2016/05/06 のログ
メグミ >  
(東洋の神獣? アイヌ? 北欧?
 ――あの女の子の服はアオザイに似ている気がしますが――
 あるいは魔獣王リリス・リリィ・リリィと白狼のローファですが、
 まさかそんな筈も――)

 思案に思案を重ねる。
 そうしているうちにいつの間にか眠っていた少女が起きた。

 ……数十秒ぐらいして、それにようやく気付く。

「…………あ、ごめんなさい。もしかして、起こしてしまいました?」

エリン > 目をごしごしとしてからもう一度女性を見る。
まだ眠そうな顔をしているが、ふわっとした笑顔をむける。

「いえ、大丈夫ですよ。
起きたのはこの子が動いたからですから」

ぽむ、と狼を軽く叩き。

「こんにちは、お姉さん。
私はエリンっていいます。
お名前をきいてもいいでしょうか」

メグミ >  
「そうでしたか――あ、はい。
 風紀委員、神秘対策課のメグミです。」
 
 ばつが悪そうに苦笑して視線を逸らす。とは言え訊かれた事にはきっちりと。
 名と付随する所属を名乗り、身分を証明するか。

「危害は無さそうとは思ったのですが、そちらの方が気になってしまって、つい」
 
 再度、狼へと視線が向く。

エリン > 「あ、風紀委員の方でしたか」

今度は自分の手を叩き、納得した様子を見せる。
確かに、風紀委員ならこんな大きな狼をみたら気になってしまうだろう。
エリンはそのように納得し、そして狼の安全性を示すために立ち上がり

「この子はカムロイっていいます。
私のお友達で、いつも私のことを守ってくれてるんです。
優しくていい子なんですよ。メグミさんも、触ってみますか?」

カムロイと呼ばれた狼の頭を抱きしめ、メグミへ手招きをする。

メグミ > 「エリンさんに、カムロイさんって言うんですね。」
 
 柔らかく微笑み、頷く。
 カムロイ。少なくとも北欧のものではないなとあたりを付け、
 それ以上は一旦置いておくことにした。
 手懐けているのならば問題はないだろう。

「ええと……」

 迷い、悩む。
 もふもふの類は心地よいものではあるし気にならない訳ではないのだが、
 下手に触れて機嫌を損ねさせても困る。"ただの獣"の可能性も十分にあるし、優しいのも嘘ではないのだろう。
 だが、もしも万一、神秘に連なる獣だとすれば。その手のものの気難しさや気高き意識は強い。
 
 ただの一般人にこそ寛容であれど、その道に携わるものが安易に触れたら機嫌を損ねる可能性はある。
 無辜之民には優しくとも、その道の存在には厳しい可能性は少なくない。

 などと、数秒程勝手に考え込み思いつめた上――

「いえ、遠慮しておきます。ちょっと気になりますけれど……」

 穏便に遠慮することにした。

エリン > 「そうですか……。
それでは、またの機会にでも」

抱きしめていたカムロイを離して撫でる。
彼女がカムロイを警戒している、のはなんとなく感じているものの、それがどういう理由でかは理解しておらず。
カムロイへの誤解がとけず、残念そうな顔をする。

「あの、でもこの子は危険な子じゃないので。
そのあたりは分かってもらえると嬉しいな……なんて……」

メグミ >  
「大丈夫です。そのお方がどういうものなのかは存じ上げませんが、
 危険なお方ではないとは考えています。とは言っても、私が触れて万が一があっても困りますし、
 だからと言って根掘り葉掘り伺うのも失礼ですから。」

 不安がらせている様なので、改めて笑んでみせる。
 同等かそれ以上。メグミ自身はそのようにカムロイを仮定しているのだろう。
 
「たとえは、ええと、そうですね……。
 ほら、 エリンさんに私が抱き着いたら、びっくりしちゃいますよね。
 だいたい、それと同じです。」

エリン > 「そう……なのでしょうか。
あ、でもそうかもしれませんね」

メグミの説明にちょっと首を傾げるも、ちょっと納得する要素があったのか、頷く。

「じゃあカムロイは戻しといたほうがいいでしょうか。
メグミさんと相性はあんまりよくないかもしれませんし……」

カムロイを見て、メグミを見る。
カムロイはいまだにじっとメグミをみている。

メグミ > 「うーん……」

 戻す、と、自然に口に出した事から召喚師の類であることを確信する。
 引っ込ませるのも気が引けるが、そう考えた所で――

(見られてますね……)

 すごく見られている。
 ……"そうであるならば"コンタクトを取る事は出来るのだろうが、
 それは本末転倒である。
 どのような視線か様子だけから読み取ろうとして、直ぐにカムロイから目を反らした。

エリン > それはただ見つめているだけ。
先ほどまでは確かに、警戒を含んだ視線でみていたが。
今はただ見ているだけ。
エリンが彼女と話していて、その会話に耳を傾けるためにじっとみているかのような、そんな視線。

エリンは、カムロイを戻そうとおもって長袖をめくり、腕輪を露出させる。
青い、翡翠のようなもので出来た腕輪がみえる。

メグミ > (なんやワレ、みたいな視線ではないですね……)

 ほっと安堵して、胸をなで下ろす。
 人並みには膨らんだ胸だ。

「あ、いえ、先ほどまでは警戒していたみたいですけど、
 今は普通の様ですし、お気遣いなく。でも、小さい子とか見かけたら気を付けてくださいね。
 手慣れていらっしゃるみたいですから、言うまでもなさそうですが……」

エリン > カムロイをみるエリン。
そしてエリンをみるカムロイ。
数秒間だけカムロイをみていたエリンは、ふっと笑ってメグミへ視線を戻す。

「そうですね。
小さな女の子とかは怯えちゃうかもしれないので、一応気をつけてますが」

自分も小さいのは棚に上げつつ。
ひょい、とカムロイに飛び乗るエリン。

「さて、そろそろ寮へ戻ろうかなと思いますが、メグミさんもご一緒に帰りませんか?」

メグミ > 「ああ、それでは見送りましょう。私自身は寮ではありませんが……」

 自身の住まいは住宅街の郊外に購入している。
 分野が分野、研究が研究な為、寮で暮らすのは大分難しい。
 地下だって定期的に手入れしないとダンジョンと化してしまう。 

 ともあれ。

「点数も稼いでおきたいですからね。この前も、事件があったみたいですし……」

 冗句めかしてそう告げる。
 ぽつりと迂闊に零した事には気付かず。
 
「それでは、行きましょうか。」

エリン > 「はい、いきましょう。
風紀委員のおしごと、がんばってください」

きっと二人のそばにいれば何かしら問題が起こる、かもしれないし。
そのときは点数稼ぎをできるだろう。
カムロイが立ち上がり、とことこと歩き出す。
一応、メグミを配慮しているのか、ものすごくゆっくりに、だが。

ご案内:「常世公園」からエリンさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からメグミさんが去りました。