2015/08/23 のログ
蒼穹 > …分かる?だから、ね。
私は楽しく生きたいんだ。他の何を差し置いても、最っ高に楽しいって、そう思える生を為したい。
長い一日、長い時間を、出来るだけ愉悦したい。…あはは、なーんて、ね。
そうそう、時計塔。良いよ、あそこは。酔狂な人が集まって、登る。面白いって思うよ。
…自分でそう思ってるから、そうなんじゃない?
多分キミ、ガサツなタイプでしょ?男勝りも相俟って、自分が可愛くなーいとか、そんな風に思ってるんじゃないかな。
ああ、それとも。女の子として見られるのがイヤな事情でもあるのかな?

(こういうタイプ、殊に武闘派とも言うべき、女剣士を思わせる彼女は、
勝手ながらそんな感じなのだと思っていた。幼いころから剣を取っていたのだろうか。
見上げる空は、紺と言うには濃く、黒と言うには青い。そんな色合い。)

はぁ、やっぱりね。そう思ってるからダメなんだ。
きっとキミと話が合うやつだっているって思う。自分から遠ざけて寂しいなんて、それはダメだよ。
友達は多い方が良いさ。
勿論、ちゃんと話を聞いて、笑い合って、楽しみも悲しみも分かち合える様な、そんな人に限るけどね。
…友達、か。

(やっぱり、続けるのは例の普通の女の子。友達といって出てくるのは色々いるけれど。
確かに、彼女は近寄りがたい雰囲気だった。
虚ろな、淵の様な黒色の目と、男言葉を操り豪放磊落な性格。
話せば、素直だし、ちゃんと話も聞いてくれる良い子だけれど、話す前から敬遠されていそうだ。)

あはは、気遣ってくれたの?嬉しいな。
…ま、概ね人間なんだけどー
―――破壊神、やってますっ。

(誇るべき事なのだろうか、分からないけれど何故か気持ち胸を張っている。
取り敢えず、人の皮を被ったロクでもない存在である。)

嫌いじゃない、ね。好きって言っちゃえばいいじゃん。そっちの方が楽しいよ?
もうちょっと、柔らかい雰囲気の方が良いんだろうけど、それがキミなんだろうねー。
ん、じゃあサキと呼ばせてもらおうかな。好きに呼んでよ。
…ふーん、意外と。力は何処で使ってるのか…ちょっと気になるけどー…。

(じー、と、先程から気になっている二振りの刀を見遣りながら。)

んー、と。ま、風紀委員は風紀委員でもサボりってトコかな。
不真面目にやって不労所得貰ってるの。ま、一応最低限働きはしてるけどさ。

(サボリであることを悪びれる様子は全くない。無邪気に、悪戯にくすくす笑いながら、
冗談でもいうかのような言い方。)

錐葉 咲 > 「気持ちはわかるっていったら嘘になるなァ、私は睡眠を取るからね。
でも、何となくその立場になって考えれば察しは付くってとこだっての。
楽しいだけを実感できる生涯ってのは、素晴らしいモンだろーなァ。
ごまかさなくてもいいっての。なーんてねとかいってマジで思ってるんっだろーが。
あんたも随分性格悪ぃなぁ、それじゃ酔狂なやつらをみて面白がりにいくみたいじゃねーか、っはは、ま、あたしも性格悪ぃからそー思うんだろうけど。
・・・女の子としてみられるのがイヤなわけじゃねぇ、可愛い可愛くないとかは考えたことがねぇ。
・・・強いて言えば女の子として見られたことがなかったってとこだなぁ。
ガサツなタイプ・・・、まぁ間違っちゃいねーよ。」

女の子らしいことを昔からしてきてない自分にとっては無縁だったこの答え、
刀を持たざる終えなかっただけ・・・、その日常が私にとっての《普通》となっただけ・・・。
まぁ、それは別の話なのだが。
再び視線を向けた空、眼が星の光に慣れたのか先ほどよりもよく見える・・・。

「わかったわかった、あんたに負けたっての。
はぁ・・・、ちったぁ努力してみるもんかね。
あんたみたいな物好き・・・・、はは、失礼だったか、
あんたみたいな奴を探すとするかねぇ。」

意見をはっきり言って判りやすく面倒見の良いやつだな、
此方に対しての言葉は全く嫌な気はしなかった。
見た所この人当たりの良さだ、知り合いは多いのだろう。
あたしにできるもんかねぇ、と心で呟く。
自信があるかないかといったら、無い。
けど努力だけはしてみるつもりだ、幸いやるまえから諦めるような根性なしではない。

「多少はきぃ使うっての。差別っぽいのはどーしても嫌いなんだ。
・・・はァ?・・・あー、うん。わかった。」

破壊神やってます?
これは困った、久しぶりに困惑を隠せなかった。
破壊神?かつ風紀委員?全く結びつかない上に本当かどうかも定かに見えない。
まぁ・・・、これからわかる筈だろう、こういったモノはきっと言葉では伝わらない、そうだ、きっとそうに違いない。自分に言い聞かせた。

「調子狂うなァ・・・、けど気分はわるかねぇよ。
あんたとの会話は好き、とでも言っておけば満足かっての。
そっちが呼び捨てならあたしもソラと呼ばせてもらう、あたしの方も好きに呼びな。
・・・?」

彼女の視線の先、私の持つ二対の刀へと向けられていることに気がつく、あぁ・・・、といった感じで言葉を口にする

「力の使い道ねぇ、まぁ強いて言うなら正義の悪をやってますってか、はは、風紀委員の前では詳しく言えねぇなぁ。
で、この刀をそれを執行する為の道具ってわけだ・・・。」

曖昧なニュアンスで伝えておく、
まっすぐな答えを送ればそこで起きかねない戦いの火蓋。
それだけは今は避けたい、何となく、彼女とは戦う対象になりたくない、
そう思う自分がいた。

「あんたも案外不真面目なとこあんだなぁ。
っは、案外性格は違えど似た物同士って可能性もあるかもねぇ。
あぁ、心外ってか?っははっ!」

冗談交じりの言葉を紡いで笑い飛ばした。

蒼穹 > あはは、そういうの、誤魔化さないんだ。うん、…そういう風に、いってくれたら嬉しいな。
…あ、分かっちゃうんだ、ね。そういうのも。…うん、マジで思ってる。
だからさ、なるべく楽しめる様に思いたいし、なるべく楽しめる様な選択をしたいと思ってるよ。
それこそ、何を差し置いても。
あっはは、そういうものでしょ?
それに、私は私自身、相当酔狂だと思ってるからね。
見られ見せあい相見えて。そういう場所だよ。普通って思ってた子も、異常に見える子も、色々な人が、
あの馬鹿高い塔に登る。面白いでしょ?キミが性格悪いんじゃないさ。
…ふぅん、そういう感じ。…うーん、どうかな、家族に恵まれなかった、って、そんなトコかな?
勝手な想像だけど。
(両手を後ろにつく感じで、足をぶらぶらさせながら。
横目でどうよと問い掛ける。何処を見ても、背景には黒とも紺ともつかぬ地。)

勝ち負けの問題じゃない、キミは良い奴だから…余計なお世話を焼いたげる、ってそういう感じだよ。
見た目は恐くて、喋り方も態度もガサツだけど、それこそキミの言葉で言えば嫌いじゃないって所。
ま、物好き扱いは不本意だけどさ、寂しい寂しいなんて思ってる内はどうしようもない。
でも、また機会があったら、公園でこうして会いたいな、えへへ。

(遠まわしに、お友達にならないかいとでもいうかのように、馴れ馴れしげに、フレンドリーに、そんな視線。)

あはは、流石にちょっと引いちゃったか。
ま、他の人間を完全に破壊の為にスペックを引き上げて神格を作ったっていうか…。
…どういう存在で、どういう過程を経て、何から得られて破壊神になったか、
それとも元々破壊神だったかなんて私も知らない。
もし知っていたとしても忘れちゃった。…でも、私はそういう存在なんだってさ。

(困惑の色を示されるが、無理もない。自分だって、自分の存在も理解していないのだ。
だけど、その質問は人間がどうして人間なのかを人間に聞いている様なもの。
その困惑を解く事は不可能であり、彼女の思うように、言葉では通じないのだろう。)

そういうもんだよ。
だーから、それを断定型で止めなよ。「あんたとの会話は好き」って。それだけでいいの。後はいらない。
んじゃ、サキって呼ぶね。

…あはは、正義の悪。
あー、大丈夫大丈夫。私は風紀委員だけど、さっきも言った様に不真面目なんでね。
正義って言葉は嫌いだけど、不労所得と情報と地位の為に風紀委員やってるようなドクズだから大丈夫さ。
ふふ、大丈夫だって。何だったら、手合せしてみる?

(彼女らしからぬ、歯に衣着せた物言いだった。
正義の悪、だなんて格好つけたつもりなのだろうが、逆効果。
無邪気とも言うべき好奇心をそのままに叩き付けた。
彼女の思いなど露とも知らない。)

ん?案外ってワケでもないさ。私は凄く不真面目。
授業もほとんど出ないし、委員会活動は最低限。似た者同士、か。
心外じゃなくって、案外、そうかもしれないね。

(薄く笑みながら小さく頷いて。)

錐葉 咲 > 「適当に誤魔化せるほど器用じゃねーの。喜んでくれたならあたしは満足だって。
ははっ、冗談で言えるようなことじゃねーからな。
じゃああれだな、今あたしと会話してて楽しいっていう選択を取ってると、思っていいってことか。案外話せるモンだな、あたしも・・・。
酔狂な奴ねぇ。そんな奴らが集まるのなら、あたしも景色でもみて何か変わるもんかもな。
感動できるなら一度行くのも悪くねぇな。
いーや、家族に恵まれなかったわけじゃねぇよ、単純な、事故があっただけかな、何れ話す。それまでまってくれないか?」

何となく、彼女には何時か話すときがくるのだろうと思うところがあった。
しかしそれは今じゃない、今ではないほかのとき、そのときは何時か来る・・・必ず。
横目でちらりと彼女を見て、こくりとひとつ頷いてみせる。
大丈夫だ、と暗に告げるように。

「ありがたい話だ、じゃあお言葉にあまえてソラのお世話を受けるとするか。
ほめてるのか馬鹿にしてるのかどっちだよ、ったく、しょうがないな、あたしも嫌いじゃねぇよ、いや、ソラの言葉で言えば好きってとこか。
・・・、いつでも来いっての。あたしはよくこのあたりでぶらついてるし、あー・・・、これ、番号。やるよ。」

ん、っと言ってぶっきら棒に適当な紙に書いた番号を渡しておく、どうやら通信機器は寮においてきたらしい、なんだかこっ恥かしいのかそのフレンドリーな視線を逸らしてほほをかく。
彼女からの遠まわしの声に答える自分なりの必死。
何時かは眼を合わせて笑い会える友達になれるだろう・・・。

「いや・・・、引いたって言うか、ありえない話じゃねーし、
信用できるかどうかってとこだった、って思ったが・・・。
どーやらその感じ、ほんとうみたいだなぁ・・・。
・・・じゃあもしソラが破壊神ってのになった理由を思い出して、
困ったらあたしに相談しな、一緒に考えるっての・・・。
友達ってこーゆーもんだろ?たぶんな・・・あ、見返りはいらねーよ。」

自分でも驚きを隠せない、こんなことを話すときがくるなんてと疑うばかりだ。
なんとなく彼女との会話は居心地が良かった・・・。

「わかった、ソラとの会話は好き、これでいいんだろ?
正義を翳して力の暴力を振るったその時点で人は悪そのものになるんだ、どっちも変わりはしないってね。
大体わかってきたが・・・、飾りみたいなもんなんだな、風紀委員。
ソラの言葉を使えば、ドクズなんかじゃねーよってとこか。
手合わせか・・・、そういうことなら、さっき渡した番号で今度呼び出してくれ。
今日はちょっと眠たいってとこだな、どーせなら本調子がいいだろ?

(くっとのどを鳴らして笑う、彼女の好奇心を今受け取っても良かったが、今日は時間的に遅い上に自分は眠気が来ている。
彼女には無い生理現象だろう・・・。彼女にはそこについて気をつかわないでおいた、きっと彼女もそうしてほしいと思うだろうと予想して

「ははっ・・・、似た物同士でいいじゃねーか。
友達だしな、・・・・。
━━・・・、
あー、あれだ、今日は・・・帰るわ、またな?」

意外だった肯定的な意見に彼女の微笑み、
こういう表情を向けられたことが殆ど今まで無かった故に
直視はできなかった、視線を逸らして先程同様ほほを照れ隠しにかいては今回は別れの言葉をつげて最後に

「ありがとな。」

一言だけ付けくわえてそのまま去って言った。

蒼穹 > あはは、そっかそっか。良い子だよね、サキは何にしても。
そういう事。見た目も態度も関係ないさ。結局、こうして真摯に向き合ってくれてる。それがとても嬉しくて。
さぁ…?でも、高い所にさ、不思議と登ったら、どーでもいい悩みなんて忘れちゃう。
心が晴れる。そんな気がする。その景色は、とても綺麗。私は綺麗以外の言葉が思いつかないけど…。
へぇ…事故…事故ね。災難、だったね。…あはは、話してくれるんだ。
心の整理がつかないって、そういうやつかな。うん、勿論。話したかったら何時でも話してほしいな。

(彼女が、女の子として見られなかった理由。
体型もアレだけれど、彼女は立派な女の子だろう。
刀が関係しているのだろうか。…勘ぐるのは止めておこうか。
彼女の中では、もう完結しているのだ、決意めいた、そんな頷きを見えた。)

あはは、これでも大分ババアみたいで、ついつい御節介焼いちゃうんだよ。
なんていうかさ、人と関わるのって楽しいって、そう思うから。
…褒めてるさ。好きだよ?あはは、流石に率直に言うのは…ま、そうかな。
う、うん?あ、ありがと。…っていうか携帯使えば良いじゃん。…ま、いっか、今度かける。
いやでも、この…ああもう!ちょっと待ってて!
(さっと適当な紙切れに綴られた番号を見遣れば、端末を取り出して入力作業。それから、)
…はい、これが私のメアド。あ、大丈夫、サキの番号はこっちに登録したから。
(彼女から渡された紙の裏に、ボールペンでさらさらと己の端末のメールアドレスを書いて、渡し返す。
ぶっきらぼうであるけれど、ガサツで乱暴であるけれど、話は分かるし、悪い子じゃない。
逸らされた視線は、お友達づきあいになれていない事の印なのだろうか。)

…うん。あはは、ありがと、嬉しいな。
でも、大丈夫。後悔はしてない、してないんだ。
破壊神でも、楽しかった、からね。
でも、そう言ってくれるのは、とても、嬉しい。
うん…お友達、だから、さ。その、逆にサキが何か困ったら相談してよね。
御節介焼くの、好きだから。

(しんみりと、感銘を受けたかのように、嬉しそうな笑みを表情に湛えながら。
こんな事を話すのがはじめてな彼女と同様、こんな事を言いだしてくれる人と合うのも、己は初めてだった。
男言葉を操っているが故か、その語りは、頼もしく聞こえる。)

あはは、ありがと。私もサキとのお話は好きだよ。
…ん、じゃあ、どうかな。悪の名の下力で暴れたり、とか。
ああ、でも、最近は一応それっぽいことしたんだけどね。路地裏で怪異退治。
…もう遅いか。ちょっと、この事についても…最近何となく、悩んでるしさ。今度聞いてほしいな。
あっはは、破壊神相手に物怖じせず、そんな事言ってくれるのもキミが初めてかな。
うん、夜だしね。ゆっくり寝なよ。クーラーの付け過ぎには注意、だからね!
気、使ってくれなくていいよ。寝れなくて嫌って思ってもないし、破壊神なのが嫌って思ってもない。
…だけど、その、ありがと。
(豪放磊落たる振る舞いを見せていた彼女の、細やかな気配りには気付いた。
本当に、良い子なのに。勿体ない。
それから、きっと彼女なら、何でも親身になって聞いてくれると思った。
理由は、それこそ言葉で表せないけれど。とても良い子なのだ。本当に。)

あはは、そうだね。お友達だし!
―――そっか。うん。

(だから。いつか、共に向き合って、笑い合える日が来れば。
今日は、初対面の御友達。では、次は―――。)

どういたしましてーっ!こちらこそー!

(去って行く、彼女の背に、その言葉は届いたろうか。)

錐葉 咲 > a
ご案内:「常世公園」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から錐葉 咲さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にダリアさんが現れました。
ダリア > ベンチに座っているダリアは笑顔を見せていた。安堵に胸を撫で下ろしながら。
近い内に、あの人が執行猶予付きではあるが、開放されるらしい。
更に言えば条件付きで面倒な仕事を押し付けられるが、あの人には問題ない仕事だ。

「ま、残りのわたしの仕事と呼べるのは、講義ぐらいかしら。」

執行猶予にする為に働きかけて、教員証の資格も手に入れて。
一番困難だったのは教員証の資格だ。
あの人が纏めておいてくれた資料がなければ、ダリアが受かるには困難だった。
ソコに関しては感謝せねばならない。

ベンチに身体を横にしながら考える。
恩を与えて、返されて、協力し合いながら生きるのが家族だと、あの人は言ってた。
正に其の通りなのだろう。
今もこうして協力してるのだから。
釈放に関しては余計なことをと愚痴られそうで怖いが、知ったことじゃない。

ご案内:「常世公園」にやなぎさんが現れました。
やなぎ > カフェテラスで嶋野陽子と話をした後、
やなぎは誰かを探すようにそのへんを歩き回っていた。

「…ああ、あそこは。」

そうしているうちに、たまたま常世公園を見つける。
―事件のあった場所だ。あまり目を向けていたくなかったが―
その園内でベンチに座る目的の人物をを見つけた。

「あ、いた。」

乱れた服装を整えながら、中に入って近づいていく。

ダリア > 「ちっぽけなものよね。」

横になりつつ、胸ポケットに取り付けられてる教員証を取り外す。
取り外してソレを、暗くなりつつ空へと掲げて。

「こんなものが、権威の証明にもなるのよねぇ。」

本当にちっぽけで、なんと大きいことか。
こんなのに踊らされて、牢獄にぶち込まれた親が居るらしい。
件に関しては別件ではあるが、教員であるが故に問題が大きくなったのだ。
いやはや、ある意味で恥だ。

「たくっ、ん?」

溜息を漏らして、明らかに此方に進行してくる足音が一つ。
視線を向けてみれば、彼だった。
少しぶりだが、見た感じだと、私に要件があるのだろう。
横になりたい欲求はあるのだが、溜息をまた吐いて起き上がった。

やなぎ > 「すみません、ダリア――先生。」

外で軍の階級を口にするのはあまりよくないために敬称を変える。
軍服を着てる時点で今更感はあるのだが。

「お時間よろしいでしょうか。頼みごとがいくつかありまして。」

暑いのに制服のボタンまでしめて、彼女の前に姿勢よく立った。

ダリア > 「好きにすればいいじゃない、わたしは聞いてるから。
勝手に話せばいいわ、聞いてるから。」

無自覚の上目遣い。
見上げるようにして、やなぎの顔を見ながら告げた。

幾つかの頼みごと。
個人的な用事は既に終えたのだから、彼に協力しても問題はない。
終える前だったら断っていた。
ある意味で彼は運が良いのだろう。

「で、幾つかの頼みごとはなに?」

やなぎ > こちらを見てくる彼女の上目遣いに気づくと、体に緊張が走った。

ガンとばされてる・・・

一度深呼吸をして落ち着かせてから口を開く。

「…わたし、この学園の生徒になりたいんです。
 あなたの補佐も考えましたが、まだ知識もなにも足りず、
 足手まといになってしまいますしね。
 
 それに命(めい)だったのも、今では…。
 
 軍籍はそのままで、辞めません、それはほんとに辞めたくないんです。
 少しの期間だけでも…
 進学を、どうか許可願えますでしょうか。」

敬意をもって、深く礼をした。

ダリア > そんなことか、と。
何を言われるかと思えば生徒になりたいだった。
対しての解は直ぐに出た。

「"好きにすればいいじゃない"」

本来ならば、許可されないことだろう。
当たり前であり、当然の話だ。
軍を辞めるのであれば関係ない話だが、継続しつつ学籍も取るとすれば。

「好きにすればいい。だけど私は中途半端は許さない。
貴方、軍での功績など良くないわよね。
普段の素行調査からして、真面目に行っているとは思えないわ。」

「軍というのは集団行動を主として動く。
"特定"の誰かとばかり組んで訓練してる貴方に、常識を理解することも出来てない貴方に。」

「学業が務まるのかしらね。どう思う?
やなぎ二等兵。」


当然の疑問を投げかけた。
返答次第では許可は許さない。

ご案内:「常世公園」に嶋野陽子さんが現れました。
やなぎ > 「う…。それは……」

頭を上げ、ばつが悪そうに目を伏せた。
当然も当然だ。しかも軍にいた頃よりももっとひどい。
自分はこの島に来て何をした?
自宅警備ですらままならないのに。

すぐにははっきりとした答えを出せなかった。
しばし考えながら、ぽつりぽつりと言葉をつむぎだす。

「…ここには味方は誰もいませんでした。
 ですが、悩みを真剣に聞いてくれる人がいたのです。」

「自分の進む道の、ヒントをくれました。」

「軍にいたころはほんと駄目で、その通りなんですけど!
 この島で、見知らぬ方々と少なからず関わって、分かったことが ありました。」


「…わたしは井の中の蛙でした。
 ここでいろいろ勉強して、素行も見直して、それで、軍に堂々と戻りたい……。」

まったくもって上手く言えない。悔しさで片手で拳を作った。

ご案内:「常世公園」から嶋野陽子さんが去りました。
ダリア > 「貴方は何もわかってないのね?
綺麗事の言葉を並べて、それで許可がもらえるとでも?」

「貴方は大事な事を分かってないのよ。
一つの事が真面目に取り組めないのに、他のことに関して取り組んでも、結果は同じでしょう?」

「言葉では幾らでも言えるわ。
"悩みを聞いてくれる人がいた"
"堂々と戻りたい"
"分かったことがありました"」

ダリア > 「だからなに?」
ダリア > 「"軍"での行動すらお世辞にも出来てると言えない。」
「そんな貴方が学業に励んで、それを軍へと活かせる保証は?」
「誰が保証するの?そんなことに?」

上目遣いのままに。
彼女の言葉は刺を含ませながら続いた。
それは全て事実だろう。
脳筋だの言われてる彼女だが、見るべき所は見ているのだ。

さぁ、どう答える。

真紅の瞳は問いを投げている。

解を求めている。

答えろ、答えろ、と。

やなぎ > 「…っ!」

動揺と焦りが顔に浮かぶ。
その瞳に、問いかけに心が潰されそうになる。
―ここで負けたら終わりだ。
解はどこにある?
彼女の求めている答えがわからない。
それでも自分なりの答えを、綺麗事とまた言われるかもしれないけれど。

「一つ、言えるのは…」

握りしめた拳を一層強く握って
表情は変わる、決意へと。

「保証は…保証は今は誰も出来ない。だからわたしが態度で示します!
 ですから、どうか!」

ダリア > 「声を大きくして決意表明するのは勝手だけどさ。
学業に勤しんで何がしたいの?学園は学ぶ場所なの理解してる?」

大きく溜息を吐いた。
恐らく人生で人として生きてきて二度目の長い大きな溜息。
浮気をしたと疑われた父親を目撃した時。
結果から言えば、それは誤解だったのだが。

そして二度目の今。
やなぎは諦めだけは悪いというのは有名だ。
それがどのような結末になるのか、大方悪い方向だが。
いくら言っても聞かないのだろう。

「……はぁ。」

どうせ聞かないし好きにやらせてもいいか。
責任は父に擦り付けてやる。

「なら好きにすれば?貴方の道は貴方が決めればいい。」

やなぎ > 「でっ、ですから入学して、
 あなたの言う常識とか、素行を良くするとか、他にも戦闘技術とか学ぶんです!」

焦って焦って、声を荒げる。

ダリアの大きなため息、
そして好きにしろという彼女の言葉は、アレで認めてくれたのだとは到底思えなかった。

ああ、必死に考えた自分の答えが違っているのだと感じれば、

「………」

眉がハの字になった。

ダリア > 「だから何度も言うけど、前提として"軍"での素行や訓練の成績具合からして
まともに行えてないのに、どうして学園でなら出来るという自信があるの?」

「ま、別にいいわ。好きになさい。
学園に入るのも楽ではないと思うけど、決めたことなら貫き通してやるといいわ。」

ただし、と。

「一度決めたことなら、男なら曲げずに行きなさい。
いいわね?」

そうでないなら壊してやるわ、と。
彼に寄り添い、耳打ちで伝えるだろう。

やなぎ > 「それは…環境が変わったからです。やると決めたらやります。」

明確な理由はなく、なんとなくにしかすぎない。
だが軍にとらわれていた自分にとって、
ここは広く、不思議とそんな気になってくるのだ。

そして、このような学校に初めて入れることに期待していた。
前に住んでいた所では勉強ですらまともに出来なかった。


「―っひぃ!?わかりましたっ!それであのっ」

ぼそりと放たれた言葉に恐怖を感じた。

「連絡とか!学費とかどうすればいいですか!!」

ダリア > 公園から、やなぎの前から去ろうとして、踵を返したが矢先に、溜息を吐いてしまう事案が一つ。
連絡?学費?何を言ってるんだ。

「………はぁ。」

頭を抱えたくなってしまうが抑えて。

「学費は自分でアルバイトやらでもして稼ぎなさい。
自分が決めたことなんでしょ、誰かに頼るな。
連絡はわたしの連絡先を知ってるはずでしょう?そこでいいわ。」

わたしが学費まで出す理由は何一つとしてない。
与えられるのは助言までだ。

やなぎ > 「あの、あの…はい。」

若干涙目になりつつ頷く。
学費の問題は自分の給料から出すことに決めた。

「軍本部にも連絡しなきゃ…」

シインやダリアを通せる以上、認めてはくれそうだ。
どちらにしても、学校に入っても良いということなのだろう。

「あ、ありがとうございます!!授業でももしかしたらお世話になります!」

大声でそう言って、腰を直角に折った。

ダリア > 「…甘いな、わたしは。」

今ひとつ厳しく出来ない。
そんな自分が腹立たしいし、折れてしまうのも良くない。
授業できたらずっと名指しで選んでやろうと、考えつつ。
大きく髪を揺らしながら公園を去って行った。

ご案内:「常世公園」からダリアさんが去りました。
やなぎ > 「…………。」

ダリアが去るまでお辞儀をして、完全に見えなくなれば顔をあげて
長いためいきをついた。

「はぁぁぁぁぁぁーーー……むっちゃ緊張した…
 あー寿命消えた。はぁ…。
 …まぁ、がんばろ!」

がっくりと肩をおとし、引きずるように歩いて去っていった。

ご案内:「常世公園」からやなぎさんが去りました。