2016/06/21 のログ
ご案内:「常世公園」に鞍吹 朔さんが現れました。
■鞍吹 朔 > 「………っくしゅ。」
それが、朔が公園の遊具のトンネル内部で目覚めて、最初に発した声だった。
辺りは朝方、誰かが来る前にその場を離れ、公園近くの雑木林に隠れる。
慣れないハイヒールに何度か足を挫きそうになったが、視線を浴びること無く逃走することに成功した。
「……。この時期でも、朝は寒いのね。こんな馬鹿みたいな格好だし。」
忌々しげに自分の服装を見つめる。とはいえ、膨れた胸で足元が遮られて見えないのだが。
頭より大きく肥大した胸は好き嫌いが分かれるだろうが、
それでも女性のシンボル、母性のシンボルとしての圧倒的な存在感をガッチリと放っていた。
安産型を誇張したような尻も、布面積が明らかにサイズに間に合っていないバニーレオタードに扇情的に締めあげられる。
ここが落第街でないことを感謝したいところだ。
■鞍吹 朔 > 「……………。」
バニースーツの胸部分を掴み、思い切り引っ張ってみる。ぐにぃーっと胸が伸びた。
だが、その服が胸から剥がれる気配は微塵もない。ただ胸が艶めかしく形を変えただけだ。
その後しばらく朝日に照らされた雑木林で、それを艶やかに反射するつるつるした生地のレオタードと格闘していた。
しかし、数分経つと諦めたように途中で手を離した。
「やっぱり、力じゃ駄目ね。股布部分はずらせるのが唯一の救いだけど。
ナイフでも剥がれなかったし、皮膚を剥がすのも……駄目ね、全身剥がすことになっちゃうし」
女としてのデリカシーはどこかへ放り投げたらしい。元からそういう女だった。
発想が逐一物騒なのも元からだった。
■鞍吹 朔 > 「……暫く、学校には行けないわね。」
はぁ、と小さくため息。その目は白く濁っていた。
白く濁った中に、どす黒い感情の炎が燃え滾っていた。
「………今度会ったら必ず殺す。絶対に殺す。……人心を弄ぶ屑め。
血肉の一欠たりとも残さずに切り刻んで海にバラ撒いてやる。」
そう呟いて、雑木林を抜けて歩き出した。
「……ふぅ。胸も尻も重いわね……靴も歩きづらいし。」
そう言って杉の木に後ろ回し蹴りをしてハイヒールのヒール部分を叩き付けたが、
呪いの影響なのか、やはりというべきか折れるどころか傷一つ付くことすら無かった。
その後しばらく、座れそうな岩の上で肩を揉んだり、唯一スリムなまま残ったウエスト周りをさすったりしていたようだ。
ご案内:「常世公園」から鞍吹 朔さんが去りました。