2015/07/07 のログ
ご案内:「常世公園」にソラとルナさんが現れました。
ソラとルナ > 少女が一人。少年が一人。
少女は金色。少年は銀色。

少女は水飲み場の傍に。
少年はベンチに座って。

特に言葉を交わす事もなく、ただ星を眺めている。

ソラとルナ > 二人は、何もしていない。
何もしていないが、少女はどこまでも楽しそうに笑っている。
少年は、その姿をぼんやりと見つめている。

少年が小さな袋に入った金平糖の袋を振ると、
金髪の少女はちょこちょこと寄ってくる。
どことなく、小動物のような雰囲気を感じさせる動作。

ご案内:「常世公園」にアルフェッカさんが現れました。
ソラとルナ > 金平糖の袋を手渡す。
金髪の少女は袋を逆さまにすると、
中身を全て口の中にざらざらと流し込む。

そのまま金平糖を音を立てて噛み砕く。
ほっぺたがハムスターのように膨らんでいる。

銀髪の少年はそれをみて、軽く少女の髪を撫でた。
それは子供を見つめる親の視線か、
それとも妹を見つめる兄の視線か。

いずれにしても、その様子を見てほほえましく思っているらしい。
表情はあまり変わらないが。

アルフェッカ > パーカーにワンピース、ジーンズにローファーの少女が、ふらりと公園に足を踏み入れる。
既に夜だが、やらねばならない作業の息抜きに散歩に出てきたのだった。

「ん~…っと。…あれ?」

よく見ると、公園には先客がいる事に気が付いた。

ソラとルナ > ちらりと銀髪の少年が、新しく現れた人物に気づく。
見覚えのある顔であることに気づくと、小さく頭を下げた。

一方、金髪の少女はさっぱり気づいていない。
頬に金平糖を溜め込んだはいいものの、噛み砕ききれず。
飲み込もうと奮闘しているようだがなかなかうまくいかない。

アルフェッカ > 銀の髪に金の髪の子供の二人組。あの背格好には、見覚えがある。
以前、商店街でウィンドウショッピングをしていた時に、偶然出会った二人だ。

「やっ、こんにちわ…じゃなくて、この時間ならもうこんばんわだね。」

頭を下げる銀髪の少年に、小さく手を振って応える。
金髪の少女に様子を見て、つい小さな笑いが漏れてしまった。

ソラとルナ > ルナはベンチから立ち上がり、軽く裾を払うと
アルフェッカさんに向かって頭を下げた。
銀色の髪が月明かりに当たって輝いている。

ソラも、ルナの様子を見てようやくアルフェッカさんの存在に気づいたらしい。
あわてて頬に詰め込んだ金平糖を飲み込むと、
にっこりと笑顔を向けた。

アルフェッカ > 「あはは…急いで飲み込むと、喉につっかえちゃうよ。」

慌てる金髪の少女の様子に苦笑しながら、二人の所にゆっくり歩み寄る。
銀髪の少女の髪の輝きに、おやと夜空を見上げてみると、月が綺麗だった。
ここしばらく、色々な物事があって忙しく、夜の空を見る事がなかったので、久しぶりに見た気がする。

「月、綺麗だね~…。」

ふ、と言葉が漏れる。

ソラとルナ > つられたように二人とも月を見上げる。
ソラは笑顔で。ルナは無表情で。

降り注ぐ月の光は二人の髪に反射してきらきら光る。
純白の服を月の白に染め上げる。

無言で、ただ見上げる。

アルフェッカ > しばし、月を眺める。
…やはり、どんな時でも、どんな世界でも月は綺麗なものだった。
夜の闇でも、照らしてくれる光。
例えただの照り返しの光でも、それを届けてくれるのは紛れも無く月。

「――あ、そうだ。」

月を見上げる中、ある事を思い出した。
あの時、ふとした拍子に弱気になった自分を、元気づけようとしてくれた、あの二人。
まるで、道に迷った夜のような中に、光で照らしてくれた、月にも思えた。
その二人に、大切な事を忘れていた。

「――商店街のときは、ありがとうね。おかげで、元気が出たよ。」

笑顔で、二人にお礼を言う。

ソラとルナ > ぼんやりと月を眺めていたところに、声がかかる。
それはお礼の言葉。

「……ん。」

ルナはぱちぱちと瞬きすると、生返事をして再び月に視線を戻す。
その返事は「どういたしまして」のつもりなのか。
それとも、「気にしないで」のつもりなのか。
感情はあまり表に出てこない。
それでも、多少なりともいいたいことは伝わるだろうか。

ソラは難しいことも何も考えず、満面の笑みを返事に代える。
どこまでも純粋でまっすぐな笑顔。
それは心に届くだろうか。

アルフェッカ > 銀髪の少年からは、ごく小さい返事が返って来る。
金髪の少女は、満面の笑顔を向けてきた。
それが、ふたりの返事なのだろう。
アルフェッカも、笑顔を二人に返す。

「――それと、名前。まだ聞いてなかったと思ったからさ。私は、アルフェッカ。」

自分の名前を名乗るが、敢えて相手の方から名乗りを促す事はしない。
言いたくないなら、いいよ、という、言外のアピールだった。
教えて貰えればうれしいが、無理に聞き出そうとまではしたくない。

ソラとルナ > 「……ルナ。」「そら!」

返事は、二人ほぼ同時。
聞き取れないことはないが、若干聞きにくい。

ソラは元気に。ルナは静かに。
どこまでも対称的な二人なのに、息はぴったり合っていて。
そのまま、二人一緒に頭を下げた。

アルフェッカ > 「ルナちゃんに、ソラちゃんだね。うん、覚えた! 教えてくれて、どうもありがとね!」

頭を下げる二人に、こちらもぺこりと頭を下げる。
名前を交換し合ってから、改めてふっと空を見た。
月は、変わらずにそこにある。

ふと、夜空の月に今しがた名前を聞いた二人が重なるような気がした。

(…偶然、かな。まあ、珍しい名前でもないだろうし、偶然だよね。)

ソラとルナ > ふと、思いついたようにソラが服の中から
瓶詰めの金平糖を取り出す。

そのまま、笑顔でそれをアルフェッカさんに渡した。
瓶の容積は1リットルほどはあるだろうか。
その瓶いっぱいに詰まった色とりどりの金平糖。
月の光のおかげか、きらきらと光って星のように見える。

アルフェッカ > 「…?」

ソラが、何かをこちらに手渡してくる。
見ると、瓶詰の金平糖だった。
1リットル程の瓶にぎっしりと詰まったそれは、さながら星を詰めた瓶にも見える。

「――ありがとうね。」

しゃがんで目線を合わせ、こちらも笑顔で瓶を受け取る。
商店街での出来事を思い出し、最初にお礼をいう事を忘れない。

(――お礼も言えないままサヨナラ…は、やっぱり寂しいからね。)

ソラとルナ > にこり、とソラは笑顔を見せて。
ルナは、再び視線を向けて黙礼。

ほんの一瞬の間。

二人の姿はすでにそこにはない。
ただ僅かな光の粒子が漂っている。

けれども、最後の二人の顔から
そのお礼が確かに伝わっていたことは
間違いないだろう。

アルフェッカ > 「――ばいばい。また、会えるといいな。」

既に誰もいない、さっきまで二人のいた場所に、小さく手を振る。
自分の言葉が伝わった事が、嬉しかった。

「…さて、私もそろそろ戻った方がいいかな。」

そろそろ、試験期間が終わる。その後に、受けるべきものが、自分にはあった。
そのための用意を少しでもしよう。

小さく気合いを入れると、アルフェッカは瓶を抱えて公園を去って行った。

ご案内:「常世公園」からソラとルナさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアルフェッカさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に自販機さんが現れました。
ご案内:「常世公園」に雪城 氷架さんが現れました。
自販機 > (おおじはんきよ しんでしまうとはなさけない)

「…………」

(恐ろしく強い手馴れの集団にとっつかまったのが運のつき。自動車並みにボコボコにされて鬼の表情の見えそうな背中を見せ付けられながら謎の打撃を食らったり、胡坐をかきながら飛ぶ男に妙なビームを浴びせかけられたりした。
 自販機は今、笹と短冊をむしられて無残に公園に転がっていた。ボコボコにされたせいで時折ブーンと低音ではなく放電している。)

雪城 氷架 > 「括流ー」
名前を呼びながら公園を歩く少女が一人
昨日、此処でいなくなってから、結局帰ってこなかった

言い過ぎたかな…と思いつつも、でもあれは括流の言葉から変な刺を感じたし‥
いやでもやっぱりあそこまで言わなくても…?
と、もやもやしているうちに、昨日と同じ場所に探しに来ていた
もちろん、いないけど

「……ん?」

なんか変な音がするな、と目をやれば…
なぜこんなところに自販機が転がっているのか

自販機 > (ウェルカム。自販機が転がっている!
 壊れてるっぽいよ!)

「バチバチバチ」

(放電中。そもそも電源コード繋がってないくせに電流が流れ出すという不思議。きっと核分裂バッテリーとか積んでるんだろうね。知らんけど。
 自販機は起き上がろうとしたが無理だった。ふらっと立ち上がりかけてバターンと前のめりに曙する。もう一度立ち上がる。自販機大地に立つ。あちこちへこんで傷だらけだがなんとか立った。手も足も無いくせに勝手に動く姿はもはや怪奇現象そのもの。
 つつつーとオイルを流しつつぺかーっと光る。
 かわない? と)

雪城 氷架 > 「うおおお!!!」

ちょっと女の子としてはどうなの、と思うような声をあげて飛び退く氷架

「じ、自販機が動いた!?」

自販機 > (常世学園だから仕方ないね)

「ぶ、ぶぶぶぶぶぶぶぶ……」

(ボタンが外れて地面に落ちる。オイルは流れてるし妙な回路がむき出しだし。でも買い物できるらしく残ったボタンが点滅する。
 ビームが利いたのだ。笑顔で肉体が捩れてしまうようなビームのせいなのだ。
 金種は円かもしれないし、ドルかも。あるいは巻物かもしれない。
 営業中なのでスマイルと言わんばかりに横のパネルがガンッと音を立てて落ちる。)

雪城 氷架 > 「……壊れてる…よな…」

まじまじと、近寄り過ぎないように様子を伺う
なんだろう付喪神というやつだろうか

パネルが落ちる音にまたビクッとする

自販機 > (中からにゅっと細い手が出てくるとパネルを中からカチンと同じ位置にはめ込む。
 中の人なんていないよ。インド人嘘つかないよ)

「ぶーん ぶーんぶんぶん」

(やっと調子が戻ってきたのか低音が響きだす。
 まだだ、まだ終わらんよ。)

雪城 氷架 > 「………」

何か今見えた
手が見えた、完璧に手が見えた

いくら常世学園なんでもありといえどこれは怪しい
というかこれを怪しまないヤツがいるのだろうか…いるんだろうな

「………」

ガン

とりあえず蹴ってみた
足癖がそんなに良くない氷架である

自販機 > (怪しさで言えばもっと怪しい人のいる学園である。
 とはいえ勝手に動く自販機の段階で怪しいレベルではなく、
 普通に保健委員に目をつけられている程度にはヤバイ存在でもある。)

「……!」

(蹴られた。
 なんてことを! 警備会社に通報して社会的に抹殺してやる!
 といっても警報装置がついてない。悲しい機械だった。固定が甘かったのかそれとも別の要因か、蹴られただけで倒れてしまう。
 バアンッ。
 
 FATAL K.O.!
 Win 雪城)

「……」

(スススともう一度立ち上がりかける。まだ負けられない。負けられない戦いがある)

雪城 氷架 > 「中に誰か入ってるのか?」

ガンガン

今度は側面を蹴っている
不信感いっぱいの少女はキックによって懐疑心を晴らしたい構えだ

自販機 > (勘弁してください助けて神様仏様局長様混沌様イス様……)

「………」

(蹴った。自販機がふらふらとしている。ややあって自販機がちゃんと直立した。
 自販機のボディーは金属と樹脂。軽く蹴ったくらいでは壊れないけれど、ボコボコに凹んだ部分に当たるとなかなか内部に響いてくる。
 ちゃりーんとお金が出てきた。100円。
 これで勘弁してねということらしいが、肝心の製造年月日が平成66年表示)

雪城 氷架 > 「………」

返事はない
さっき見えたのは手のような気がする

ひょい、と落ちた100円を拾いあげる。
小銭をまじまじと見ることもしないので製造年月日には残念ながら気付かず

「…ここが開いたよな」

先ほど外れたパネル部分をコンコンと叩いた

自販機 > (なんということでしょう。
 匠の粋な計らいによって自販機は普通の自販機からパネルの落ちたボロボロの自販機に生まれ変わりました。
 というナレーションをも無視できるレベルの危機が迫っていた。
 少女にパネルのあたりをまさぐられる。そこを触っちゃらめえ)

「………」

(パネルがカコーンと中から外れた。
 細い手が出てくると白旗を振る。降参である。どこかの宇宙では宣戦布告扱いらしいが地球では降参を意味する表示である。
 パネルの奥を覗き込んでも真っ暗だろう。手の根元がどこから来ているのかも観測できないくらいには)

雪城 氷架 > 「………」

手が出てきた
ちょっと目を凝らしてみても、奥は見えない

ぽん、と手を打った

懐からスマホを取り出して、パシャリとその様子を写真に収める氷架
そのまま何処かに電話をかけるように……

「あ、園刃センパイ?
 なんか公園に怪しげなモンが転がってるんですけど…うん、そう。
 常世公園のほう、いやもう見るからに怪しいんで一応風紀に連絡と思って」

自販機 > (写真を撮られてしまった。
 なんということでしょう。手は白旗を中にしまいこみ、おずおずとパネルを掴むともとの位置にはめ込む。
 おもむろに電話をかけ始める少女を尻目にじりじりと動き始めた。キャスターがついているでもないのに、するすると滑り始める。
 向かった先は公園の出口である。
 逃げたもの勝ちという言葉がある。逃げてしまえばいいのだと……。100円回収できなかったことは失敗である。
 重ねて言うが中の人はいないのだ。手だってロボットアームの一種に違いないのだ。
 少女から既に2mは離れた。)

雪城 氷架 > 「うん、写真は撮ったからあとで送る。今?えっと…………逃げようとしてる…」

自販機の動きを目で追う

「………追ったほうがいいかな」

電話口から帰ってきた返答はおそらくNOである
無駄に危険なことをする必要はない、一般生徒なのだから

とりあえず中から零れてきたコインと写真は証拠として提出しよう

自販機 > (あうち。
 石に躓いて転ぶ最大のピンチ。前のめりに倒れこむ。がしゃーんとディスプレイが割れて破片を散らす。ややあって起き上がるとスススと動きを早めていく。公園の車止めに引っかかって止まる。自販機はでかすぎて間をすり抜けられない。ガンガンとぶつかってステンレス製の車止めを破壊しようとしている。)

「ぶーん」

(車止めを破壊して外へ。酷い目にあった。
 パネルがかぱっと開くと少女の方へちらりと向き直る。パネルが再びしまると中から金属音が鳴り響いた。
 道路に出るや否やスポーツカー顔負けの走りで曲がり道をインコースとりつつ遁走した)

雪城 氷架 > 「………」

スマホを耳に当てながら、その様子を傍観する

「うん…バリカーぶっ壊して出てった……どっから入ってきたんだ、アレ……」
ぽかんとするしかなかったのであった…

ご案内:「常世公園」から自販機さんが去りました。
雪城 氷架 > 通話を終えて、先ほど撮った写真を送る。
……なんだろう、アレも一種の怪異というやつなのだろうか…

うーん、と頭をひねっていても仕方ない

「………括流ー…」

名前を呼びながら、昨日潜り込んでいった茂みの辺りをうろうろする

当然返事があるわけもない

「………なんだよ、いつもならいきなりポケットから出てくるクセに…」

小さくそう零して、少し寂しげに公園を後にした

ご案内:「常世公園」から雪城 氷架さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にアンヘルさんが現れました。
アンヘル >  じゃらじゃらと銀の鎖を鳴らしながら闊歩するちんぴらが一人。
いかにもといったスタイルの不良の青年である。
 彼は缶ジュースを片手に怒り狂っていた。
「あー! あーーー! クッソ! プルタブがあっきゃしねぇ! クソかぁ!?」
 言葉通りプルタブが開かないのである。彼の爪は短い。

ご案内:「常世公園」に詩露 久路さんが現れました。
アンヘル >  頭をかきむしるとイラついた様子で缶を握りつぶす。
中からすごい勢いでコーラが吹き出した。
「ぶっば!」
 顔面がコーラまみれになるちんぴら。あまりのいらだちに、缶を地面に叩きつけて踏み潰す。
 超重量のブーツが、アルミ缶をあっという間にひしゃげさせた。

詩露 久路 > 公園を通りかかった時、そんな声が聞こえそちらを見る。
見ればシルバーチェーンをこれでもか、とつけた奴がいる。

どうやら缶が開かずに四苦八苦しているらしい。
明らかに公園という雰囲気からは浮いており、遂に苛立ったのか缶を潰し、そしてコーラまみれになっている。
「……何してるんだアイツは」
少し遠巻きのまま立ち止まって見ている。
周りは関わりたくないという感じで足早に去る所をじっと見ている上にそこそこの長身なので目立っているだろう。

アンヘル > 「死ね!」
 乱暴にひしゃげさせられたアルミ缶。
何度も蹴りを叩き込むと満足そうに鼻息を鳴らす。
 気持ち悪いまでの笑みを浮かべながらアルミ缶をつまむと、そのままゴミ箱にシュートイン。
「ヒュー! 手がべたつくところだったぜ」
 顔のベタつきはもう気にしてなかった。
 そこでようやくこちらを見つめる姿に気づき、
「あぁ!? 見せもんじゃ無えぞおい!」
 といいながら、どかどかとブーツを鳴らしながらそっちに向かっていく。

詩露 久路 > 目をぱちくりとさせ。
近づいてくるアンヘルを見やり。
周りを少し見た後。
「ああ俺か」
納得した。
「いや悪い。別に見たくて見てたわけじゃぁないし、行動を見て笑っていた訳でもない。何をしているんだ、とは思ったが」
一言言う。
最初に行動に目が入り次に靴に目が入っていた。
「随分と凄いものを履いてるんだな、と思ったんだ」
少なくとも物怖じしてはいない。

アンヘル > 「この俺を見たくて見てたわけじゃねえだとォ!?」
 食って掛かるように唾を飛ばし、
「つまり俺のことは見たくもねえクソみてえなツラだってことか! ええ!?」
 悪意のある曲解である。だが、まるでそれが真実だとでもいうように怒鳴り、猛り、
 次いで。目を疑うような速度で回し蹴り。相手の鼻先で超重量のブーツが止まった。
「――俺の商売道具なもんでな。ちったぁクールだろ?」
 打って変わった低い声で、笑うように言う。

詩露 久路 > 「……そこまでいってないぞ」
困ったように顔を歪めた瞬間鼻先までブーツが迫る。
瞬間、鼻先辺りに甲冑のようなものが現れ、ギギギと金属を擦る音がする。
「っ……」
息を飲んで。
「速いな。もう少しで反応出来なかった。とはいえ寸止めしくれてたみたいだけどな」
ふう、と息を吐く。
「ああ、カッコいいな。そういうの好きなんだよ」
率直な感想を述べる。
思ってる事が何より先に口に出るようだ。

アンヘル > 「は! つまんねえなあおい! 腰抜かすだのチビるだのもっとおもしれえ反応はねえのかよ!」
 蹴りを静止させたままがなりたてると、一度舌打ちしてそれを下ろす。
「まあちったあ見る目があるみてえだけどよぉ。あ? ガム要るか?」
 胸ポケットからミント味の板ガム(コーラまみれ)を取り出して煙草でも進めるかのように差し出す。

詩露 久路 > 「コーラ臭いな」
といいつつ受け取る。
べたりとつくコーラ。
「ありがとう。コーラ臭いが」
二度も言わなくていい。
「で、何でそんな荒れてるんだ?」
ガムを噛みながら(最初はコーラの味がした)聞く。
「荒れるにしてももう少し場所を選んだ方がいいと思う。小さい子が遊べなくて困っていたぞ」
カバンからティッシュを取り出し「使うか?」と渡す。

アンヘル >  ティッシュを大人しく受け取り、ざっくり全ての紙を取り出すと、それを使ってガシガシと頭を拭き始めた。
「あぁ?」
 そのまま、荒れている、と言われて眉を跳ね上げた。
「そりゃおめえ、…………」
 空を見上げる。空が青い。青かったんだ。
「空が青いから、かな……」
 その瞳は遠く彼方を見つめていた。つまり特に意味は無い。

詩露 久路 > 「そうか」
見上げる。
確かに青い。
いい天気だ。
「つまり何となくムシの居所が悪かった、そう言う事か」
納得して2個目のポケットティッシュを取り出す。
「まあ、そういう日もあるな。足らないだろう、こっちも使うか?」
毎回配っているのを律儀に貰うのでティッシュは山ほどある。

アンヘル > 「貰ってやろうじゃねえか。……あ?」
 受け取ったティッシュ。なかなかあの切れ目が開かない。
つい、いらっときて噛んでこじ開ける。野性的だ。
何枚かこぼれ落ちたが気にしない。ドントマインドだ。
 今度は胸元を拭きながらそちらを睨みつける。
「そういうてめえはなんだ、おい、こんなとおろで何子供の代弁者やってんだ? あ? お前は教育委員会の方からキましたってか? 笑えねえぞオイ!」

詩露 久路 > 落ちたティッシュを拾って適当にゴミ箱へ入れる。
「学校帰りのただの学生だ」
誰かと言われればそう答えるしかなかった。
「確かに教育委員会に俺が居たとして、こんなのがいたら笑えないな……」
自分で言っておいて少しだけ肩を落とす。
自分でちょっとヘコんだらしい。
「……いや、悪い。単に思った事を口出す性分で、これが中々治らない」
使い終わったティッシュを寄越せと言わんばかりにコンビニの小さな袋を取り出す。
「なんで気分を害したなら謝る。すまん」
ペコと頭を下げる。

アンヘル > 「気軽に頭下げんじゃねえ! 俺が悪者みてえじゃねえか!
教育委員会上等だろうが!!」
 苛立たしげにガンガンと踵を鳴らして額に青筋が浮かぶ。
 何がそんなにいらついているのかは分からないが、どうやらこれがこいつのテンションらしい。
 ドラッグでもキメているかというほどのアッパーテンション。
しかし血色は良く、体格もまったく損なわれていない。
「こちとら天下のアンヘル様だ! ああ!? ええおい、テメエも天下の田所権兵衛だろうが! 少しは気張って教育委員会に上等決めればいいじゃねえかよええおい!?」
 すでに話が脱線し続けている。その上勝手に彼の名前を命名し、勝手に怒りをぶつけていた。

詩露 久路 > 「む。悪い」
今度は頭を下げずに友人に謝るような気楽さで謝った。
「いや、待て」
そして制止を出す。
「教育委員会に上等決める理由が無いぞ。特に腐敗しているとかも聞かない」
目を逸らしつつ。
「それにほら、俺も年頃の男だし、こう、別に探られたくもない腹を探られるのは」
脱線から更に脱線をしようとしている。
「後な。俺は田所権兵衛という名前ではないぞ詩露久路という名前がある」
漢字でこう書くんだと言いつつ。

アンヘル > 「テメーが教育委員会を変えればいいじゃねえか!
腐敗させるとかガキの笑える楽園作るとか遊具を増やすとかよぉ!」
 意味の分からない説得。いや、別に説得ではない。
アンヘルはただ怒りをぶつけるだけだ。
泥酔じみた論理を振りかざしながら大地を蹴った。
 ずびし、と相手を指さして。
「それが出来ねえからてめえはぽんぽん悪い悪いって言うんだよ! あぁ!? 悪い悪いって悪いのはお前のあたまか!? チャレンジだよ! 年頃の男だったら腹まさぐられりゃあ気持ちいいだろうがッ!」
 だいぶ困ったような男だ。苛立たしげに頭を掻いて、残ったティッシュで鼻をかんだ。
 久路の生真面目な態度。しかしそれは彼が軟派な態度であったとしてもアンヘルの態度は変わらないだろう。
「ウタツユヒサミチィ!? あぁ? あー……めんどくせえ! テメエはシロクロだ!」
詩(シ)露(ロ)久(ク)路(ロ)である。

詩露 久路 > 「」
ぽかんと口を開く。
余りにも暴言も暴言である。
そもそも腐敗させる意味もわからない。
「いや、意味が分からない。遊具を増やすのは……」
ちら、と見る。
ぶっちゃけ割と充実している。
「これ以上増やしすぎると自由に遊べる場所が無くなると思うぞ」
うん、と一つ頷いて。
「余りよくは無いがいう程悪く無いつもりだ。後確かにそれには同意する」
無論女性限定でな、と付け加え。
「……それでオマエがいいならいいよ」
名前に関してはもう、いいかってなったようだ。
ククッと笑う。
勢いがよくて面白いな、と思ったようで。
「面白いなアンヘルは」
そしてそれは口に出るのである。

アンヘル >  全て言い切ると、一気に、まるでナイアガラのようなため息を吐いた。
「あー。まあ、そんな感じだよ。ええ、シロクロおい」
 明らかにテンションが下がっている。充電が切れたのだろうか。
疲れた様子で首を回すと、じゃらりとチェーンが鳴った。
「面白くもなんともねーよ。それともなにか?
俺が万国ビックリ博物館だとでもいいてえのか?
飛び出すびっくり箱でも3D映画でもねえんだぞオイ」
 テンションは下がっているが、言動はあまりにも変わっていなかった。
言いがかりをつけながら、懐のガムを五枚ほど取り出して一気に噛み始める。

詩露 久路 > 「此処まで来ると一種のアトラクションにも感じるな。まあそれはさておいて。意外と、話せるヤツなんだなって思っただけだよ」
一人勝手に納得し。
「後聞きたいんだけどそのシルバーチェーンってそんだけつけてて動きにくくないか?」
ちょっと落ち着いたようなので次に気になった事を聞く。
一方聞く本人は動きやすさを重視しすぎて飾りも何も無いのだが。

アンヘル > 「おいそりゃ俺を暗に頭悪いっていってんだろ? 
え? バカにしてんな? バカにしてるだろ? うん?」
 下がってきた所でまた徐々に上がり始める。確かにここまで来ると人間ジェットコースターだ。
 ちなみに、最寄りの精神病院はすでに匙を投げている。
「これか? 便利だぜえ? こいつを引っ掛けてちょいと引っ張ればバカでも首が絞められる」
 剣呑なことを言いながらまるでサメのように笑った。

詩露 久路 > 「そうは言ってないだろ?」
やれやれ、と少し目を細める。
ただでさえ鋭いので少し細めただけでこれまた凶悪な顔になるんだが。
ちなみにだが既に接し方が騒々しい友人に対するソレである。
「場馴れしてるんだな」
そこは素直に感心した。
彼も身長、そして目つき、そして主に性格が原因で割と喧嘩は吹っ掛けられる方であった。

アンヘル > 「言っただろう、天下のアンヘル様だってな」
 コーラの甘い香りを漂わせながら浮かべる肉食獣の笑み。
 相手の鋭い視線は正面から受け止めるスタイル。
見るもの全てを威圧するような気がしたがそんなこともない。
「場慣れもクソも、ここに十年住んでりゃこうもなる」
 極論だが、実際常世島で十年暮らしたのは事実である。
それなりに名も通っているはずだた。

詩露 久路 > 「そんなに長いのか。俺はこっちに来てちょっとしか経ってないんだよな」
そしてまたも素直に感心する。
10年、五体満足に生きていると言う事は相当な事だと彼は感じる。
ただでさえ異能やら魔術やらがあるご時世だ。
天下のアンヘルと言われても彼にはピンとは来てないのだが。
「そっちは疎くてな。余りそういう噂は聞かないんだ」
絡まれるだけであって本人は至って喧嘩を進んでしようという気は無いのだった。

アンヘル > 「噂ってのを馬鹿にしてると痛い目を見る。ここじゃバカがバカ見んのは当たり前だからな?
ええおい、ここでテメエが今ぶん殴られたからって守ってくれるやつなんていねえからなあ!」
 テンションが上がってきたのか、せわしなく足がリズムを刻み始める。
 敵意。そういうものはあるのか否か。
男の情動は上下を繰り返しすぎて何が平常なのかわかったものではない。
「テメエの目の前にいるやつがなにもんかわかりません!
それでバカみんのはお前だよなあ! そうだろシロクロよォ!」
 それを言えば、アンヘルも目の前の"彼"が何者かなんてわかりはしない。
結局は勢いだけの発言か、段々自分の言動に腹立ってきて地面を蹴る。
「耳はダ○ボにしてよくかっぽじっておけよ! 垂れ耳で塞いだらあっという間にぶっとぶぜおい!」

詩露 久路 > む、と唸る。
言われればそうである。
例えば今目の前にいるアンヘル。
久路からの主観でいえば、見たままただ暴力的に殴ってくるだけかもしれない。
だが実際は違うのかも知れないのだ。
そういえば、と思い出す。
本土に居た頃に前に追い返した奴らがお礼参りを企んでいる、という話を聞いて、何時も通る道をやり過ごして事なきを得た事もある。
なるほど、と合点する。
言い方は乱暴だが、彼はそう伝えたいのだ、と久路は解釈した。
「忠告ありがとう、出来るだけそういう話は聞く様にする。いい奴だな」
素直な感謝と礼。
相手がどうであろうと、何であろうと感謝すべき時は感謝すべきだ。

アンヘル > 「忠告じゃねえ! 俺ぁ苛立ってんだ。
分かるか!? わかんねえよなあおい!」
 ガン、ガンガンガン。
忙しなく地面を蹴りつけるのは男の癖か。
 荒ぶるような見た目だが、確かに、苛立っているわりに久路を殴りつけるわけではない。
「礼なんていらねえんだよ。
俺が苛立ってるだけでテメエのタメにいってるわけじゃねえ!
わかんねえよなあおいくそ! 次に礼を言いやがったらテメエ容赦はしねえからな!」
 男はおそらく本気だろう。どのような意図の発言かは分からないが、当初のテンションに戻りつつある。
 高まり続ける足の動きは、いつ暴発したっておかしくないのだ。

詩露 久路 > 「俺はアンヘルではないからな」
至極真面目な顔で。
「お前の心はお前にしかちゃんとしたトコはわからんよ」
とだけ言う。
とはいえ、別にアンヘルを怒らせようとしている訳ではない。
こういう言い方しか出来ないのだ。
「礼もダメで謝るのもダメとは中々難しいな」
苦笑を一つすると一歩離れた。
「じゃあ余り機嫌を損ねるのも何だし。そろそろ俺は行くとするよ」
至極自然に、友人と別れるかのようにそう告げた。

アンヘル > 「そうだ! 俺はテメエじゃねえしテメエは俺じゃねえ!」
 実際の所相手の言葉は正しいのだろう。
いや、もしかしたらこの男は、自分の心すら分からないのかもしれないが。
「場合にもよんだよケースバイケースだよホウレンソウが大事なんだよ!
新人は言われたことだけやってりゃいいし、少しは頭で考えることが必要なんだよ!」
 支離滅裂に怒り狂ってから、ポケットから何かを取り出した。
「そうしろそうしろ! くそったれ! あばよシロクロ、また会うこともあるだろうよ!」
 投げつけたのはスチール缶。ブラックコーヒーだ。
勢いはあまりついていないが、顔狙い。
挑発的な投げ方だった。

詩露 久路 > ガイン。
金属が当たる音をして、スチール缶が少し跳ねるのを受け取る。
顔には甲冑の鎧に似た装甲が現れているが次の瞬間にはぱらり、と剥がれる様に落ち、風となって消えた。
当然、手で受け取る事も出来たがあえて異能で受け取った。
「乱暴なプレゼントだな」
苦笑を一つ。
これが彼なりなんだろう、と勝手に解釈をする。
なんせ人の心や考えなど、久路にはわかりもしない。
特に彼は非常に判りにくい。
好意的に受け取っておこう、そんな感じである。
「丁度話していてノドが渇いていたし、貰っとくよ」
カバンへ一旦放り込む。
「じゃあなアンヘル。次会う時はちゃんと噂、聞いておく」
そう言って最初、公園へ入ってきたのと同じ足取りでその場を後にした。

ご案内:「常世公園」から詩露 久路さんが去りました。
アンヘル >  立ち去ったシロクロには何もしない。
歩き去っていく所でこちらも頭をがりがりと掻いて腹立たしげに、
「ああ! くそ、面白くもねえ!! 受け止めやがった! ああくそ!」
 怒り狂いながら近くの自販機に金を投入する。
 ――千円札が呑まれていった。
「くそったれが!!」
 ジェット・ブーツが唸りを上げて自販機を砕き。
苛立った様子でガムを噛んで公園をあとにした。

ご案内:「常世公園」からアンヘルさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に矛海 遼さんが現れました。
矛海 遼 > 雨は止み、湿気で蒸している夜。
一人の青年がベンチに座りながら片足を組み、本を読みながらくつろいでいる。

時間も時間、人通りも少なく、耳を澄まして聞こえてくるのは風に揺れる木々の音のみ。

その青年の周囲のみ、クーラーの効いた部屋のような快適な状態を維持している。

矛海 遼 > ここ数日前はどうにもドタバタと激しく動いていた。
やれ元ロストサインだの、やれ公安がどうのこうのだの、電源を入れたままの電動おもちゃを箱に入れたかのようだ。

ここ最近、大きな事件が起きている様子も無く、生徒たちは試験に負われている日々。
実に【日常的】である。この男にとっては、だが。

一枚、頁をめくり。静かに夜風を受けて黒い髪がゆらりと靡く。
そろそろ散髪にでも行くか?などとどうでも良さそうな事を考えながら時間は過ぎて行く。

矛海 遼 > 本を持つ右腕、以前までの包帯は解け、不自然なほどに綺麗な傷一つない状態だ。

そもそも、異常とも言えるほどの再生能力を持つ男が数週間を掛けてようやく完治するほどの傷を負うという事の方が、珍しい事ではある。
それほどまでに、以前。
【あの少女】との戦いで扱った【力】は危険な物だったのである。

現状、この学園都市に来てこの【力】を扱ったのは初のことではある。
来る以前にも数回ほど、指で数えられるほどの回数だが発動はした。
その度に禁忌の力だと、魔術に精通する仲間からは咎められたものだ。
自身もその考えには賛成ではある。しかし、それをせねばならない状態というのは……

「ここに住む以上は避けられない、か」

混沌と狂気をミキサーに混ぜて、ぶちまけたこの世界でそれは難しい事だろう。

矛海 遼 > そのような事態も含めて、今在るこの時間が日常だというのだろう。
以前まで、戦いの中で生きてきた自分にとっては新鮮であると共に、
本来ならばもっと、遥かに前にその中に溶け混んでいたのだろうと思う。


不意に首を逸らし、頬を掠るように銃弾が疾走して行く。
超々遠距離からの狙撃か。おかげで呼んでいた本に傷がついてしまった。

自身が狙う【獲物】、そして自身の首を狙う者。
男が平穏に、完全に溶け込むには時間が必要だ。

―――俺の戦いは2年前から終わっていない。

憤怒か、それとも憎悪か。
本を懐にしまうと、六つの棺桶を背に背負うと共に一振りの太刀を腰に下げる。

静かな夜は続く、大地に飛翔する死神の影を残して。

ご案内:「常世公園」から矛海 遼さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > 「あー……」

ベンチに座ってボヤく男一人。
今日は稽古でもなんでもなく、単なる散歩である。

とは言え、理由がないわけではない。

「なんか、なぁ……」

嫌な予感がした。それが理由である。

霜月 零 > 得も言われぬ感覚があった、と言うべきか。
なんだか悪意を向けられたような、災いが降りかかってきそうな……そんな予感がしたのだ。

――これは零の異能「根源接続」により、ある教師の嫉妬を感知したものなのだが、それを零が知る由はない。

ただ、漠然とした不安に気が滅入り、気分転換に外に出てきたのだ。

「恨まれる筋合い、なぁ……」

何かしらの呪法でも向けられたか、と心当たりを探る。
……一人いた。
が。

「……ないな」

一蹴する。今脳裏に浮かんだ男は、そりゃあ確かに霜月零を恨む理由はあるのだが……しからば自分からはっきりと物申すタイプに思える。
婉曲的な手段を取るタイプには思えないのだ。

霜月 零 > 「つーと……誰、だ?」

確かに剣を交えたりなんだりとした回数はそこそこだが、積極的に恨みを買う真似をしたことはない、はずだ。
恨みと言うのは自覚のないところで買っていたりするので、何とも判断が難しいところではあるのだが……

「わっかんねぇなあ……」

首を傾げる。自分の中で「誰かに呪われる」と言う想定に疑問を持てないのは、やはり無意識にそれに近いものだと確信しているからか。
とは言え心当たりは思いつかない……腕組みをして首を傾げるのが、今出来る精々である。

ご案内:「常世公園」にアリスさんが現れました。
アリス > パンパンの紙袋を抱えててっくてっくと公園を横切ろうと…ん?

「おや、こんな夜更けに公園に人とは珍しゅー。」

公園で二人でデート。解る。
公園で酔い覚まし。何人か呑み仲間がいれば解る。

お一人様?

興味をもって無謀、もとい無防備に近づいていく。

霜月 零 > 「……げ」

そちらを見て出るのはうめき声。アレか?さっきの直感はもしかしてこれなのか?
だが立ち上がって逃げるのもそれはそれで躊躇われる。
……よって寝てるふりでやり過ごす事にした。

「…………」

取り敢えず俯いて、目を閉じる。ほら、寝てますよー。

アリス > おや、呻き声が聞こえますなー。

しかし近づけば眠っている模様。
と来れば、紙袋をごそごそ。

「ゆせーまじっくぅー みどりー 」

某アニメでありそうな声のノリで取り出してキャップ外し外し。

「なんて書きましょー」

文字に迷った。

霜月 零 > 「ええいやめんかっ!」

よりにもよって油性とか何をふざけたことを言っているのだこいつは。

流石に放置できずにぱちんと目を開けて怒鳴る。

「お前な、なんで寝てると判断した結果が即落書きなんだ!しかも油性!」

ツッコまずにはいられない。

アリス > 「おや、寝た振りでしたか、これは失敬」

おぉ、と大仰に驚いた振りをして、怒鳴り声は右から左。

「それはー、古今東西、外で眠っている方へのお約束だからでございますよー」

お約束は大事だって、誰かが言ってました。誰かは忘れた。

霜月 零 > 「んなお約束はないっ!」

実際は一応なくもない気がするが、それでもやっていいかと言えばNOなのである。
そもそも油性が許されない。

「……つーか、何してんだお前」

溜息を吐いて問い掛ける。何やら紙袋を持っているが、買い物帰りなのだろうか?

アリス > 「そうですねー、私としたことが。お好きな方を知っていればその方を夢に出させてあげましたのにー、申し訳ないー」

これまた失敗、と舌だして。
お約束違いの方面で謝りました。

「ああー、学費の為のお金稼ぎの為の原資の買出しですよー。」

マジックはキャップ締めて、紙袋を抱えなおす。中身は紙や画材の様だ

霜月 零 > 「ふざけんな誰がそんなことを頼んだ」

メンタルによろしくないし、その後会って理性が飛んでしまったら本当にどうなるかわからないので本当やめて頂きたいところだ。

「で……あー?絵でも描くのか?」

なんか絵だか本だかを描くとかなんとか、言っていたようないなかったような。
正直妄想の方がインパクトが強すぎてその他の記憶が曖昧である。

アリス > 「いやはや、安眠には宜しいのですよ?悪夢も晴れますよー?
はっ、辻妄想はばれる前に逃げるのが礼儀でしたかー」

頼まれない=辻。辻ヒールとごっちゃのようだ。

「えぇー、本を出しましてー、それを売って学費に当てましょうかとー」

なお、薄い本である。内容は未定と言うか出会う人によると言うか。

霜月 零 > 「意味が分からん。少なくとも俺の安眠にはよくない」

本当に、良くない。

「本、なぁ……売れんのか?」

素朴な疑問。恐らくは漫画なのだろうが、目の前の明らかに色々と常識が欠落している妖怪に売れる漫画が描けるのだろうか?

アリス > 「悪夢ならば、そーですがー…はっ。まさか、悪夢を見ないと眠れない…」

そういう人なのだろーか。少なくとも好きな人に迫られるような夢が安眠に良くないとはどういう事か理解しがたい。…ウィリー姫の方?

「恐らくー最初は難しいでしょー。故に看板用のー」

マジックをとりだしてぷらぷら。
内容じゃなくて知名度と浸透度だと思ったようだ

霜月 零 > 「んな趣味はねぇ。単に、その夢が気になって寝付けなくなるだけだ」

変に意識してしまい、目が冴えてしまうのである。

「看板用?ああ、取り敢えずは周知重視か……って、んな悠長で大丈夫なのか?」

学費なんて、入学するなら即座に要り様になりそうなものだが。

アリス > 「ああ、なるほどー。気になるなら眠れば続きが見られますのにー。
と言っても悶々と夢の続きを考えるのもまたいいものですよー」

得心がいったと、頷いている。

「…ハハハ、暫くは夏休み、とかそんな感じでしょーからその間にー。」

まず学費が後払いか先払いかの確認がまだなのだが。
目が泳いでいる?キノセイデスヨー。

霜月 零 > 「勘弁してくれ、本人に会った時に目を合わせられん」

それが本当に困るのだ。唯でさえ、そう言った方面ではまだまだ自分の方が手玉に取られがちだというのに、意識してしまえばもうダメである。

「一か月やそこらで何とかなるんかね……」

作家の世界には明るくないが、そんなはじめたてのペーペーが一か月やそこらで名を成せるほど甘い世界ではない、と、思う。
あくまで想像でしかないのではあるが。

アリス > 「合わせればいいではないですかー。汝、なしたいよーにすればよいのですよー」

本人は行ってはいけないと思っているけれど、実はきっと大した事はない方向に押すのって楽しいなーって楽しんでる顔した。

「口コミ次第ですなー。問題は題材ですがー。」

今までに出会った人々を漫画にしてちょっと名前を変えて…薄い本へ。
シチュエーションは学園生の爛れた日常って感じで…ポワポワ妄想。

霜月 零 > 「無責任すぎる……」

溜息。これでも彼女にはそこそこ気を使っているのだ。涼子、括流の二人に釘を刺された事もあり(氷架自体は堂々と構えていたが)、零としてはうっかりは避けたいものである。

「口コミと題材なぁ……口コミは初動次第として、題材っていいネタあんのか?」

それが駄目だと大体どうしようもないものである。