2016/11/16 のログ
烏丸秀 > 「人間?」

嘲るようにいう。
まさか、あれが人間であるものか。

「全能の存在を人間とは呼ばないよ」

そう、前提が違う。
あれは人間ではない。願いを叶えるだけの存在を、人間などというものか。

「それとも……檻葉は、彼が『人間であって』ほしいのかい?」

谷蜂檻葉 > 「私は――――」

何故、私はそう思った?

ヒトデナシと呼ばれる彼の、実態を見ずにとはいえ何故擁護した?
私は、もしかして彼のことを―――


「―――………あ、いや、別にそこまではないわね。」


そのあたりで冷めた。
激しやすく、冷めやすい地雷多めの突沸系少女は真剣に彼のことを考えた。

結果、冷静に戻った。

「まあ、その小難しい話じゃなくってさ。
 『知っている人の行先が幸福であればいい』……それだけの事よ。」

そう、単純に彼女はハッピーエンドが好きなのだ。

【自分の進む物語の中に、一つでも多くの幸せがあればいい】

……単純に、そういう話なのだ。

烏丸秀 > 「あらら」

なんか、冷めてしまったらしい。
残念。ここからが面白そうだったのに。

「ま、ボクと彼の話はそんなとこだよ。
おかげで一週間以上、入院しちゃった」

それなりに面白かったけど、と言いながら

「結末が分かったら教えてね。
ボクの出番は……多分、ないかなぁ」

谷蜂檻葉 > 「病院で面白いって、何してたのよ……。」

『誰か』と居る限り、彼は何処に居ても楽しそうでは在るのだが。
病院というやや特殊な場所ならば、彼にとっては普通の空間よりは居心地がいい……のかもしれない。


「出れば、……ね?」


自分もまた、『彼の物語』には出ないのかもしれないのだから。
店主との交渉も早々に、彼女は古書店を後にした。

ご案内:「古書店街「瀛洲」【常世祭期間中】」から谷蜂檻葉さんが去りました。
烏丸秀 > 「……ふぅん」

多分。
いや、きっと、おそらく。

加賀智成臣の物語に。
彼女の出番は、まだある。
こういう時の烏丸の予感は、大体当たる。

「……おい」

古書店の店主の低い声。

思い出したように烏丸は店の本を全て買い取ると。
そのまま帰宅の途についた。

ご案内:「古書店街「瀛洲」【常世祭期間中】」から烏丸秀さんが去りました。