2017/09/03 のログ
■神代 理央 > そんな思索に耽っていれば、思わず目の前の歩行者にぶつかりそうになってしまう。
辛うじて衝突は避け、相手も特に気にした様子は無く立ち去ったものの、幾分ぼんやりしすぎていた事に溜息を一つ吐き出す。
「…いかんな。考え事なら、家に帰ってからでも出来るというのに」
考え事を始めると周りが見えなくなってしまうのは自分の悪い癖だろう。
取り敢えず落ち着こうと通りの端に寄って壁にもたれ掛かれば、再び小さな溜息を吐き出して紙袋を抱え直す。
■神代 理央 > やがて、帰路に着く人々が増えて群衆の流れも一定になり始めた頃。その流れに飛び込んで自宅のある学生街へと歩き始める。
人の流れに乗っておけば、取り敢えず誰かとぶつかることはないだろうと、一応考え事をするのを控えながらのんびりと足を進める。
「…新学期も始まったし、落第街の治安も落ち着いてくれると良いんだが」
尤も、余りに落ち着かれると此方の仕事が無くなってしまうので、程々荒れておいて欲しいのだが。
帰宅してからの読書に思いを馳せながら群衆に紛れる少年。その姿を、人混みに紛れて静かに観察していた者がいることには―残念な事に、気が付いていないだろう。
ご案内:「商店街」から神代 理央さんが去りました。