2017/07/18 のログ
神代 理央 > 取り敢えず目についたアンティーク調の家具や雑貨を散り扱う店にふらりと入店すれば、これ見よがしに陳列されていた食器セットを購入。値札は見ていないが、残高が減れば口座に勝手に金が振り込まれていることだし、多少高くても問題無い。というより、寧ろ高い方が良い。金遣いの荒さに関しては、あるものは使えの精神で直すつもりは毛頭無かった。


「…ああ、配送先はこの住所で間違いない。指定日も送り状に記入した通りだ。それじゃあ、後は宜しく。届くまでに壊れたりしなければ、別に過度な包装をしてくれなくても構わない」


ニコニコ顔の店主にサインした送り状を差し出し、店の外まで見送ろうとするのを押しとどめて退店する。
しかし、自分は料理が出来ないのに食器を買っても意味が無いのではないだろうか……いや、「生活感」とやらを出すインテリアにするには丁度良いだろう。
冷房の効いた店内から茹だるような暑さの外気に触れれば、幾分げんなりした表情を浮かべながら再び商店街をのんびりと歩き始める

神代 理央 > このまま買い物を楽しんで―という程愉快なものでもないが―いても良かったのだが、内ポケットから振動を己に伝える感触に小さく溜息を零す。


「……全く。こんな餓鬼のご機嫌伺いとは、仕事熱心と言えば良いのか、他にすることは無いのかと叱責すべきなのか…」


懸命に主に着信があった事を知らせていた携帯電話を取り出せば、表示されている名前は父親の部下の一人。確か、彼の子供―男か女かも覚えていないが―もこの学園に入学していると聞く。顔合わせの段取りでも考えているのだろうか。


「…まあ、この暑さの中で彷徨い歩くのも愉快なものではないしな」


既に動きを止めた携帯電話をポケットに仕舞い込み、漸く緩んできた陽光に目を細めながら学生街の己のマンションへと足を進める。今夜の夕食はピザでも頼もうか、等と取り留めもない事を考えながら、人混みを避けるように商店街を後にした。

ご案内:「商店街」から神代 理央さんが去りました。