2017/08/09 のログ
ご案内:「商店街」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 風紀委員会に所属し諸々の研修を終えた後、最初に与えられたのは治安維持の為の警備任務。早い話が、巡察であった。
是非とも異能を使って戦闘に励みたいところだが、新入りの立場では文句を言う事も出来ない。それに、慣れぬ事をして上層部からの評価を下げたくもない。
というわけで、大人しく街中の巡回任務にあたっていた。

「―…まあ、この地区は至って平和そのものなんだがな」

夏場に身に纏うには幾分暑苦しい制服に辟易しながらも、散歩も兼ねてのんびりと歩いている。
周囲を観察しながら腰のホルスターに収められた拳銃を直ぐに抜ける様にはしているが…恐らく使用する機会は無いだろう。

神代 理央 > 傍から見れば堅苦しい制服を纏った子供が、仏頂面で周囲に視線を送りながら歩いているという何ともシュールな光景。
アレで取り締まりとか出来るんだろうか、と群衆から疑惑と興味の視線に晒されつつ、淡々と任務に励む。

「……異能召喚して見回った方が威圧感はありそうだが…まあ、駄目だろうなあ…」

若干、暑さに参っていたりはしたが。

ご案内:「商店街」に龍宮 鋼さんが現れました。
龍宮 鋼 >  
――っめェふっざけてんじゃねェぞコラァ!!

(平和な商店街に響くガラの悪い怒号。
 ほぼ同時に、商店街のとある店の中から扉を突き破って男が飛び出してきた。
 男はドンッと地面で一度バウンドし、そのまま反対側の店の壁へ激突する。)

さっきから黙って聞いてりゃ調子ン乗ってんじゃねェぞォ!

(内側から扉を破壊された店から破壊された扉の破片を踏みつけつつ額に青筋を立てて怒鳴りながら出てくるのは、先ほどの怒号の持ち主。
 モノトーンの服にくすんだ銀色の髪の女――龍宮鋼が男へ人差し指を突きつけて叫ぶ。)

人が我慢してやってりゃピーチクパーチクとうっせェんだよボケがァ!
そんなにブチのめされてェなら二度と鏡も見れねェぐらいボッコボコに作り変えてやろうか、あァ!?

(そのまま男まで近付き、襟首を引っつかんで片手で持ち上げつつ怒鳴る。
 男は完全に怯えきっていたが、風紀委員の姿に気が付くと、彼の方へ助けてと小さくつぶやいた。)

神代 理央 > 「………確かに退屈な思いはしなくて済みそうだ。問題は、話が通じる相手かどうか、だな」

突如響き渡る怒声と破壊音に目をぱちくりと瞬かせていれば、眼前で始まった諍いにどうしたものかと首を傾げる。
だが、吹き飛ばされた男に助けを求められた事に気が付けば、先ずは己の仕事を果たそうと彼女の前にゆっくりと近づいていくだろう。

「…おい、其処の女。事情は知らんが暴力に訴えるのは宜しくない。言い分があるなら聞いてやるから、先ずは落ち着け」

扉をぶち破る程の勢いで男を吹き飛ばしたのなら、恐らく彼女は近接戦闘を得意とするのだろう。
自分が面倒に巻き込まれる時は苦手なスタイルの相手ばかりかと内心溜息を吐き出しつつ、男を片手で持ち上げる自分よりも幾分背の低い彼女に静かに声をかける。

龍宮 鋼 >  
あァ?

(声を掛けた彼の方を向く。
 顔を確認するが、見たことがない。
 次に腕章へ視線が行く。)

――事情も知らねェんなら首突っ込んできてんじゃねェよ引っ込んでろ!!

(彼を風紀委員と認識した上でこの叫び。
 ついでとばかりに持ち上げていた男をブン投げる。
 男は店内から走り出てきた男の仲間数人にぶち当たって見事ストライク。)

それとも何かァ?
テメェも俺が風紀の知り合いにビビッて大人しく部屋の隅でガタガタ震えてんのがお似合いとでも言いてェのか?

(その上、絡む。
 ほぼ密着するような距離まで近付き、顔面に憤怒を貼り付けたような顔で睨みつける。
 投げ飛ばされた男は違うそこまで言ってない、と声を上げるが、ひん曲がった鼻から大量の血が流れているせいでふごふごとしか聞こえない。)

神代 理央 > 「事情を知らないから訪ねたのだろう。何方に非があるのか判断するには、事実関係を詳らかにしなければなるまい?」

飛んでいった男の姿に、痛そうだなあと表情を顰める。
とはいえ、仲間を引き連れて起きながら少女にコテンパンにのされているのは如何なものかと思わなくもない。
ナンパにでも失敗した程度の話なら良いのだが―

「ほう?俺が風紀委員だと認識出来る程度の理性は残っていたのか。人語を解する動物の類なら風紀委員ではなく生活委員を呼ぶべきかと思ったが、私の管轄で間違いない様だな。安心したよ」

何となく原因は察したが、結局はゴロツキのじゃれ合いかと溜息を一つ。
異様に距離を詰める彼女にフン、と高慢な笑みを漏らせば、散々に煽り立てた。
煽り立てつつ、男達にはこっそり手を振って「早く何処かに消えろ」のサイン。これ以上面倒事を増やされる前に、出来れば立ち去って欲しいのだが―

龍宮 鋼 >  
(ビキリ。
 青筋が二つ三つ一気に増える。
 安い挑発とはわかっているが、あえて乗る。
 なぜなら――)

――あァそうかい。
なら死ね。

(彼が風紀委員だから。
 自身の名の如く、鋼のように握り締めた拳を下から全力で振りぬく。
 アッパーなどと呼べるようなものではない。
 全力で彼の身体を打ち上げるために、型も何もなくただ「下から殴りつける」。)

神代 理央 > 正直なところ、近接戦闘で勝ち目などある訳が無い。
忌々しい限りだが、元々一般の生徒よりも貧弱である事は自覚していた。そして、眼前に対峙している彼女は肉弾戦を得意としている…様に見える。
ならば、《負けない為》の対策くらいなら、自分にも出来る。

「街中で暴れまわるのも結構だが、元気が有り余っているのなら場所を選ぶべきだと思うがね」

密着する様な距離では回避は困難。となれば、何とかして距離を取らなければならない。
彼女が青筋を立てた辺りから発動準備を整えていた異能は問題無く発動し、二人の足元から湧き出る様に先ず1体。
その異形を足場にして、軽く跳ねる様に後ろに下がりながら壁にする様に追加で2体の異形を召喚する。
しかし、己の足場兼盾となった最初の異形は彼女の拳が直撃する事になるが、果たして―

龍宮 鋼 >  
(顔面へ拳を叩きつけるべく加速させた瞬間、足元から何かがせり上がってきた。
 彼はそれを足場に逃げていくが、こちらは拳を放つ体勢に入ってしまっている。
 構うものかと拳を振りぬく。
 放たれた拳はそれを捉え、轟音と共に鉄塊が弾けとんだ。)

ケンカァ売っといて逃げ回ってんじゃねェぞァ!

(上空五メートルほどに打ち上げられたガラクタを無視し、地面を蹴る。
 近い方の鉄塊へ猛然と突進し、思い切り踏み込むと同時に正面からぶん殴った。
 先の轟音よりも尚大きな、車同士の交通事故のような破砕音と共に鉄塊がはじけ飛び、そのままもう一方の鉄塊へと放たれていく。
 さっきの男たちはとうに逃げ失せ、周囲の野次馬たちも悲鳴を上げながらちりじりに逃げ惑う。
 阿鼻叫喚である。)

神代 理央 > 「…想像以上の破壊力だな。様子見している余裕は無い、か」

火砲を背負った鉄の塊である己の異形が殴り飛ばされたのを見れば、流石に表情を引き締める。
彼女から一撃でも貰えば終わりだろう、と悲観的かつ現実的な予測を立てつつ、再び異能を発動させる。

「猫じゃらしには些か無粋だが、じゃれて戯れるなら見た目には拘らないだろう?好きなだけ、殴り続けていれば良い」

2体の異形が鉄屑と化している間に、彼女を取り囲む様に現れる5体の異形。砲塔の選別はせず、急造で召喚した異形達はねじ曲がった砲身と不格好に巨大な足を持つ歪なモノであった。
だが、弾幕を張るだけなら見栄えを気にしている余裕は無い―

「全く、その細い体の何処にそんな力があるのやら。世の中というのは不公平だな、全く」

愚痴の様な独り言を呟き終えると同時に、彼女を取り囲んだ鉄塊の異形から、一斉に多種多様な砲弾が放たれた。