいるが、何とか自力で立ち上がろうとする。
…少々足がガクガクするが、まぁ歩けない程ではないと判断する。
それよりも、彼女の説教に軽く頭を下げるしかない。自分は余計な事をしたのかもしれない。

「……反省、はしています。けど、同じ場面があったら俺は多分同じ事をすると思います。
…それが、貴方達風紀委員会の人であっても、そうでなくても…です。」

「平凡」を求める己には似つかわしくない行為だ。関わらないのが利口だろうし平穏無事に乗り切れる。
が、どうやら体が勝手に動いてしまうのを今さっきの行動で自覚した。
彼女の説教は真摯に聞いているが、勝手に動いてしまう以上確約は出来ない。

(…ましてや、自分の異能のせいかもしれない、っていうなら尚更だよな…)

その言葉は心に秘めつつ。そのまま会釈して今度こそ立ち去ろう…と、したのだが。
今度はその前に保健課らしき人がやって来た。このままそそくさと立ち去るのは無理らしい。

龍宮 銀 >  
(どうやら彼も自身の先輩と同じで、人を助けずにはいられない人間らしい。
 善意でやっていることだからなおさら性質が悪いのだが、善意故にあまり強く怒る気にもなれず。)

――そこまでならばいっそ風紀に入っては?
色々しがらみはありますが、それが一番人を助けやすいと思いますよ。

(以前にも似たような事を違う人に言った。
 その時は断られたけれど、彼はどうだろうか。
 やってきた保健課の人にはまた怪我をしたのか、と言う様な目で見られた。
 今度は以前と違う理由だと言うような目を返しておく。)

飛鷹与一 > 「……俺が……ですか?自分に務まるか自信が無いんですが…」

流石に意外な提案だったらしく、死んだ魚のような目を僅かに見開いて。
…ただ、風紀委員会となると他者との関わりも増える。そうなると異能の影響が怖い。

(…平凡に生きたいし、断るべき…なんだろうけど)

何かが引っ掛かるのか、それとも無意識に感じるものでもあったのか。
自分自身の心持ちがよく分からない。僅かに沈黙してから…一息。

「……俺でも出来るなら…やってみようかと思います」

結論。嗚呼、平凡から遠ざかる。異能の影響が怖い。だけども。
これも一つの転機かもしれない、と。敢えてその提案を受け入れると決めた。

龍宮 銀 >  
風紀委員は人手不足ですからね。
手荒い事に自信が無いなら内勤もありますし。

(自分も正直そこまで腕っ節に自信があるわけではない。
 やれることをやればいいのだ。)

それは嬉しいですね。
とは言っても私に独断で決められる権限は無いんですよ。
一度風紀委員棟で申請してみてください。

(スカウト受ければはい決まり、というわけではない。
 一応上のある組織なので、まずは書類での申請が不可欠だ。
 思わぬ答えだったが、同僚が増えるのはいいことだ。
 しかし今はそれよりも。)

――とりあえずは治療を受けてから、ですが。

(保健課の者が場所を移そうと言ってくる。
 確かに道の隅とは言え、大通りの往来だ。
 近くの風紀の詰め所へ保健課の者達と歩いていこう――)

ご案内:「商店街【常世祭期間中】」から龍宮 銀さんが去りました。
飛鷹与一 > 「…手荒い事、といいますか…護身術を一応は修めてますけども…」

先ほどは咄嗟の事でまともに殴られてしまったが、落ち着いて対処出切れば自衛くらいは出来る。
とはいえ、身体能力がズバ抜けているわけでもないし、魔術も使えない。
異能は論外、ともなれば内勤を希望してみるのが無難だろうか?

「…あ、はい。後日に風紀委員会に申請してみます…」

面接とか履歴書とか必要になるかもしれない。学生証は勿論必要だろう。
そうなると、問題になるのは自分の異能だ。正式な申請だと隠すのはマズイ気もする。

「…え?いや、俺は本当に大した事は――…って、あの?」

笑顔の保健課さんや風紀委員さんにガッチリ囲まれて。半ば連行されるように連れて行かれるのだった。

ご案内:「商店街【常世祭期間中】」から飛鷹与一さんが去りました。