2017/12/18 のログ
ご案内:「商店街」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (年の瀬より先にクリスマスが間近な商店街。
 毎年のように派手な飾り付けがなされている。
 佐伯貴子は寄月秋輝と少し早いクリスマスデートを楽しんでいた)

ご案内:「商店街」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 > 商店街を寄り添いながら歩く中、小さく白い息が漏れる。
気温が下がっていることがよくわかる。

「……なかなか寒い。貴子は大丈夫?」

珍しく、気温に関して呟いた。
隣の恋人を案じるように見つめた。

佐伯貴子 > (あれ、と言った表情で尋ねる)

私は大丈夫だが…
アキは…寒いのか? 例の魔法は使っていないのか?

(夏場も快適に過ごせるという気温調節魔法。
 便利そうだが、この男は何故か季節の変わり目に体調を崩す。
 何か理由があるのかもしれない)

寄月 秋輝 >  
「うん、なんとなくね。
 なんとなく、今日は貴子と同じ気持ちで居たいな、と思って」

小さく笑って、そう答えた。
今日だけは気温の調節を断っている。

「オレの心配も要らないから安心して。
 同じ気持ちかなって、ちょっと確かめたかっただけだから」

ゆっくり、歩調を合わせて囁いた。
佐伯貴子という女性に、少しでも寄り添おうとしている。

佐伯貴子 > ふっ…。寒さを共有したところで、同じ気持ちにはなるまい。
でも、その気持ちは嬉しいよ…

(寒いねと、返してくれる人のいる暖かさ、だったか。
 そんなポエムを日本語で習った気がする。
 寄月の左腕にしがみつくように体を寄せる)

久しぶりに会ったからって堅苦しい。
いつから付き合い始めたかははっきりしないが…
もう1年は経ってないか?

(なし崩し的に付き合った記憶があるので、
 記念日などは覚えていない佐伯貴子である)

寄月 秋輝 > 「一年は経ったね。去年の秋ごろからの話だから」

左腕に絡みつく貴子の腕に、自分の右手を重ねた。
寒い中でも、指先はともかく手のひらは温かい。

「堅苦しくしてるつもりは……いや、これはもう染み付いた性分だね。
 貴子の前でだけは、とても気楽にしているつもりなんだけど」

あの日から、恋人の前でだけは自分を作らないようにした。
隠していた名前も、口の悪さも。
それでも重く見られるのは、そういう人間だということなのかもしれない。

佐伯貴子 > 記憶力のいいアキは好きだ。
私はここの所、アキと会えれば暑かろうが寒かろうがどうでもいい感じだからな…

(ふふっとほほえみながらそんなことを言う。
 4年間の学生生活の総決算の時期なので、
 こうして二人でいるときだけが癒やしの時間なのだ)

なんか、腫れ物に触る…じゃないけど。
私はそんなに簡単に壊れたりはしないぞ。
それはアキがよく知っているんじゃないのか…?

(ニヤニヤ笑いながら耳に息を吹きかける。
 寄月の身体能力はこの島の人間タイプを遥かに超えているが、
 激しく抱かれても保健課の世話になったことはない)

寄月 秋輝 > 「……そうやって急に可愛い事言われると、ちょっとどきっとする。
 ……でも、オレも同じ気持ちだ」

頬を少し緩ませ、笑った。
こうして心が通うと嬉しいのだろう。

「それはそうだ。でも貴子が健康で居たら、それだけで安心だからね。
 体力と体調の安定はイコールじゃないからね、オレみたいに。
 ……あとは、オレも我慢しないで済む」

くすぐったそうにしながら、それに答える。
自分の全部を受け入れてくれる女性が居るのは、それだけでも代えがたい。

佐伯貴子 > 可愛かったか?それはよかった。
…教員生活は寂しいのか?なんかいつもより嬉しそうに見えるけど。

(女学生に手を出した様子でもなさそうだし、
 純粋に嬉しいのであろう。
 時間を作って会った甲斐があるというものである)

なに、受験日当日に体調を崩さなければそれでいいよ。
それに、今日エネルギーをフルチャージする予定だから、
春までは乗り切れる予定だ。

(クスクス笑いながら、
 宝石店のショーウインドウを覗く。
 人間が指にはめる、いわゆる指輪を見つめて足を止めた)

寄月 秋輝 > 「教員生活が寂しい……って言うことは無いかな。教師としても魔術研究者としても、やること満載だから。
 でもこうして貴子と会って話が出来ると嬉しいし、少し間が空いた分なおさら、かな」

見てのとおりベタ惚れな様子。
それを隠しもしない。

「春まで乗り切られたら困るよ。
 適度に補充しにきてくれないと、オレも枯渇する」

その笑顔に冗談っぽく、けれど真顔で返して。
視線を追って、宝石店を見る。

「……指輪か。一緒に見てみようか」

左腕ごと軽く引っ張りながら、店に入ろうとする。

佐伯貴子 > ふうん、当分浮気の心配はなさそうだな。
…あんまり頻繁に会うと、溢れちゃいそうでなあ。
ていうか、依存しすぎて離れられなくなる気がする。
そういうのは、私が大学を卒業してからがいい。

(茶化すように浮気などと口にする。
 続く言葉は、すでに結婚まで考えているということだ)

うん。気になるのが一つあるんだよな…
別に私がほしいんじゃなくて、君にプレゼントしたいのが。

(そう言いながら店に入る)

寄月 秋輝 > 「貴子が大学を出るまで待つって決めたからね。
 お互い、それくらいがちょうどいいかもしれないな」

否定も肯定もしない。
信頼されているであろう今、わざわざ浮気という単語に反応することもない。

「あぁ、それなら買っ……ん?
 え、オレに?」

さすがに予想外だったのか、一瞬足が止まった。
結果として、貴子に引かれるように店内へ。
きらびやかな宝石装飾の数々に、思わず小さなため息が漏れた。

佐伯貴子 > 多分心配要らないだろうと思う。
私が好き勝手やってもアキは受け入れてくれるし。
アキがちょっとぐらい調子を崩しても、支えてあげられるしな。

(伊達にこの島で風紀委員を勤めたわけではない。
 本土に行けば治安も良いだろうし、
 経済的にも能力的にも不安を感じてはいない)

ああ、この前ちょっと面白いのを見つけたんだ。
これだ。

(貴子が指差すのは、真っ黒な宝石。
 ダイヤモンドのようにカットされているが、綺羅びやかな輝きはない。
 「カーボナード ダイヤモンド属」などと説明書きがしてある)

寄月 秋輝 > 「……その日が来るのが楽しみだな」

その未来に想いを馳せて目を細めた。
そのまま、示された宝石に目を向ける。

「あまり見ない宝石だね……」

素直にそう呟いた。
宝石というと、ダイヤモンドのように輝くものか、青や緑といった美しい原色のものが思い浮かぶ様子。

佐伯貴子 > その日って、一日中いちゃつき始める日のことか?
そううまくは行かないのが恋人ってもんだろうけどな…

(そんなことは微塵も思っていないのに、
 悪戯っぽく微笑んで見せる)

ああ、これはダイヤモンドの仲間だ。
モース硬度は10、そして、案外壊れやすいダイヤと違って、ほぼ壊れない。
自然界最強の宝石なんだ。

(ダイヤモンドは鉄のハンマーで叩けば壊れてしまうほど脆い。
 一方で、カーボナードは美しさこそ劣るが、
 靭性、すなわち衝撃への耐性は最も強い。
 …というような説明書きがある)

すみません、これに呪術防御マシマシで!
…さて、どの指につける?

(にやりと笑う。
 店員は「桁が一つ上がりますがよろしいですか?」
 などと聞いてくるが、余裕たっぷりに頷く)

寄月 秋輝 > 「なるほど……そんな宝石があったなんて。
 すごいものを見つけたね、貴子」

感心しながら、その説明を読んでいく。
確かに貴子の解説に違わぬものが記されていて。

「じゃあせっかくだ。薬指に」

迷いなく答えた。
値段のことは一度耳を塞ぐことにした。
気が退けてしまっては申し訳ない。

佐伯貴子 > 私の彼氏なら、最高に頼りがいがあって欲しい。
だから、このブラックダイヤモンドをプレゼントしたい。
単純だろう?

(そういうと、携帯デバイスで支払いを済ませてしまう。
 実のところ、高級トレーニング器具の幾つかを売り払ったので、
 十分に余裕はあるのだった)

じゃあ。
世界最強の男に、世界最強の宝石を。

(芝居がかった演技で、寄月の左手薬指に嵌める。
 指輪の素材自体はハイテクノロジーで、自動的にサイズが合う)

…さて、行こっか。

寄月 秋輝 > 「そういう意味か……なるほどね」

指にはめられ、ぴたりとサイズが合う。
黒く輝く石に目を細め、嬉しそうに笑った。

「……待った。
 まだ貴子の分の指輪を買ってない」

手を握って引き止め、目線を動かす。
左手にはめられた漆黒の宝石とは真逆の、純白の石を示した。

佐伯貴子 > えっ…
いいよ私は。
なんか、お返しを求めてプレゼントしたみたいになるじゃないか。

(言いつつも、その白い宝石を見つめる)

アキがプレゼントしてくれるの?

(嬉しさの混ざった複雑な表情で聞く)

寄月 秋輝 > 「お返しとかじゃなくてさ。指輪だろ?
 ……交換するものだろ、指輪は」

少しだけ顔を赤くして囁いた。

「うん、俺からのプレゼント。
 受け取ってもらうよ」

店員に頼み、それを受け取る。
自分のものとは色も対照的、そして何のオプションも付けない辺りも対照的。
貴子の左手を取り、そのリングを薬指の先に当てて、微笑んだ。

佐伯貴子 > …そうだね。
指輪は交換するものだね。

(こちらも少し頬を赤らめて頷く)

婚約指輪ってところかな!

(気恥ずかしさを明るく笑い飛ばし、
 左手薬指に指輪を受け入れた)

…超恥ずかしいな。

(顔は真っ赤である)

寄月 秋輝 > 「……オレも結構恥ずかしい」

真っ赤、というほどではないが、やはり顔は赤い。
店員のいる店の中、文字通り婚約指輪の交換なのだから。
周りの視線をなるべく気にしないようにしながら、その支払いも終える。
貴子の手を握り、足早に店から出る。

「……貴子、一緒に住むのはまだ先でいい。
 でもやっぱり、卒業する前に結婚してほしい」

まだ赤い顔のまま、寒空の下で告げた。

佐伯貴子 > (早足気味に店を出て、ふと、立ち止まった)



……

(俯いて暫くの沈黙の後)

…いいよ。

(小声でつぶやく。
 寒空から小さな雪が降ってきた。
 少し早いが、ホワイトクリスマスであった)

ご案内:「商店街」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「商店街」から寄月 秋輝さんが去りました。