2015/07/20 のログ
ご案内:「常世公園」に深雪さんが現れました。
深雪 > 夜の公園は,昼とはまた別の姿を見せてくれる。
子供たちの姿は無く,野良犬や野良猫が徘徊し,野鳥が舞い,
時には酔い潰れた馬鹿が倒れ,不純な動機を抱えた悪が闇に潜む。

「…………………。」

今日,この月明かりの下,公園に佇むのは馬鹿でも悪でもなかった。
銀色の美しい髪を靡かせ,ピンク色の可愛らしいリボンを付けた少女。
街灯に照らされたベンチに座って,少女は月を見上げていた。

深雪 > 月光,星々の光,そして街灯の明かりを反射して,艶のある銀が輝く。
彼女が何故,こんな寂しい場所で佇んでいるのかを知る者は居ない。
それを尋ねる物好きも,無粋な酔っ払いも,職質をする警官もここには居ない。

吹き抜ける風が心地よい。
寝苦しいくらいに暑い夜,ベッドの上ではあんなに熱く感じるのに,この場所は涼しい。

深雪 > 何をするでもなく,何を思うでもなく。
少女はただ,そこで月を見上げていた。
黄金色の瞳は,まるで睨むように,どこか寂しげに,自分を見下ろす月を、見つめる。



不意に,背後の茂みから物音が聞こえた。

深雪 > 「……………?」

野良犬か,野鳥か,いずれにしても突然の音に反応し,視線を向ける。
特に警戒する様子もなく、ただ、音が気になって…と言った程度の動作。

ご案内:「常世公園」に相模原孝也さんが現れました。
相模原孝也 > ふいに、アイスが食べたくなった。外出の理由はそれだけだった。
コンビニで安いアイスを買って、その帰り道。近道になるかと、常世公園を横切っている最中。
目の前を横切っていったのは、真っ黒い猫。にゃあ、と一声鳴いて、茂みの方へ潜り込んでいく。

「……なんか、しっぽが二股に見えたような。」

暗いせいで、見間違えたかもしれない。だが、ちょっと気になる。でも、アイスの溶け具合も気になる。
1秒程度の思考の後、猫を追いかけて茂みの方へ踏み込んだ。
黒猫を追いかけて、茂みの合間を抜けながら歩いて行く、そんな行き先。
ひょこっと猫が顔を出したのは、ベンチの裏手側。その後から、買い物袋を下げて、服のそこかしこに葉っぱをつけた少年が追いついた。

…もしかしたら、ベンチのお客さんと、一瞬目があったかもしれない。

深雪 > 茂みから飛び出してきたのは、可愛らしい猫だった。
ぴょん、とベンチの背もたれへと飛び乗って「にー。」と愛想を振りまく。
どうやら人に慣れているらしい。

そんな光景に、思わず頬が緩んだ…その瞬間だった。
猫の出てきた来た茂みの中から、猫よりだいぶ大きな、動物が現れたのは。

「………………。」

こんなに気になる光景に視線を向けないはずがない。
一瞬どころではなく、目が合っているだろう。

「………貴方、そこで何をしていて?」

しばしの沈黙の後に、少女は言葉を絞り出した。

相模原孝也 > 「………。」

ばっちり、目が会っていた。
黒猫が不思議そうに首をかしげている中、黄金色の瞳を、黒い瞳で眺めていること、数秒。
相手が先に口を開いたのに、ああ、うん、と一度頷いてから、

「アイスを買いに行った帰りに、
 猫が居たので、
 しっぽが二本ないか確認しに追っかけてきた、かな。」

3行で自分の行動をまとめてから、目線の行き先を変えて、猫のほうを見る。
くりくりした可愛らしい猫の尻尾は、どうみても1本だった。

「そちらは、散歩でも?」
視線を、銀色の髪の女性へと戻して、問いかける。

深雪 > 少年は嘘を吐いているようには聞こえなかった。
けれどその理由は、まるで、不思議の国のアリスのようで、

「そう、それは大変だったのね。」

猫と同様にこの少年も可愛らしい、と感じたか、
頬を緩めたままに、僅かに首を傾げてそうとだけ答えた。
尻尾をゆらゆらと揺らして、黒猫がにー。と鳴く。

「私は月を見てただけ……貴方、取り敢えず木の葉を落としなさい?」
髪の毛にも付いているわ、なんて、言いつつ、それを払おうと手を伸ばす。

相模原孝也 > 「まあ、蚊に少し刺されるくらいには大変だったかな。」

きっちり吸われたらしく、ぽりぽり、と露出している腕を掻いた。
銀色の髪、月明かりを受けて印象的な、女性。
銀髪に縁があるなと思いながら、返された言葉に、ああ、と今更気づいた様子。

髪についた木の葉にと伸びた手は、おとなしくも、しかしちょっとばかり頬を赤らめながら受け入れて、自身は衣服についた葉や、ひっつきむしを落としていき。

「月見なら、夜中に出歩くのが、一番綺麗に見れますよね。」
それらが終わってから、自信も空に目を向ける。夏の月は、少し大きく見えた。

「月と、あとネコ。好きなんですか?」
人懐っこい猫を、追い払う様子も見せないので。ちょっとしたことのように聞いてみた。

深雪 > 伸ばした手が素直に受け入れられれば、木の葉を払いながら…
…少年の,メッシュの入った前髪に軽く触れて、満足気にその手を離した。

「ふふふ、でも自業自得ね……掻いては駄目よ?」
声を掛けながら、少年が服についた勲章たちを落とす姿を、静かに見つめる。
「月は好きよ……綺麗だもの。
 それに、猫も好き…可愛いもの、嫌いな人がいて?」
それから、静かにそう答えて…少年に伸ばしていた手を、今度は猫の方へと伸ばす。
猫はまだ少しだけ警戒しているのか、一歩後ずさった。

相模原孝也 > 「むむ…。」
優しげにも思える髪に触れる手つきが、気恥ずかしい。
指先が離れるのに、安堵と一緒に、物足りなさが浮かぶが、隠し通そうと、ちょっと表情が硬かった。

「ん、じゃあ冷やしとこうかな。」
ごそごそ、と買い物袋から取り出したのは、パ○コなアイス。
チューブ系だから、多少溶けても問題ないしと、蚊に刺されたトコに当てておく。ひんやりして気持ち良い。

「そうですね。 オレの知り合いにも、月が好きな人がいますよ。
 猫は…どうかな。オレは好きだけど、犬派の人もいるだろうし?
 ただ、うん、綺麗だったり、可愛かったり。そういうのは好かれますよね。あなたもモテるでしょう。」
同意と、疑問。双方を口にしながら、さて。 払い落とした葉っぱの一つを手にとってみる。

その葉っぱを、後ずさりした猫の前で、猫じゃらしのように揺らしてみせた。

深雪 > 少年は努めて表情に出さないようにしているが、その不自然さが可愛らしい。
「…あら、触られるの、嫌だったかしら。」
少女は少しだけ、意地悪な笑みを浮かべていた。それが少年にどう映るかは、分からないが。

「私は犬も好き…従順で、甘えたがりなところが可愛いわ。
 ……私がもてるかどうかなんて、名前も知らないのに変なことを聞くのね?
 そんな貴方も、可愛らしいわよ。」
猫はこの少女から逃げて、少年の差し出した葉っぱの方へとじゃれ始めた。
それを見て、振られちゃったか。なんて、つぶやく少女。
アイスで腕を冷やしている様子や、猫をじゃらしている様子を、黄金色の瞳で静かに、見つめている。

相模原孝也 > 「嫌ではないですが、複雑な気分です。」
どうにも、敬語が崩せないでいるのは、この人の空気…とでもいうようなものに押され気味なせいかもしれない。

うぅ、と複雑な気分でピコピコ葉っぱを動かしてたら、ぺし ぺし、と猫の手で反応してきた黒猫さんに、しばしお付き合いして。

「それなら、ペットショップなんかも、お散歩コースにありそうですね。
 ああ、いえ。つい。不躾だったのは謝罪しますけど、からかうのは勘弁ですよ。
 野郎の顔なんて、可愛いもんじゃないでしょうに。」

そうと告げれば、ひょいと葉っぱを離して、アイスはポケットに突っ込んでから。警戒心が失せてきた黒猫さんを抱え上げる。
抱え上げたおとなしくなった黒猫を、黄金色の瞳女性へと差し出した。

「はい、可愛くない青少年のかわりに、可愛い黒猫さんをどうぞ。」

深雪 > 複雑な気分、と言われれば、苦笑を浮かべて…
「…あら、ごめんなさいね。もうしないわ。」
そうとだけ言ってから、自分の髪に細く白い指を通した。
艶があり、滑らかな髪はさらりとその指を受け入れて、指をそのまま抜けば、銀の髪がふわりと舞う。

「あら、私が貴方をからかってるだなんて…酷い言い掛かりね。
 猫の可愛さも、犬の可愛さも…顔だけじゃないでしょう?」
貴方も同じよ、と、また意地悪な笑みを浮かべる。
「動物が檻に入っているのは嫌ね…みんな、逃がしてあげたくなるわ。」
なんて、さらっと危険な発言をしつつ……

……黒猫さんを差し出されれば、それを優しく受け取った。
「ありがと……言ったでしょ、従順なところも、可愛いのよ?」
黒猫さんを撫でながら、視線は少年へと向ける。
何も言っていないのに、求めた通りのことをしてくれる…そんな少年の素直さは、やはり、可愛らしいと映った。

相模原孝也 > それはそれで惜しかったけど、口には出せない男心。
ふわり舞う髪は月の光できらめいて、一瞬見惚れたのは、内緒にしておきたい。

「まあ、フワフワしてるのが動いてるのとか、一挙一動とかも可愛いですよね、犬猫は。」
でもオレの挙動なんかは、どこか可愛いのか?わかってない面で首を傾げる。

「ハハ…店舗が壊れるのは大変そうなんで。猫喫茶の方を押しておきます。」
危険発言に、お散歩コース提案のつもりで口にする。ペットショップは実際、散歩コースではないみたいだし。その手の施設をもしかしたら知らないかも、なんて考えたのだ。

「うぬぬ、なんだかあなたを見てるとこう、そうしたくなるってだけですよ。なんとなく。」
本当になんとなく、だ。可愛い、なんて言われるのはどうにもやはり、気恥ずかしく、頬が染まる。
なんか悔しいので、ポケットに突っ込んでたアイスをほっぺに当てて冷やしながら、しかし、黒猫も撫でられて気持ちよさそうにしているのが見て取れれば、ふっと頬が緩んで。

「ああ、うん。そうだ、貴方の髪も、月の光みたいで、綺麗ですよ。」
ちょっとした、お返しのつもり。声ににじむのは好意の色で、

「では、こっそり反撃してみたオレは、そろそろ帰ります。 長居すると、アイスが溶けてしまうので。」

深雪 > 「自分で分かっていないからこそ、可愛らしいのよ。
 貴方は自然にしていれば、それが一番いいと思うわ。」
それは素直な言葉。黄金色の瞳が、真っ直ぐに少年を見つめて…
「猫喫茶…この島にも、あるかしら?」
…猫に囲まれる自分に、思いをはせた。あまり、近寄って来てはくれないかもしれないが。

「ありがと…もし貴方が犬なら,撫でてあげるところね。
 この髪は私の自慢。お世辞でも、からかいでも、嬉しいわ。」
声から好意を感じ取ったからこそ、こんな言葉を返す。
少しだけ意地悪に笑っていることも、そろそろ、伝わるだろう。

「あら、帰ってしまう前に、名前くらい教えてくれても良いんじゃなくて?
 このままじゃ、次に会ったら可愛らしい青少年さん、なんて呼んでしまうわ。」
ベンチに座り、黒猫さんを撫でながら。

相模原孝也 > いつもどおりじゃないことをやらかして、失敗した記憶が走馬灯のように。
おもわずうずくまりたく鳴るが、左手で自分にアイアンクローをかけるように目元を隠すくらいで我慢。
ふぅ、と一息ついてから、黄金色の瞳を見返した。

「まあ、貴方の前では、なるべく素直になることにしますよ。
 変なことしたら、すぐに見ぬかれてしまいそうだ。
 ああ、猫喫茶なら、少し待ってくださいね。」
手に持っていたアイスを今度こそ買い物袋に戻してから、スラックスのポケットから引っ張りだしたスマートホン。
ネットにつないで、接続、検索まちで十数秒後。

「地図の見方、わかりますかね。 ココのあたりがこの公園で。 隣の駅からこう、こういうルートでいけば。」
スマホに映しだされた周辺地図。 だいたいこのあたりにありますと、猫喫茶の場所を教えてみる。学生街にあるようだ。

「人間なので、恥じらいながら遠慮します。
 それと、オレは"素直"なので、本心ですよ。」
にっ、と笑って、意地悪には、素直に返す。ふふふ、これが一番効くんじゃないかな?とか考えるあたりは邪だ。

「あー、と。ソレもそうですね。オレは相模原、孝也です。 好きに呼んでくれていいですけど、わんこ的な名前は勘弁してくださいね。」

深雪 > 「あら、地雷だったかしら。」
少年の分かりやすい仕草を見れば、くすくすと笑った。
けれどその内容を聞こうとはせずに…
「……そんなに怖がらないでいいのよ?
 それとも、見抜かれて困るような秘密でも、隠してるのかしら。」
…そうとだけ言って、少年の検索を待つ。

差し出されたスマホを画面を見れば…地図が映し出されていた。
地図の見方は分かるし、この辺りの土地勘もそれなりにある。
「……あら、こんなところにあったの。
 昨日も通ったけれど気が付かなかったわね。」
どうやら理解できたようだ。

「あらあら……素直なのは素敵な事ね。なら私も、素直に喜んでおくわ。」
少年の反撃には、頬を緩めてそう返した。
その言葉に嘘は無いのだろう、表情に大きな変化は無いが、満足気に頷いて、

「撫でられてくれるなら、わんこ的な名前を考えてあげるところだけど。
 ……私は深雪。もう暗いわ、気を付けて帰るのよ?」
同じように名乗って、その背を見送ろう。
2人を出会わせた黒猫さんが、最後に少年に向かって「にゃあ」とだけ、短く鳴いた。

相模原孝也 > 「いかに話しやすくても、初対面の女性には話せない、オトコノコの世界があるのですよ…。」
ふっ、と視線を逸らして注げる言葉は、要するに言いたくないというわがまま?だった。

「ん、いけるようなら大丈夫ですね。 人に慣れてる猫ばっかりでしょうし、可愛がれると思いますよ。」
場所の確認ができたようなら、ネット回線を切って、スマホはポケットに突っ込んだ。

「ええ、素敵なことが多かったので、素敵な夜でした。
 美雪さんですね。そちらも気をつけて。 縁があったら、またあいましょう。
 ……にゃんこもな。」

また、と告げて小さく手を振れば、背を向けて歩き出す。若干早足だったのは、アイスの溶け具合のせいだけど。
帰りの道行で見上げたのは、空に浮かんだお月様。
……あれが砕けたら、怒られんのかなあ、とか考えながら、今日のところは急いで寮へと帰っていった。

ご案内:「常世公園」から相模原孝也さんが去りました。
深雪 > 少年が去れば、再び静寂訪れる。
月を見上げたままに黒猫さんを撫でて、のんびりとした時間が過ぎていく。
やがて、膝の上の黒猫さんが、そのまま丸くなって寝息を立て始めた。

深雪 > このままここで、猫と一緒に寝てしまおうかと、思う。
本来であれば少女が公園で寝るなど、物騒極まりないが…
…暴漢がこの少女を襲っても、翌朝の新聞に事件の記事は載らないだろう。
恐らく、被害者となるのは暴漢であり、そしてその死体さえ残らない。

「………………。」
そんな自信があるからこそ、こんな時間に、こんな場所で、佇んでいるのである。

深雪 > やがて、少女は本当に寝息を立て始めた。
黒猫を抱きかかえるようにしながら。

ご案内:「常世公園」から深雪さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にサイエルさんが現れました。
サイエル > 曇らせる。
静かに、煙草を吸いながら
ベンチに座り。そっと、何かの資料を閲覧する。

「……風紀委員、入院、ね……それと、式典委員、あとは指名手配? っつうかとりあえず、重症な子、ね」

ふぅっと一息。
入院患者のリストをインストール。
PCで圧縮ファイルを解凍。
表示。

「ふーっ……佐伯貴子。サヤ、なんだこれ、読み方わかんない。後ろだけわかるわ。楓? の三人
退院したのちの、フォローね。まぁ、妥当だわな」

耳だけをすませる。サーチはできる。拾える。
情報もある、特定もできる。
なら、心拍数、脈拍数、脳波まで
かかさず把握は可能だ。何かあったら駆けつけることぐらいはできる。
まぁ、保険医の範囲で、だが。

「はぁ……久々に着た仕事がこれね、あとで資料をまとめて
 他の奴にも配っておかないといけないし、ふぅ……
 なんともまぁ、大変だ」

親がいるなら、そこへの連絡なども視野に入れねばいけないだろう。

まぁ、何もないといいが……ないとは言い切れないからこその”入院”なのだ。
懇切丁寧にいつでもフォローできる体制がありゃいいが
そんなものはこの島にはない。
なにせここはモルモット、実験場だ。

「……でも面倒だから、適当にぶん投げようかなぁ……
 ほかの保険医さんのがいいでしょ……女だし……」

ふーっと紫煙を再び漂わせて。
くぴっとウォッカを口に含んだ

サイエル > 人は、いつ死ぬか分からない。
何が、どう起こって、肉体の変化を起こし
それが連鎖して、死にいたるかなんて誰にもわからないのだ。

手術が成功した。だが、その手術が血流をよくし過ぎて。
脳でそれがつまり、死にいたる、もしくは下半身不随。
あり得る話だ。何度も見てきた。

――何もないってやつが逆に怖いってことをよく、知っている。

――強い、優秀……それだけじゃ、何もできないことをよく知っている

――運命が残酷だと、よく知っている

――ひとりでは、限界があることを、よく、知っている

「……あぁ、面倒だ。サボりてぇ」

サイエル > 「ま、時間が合えばね、時間が合えば」

ひとりごとが増える。
思考の整理もあるが、年をとるとこういったことが
増えてしまうのが特徴だ。
だから仕方ない。

「まぁ、子供たちで駄目そうだったらね。手を貸そうね、うん」

できることなんてそう多くはないが。
まぁ――生きている命を助けるくらいは何回かできるだろ。

「――今度接触して、経過確認かね」

病院との連携も考えなくては。
それに最近は事件も多い。本土のほうにも飛ばすこともある

大忙しだ、あぁサボりたい

「……だれかかわってぇぇぇ……」

悩みは尽きない

ご案内:「常世公園」にライガさんが現れました。
ライガ > なんとなく、静かな場所へ行きたくなったのだ。
特に他意はない。

何かの袋を提げた青年が、ぶらりと訪れる。
ぼーっと空でも眺めて過ごそうとしたのだが、……どうも先客がいたようだ。

「……あれ、保健医の先生だよな。
……サボり?」

サイエル > ふーっと、上を見ていたら
そっと声をかけられて、かくんっと首を元の位置に。

「……はい、保険医ですよ。しかし、今は急患いないので
サボりじゃありません、パトロールです、パトロール」

からからと笑いながら、煙草を指から口に戻し
煙を肺に入れていき、吐く。

「そういう青年こそ、サボりですか? 取り締まる?」

教員証をぷらぷらさせて

ライガ > 「あ、やっぱりそうか。
えーと、サイエル先生だっけ?
あんまり保健室利用しないからうろ覚えだけど」

教員証を確認すると、やはり、とうなずく。
車止めに腰を下ろすと、にやりと笑った。

「いや、空を眺めに来ただけさ。
誰だってそういう日はあるだろ」

提げている袋は、薬局のものだ。
よく見れば、目薬らしきものが入っているのが見えるだろうか。

サイエル >  
「サボタージュサイエルとはおれのことだよ?」

顎をさすりながら、くつくつと笑って。

「よく空を見るのに、目薬が必要なわけね。なるほどね?」

なんて冗談っぽく。

「薬局帰りってことは怪我でもしてるのかい?」

ライガ > 「それ、自分で言っていいの?」

苦笑する。
サボタージュサイエル、妙に語呂良いのがなんとも。

「あ、僕はライガ。学生だけど……

ああ、これ?
昨日くらいから視界がおかしくてさ。具体的には時々ぼやけたりするんだ。
眼科行ったんだけど、単なる疲れだとかで取り合ってもらえなくて。
一時的なものだといいんだけど、もし霧視だったらやばいかなーって」

サイエル >  
「あっはっは、いいのいいの。サボってる保険医なんてたっくさんいるから」

額に手を当てて大笑い。
大爆笑しつつ、くいっとウォッカをあおる。

「学生ね。体格的に23くらい? なにか格闘でもやってるね
筋肉のつき方がそれっぽい……
ふぅん……だったらしっかりとした人に見てもらったほうがいいかもね
異能の影響、もしくは魔術の影響かもしれないよ。そっち方面の。専門家にね?」

じっと全身を一瞥した後
静かに、つげて。煙草を揉み消し
新しい煙草をつける

ライガ > 保健医って、具体的に何やってる仕事なんだろう。
そんな疑問が頭をよぎるが、深く考えないことにした。

「うわ、格闘技術はともかく年齢まで分かるのかよ。気持ち悪っ
…それ女の子見るとき便利だろ」

初対面の相手に失礼である。
それはともかく、専門家、という言葉に唸り。

「異能は僕、入学時の検査でないって言われたし、それっぽいのは確認してないけど。
魔術、魔術かー。何かの代償、ってのは考えられるけど、
心当たりありすぎるんだよね……
……もしくは、この症状が魔眼だったら面白いけど」

はは、と笑い飛ばし。

サイエル > 「筋肉や骨格、声質とかね。まぁ適当だよ
おや、あたったの? あっはっは、勘も捨てたもんじゃないねぇ」

冗談なのかホントなのか分からない言葉を吐いて。
そっと視線を下に落として、煙草を曇らせる

「ありそうだねぇ。そのあたりに打診してみたら?
 都合のいいことにここは、そっち方面には分かるやつが多い
 私は専門外だ。とくに魔術はね」

おおこわいっと呟いて。
肩をすくめた

ライガ > 「て、適当だったのかよ……
いや確かに23だけど!図星だよ!」

茶化しているようで、ちゃんと視ているようだ、観察力鋭すぎる。
ただの保健医じゃ、ないのかもしれないが。

「んん、そうすると研究区にでも行って探してみるかなー。
ありがとう、おかげで方針が決まったよ。
……もし異能だった時は、また相談してもいいかな。就学中に発現するってケースがないわけじゃないらしいし」

サイエル > 「適当だよ! わかってたまるか! お前女は化けるんだカンナ!
 最近男だって化粧する時代だぞ!」

逆切れである。
ノリで、叫んでみてまた大爆笑。

「うんうん、そうしてくれたまえ。虎のような青年よ
 えー……どうせだったら美人を診察したいが……
 まぁ、気が向いて時間の都合がよければね。いいよ」

ライガ > 「いや何に切れてるんだよ……
くくっ、ただの八つ当たりじゃないか」

思わずツッコむが、やがて笑い出した。

「っていっても、僕の知り合いには診察必要な美人なんてそうそういないよ?
……あ、そういや。美人で思い出したんだけど」

ここで神妙な顔になり、声のトーンを落とす。

「風紀委員で、拉致られた子いるらしいね。
生きて帰ってきたみたいだけど、知り合いだから心配なんだよねー」

知り合いというか、危うく不法滞在になるところだったのを助けてもらった恩があるのだが。

サイエル > 「あぁ、拉致、ね……入院してるみたいだよ、明日には退院……
 とか言ってたかな? 暇があればいってあげたら?」

静かにそう告げて、資料――PCを閉じる。

「あ、今の秘密ね。極秘だから」

しーっと鼻に手を当てて。
立ち上がり、お酒をかばんに詰めて。

「――病人を襲わないようにね? これ一応あげるよ」

そっととあるゴムを胸ポケットに突っ込んで
その場を後にしようと。

「さ、私はそろそろ失礼するよ。お大事に。身体には気をつけてね」

ご案内:「常世公園」からサイエルさんが去りました。
ライガ > 「ああ、明日帰ってくるのか。じゃ、なんか持ってかないとな」

極秘、と言われれば頷き。

「ああ、わかってる。

あ、ちょっと!
そう言う意味で言ったんじゃないって。
単純に心配なだけで……」

……行っちゃった。
ポケットには例のゴム。

「どうすんだこれ……」

途方に暮れる。

ライガ > 「どうすんだ、これ……」

再び呟くが、その声は風に溶けていった。

「……帰るか、病人にストレスかけるものヤだしな……」

ご案内:「常世公園」からライガさんが去りました。