2016/12/06 のログ
三谷 彰 > 「そうします」

 ガクンと首を下ろしそう答える。
 そんな様子をみて八百屋の親父もケラケラと笑う。

「え、良いんですか!?」

 そんな様子だったのだがガバっと顔を上げクロノの方を見る。
 彼からしたら願っても無いお誘いでありほぼノータイムで返事をするのは。

「是非お願いします! あ、料理は手伝いますよ誘われる側ですし!」

 勿論二つ返事で行くという答えだった。

クロノ > …ん、僕の方こそ喜んで。ごはんもおやつも、一人より、誰かと一緒に食べるともっとおいしくなるもんね。
(わぁー楽しみ!…と嬉しそうなオーラが駄々漏れの男の子ロボ。工業製品であり大量生産の機械である男の子は、血の繋がった家族とか、そういう存在はいない。毎日のお昼に保健室で生徒たちとお昼ご飯を食べるのは、そんな男の子にとっては貴重な、大切な時間なのだろう。それが今夜は夕飯も一緒に作れて食べられると来れば、それはそれは嬉しいこと間違いない。)

…ぁ、じゃあ。
(食後のデザートは何がいいかなー?と彼に尋ねつつ考える。緑色の鋼鉄の少年は、養護教諭と公務補…という職業から想像するにはちょっぴり不似合いかもだけど、お菓子も手作りしちゃう根っからのスイーツ男子だった。)

三谷 彰 > 「そうですよね、1人だとごはんなのか考え事なのかわからなくなりますから」

 ハハハと笑いながら答える。いつも1人の時には翌日の事やらを考えたりテレビを見ているうちに終わったりなど色々と青春の男子学生としては終わってるような生活だ。
 先生とサシでというのも中々珍しい機会ではあるし彼としてもとても楽しみになってきた。

「デザートですか? うーん……アイスとか? 炬燵の中でアイスとか食べるとこう……なんともいえないですよ」

 一種の贅沢とでも言うべきか。冬に炬燵に入りながらアイスというのはなんともいえない美味しさがあるのを思い出しそう切り出してみる。
 美味しいし冬だからアイスもたまに安くなっているしと一石二鳥くらいの効果はあると彼は勝手に思っているのだ。人によっては寒いと一蹴されてしまうかもしれないが。

クロノ > …ぁ、うん、あるある。何か考えながら食べてると、食べた記憶ないのにいつの間にか、とか。
(普段からぼーっとしているような男の子は、彼の言葉にうんうんと頷きつつ、しかしそれは機械としてどうなのか、というのはさておき。)

…こたつでアイス…?…ふふふ、ますますこたつから脱出出来なくなりそう。ささやかな幸せタイムだね。
(デザートがこたつでアイスなら、と電子頭脳のなかで組み立てる夕飯のレシピは“火鍋”。中華の薬膳鍋で、ピリッと辛くて身体も温まる、健康的な一品だ。)

三谷 彰 > 「ありますよね、腹は膨れるから別に気にはしませんけど」

 少しだけ苦笑を浮かべそんなことを言う。
 誰かに作ってもらったのならともかく自分で作ったのはそれこそ感動も薄いというものだろう。
 まぁその点は今日は気にしないでも良さそうだが。

「それはもう、外に出れなくなりますよ……ところでどっちの部屋で食べるんでしょうか」

 ふと出れる出れなくなるという話をしていて思いついた。いやまぁ普通に考えれば先生の部屋なのは間違いないのだが今の会話をしていて炬燵から出無いといけないと考えて何処かであわよくばという感覚が襲っているのだ。

クロノ > …ぁはは、僕の部屋にはこたつはないから、できたら、彰のお部屋にお邪魔して夕飯とデザート、がいいなぁ。…あ、材料とか道具は、僕の部屋から持っていくね?

(男の子ロボは、普段は男子寮の、他の生徒たちと同じ間取りの部屋で暮らしている。当直当番の時は宿直室に泊まる。いくら男の子のように動いているとはいえひとりぼっちになったら一台の機械でしかないので、年頃の男の子の部屋にありそうなものは少ないかもしれない。…故に、あまりお目にかかる機会の少ない、他の生徒たちの生活空間にも興味津々だったりするようだ。)

三谷 彰 > 「あ、良いんですか。わかりました。それなら多少部屋掃除しておかないとな……」

 もしかしたら出なくていいのかも知れないなど考え少し安堵するがそもそも部屋が汚いので軽く掃除しておかないとなと思い出す。
 彼の部屋は比較的物は少ないとは言え生活に必要なレベルはあるし衣服などもあるためどうしても部屋が汚れてしまうのである。

「すみません先生。少し先に帰りますね。部屋の掃除しないといけないのでええっと部屋の番号は403です」

 軽く申し訳無さそうに笑うと彼は買った物をカバンに収め軽く頭を下げると寮のほうへと走っていく。
 先生が到着した時無事……といえるかどうかはわからないが少なくとも先生が座れる位のスペースは確保できていた事だろう。

ご案内:「商店街【常世祭期間中】」から三谷 彰さんが去りました。
クロノ > …ん、403号室、ね。了解。じゃあ僕も、材料と道具持ってお邪魔するねー?

(気をつけて、と足早に帰途につく彼を、ゆらゆら手を振って見送りつつ。男の子ロボは八百屋さんからもう少し野菜を買い足して、少し遅れて彼と同じ方向の家路に続こう。自室に戻ったら、鍋とデザートの材料、そして道具類を揃えて向かう彼の部屋。肌寒い夜風の季節に、二人で鍋を囲んで語らうひととき。)

ご案内:「商店街【常世祭期間中】」からクロノさんが去りました。