2018/08/30 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 本の街。図書の海。古書の濁流等。
様々な呼ばれ方をするこの街は、結構お気に入りの場所だ。
此の日も、久し振りに風紀委員の任務も無く、残り僅かな夏季休暇を有意義に過ごそうと午前中から訪れていたのだが―

「……有意義ではあったな。過ごした時間が些か想定外ではあったが」

立ち寄った書店で、先日身につけたばかりの魔術について造詣を深めようと読書に耽り始めたのが運の尽き。
店に置かれた古ぼけた椅子と机に座って黙々と読み勧める自分を店主は止めようともせず、気付けばすっかり暗くなってしまっていた。
謝罪も兼ねて呼んだ本は全て購入しようとしたが、勧められたのは一冊だけ。
『その本だけ買えば、多少は君の求めるもののヒントになるだろう』
と意味深な言葉と共に、半ば押し付けられる様に本を買い取って店を出た。

あの店主も魔術の素養があったのだろうかと首を傾げつつ、歓楽街の欲望と熱気で煌めく街灯とは違い、幻想的な灯りが連なる古書店街の通りを歩いていた。

神代理央 > 押し付けられた書物は、別に本自体が魔力を秘めているとか、禁断の魔術が記載されているとか、決してそんな事は無い。
そもそも題名からして【欧州における貴族としての魔術師】なる学術書の様なもの。
確かに、古典的な魔術式なども記載されてはいるが、基本的には歴史書に近い。

「これがヒントになるというのは…つまり魔術の勉強をし直せということなんだろうか」

確かに、己は魔術においては一級の魔術使いに比べて劣る部分がある。
基礎から学び直せということか、と思案しながら、人気の無い通りを足音を響かせながら歩いて行く。

神代理央 > やがて、書店と書店の間に埋もれる様に存在するバス停へと辿り着く。
街の景観を考慮したのか、バス停までも若干ファンタジー映画の様な細やかな装飾が施されていた。

「…中にテーブルと椅子まで完備か。買った本をバスの中でも読めるように、との配慮なのかな…?」

何とも不思議な内装のバスに乗り込み、最後まで怪訝そうな、不思議そうな表情を浮かべたまま、学生街の己の自宅へと帰路についた。

ご案内:「古書店街「瀛洲」」から神代理央さんが去りました。