2016/03/03 のログ
霜月 零 > 「やめてくれ、なんだか心に刺さる…」

別に、これ以上モテても困るのだが、それでもちょっとちくっと来てしまう。

「(あ、これよくわかってないな)」

気の抜けたような返事を見て軽く察する。こういう時の彼女は、大体よくわかってない。

「んー、五行はこっちじゃマイナージャンルっぽいからな…いい感じのところがありゃあそれでいいんだが」

腕組みをしてうーんと考え込む。思えば、実家はそもそもそういう稽古をすることが前提だったのもあるが、環境として整っていた。
それと同じような環境をこちらに求めるのは、多少無理があるのかもしれない。

雪城氷架 > 「冗談だって」
相変わらずの調子で笑い飛ばして、再び向き直る

「いろんな文化が入り混じってるし、研究会とかありそうなもんだけどな…。
 まぁ、何にしても気だけはつけておけよー、どんな変なヤツがいるかわかんないぞー」

まぁ夜の公園で間食している自分が言えるようなことでもないのだが
3つ目の包みからてりやきバーガーを取り出して頬張る

霜月 零 > 「いやまあ、これ以上モテる気もないんだけどな」

氷架がいるし、と笑う。こういうところで、ナチュラルにノロけるのもいつも通りである。

「それもそうか…って、氷架が言うなよな。今、めちゃくちゃ無防備だったぞ?」

そのまま、横に座る。

「こんな時間に、こんなところで買い食いしてたら、それこそ何があってもおかしくねぇ。心配になるだろーが」

雪城氷架 > 「ん?そりゃあもちろん、あんまりモテられても私も困るしな…
 浮気とかしたら怖い目に遭うぞ?」

ナチュラルなノロケに鋭いカウンターが刺さる

「私はいいよ逃げるから。
 でも零は挑まれたら逃げないだろ」

むぐむぐ、頬張りながらもじーっと眼線を向けてそう私的
4つ目の包みからはエビカツバーガーが出てきた

霜月 零 > 「その気はないから安心してくれ。氷架以外は想像できねーよ」

微笑んで口にする。こういうことも、多少なら恥ずかしがらずに言えるようになってきた。それがいいのか悪いのかは謎だが。

「……まあ、俺は逃げないよなあ。うん、なんとなく、自分でもそう思う」

肩を竦める。
霜月零は健全な男子高校生だが、同時に武人でもある。
武人の矜持というものも叩き込まれている。それが、安易な逃亡は許さないのだ。

……それにしても、もう4つ目である。相変わらず多い。

雪城氷架 > 「それもそれで、逆に心配なんだけどなー…」
微笑みながらそんな言葉を口にする零を、苦笑するような顔で見つめて

「だろ?言っても私だって異能持ちだ。
 此処に来たばっかりの頃ならともかく今なら逃げるくらいはできるよ。
 でも零は相手が強くってもきっと背中は向けない。多勢に無勢とかなら別かもしれないけど…。
 ヤバいヤツだってわかっても一対一ならまずは刃を交えてみてから考える。
 零は絶対そーゆータイプ。だから心配なんだよ」

5つ目の包みから出てきたジャーマンポテトパイを齧りながらそう答える

霜月 零 > 「む、なんでだ…?」
んー?と首をかしげる。
浮気する気は全くないのだから、安心してくれてもいいというのに。

「……そうだな。俺は剣士だ。即座の敵前逃亡を厭うのは事実だな。
まあ、それでも……駄目そうなら、退くけどな」

肩を竦める。
……矜持よりも、大事なものを自覚してしまったのだ。屈辱だろうが何だろうが、戻ってくるためなら逃亡もする。
すでに一回、そのために全力の逃げを打ったこともあるのだ。

……そして、今の話のうちにエビカツバーガーが消えた。速い。速すぎる。

雪城氷架 > 「やっぱり考えれてないんだよなー…」

もきゅもきゅと頬を動かしながら、なんだか淡々とした言葉
それはその後の言葉にも続くように

「私も零ならそうすると思う。
 でもいざやってみて、駄目だったから退こうって言うのは言うなれば判断ミスだろ。
 その1回の読みのミスで、運が悪ければ死ぬことだってあるんだろ?
 それって私が何か事故にあって死ぬのと、零とっては何か違う…?」

人を斬ることができる刃を携えた零なら、きっとそれは理解る筈

しゅぱっ!というような勢いでフライドポテトが霊の鼻先をビシッと指す

「自分がそういう身の振り方してるのに、私は死ななくて当たり前に思ってるだろ、零」

じーっと見つめる、蒼い瞳

霜月 零 > 「う……」

痛いところを突かれた。
確かに……雪城氷架がうっかりの事故や、何かしらの原因で死ぬ可能性は十二分にある。
人生は、常に死と隣り合わせ。人間は、あっさり死ぬときは死ぬ。
それは、実感として理解しているはずのことだったのに。

「……目を、背けてたかもな。本当にそうなったら、って思うと、怖えぇ……」

俯き気味に口にする。
ああ、その可能性は……想像するだけで、狂おしいほどに恐ろしい。

雪城氷架 > 「零が私の事がめちゃくちゃ好きだってこともわかるし…」

指していたポテトをひょいっと霊の口へと放り込む

「私のことしか考えられないってことも、わかるよ」

多分ソレは自分も同じだから、という言葉は流石に口にできず胸に仕舞いこむ
こんな直接的でストレートなセリフを履けるのはこの男の口だけだ

「でもそんな零の前から私が消えたら零がどうなっちゃうのか、とか…やっぱり少し、怖い。
 少なくとも私の前から零が突然いなくなったり死んだりとかしたら、私自身どうなるかわかんないしな」

手元の包紙をくしゃくしゃと丸めて紙袋へと押しこむ
どうやら間食は終わったらしい

「…あ、勘違いするなよな!
 別に零の身の振り方が悪いってんじゃなくって、その、剣士なのは知ってるし…。
 そもそも私とは立場が違うってことはわかってるんだけどさ…」

言いつつ、僅かに不安そうな顔をする

霜月 零 > 「……優しいんだな」

小さく笑う。
要するにこう言っているのだ。
自分以外も見ておかないと、自分に万が一があった時お前はどうするんだ、と。
自分も同じ不安を抱えつつ、その上で零のことを心配してくれているのだ。

「…お互い、死なないように気を付けないとな」

刀に手を添えつつ口にする。
剣士の魂、自分にとっての相棒。
だが…極論、剣術というのは確率を上げるだけのものだ。
戦闘行為になった時、自分が勝つ確率を上げるだけ。武術を学ぶ、武装する、異能を扱うといった戦闘への備えは、いわば99.9999999999999999...の9を無限に書き足していく作業に過ぎない。
最後にはどう足掻いても、消えない1が残る。
故に…『絶対に残る敗北、そして死の可能性』を考慮するからこそ、一部の剣士は厭戦へと在り方をシフトしていったのだ。
だから…ためしもせず、危険を回避することを重点に置く。
そういう考え方に、自分も変えるべきかもな、とも考える。
自分にとって何より大事な場所が出来てしまったのだから。
そして、それ以上に…この人に、こんな不安そうな顔を、してほしくない。

雪城氷架 > 「そーだよ」

ベンチから立ち上がり、霊の胸板をどすっと拳で叩く

「万が一にも浮気しないほど好きって言うなら、
 こんな可愛い彼女、絶対絶対泣かしたりするなよな」

不安の正体は、きっと色々な違い。意識の違い、立場の違い
手をとり共に歩むといってもお互い片足だけは違う道を歩いている

「我侭言うつもりもないけど…たまに不安になることがあるだけだし、
 零がああいうこと言うからついなんか…私が死んだらどうすんのかなとか思っちゃっただけで。
 あ、あんまり気にするなよな!零は強いし、信頼してるからさ」

本来なら言及するつもりもなかったところなのか、少し取り乱したように慌てて取り繕う氷架

霜月 零 > 「はは、泣かせるわけにはいかねーよな。
だから、思うままに気にさせてもらうさ」

軽い調子で笑う。
その裏で、いつかは剣を置くことも考えた方がいいかもな、などと考えながら。
もし、『雪城氷架の恋人』と『霜月流の剣士』が両立できなくなった時…自分が手に取りたいのは、前者だから。

……にしても。

「(……)」

不安で、でも無理に気を遣わせたくはない。その上で、もしもの時の相手のことが心配だ。
そんな風に考えてくれる彼女は、やはり誰が何と言おうと『いい人』であり、それで取り乱して取り繕う姿は実に可愛らしい。
そう思うにつけて、少し我慢が出来なくなり…

「……ん」

取り繕っているところに顔をよせ、軽く唇を重ねる。

雪城氷架 > 「──!」

ここでされるとは思っていなかったので完全な不意打ちであった
とはいえ、これはこの間のお返し…というわけでもないのはちゃんと伝わる
言葉がなくても伝わってくるというのは、とてもここちの良いことだ

「…零さぁ…タイミング考えないと…唇、ポテトの油でツヤッツヤなんだけど…?」

照れ隠しにそんなことを言いつつ
再び、今度はこちらから、唇を重ねにいく

夜の公園の、街灯の下のベンチで、なんて
今時エロゲでもそうそうないようなシチュエーションだろうな、などと内心思いつつ…

霜月 零 > 「ポテト味だな?」

顔を赤くしつつ笑い、そしてお返しのキスを受け入れる。

……キスをしながら思う。
一緒にいたい。守りたい。離れたくない。
多分、相手も似たような思いを持ってくれているんだろうなと思いつつ、いろいろな決意を新たにするのであった。

雪城氷架 > 「……ん」

まぁ誰も見ていないだろうけれど、開けた場所であまり長時間というのも恥ずかしい
本心は少しだけ惜しみつつも唇を離す

「……ほら見ろテカテカになった」

名前は知らないけどポテトを頼むとついてくる紙のナプキンのような謎の紙を手にとって少し乱暴に零の口元を拭う、ぐしぐし

しながら、少しだけ眼線を泳がせて

「…なんかちゅーしたら変に安心した。
 このまま安心しっぱなしでいーんだよな?零」

霜月 零 > 「はは、悪いな」

ぐしぐしと素直に拭かれつつ、空いている方の氷架の手を両手で包み込んで、はっきりと口にする。

「当然だ。安心しっぱなしでいいように精一杯頑張るさ」

……ここで、絶対に大丈夫、と言い切れないあたりがヘタレなのかもしれない

雪城氷架 > 自分よりも一回り以上大きな手
きっとその手は自分を守るために刃を握る手でもあるのだろう
それでもその手は温かい
安心を、加速させる

「んー……なら良しっ」

ベンチから立ち、鞄を肩へとかけ直す
ゴミとなった紙袋を宙に放ると空中で何度か氷の粒が弾ける勢いに押されて公園のくずかごへとシュートインした
我ながら力を使いこなせるようになったと褒めてやりたいところだ

「丁度良いや。
 風紀委員が見まわってるとはいえ、折角だし送ってってよ」

言いながら、その手を引くようにして公園を出て行く
ここから女子寮まではちょっとした距離
零の住む男子寮へは少しだけ遠回りになるけど、きっといつものように快く送っていってくれるのだろう

霜月 零 > 「お、力使うの上手くなったな?」

目ざとく見つけて感心する。
以前はもう少し大雑把な使い方しかできなかったはずだが…こういう細かいことができるのは見事といっていいだろう。

「おう、喜んで。その方が一緒にいられる時間、長いしな」

微笑んで、歩調を合わせるようにしてついていく。
多少の遠回りは気になりもしない。そんなことより、氷架と一緒にいる時間が長い方が、圧倒的に重要なのだから。

ご案内:「常世公園」から雪城氷架さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から霜月 零さんが去りました。