2016/09/01 のログ
蒼穹 > 「……いやまぁ、そりゃあ…そうだけどさ。」

あそこはなんていうか、物置とか拠点とか、目印ぐらいにしか使ってなかったのだ。
そも、衣食住の衣さえ何とかなれば生活できるのがこの破壊神。あんまり帰る事はないのは、そう言う事が原因。
けども、長い間開けっ放しだし…こうして、言外に顔を出して欲しそうにされるなら、
今度、一度帰ってみようか。

「あっはは、一応海には行ったよ。」

泳ぐのあんまり好きじゃないから、行っただけだけど。
という意味では、その言葉は結構図星。そのためちょっと苦笑いしてる。

「そうだね…気の利いた差し入れをありがと!」

ピースサイン。
8月も終わろう、夏休みも終わろうとしてるのだし。
このタイミングで探しに来てくれて花火持って来てくれたって、
それは嬉しくもなるだろう。一旦ビニール袋を置いて、
いつもながら朗らかなえへへ顔で、よしよししようと。

「みたいだねー…一応の防火対策。」

忙しなく行って戻ってくるのを目で追えば、準備完了!

「そうそう、それに火を…んっ?…まてまて!ストップ!」

その持ち方じゃあ綺麗な火花がソッチに跳んじゃう。
と言う事であわや点火の前にその一本の花火を彼女の手元から掻っ攫う。
確かにそのやり方はカグラらしいけど!やりやすそうだけど!
そもそも指から火を出すのが間違いではないだろうか。
それじゃあどうやったって指に火がいく。
…彼女からすれば、それは大した問題ではないのだろうけど。
花火の楽しみ方はちゃんと教えないとならない。
よもや顔で綺麗な火花を受け止めるスポーツではないのだ。

「その火のつけ方はダメだねー…えーっと、こいつを、こう持って?
花火の火は向こうに飛び出すからさ。」

掻っ攫った花火を手に。クル、と向こう側へ向かう様に持って見せる。
去年も花火はやった破壊神、一応こういう安全の知識はあるようだ。

「それで、火をつける時は、道具を使った方が火花は手に飛ばないよ。なかったら、良いけどね。
はい、じゃあやってみよー!
ついでに後で私のヤツにも火をつけてくれたまえ~。」

取り上げたていた花火を返すと。
渡されたビニール袋を拾い上げて、手始めに何をやってみようかと探してみた。
小さい打ち上げ花火とかは…流石にないかな。

迦具楽 >  
「まあ、別にいいんだけど。
 庭の草刈に部屋の換気と掃除と、祭壇の手入れもしてるし、余力ができたら増改築もしてるし……ちょっとくらい使って欲しいなって思っただけだもの」

 不満げな顔は拗ねた顔になり、今度は少しだけ目を逸らす。
 もしかしたら、ほんの少し寂しかったりしたのかもしれない。
 ほんとのところは口にしないのでわからないだろうが。

「ふふ、そうよ、私は気が利くんだから」

 褒められれば自慢げにドヤ顔を見せるが、頭を撫でられるとだんだん嬉しそうに頬が緩んでいく。
 そして花火を取り上げられると、一瞬きょとんとするが、説明をしてもらえば目を丸くして熱心に話を聴いている。

「……そっか、そうやって遊ぶのね。
 道具は、創ってもいいけど……こっちのほうが楽かしら」

 と、説明を聞いた上で改めて花火を構えると、再び指先に火を点し、今度はそれを操って花火の先端まで飛ばしていった。
 宙に浮いて燃え続ける小さな火は、花火にしっかりと火を点けて、ほどなく緑色の火花を噴き出した。

「わ、っとっと。
 花火って思ったより眩しいのね。
 それに……不思議な色」

 誰も居ないところへ先を向けて、噴き出す火花を目を細めて眺める。
 見ている間にも緑から赤、赤から白と変わる色は、『聲』による知識として身につけただけじゃ得られない、新鮮な驚きを与えていた。

 火をつけるのに使った小さな火は、今もそのまま低い位置に浮かんでいる。
 丁度ろうそくの火のようなサイズの火だが、どうやらそのまま使っていいみたいだ。
 また、大きなサイズのビニール袋には、どこかの店で片端から買ってきたのか、小さな打ち上げ型の花火もいくつか詰め込まれている。
 数こそばらつきがあるが、おおよその種類の物はありそうだ。

 

蒼穹 > 「覚えとくよ。折角頑張ってくれてるんだし、ね。見に行くからさ。」

家主としては、ごめんごめんと手を合わせ謝るばかり。
そのあたりは別にとか言うあたり、変わらないなぁと思った。
さっきに続いて宥めかける様によしよし。

「いやはや、気の利く友達を持って私も誇らしいよ…。」

今回のことは、本当に。こういう楽しめる事は、何であれ好きである。

「そうそう。そういう遊び方も工夫すれば出来そうかもだけど。
お、どれどれ?」

点火される花火の火薬部分。
派手に燃える音、煙の下にばら撒かれる鮮やかな緑色の火花。
真夜中だからこそ、その火花はより明るく、暗闇では映えて見える事だろう。

「だねー…。
驚く事に、こいつには魔法も使われてないらしい。
炎色反応?とかいう物理的要素だけでこんなのが……あー…。」

得意気に解説しようとするけれど、途中で火の色が変わっていく。
なんでこんなことになるのかは、蒼穹も知らないので、解説は閉口してしまった。
後は、花火に無言で見入るばかり。

私もやってみようか、折角だから別のを。
色々と入ってるし、真っ直ぐの棒のやつじゃなくて…。

「これなんかどうかな。ネズミ花火。」

赤、青、緑に黄色と4色の輪っかに尻尾が付いているあの花火。
それをビニール袋から取り出すと、慎重に浮いてる火に尻尾の部分を炙ってみて…。

「っと!」

火を灯した途端、手元から弾けるように飛んで、
元気に火を出してぐるぐる地面を駆け回るネズミ花火。
やけにアクティブな花火だ。

迦具楽 >  
「……うん、待ってる」

 そして、少しだけ嬉しそうに声色が変わり頷いた。

「炎色反応かぁ。
 まるで魔術みたいね」

 変わっていく色を眺めて、そして花火が終わってしまうと、名残惜しそうにため息を吐いた。
 そして消えてしまった花火をぼうっと眺めていたら、突然足元を駆け回るねずみ花火。

「うわっ、なにっ!?
 わっ、わっ、なにこれっ、ひゃあっ!」

 足元に滑り込んできたねずみ花火に驚いて飛びのくと、時間切れ。
 軽い破裂音にまるで普通の少女のように悲鳴を上げた。
 そして、そのまま目を丸くして驚いていると、少しして蒼穹にじっと半眼を向けた。

「そ~ら~……?」

 そんな声と共に、恨みがましい視線が向けられている。
 

蒼穹 > 「あっはは、ビックリした?ビックリした?」

驚かせてやろうとか、悪戯する気はなかったけど、凄いびっくりしていた。
そうすると、何かちょっと楽しくなってきた。
そう言えば、花火のやり方も知らない子だ。勿論、ネズミ花火がどんなものだとか、
それも知らなかったのなら…この反応も仕方ない。
けど、カグラのその反応は、見ても聞いても面白かった。
小動物に追っかけられた子供みたいな。

「ごめんごめーん、怒んないでってば~…んふふふ。
説明してあげよう、こいつはネズミ花火と言ってね。
火をつけるとあの様に火をばら撒いて暴れ回るのさ!
…こんな感じで。」

半笑いで無反省なる謝罪。ビニール袋からもう一個ネズミ花火を取り出すと、
得意気にそれについての解説。
それから、もう一個、解説ついでに尻尾を火であぶった。
程なく、フシューっと火花と煙を上げて、ぐるぐる回りながらあちこち動き回るネズミ花火。
燃えかすは見つかるなら一応ちゃんと拾ってバケツに入れておこう。

「面白いでしょーこれ!まぁまぁ、機嫌を直してやってみなさい。」

ほれほれと、ネズミ花火を数個持って差し出した。
ネズミ花火は、一気に沢山火をつけるのも面白いのだ。

迦具楽 >  
「不意打ちは卑怯じゃない、もうっ!」

 膨れっ面で苦情を訴えるが、ねずみ花火の説明になればすぐに興味津々と聞き入り、しかし再びそのねずみ花火が取り出されると少し警戒したように蒼穹の後ろに隠れた。

「……ほんとにねずみみたい。
 こんな変な花火もあるのね」

 パン、と音がなったときは少しばかり身を竦めたが、とりあえずどんなものかは理解できたようだ。
 そして数個のねずみ花火を受け取ると、少し考えてから、地面に尻尾を付き合わせるよう円形に並べた。

「じゃあ、こうしてこのまま……」

 用意していた火を動かして、その円の中心に落とす。
 当然、ねずみ花火には一斉に火がついて、回転しながらわらっと動き出した。

「きゃーっ!」

 などと、楽しげな悲鳴を上げて笑いながら飛びのく。
 てんでばらばらな方向に走りだしたねずみ花火は、短い間動き回って一斉に破裂する。

「……面白いわね!」

 どうやら迦具楽の悪戯心にくるものがあったらしい。
 目をキラキラさせて、ねずみ花火が駆け回った後を眺めていた。

「蒼穹っ、他にはどんな花火があるのっ?」

 そしてまるっきり子供のように次の花火をねだる。
 とてもうきうきとした様子で、蒼穹と花火の袋を見ていた。
 

蒼穹 > 「ごーめんってばー!ひょっとしてああいう音、怖いのかな?」

にまにま顔は変わらない。
更にネズミ花火を恐れる様子を見れば、よりにやけ具合が深くなった。

「滅茶苦茶動き回るしねー……うーん?」

円形に並んだ丸型のネズミ花火。一ヵ所に落ちる火。
一気にネズミ花火へと燃え広がって…ぷしゅしゅーっと全部がグルグルあらんほうへと走ってく。
それらをどれがどっちへ、と目で火の尾を追う。
時折自分の方へやってきたら、ぴょん、と跨いだり。
忙しなくグルグル回ってるし…カグラもまぁ楽しそうにはじける様に動いてたし。
程なく、ぱぱぱん、と示し合わせたみたいに破裂して行く音は…結構爽快だ。

「でしょ!」

こうやってはしゃぐのも、思い出にはいいものだ。
特にさっきのは写真とか取って置いたら良かったかも。

「ちょーっと待ってね。んーと次の花火はー。」

線香とネズミはやった、打ち上げはまだちょっと取っておこうかな?
とすると…。
袋の中から、見つけるのは、太めの筒状の花火。ちょっと大きくてお高そう。

「これはどうだろう。手持ち噴出花火ってやつ。長いこと楽しめるみたいよ!
じゃあ付けてみるね~。」

1分間ほどバチバチスパークしながら白い火花を散らしてくれる、やけに派手な奴。
それを両手に持って、燈っている火で先をあぶった。
筒のところに火が燃え移れば、次第に火力が強まって、地面に火花を落とし始める。

「よっ、どうよ!」

大きさもあって大火力。火花というより、バリバリって文字通り、雷みたいに火花をばらまく筒花火。
ゆっくりと地面から水平向きに変えて、にやり。
いくらなんでも、流石に持ってる手が熱く感じる程には燃えている。

迦具楽 >  
「別に怖くないわよっ!
 ……ちょっと驚いただけだし」

 と、にやけ顔を睨みつつも、とりあえずの否定はしたようです。

「あ、そんなのもあったわね。
 大きくてちょっと高かったやつ」

 買ったときはどれがどんなものかなんてわからなかったため、手当たりしだいだったのだ。
 火がついた花火は勢いよく火花を噴き出し、その勢いと派手さに目を奪われているのか「おおっ!」なんて興奮した声が漏れる。

「凄いわねっこんな派手なのもあ――って何でこっちに向けるのっ!?」

 ひゃあ、と。軽く飛びのいて逃げる。
 別に火花にあぶられるくらい、痛くもなんともないものの、そこは気分だ。
 

蒼穹 > 「あーっはっはっは!どうよどうよ~!驚いたかー!」

ネズミ花火での奇襲に次ぐ、カグラを襲う花火の第二波。
勿論、炎とかで彼女に一切ダメージがないのを知ってる上である。
まるで水撒きとか水鉄砲で一方攻撃している感覚。
ただし出ているのは立派なスパークしている炎だが。

「おう、まてまて~!」

手持ちの噴き出し花火を飛び退いた方向へ向けて、集中掃射。
やけにバチバチ広がって、普通は火傷とかするので、良い子は真似してはいけない。
完全に違う楽しみ方になっているけど、これはこれでおもしろい。
暫く、花火による悪い子の鬼ごっこめいたものが続いて……。

「あ…っ。」

ぷしゅう、と気が抜けて良く筒花火。
白い火花の散らばりも悪く、やがては全く出なくなってしまった。
60秒、花火にしてみれば長いが、こういう事をするのには、あまりに短い時間だった。

「ふー、おしまい。」

火薬がすっからかんになった花火の残りかすをバケツにぽいっとシュート。

迦具楽 >  
「わっ、このっ、やめなさいよバカ蒼穹ぁー!」

 きゃー、と言いながら逃げるのも楽しげである。
 普通にいくらか火花が届いていたような気もするが、Tシャツに当たってしまう前に急激に熱を失っていく。
 楽しい楽しい悪い子の遊び方だが、さすがにTシャツが焦げてしまうのは困るらしい。

「……もうっ!
 一応でも風紀委員のくせにっ」

 花火が終わると、すぐに駆け寄ってきて怒ってみせる。
 けれどその表情はとても楽しそうに笑っているので、言葉だけなのがよくわかるだろう。

「次の花火は……あっ、蒼穹、これは?」

 袋から引っ張りだしたのは、打ち上げ花火。
 あの何十連発とか、やたら威勢の良い事が書いてある大筒だ。
 袋の中に入っていた二本を取り出して、やってみたいと書いてある顔を向けた。
 

蒼穹 > 「風紀委員は風紀委員でも風紀委員カッコ笑いみたいなヤツだしさ、しょうがないね…。
楽しかったから万事ヨシっ!でしょ。」

悪い子が浮かべる笑顔。
いひひとまぁ楽し気にピースサインを。
衣服も燃えてないみたいだし、何はともあれ悪い事はないのだから。

「ん?ああ……こんなものも買って来たのか。
へーぇ。ちょっとやってみよっか。結構でかいやつだね、これ。」

多分、さっきの噴出花火なんかよりも大きいのではないだろうか。
それゆえに、もう手では持てない打ち上げ式だ。
これくらいになったら、お祭りの夜店とかで売ってそうなものだが…。

「地面に置いて~…はい、火を付けて離れて見ましょう。」

やり方をザックリ解説。

迦具楽 >  
「なんちゃって、でも風紀なんだから少しはらしくしなさいよねっ。
 ……でも楽しいは正義!」

 こちらも、にひひと笑ってVサイン。
 悪い事って言うのは、ちょっとしたものなら楽しいものなのだ。
 ただし、よい子はまねしてはいけません、怪我するしね。

「そうそう、大きいやつ!
 絶対面白いでしょっ」

 そして蒼穹に一つ渡して、自分でも地面に設置する。
 導火線の位置を確認してから少し離れて。

「つまり、離れたところから火をつければ問題ないのね?」

 先ほどから便利に使ってる火を動かして、導火線に火を着ける。
 それから少し間があって……しゅぽん、と花火が打ちあがり、パチパチと火花が広がりながら落ちていく。
 花が咲くような花火とは違い、連発されてもあまり派手さはない。
 ちょっとばかり、期待はずれではあったが。

「……これはこれで、まあ綺麗よね」

 ぼんやりと眺めて、それはそれとして楽しんでいるようだ。
 さて、もう一本はどんな花火だったか。
 

蒼穹 > 「うむむ…。」

結構おっきいやつを渡された。

『三色蜂。○○メートル以上離れて見ましょう。』

向こうで幾発か打ち上がる、カグラの上げた花火の火花。
どっちかっていうと、お祭りの合間に使われる間奏みたいな、
火花がストレートに上がっていくやつだ。
あれはあれで綺麗だけど、少し物足りないの…かな?
散々花火で悪くて楽しい遊びをした後だし。

一方こっちはどうなのか。いざ。

「よーっし。いっけー!」

ちょっと遅れて点火する。
一本の火花が空中へと火の尾を引いて打ち上がっていけば、
空中で幾つにも分かれて、広がっていく。これも花みたいに綺麗に沢山彩るわけではなかった。
一旦広がりきったかと思えば、赤、青、緑と火花それぞれに色がついて変わって、
各々の色の火花の軌跡を残しながら、虫みたいにぶんぶんあちらこちらへ動き回る。
そうして上がった火花たちは程なく、消えていく。

迦具楽 >  
「……綺麗だったわね」

 お互いの花火を見終えて、ほぅ、と息を吐きながらのしみじみとした感想。
 派手さはなかったが、どうやらこれはこれである程度満足したらしい。
 しかし、多少物足りないのも事実のようだが。

「……さて、っと。
 さあ、他の花火もいくわよっ!」

 しかし気持ちはさくっと切り替えて、袋からわさっと花火を取り出した。
 そして、両手に持って火をつけたり、数本まとめて火をつけてみたり。
 ちょっと悪い子の楽しみ方をしたり、普通に楽しんでみたりして遊び始める。
 それもしばらく続けていたら花火が少なくなってきて。

「……あれ、残ってるのはこれだけ?」

 案の定、袋の中にはいくつもの線香花火が残されていた。
 

蒼穹 > それからしばらく、いろんな種類の花火をやってみた。
とりあえず残ってるネズミ花火をそこら中にぶちまけて火の海地獄にしてみたり、
ロケット花火というものを何発か持って、最初は夜空に打ち上げてたが、
飽きてきたら案の定防火力の高いカグラをターゲットにしてみたり。
その甲斐もあってか、その時間はすぐにすぎてしまった。

「ありゃ…もうないね。」

結局、一番多くて一番シンプルな線香花火だけが、一杯売れ残ってしまった。

「んー…どうしよっか?これ。」

とりあえず一本、あぶれば綺麗な黄色の火花を散らしつつ、よそ見しながら聞いてみる。

迦具楽 >  
 ロケット花火を正面から手で受け止めてみたりしつつ、戯れて。

「……ちょっとはしゃぎすぎたし、締めには丁度良いかもしれないわね」

 と、自分も一つ手にとって、火をつけてみる。
 派手さはやはりないものの、小さくはじけていく様子は十分に趣きがあった。

「花火ってこういうのもあるのね……あっ」

 初めての線香花火は案の定、早い段階でぽとりと落ちてしまう。
 しかし、また次の線香花火に挑戦して、またぼんやりと小さな玉を眺めた。

「……なんか、すごく楽しかった」

 眺めながら、しみじみと呟いた。

 

蒼穹 > 「しずかーに、って感じだね。」

パチパチと。今までの中では多分、一番静かなものだった。
色も大人しいけど…夜も深まって、色々遊んだ最後には、丁度良いのかも。

「だねー…ギリギリの良い夏休みの思い出になったよ。

ありがと!」

屈託なく笑いながら、しゃがんで残った線香花火を地面に散らしていく。
―――暫く。

「よし!……大分と遊んだことだし、これくらいで。
さー、んじゃ一応ゴミは拾って帰りましょっか。」

気付けばもう、休みは終わった。
しゃがんだ姿勢から立ち上がれば、ゴミ拾い。
わざわざ捨てるのが面倒くさいので、大方は小さくも物騒な魔法でお掃除。
それからもう少し、今日の事について、温暖に話していただろう。

ご案内:「常世公園」から蒼穹さんが去りました。
迦具楽 >  
「うん、風情がある、って言うのかしら」

 小さくはぜる音が、耳に心地のいい。
 はしゃいだ後に楽しかった時間を惜しむには、丁度いいものなのだろう。

「えへへ、どういたしまして。
 私も……蒼穹と遊べて楽しかった」

 同じように無邪気な笑顔を向けて、残りの線香花火を楽しんだ。

「うんっ、後片付けの時間ね」

 いつの間にか、もうすっかり九月になっている。
 ごみを拾い、蒼穹を真似て焼却処分の後片付けを終えれば、後は家に帰るだけ。

「ね、蒼穹、一緒に帰ろう?」

 そんな風に誘いながら、道すがらのんびりと話をして。
 八月と九月をまたぐ時間をすごしたのだった。
 

ご案内:「常世公園」から迦具楽さんが去りました。