2016/07/13 のログ
■真乃 真 > 「そうか…泳げないのかでもそれだけが海じゃないしね!」
促されるまま隣に座る。
でも、泳げないのか…こうサランラップとか巻いたらいい感じにいけないだろうか?
無理か…。
「…凄いエンジョイしてるね!そういえば僕は浜辺でバーベキューはした事ないな…。」
海と言えば泳ぐ、泳ぐ、そして泳ぐものというイメージであった。
そうか、それもありだな!海開きしたらしたいな一人ででも!
「…凄い今更失礼な事を聞くんだけど君はやっぱりロボというか機械なのかい?いや、話してたら全然そんな感じがしなくて
身体の一部だけ残したサイボーグ?とかだったりするの?」
見た目は今まで見たロボの人の中で一番ロボっぽいけど中身(舌とかじゃなくて内面の方)はロボっぽさを感じない。
…内面のロボっぽさっていうものもいまいち分からないんだけれども!
■クロノ > …あと、しっとりした潮風の柔らかさと、潮の香りも好きだけど……僕、錆びる……。
(鋼鉄の男の子は、頑丈そうに見えて案外繊細らしい。そっと苦笑い浮かべる男の子の声は、ちょっと寂しそうだった。
海バーベキューの経験がまだ無いらしい相手に、男の子は「美味しいし楽しいし、残り火で花火とかもしたらもっと楽しいよー」と。
サランラップぐるぐる巻きになったらきっと身動きできずにそれこそ水底に沈没してそうなのと、いろんな海遊びをポツンと一人でエンジョイしている姿が物凄くシュールな光景であることは突っ込まないでおく。)
…ふふふ。僕は、全身全霊機械の、ロボットだよ。頭の中に入ってるコンピュータのソフトが16歳男性を模したAIで、機体も同じくらいの年齢用のものだけど…もうすっかり古くなっちゃって。
(顔も手も足も、もっと人間そっくりな最新の物に交換しようと思えばそれも不可能ではないけど、今のこの身体も気に入ってるから変えないまま、と。)
…そういえば、きみのそれ…、
(市販されてる一般の物と比べると、ものすごく長いね、とタオルらしきものを示して尋ねてみる。いったい何に使うのだろうか。)
■真乃 真 > 「ああ、潮の香りは良いよね!夏って感じが海って感じがする!」
…彼、海に行った次の日は手入れが大変そうだなあ。
だけど、楽しそうなのでまあいいのだろう。遊びは準備と片づけまで含めて遊びなのだ!
「なるほど君は全部機械の人なんだね!おっと、じゃあもしかしたら君の方が少し年上だったりするのかな?」
そして旧式らしい。確かにどことなく新しくなさは感じる。
もしかしたらとか言うレベルでないことを男はまだ知らない!
「おっと、これかい!?これについて聞いたかい!?これはタオルだよ!!
長くて重くて武器にもなる!とても丈夫な凄い奴さ!ただし、汗は拭けない!!」
普段は柔らか叩けば堅い、伸びて縮んで魔力も通す!
吸水性ゼロというタオルとしての致命的な欠陥があることを除けば頼れる武器らしい。
そして実はタオルではない!
「そして、何より! カッコいいだろう! 」
風もないのに長いタオルをなんらかの力ではためかせて!
無駄にカッコいいポーズをとる!
わざわざ日陰から一度出てまで!!
■クロノ > …んー、初めて起動してからはもう120年くらいになるかなぁ。今じゃ同型機の兄弟を見ることは殆ど無くなったよ。でも搭載している人格はずっと16歳のまま。
(古びた機体から溢れたぎる“新しくなさ”は、もはやクラシックカーと並んで“動く化石”レベルか。)
…なんかその、すごいね…。
(長くて重くて武器にもなるけど本来の用途としては使えないのに、なぜ敢えてタオルという形状を選択したのか。彼本人も、そして4人分くらいに分けて使えそうなタオルっぽいそれにも、まだまだ突っ込みどころはいっぱいありそうだ。)
…………そ、そっか、な。…ぅん、
(通りがかりの幼子と母親が、「あの人なーに?」「そっち見ちゃダメ!」とか言いながらそそくさと遠ざかっていく光景が何とも致しがたくて、ロボットの男の子も戸惑いの反応しか返せずにいる。)
■真乃 真 > 「120年!120年!!つまり136歳?いや、16歳でいいのかな?」
120歳って出ないあたり、明らかに混乱しているそれほどの昔の生まれだったなんて!
120年前!≪大変容≫の前だろうか?後かな?いつだっけ?
それはともかくとんでもない昔である真、6人分くらいの年齢である。
「ああ!凄い!付け始めた頃は正直、邪魔で仕方なかったね!!カッコいいから我慢してたけど!」
マフラーとかスカーフとかではない。布地の感じか完璧にタオルなのである。
多分形状にはなにか理由があるのだろう。真には知る由もないが!
「だろう!」
最後のぅんを肯定と捉えたのだろう満足そうに頷いた。
ひとしきりポーズをとり終えると日陰に戻ってくる。
母親に手をひかれて尚もこちらを指さす子供に手を振りながら腰を掛けた。
■クロノ > …不老長寿、って言えば近い物なのかも知れないね。
(自分の周囲の人々が、生まれて育ち、大きくなって子を産み育て、やがて老いて看取られて死んでいく。そんな光景を何度見ても、鋼鉄の男の子はずっと男の子のまま。不老には不老なりの孤独感とか、そういうのもきっと色々あるのかもしれない。)
…ふふふ、確かに慣れるまでは大変そうだね、長いし。
(我慢の理由もそっとスルーしておいて、近所の商店の店名でも入っってそうな、よくある粗品のそれを忠実に再現した質感の布地には感心しつつ。手を振り返されて一瞬びくっとなる幼子に、今度はロボットも一緒にニコニコ顔で小さく手を振って見送る。彼の幼子への対処を見るに、まぁ悪い人では無いのだろうけれども、色々と世間からちょっとズレている感が否めないのはなんとなく理解したロボット。)
■真乃 真 > 「…この島では見た目と年齢が違うとかよくいるよね!!
もしかしたら実際の歳が近い人とかもいるかもしれないね!」
特に年齢が分かったからって喋り方は変わらない。
多くの人間ではない人がいるこの島ではそういう事が起こりうる。
真は普通に異能が使えるだけの人間であるから違うのだが。
「今では体の一部みたいなものさ!重さも感じなくなってきたよ!」
おそらくそのタオルを外した首の筋肉はかなり凄いのではないだろうか?
隠れているだけで大分首が太くなっているのではないだろうか?
…真相はタオルの中である。
「…さてと、じゃあそろそろ僕は行こうかな!」
ベンチから勢いをつけて立ち上がる。
もしかするとこの暑さの中他にへばってる人がいるかもしれない。
「僕の名前は真乃真!君の名前は?」
照り付ける日差しを浴びながら無駄にカッコいいポーズで名を名乗る。
そして、答えを待つ。
■クロノ > …ん。そうだね。僕以外にもそういう人たちがたくさんいるから、この街は過ごしやすいかなーって思ってるよ。
(何年使われていても、機械仕掛けの心はずっと少年のままの男の子もまた、誰に対してもこうしてありのまま、まっすぐに向き合う心の持ち主。)
…じゃ、僕もそろそろ休憩終わりで仕事に戻るかな。…真、か。うん、よろしく。僕は型式=A1101S 製造番号=8928327 通称=クロノ。今は学校で保健医兼工務員をしてるよ。
(きっと恐らくものすごく逞しく育っているのであろう彼の首の筋肉が気にならないでもないけど、それはまぁ、おいおい、ということで。彼に続いて男の子もベンチを立ち、簡潔に名乗り返そう。)
■真乃 真 > 「保険医で工務員さんか!じゃあ怪我とかしたらよろしくねクロノ君!」
しょっちゅう無理して怪我をする。
知り合いの方がそういう時もかかりやすい。
「代わりでも何でもないけど困ったことがあったら何でもいいなよ!助けるから!
それじゃあ!暑いけど元気でまた会おう!」
真はそう言って手を立てると白いタオルをはためかせて暑い公園を駆けていく。
ご案内:「常世公園」から真乃 真さんが去りました。
■クロノ > …んふふ、ありがと。元気でね。
(最初から最後までずっと熱かった彼の背中を見送りつつ、その姿が陽炎に紛れて見えなくなるまで少しの間、ゆらゆらとのんびり手を振って。そうして男の子ロボットが来た道を戻る足取りは、きっと先程までよりは幾分軽やか。)
ご案内:「常世公園」からクロノさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に霧依さんが現れました。
■霧依 > 「この島も、夜でも暑いものだね。」
ふう、と汗を拭いながら空を見上げる女が一人。
Tシャツとハーフパンツのラフな格好の女が、夜の公園を一人歩く。
特に行くあても目的も無い。 ふらふらとしたかったから、というだけの気軽な外出。
■霧依 > 暑いのは苦手だが、無性に暑さを感じたくなる時もある。
自然派を気取るつもりはない。 ただただ、気まぐれなだけだ。
汗ばんだ肌が僅かに透けるTシャツは、明るい昼間であれば刺激的なのだろうけれど。
夜の闇に紛れてベンチに座る。
そんな女に近づく物好きも、そうはいまい。
「でも、冷たい飲み物でも持ってきたらよかったかな。」
穏やかに一人、言葉を漏らす。
■霧依 > 少しだけ思考を緩めて、穏やかに考えこむ。
夏の休暇があるらしい。 もとより、何処に行くにも自由な彼女だ。
休暇でなくても遠出をしてしまう彼女にとって、休暇だからどうこう、というものではない。
「………でもまあ、………出かけるには良い日が続けばいいな。
島の端までいってみようか。
それとも、テントを持って島を回ってみようか。」
考えて考えて、思いつきの計画は少しずつ形になる。
■霧依 > また、考える。
この島にいる人は、何かを抱えている人が多いらしい。
東雲先輩もそうだ。 きっと他の人も、たくさん。
そしてそれは、きっと単なる風来坊には分からないくらいに、重くて悲しくて。
何かをしてあげる、なんて気持ちは無い。
してあげられることなど、何も無い。
何もかも忘れて、朽ちるまで旅をする自分には、言葉を交わす以外に何も無い。
「夏期休暇は、他の人は何をするんだろうな。」
自然とそこに思いが至る。
ご案内:「常世公園」に巓奉さんが現れました。
■巓奉 > 「私はいつも通り道行く若人相手にからかうだけかな。」
ほのかに涼しげな薄荷の香りを漂わせた少女がにゅっとベンチの裏から顔を出してくる。
断りも無く隣に座り『甘い物はお好きかな?』とシャツのポケットから飴玉を取り出し差し出すだろう。
「ああ、これは失礼。断りを入れるべきだったかな?」
言葉とは裏腹に涼しい表情で言い放つ。申し訳ないという気持ちは無いみたいだ。
■霧依 > 誰とも関わらず、一人でふらふらと歩きまわる彼女からすると、穏やかながらも変化とも言える。
「……島から出ずに、ゆっくり回るかな。」
やっぱり、と思いがそこに至る。
……そこに現れる相手に、思わず目を何回か瞬かせて、くす、と微笑みながらその飴玉を受け取る。
「いいや、甘い物は好きだよ。
僕のような変わり者を驚かせてくる可愛らしい女の子は、もっと好きかな。」
しらっと、こちらも涼しい顔でジャブを避けてジャブを打ち返す。
涼し気な表情で、しっとりとした声を落とし。
驚いた様子は無いけれど、どうやら驚いたらしい。
■巓奉 > 「おやおや、飴玉ではなくて私を差し出すべきだったかな。」
くすくすと愉快そうに笑い目の前の女性の顔をじっと見据える。
少しの間それが続き、何かに納得した様子で頷くと口を開き自己紹介をする。
「うん、キミは面白いね。私は巓奉、しがない鍛冶師さ。」
■霧依 > 「差し出されたら受け取ってしまう。遠慮を知らない人間だから。
それでもいいなら。」
そこで言葉を区切って、じい、と見つめられれば、普段通りの力の抜けた表情で見つめ返す。
力が無い、穏やかな顔。
あえて力を入れることを放棄しているかのような表情で微笑み。
おいで、と手招きをする。 寄ってくるなら、手を伸ばして頭を撫でようとする。
「僕は普通さ。 きっとね。
僕は霧依。 今はここで生徒をしている。 本来は根を張らない根無し草って呼ばれてしまうことが多いかな。」
■巓奉 > 「責任取ってくれるなら……良いよ?」
熱っぽく、潤んだ瞳で見上げて──
『なんちゃって』とペロッと舌を出して微笑んだ。
手招きされたのを見てすっと真横に座りなおし、霧依の手を受け入れる。
艶やかな髪の毛からもふわっと漂う清涼感ある薄荷の香り、撫でられ気持ち良さそうに目を閉じた。
「なるほど、根無し草。それはそれはきっと様々な場所へ訪れたのだろうね。」
そう言っているもののごろごろ、と喉を鳴らしそうに撫でられている様子はまさに猫である。
■霧依 > 「責任ね、根っこが無いと難しいなぁ。
それでも、相手を見つめて、同じ夜を過ごす事はできると思うから。」
堂々とした穏やかな声。
誘うようでありつつも、相手にずっしりと向けるような気配はなく。
ふわふわと匂うような言葉。 相手の香りを受け入れながら、目を細めて引き寄せる。
「とっても多くの場所にね。 もっと暑い場所にも、もっともっと寒い場所にも。
いいところもたくさんあったけれど、この島も面白いよね。」
■巓奉 > 「おっと、ふふっ。どうせ私以外にも似たような事を言ってるんだろう?
でも、そう分かってても惹かれてしまうのはずるいなあ。」
引き寄せられ、少し嬉しそうに口を緩めつつ『とても魅力的だけど』と言ってするりと抜け出した。
「そうだなあ。確かにこの島が一番面白いかもしれない。
かく言う私はその面白さに目を付けて流れてきたんだけどね。」
そしてここにやってきた経緯を語り出す。
最高の一振りを鍛え上げる為に日々を過ごしていた巓奉。
ある日常世島の噂を聞いた彼女は『常世島なら未知の刀剣がお目にかかれるかもしれない』と思いやってきたそうな。
■霧依 > 「まさか、まさか。
可愛らしい子にしか言わないさ。 惹かれているのであれば、是非また。」
囁くような甘い声で、ぬけ出す相手に微笑みかける。
深追いはしない。
「なるほど、ね。」
小さく頷きながら、目を細め、頷く。
相手の言葉を噛み砕くように、ゆっくり、ゆっくり。
「僕はあまり刀には詳しくないけれど。
ここは未知なものが多すぎる。
危ない場所でもあるから、気をつけないといけないよ。」
諭すように声をかけながら、笑う。
きっと様々な事情があるのだろうし、自分よりももっともっと深い人もいるのだろうけれど。
でも、言いたいことは言うのがモットーだ。
■巓奉 > 「話半分に聞くとしよう。絹も安売りするものでは無いだろう?」
『絹』の辺りで自分の肌に手を這わせ何かを露骨にアピール。
といった様子の巓奉ではあるものの、霧依の事を気に入っていた。
話は面白いし飄々としたその態度はくどすぎず、相性が良く思えたのだ。
「確かにキミの言う通りだ、充分気をつけるとしよう。
──特に可愛い子を食べようとするものに、ね。」
いたずらっぽくウインクをしてみせる。
■霧依 > 「絹も愛でねば紙と変わらないから。
だから、ゆっくりと触れてあげたいと思ったのさ。」
ウィンクをしながら、穏やかにベンチに背を預けて、ぎしりと音を鳴らす。
相手の言葉に笑いながら、そよりと凪ぐ風のよう。
「………そんな狼がいるのであれば、僕が行って退治の一つでもしなきゃあいけないね。
どんな常識知らずか分からないけれど、可愛い子を守るのは、僕の仕事のようなものだからね。」
自分のことを棚に上げて、さらりと言葉を返し。
■巓奉 > 「うん、どんなに大事に仕舞おうとも使わなければ意味をなさないよね?
……本当、キミは食えない人だなあ。」
変幻自在、千変万化。相手に合わせて自由に変わるそれは決して捉えられるようなものではない。
巓奉をしてそう思わせる不思議な人物だと評価する。
「おやおや、キミに退治できるかな?
きっと退治しうるのは可愛い子のみ、だと私は考えているよ。」
霧依の様子を見てくすくすと笑う巓奉。
そして『にゃーん』とか言いながら猫のマーキングみたく擦り寄った。
■霧依 > 「僕は食べられるよ。 食えないかどうかは、食べてみてから感じてみてよ。
食べるか食べられるか、どちらだろうね。」
くすくすと笑い、ウィンクを一つ。
さあ、どうかな。なんて呟きながら、擦り寄ってくる相手の顎をすりすりと撫で、持ち上げながら額に唇を僅かに触れさせ。
「………退治してみる?」
さらりと耳元に唇を近づけて、そんなことをぽつりと落とす。
しっとりと、溶けるような言葉を流し込んで………
「まあ、……興味があれば、いつでもおいで。
そろそろ、僕は帰るからさ。」
笑いながらふい、と立ち上がる。
お互いに猫のような、気まぐれな風。
■巓奉 > 「きっと私程度じゃ食べられてしまうかな。」
『それも悪くないね』とまんざらでも無さそうに言った。
「──っ、そんな事言っちゃって、返り討ちにしてしまうくせに。
良いよ、気が向いたら退治しに行ってあげるとしよう。お土産も用意して、ね。」
霧依の言葉に彼女にしては珍しく顔を赤らめて、言い立ち去る霧依を見送るのだった。
ご案内:「常世公園」から霧依さんが去りました。
■巓奉 > 「……やれやれ、似た物同士と言えば聞こえは良いが、猫と豹じゃ勝負にならないと思うんだけどねえ。」
霧依の姿が見えなくなるまで見送った巓奉。
だらーっと体中の力を抜いてベンチに座り、呟いた。
巓奉の顔はまだ赤く、霧依が与えたダメージはまだ残っている。
「本当、ずるいなあ。年甲斐にも無く顔に出してしまった。」
暫くの間ベンチに座り充分クールダウンさせてから、立ち上がり彼女も帰路に着くのであった。
ご案内:「常世公園」から巓奉さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にフィアドラさんが現れました。
■フィアドラ > 今は夕方みんな家に帰り始めた時間です。
ここは公園、ブランコとかあの回る丸いのとかありますが今遊んでいるのはだれもいません。
「誰もいませんよね…。」
あたりを見渡して見ますが暗くなってきて良く分かりません。
…わかりませんが、多分いません!今のうちです!
「と、とやー!」
私は勢いをつけてブランコに飛び乗りました!
■フィアドラ > 「うわっ…と…と!」
そのままの勢いで落っこちそうになりますが鎖を持ってなんとか落っこちません。
そして、立ったまま思いっ切りブランコを漕ぎます!
ギイギイとブランコから音がしますが壊れる感じではありません。
何で私がこんな時間に遊んでいるかというと。
昼間の他に誰かいる時に全力で遊んで怪我とかしたら大変だからです。
そう、人間は怪我とかしたら中々治らない生き物なのです。
■フィアドラ > キイキイとブランコが大きく揺れます。
ブランコが前に行くたびに空が星が後ろに行くたびに地面が見えるくらいの揺れです。
上手くブランコを揺らすコツは実は尻尾の使い方にあるのです!
タイミングよく尻尾を振って勢いをつければいいのです。
昼間遊んでいる子たちを見てても一人で私より上手くブランコを漕げる子はいないんじゃないでしょうか?
ブランコはもうすぐで一回転しそうな高さです。
後、少しで一回転!
■フィアドラ > でも、やっぱり今日もちょっと、ほんのちょっとだけ一回転には届かないのです。
「やっぱり、一人では無理なのかな…。」
昼間遊んでいた遠くから見た子たち。
あの子たちは後ろから押してもらって一回転してました。
きっと、一人の私には一回転は無理なのです。
ご案内:「常世公園」に雨宮 雫さんが現れました。
■雨宮 雫 > 少し前あたりから。
公園の入り口の車止めに軽く座るような感じで公園の中を……
具体的にはブランコをガン漕ぎする女子生徒を見ているっぽく。
いや、なんかものすごい漕いでるからさ?
「ぉー、一回転……もうちょい
なんか物凄い頑張れ、頑張れ……かな……かな……」
軽めの応援、まあ声は聞こえてないだろうけど。
なんかロマン的なものを感じた男の子なので、そりゃあ見ずにはいられなかったのです。
■フィアドラ > 「やっぱり無理ですー!」
やっぱり無理です!
どうしても最後の一線が超えられません!
「…どうすればいいんでしょうか?」
ブランコの速度は徐々に落ちていって今は普通の角度です。
寂しさとどうしようもなさが極まって右手の手袋を外してそれをキツネの形にします。
『ダレカニオシテモラエバイイ』
「そんな、誰もいませんよ…。」
右手の口がいう事は確かにそうなんですが、そんなに都合よく人がいる訳…。
…いました。
■雨宮 雫 > まぁ一回転とか中々難しいよね。
段々とゆっくり減速、普通になっていくブランコを見て
うんうん
と頷く。
難しい上に実は結構危ないと思うし……
で、何か手話?なのか?
右手で何かし始めた様子を見て、改めてブラン子を見直すと、記憶にあるような……
前に頭痛かで保健室に来た子ではなかろうか?
向こうもコチラに気づいたのか、視線がきた気がしたので
「やぁ、かな、かなー」
軽く手を挙げて近寄ってみることにした。
■フィアドラ > 「あなたはこの間の雨宮雫さん!あの時はお世話になりました!薬すっごい苦かったです!」
あれはこの前の保険室の人です。
私はとりあえず右手の口を隠せるように手袋を握りしめて頭を下げました。
「あれからは熱が出ないように気を付けて炎吐いてました!」
そう、なんか気分が悪くなった時に色々と助けてもらったのです。
とてもつらいときに助けてくれた良い人間です!
■雨宮 雫 > 「あ、はーい。
やっぱりあの時の保健室の子だよね。
うんうん…… あ、炎は吐くんだね、だね。
薬はー 苦いものだから仕方ないかな、かな。」
まぁ倒れてないなら何よりというか。
近くまで来ると、少し視線を上げてブランコに乗ってる相手の顔を見ます。
元気そうか?は聞くまでもない。
「その後は具合いいみたいかな、かな。
ブランコめっちゃ漕いでたものね、ひひひ、楽しそうだったね?」