2016/10/06 のログ
ご案内:「常世公園」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 秋である。もうすっかり秋である。
学校帰りに何やら美味しそうな匂いに惹かれて、公園へとやってきた七生はそこでクレープの移動販売車を見つけた。
今日も今日とて頭脳肉体ともに酷使してへとへとだったので、これ幸いと早速クレープを二つ、注文する。

「おばちゃん!クレープ2つ!
 ……えっと、小豆宇治バニラとイチゴバナナ生クリーム!」

とりあえず今食べたいモノだけ詰め込んだものを注文し終えると、
物が出来上がる前からほくほく顔で販売車の前に立って待っていた。

東雲七生 > クレープの出来上がりを待ちながら、ふと公園内を見渡してみる。
夏の間は随分青々とした緑があった公園も、赤や黄色に彩られてすっかり季節の変化を見て取れる様になった。
その中で遊ぶ子供たちや、散歩をする老人たちを眺めながらふと、あと何度この景色が見られるのかと考えて、

『はいよ、クレープ2つお待ち!』

おばちゃんの声に一気に現実に引き戻される。

「わぁい、サンキューおばちゃん!」

クレープ2つをそれぞれ両手に持って、満面の笑みでベンチへと向かう。
東雲七生、17歳。制服を着てなければとても高2男子には見えなかった。

ご案内:「常世公園」にクロノさんが現れました。
東雲七生 > 「んー、美味い。
 やっぱ疲れてる時は甘いものだよなぁ。」

ベンチに腰掛けてクレープを頬張る。
小豆宇治バニラの方を先に。交互に一口ずつ食べていくことも考えたが、アイスが融けてしまうかもしれないから。
程よい甘さに頬をゆるゆるにしている姿はやっぱり男子高校生には見えない。

「これから中華まんも焼き芋も美味くなる季節だしなー
 あー、これで体重増えたらどうしようか。」

何だか発言まで男子高校生を棄てに掛かっている様な気もする。

クロノ > (いつの間にか季節はまたひとつ移ろいで、気づけばもう朝露は紅葉色。そんな中でのんびりと歩く、常緑樹色の男の子。)

…… ん…?

(食欲の秋、収穫の秋、味覚の秋。ちょうど欲しいところに甘味のお店、といった感じで見えた移動販売車。…と、その傍らで出来立てのそれを頬張って、嬉しそうなオーラ全開の人影。思わずくす、とこぼれる笑み、いつもの目立ちまくる機械音を連れだって歩み寄って。)

 …こんにちは、七生。元気そうで良かった。今お邪魔しても、大丈夫?

東雲七生 > 「あっ、クロノ!……せん、せ。」

声を掛けられて甘味の世界から戻って顔を上げれば、機械音とともに見覚えのある顔が。
反射的ににぱっと笑みを浮かべて名前を呼んでから、彼の立場を思い出して慌てて畏まる。
近頃はもっぱら年上の後輩相手をしていたから、
同じ年頃の先生というこれまたイレギュラーな相手に対応が遅れるのも無理は無いだろう。

「い、良いっすよ。特に予定も何も無いっすし!」

クロノ >  …ふふふ。先生、は無くてもいいよ。学校の外だし、授業中でもないし。…来年には、七生の方が年上なんだし。
(相手の不意に慌てた言動に、ニコニコしながらそんな返事をする永遠の16歳。快諾してもらって、「ありがと」って嬉しそうに告げて、そーっと隣に腰を下ろす。相変わらず自身の重量に軋むベンチを心配そうにちょっと撫でる仕草も、いつもと同じ。)

… それ、美味しそうだね。 秋ってちょっと寂しい気もするけど、いろんなものが美味しいし、景色もきれいだし。
(こうしてベンチに腰かけて語らうにもまだ寒くなく、夏のように焼ける暑さでもなく、時折通り抜けて行く秋風が心地よい頃合い。もう少し季節が進めば、きっとまた、彼の美しい髪と眼と重なる、燃えるような紅葉の季節がやってくる。)

 …七生は、最近は順調?
(勉強、生活、鍛練その他諸々、いろいろ。甘味に幸福感いっぱいの様子を見る限り、あまり心配は無さそうだけど。)

東雲七生 > 「うーん、そう言われても、何つーかこう……他の先生は学校の外でも先生してる人も居るし……」

臨機応変に使い分ける事が出来ない不器用な性分。
クレープを口へ運びつつも、どうしたものかと考えている様で。

「ん?クレープっすか?美味いっすよー、授業で疲れてると尚更。
 ……クロノせっ……も物食えたんしたっけ?」

機械の身体で、と小首を傾げる。
そのへんについての説明は今までされなかったような気がする。
もしかしたら七生が覚えてないだけかもしれないが。

「ん?順調……っちゃ順調っすよ。」

学業面、異能関係、どちらも特に今は壁も無く。
こうして何も考えずクレープに舌鼓を打てるくらいには順調だ。

クロノ >  …ん。それもそっか。じゃ、七生のお好みにおまかせで。 …僕はロボットだからずっと歳も取らないし、こうしていろんな仕事もしてるけど …一人でも多くのひとたちと、“お友達”になれたらいいな、って思ってるんだ。
(職業上の“先生”と“生徒”とか、立場上の“所有者”と“道具”とか、そういう垣根を越えて、仲良くなれたらいいな、と。)

 …っふふふ、疲れた時には甘いもの、か。そうだね。 …七生、今日も一日お疲れさま。 …ぁ、うん。人間が食べられるものはだいたい何でも食べるよ。栄養を吸収している訳じゃないから、食べなくても困らない…あくまで“真似事”だけど。
(それでも毎日、朝夕は学生寮で、昼は保健室で、いろんな生徒たちと一緒にご飯を食べるのは、きっとこの男の子が、みんなと一緒に食事をするのが好きだから。)

 …ん、そぅ。良かった。何か困った事があったら、いつでも話してね?
(医師であり養護教諭である男の子が言うのも変だけど、それこそ、お医者さんが要らないくらい、みんなが元気いっぱいな世界って、きっと幸せ。そんな事を話しながら、幸せ感たっぷりの彼をそっと見守るように見つめて。)