2016/10/08 のログ
ご案内:「常世公園」にルベールさんが現れました。
■ルベール > 寝てた。
公園の芝生の上で大の字ですややかに眠る金髪の女。
誰も起こしてはくれなかった。 当然である。
「うぉお……」
頬に芝の跡がついていた。よだれを腕で拭ってやべえ、って顔になる。
ジュリセンセと出会ってからいろいろな事象がやべえ、で片付けられるようになってお気に入りだ。
「やっべ、今何時だろ……」
目を擦る。昼に学校が終わっての帰り道。
公園で好き勝手運動をして疲れて爆睡なんだから、もう日もすっかり暮れていた。
■ルベール > 「深夜じゃねーか!」
むしろ朝が近かった。凄い爆睡していた。
思わず時計を見ようとして驚く。だって見えないんだもの。
「………腹減ったなー。」
とほほ、と肩を落として立ち上がる。
新しく借りたスケートボードはかなり上手くなったはなった。
身体を扱うものならなんだって相当慣れるのが早い。
よ、っとスケートボードに乗って滑れば、ひょい、っとジャンプで柵を飛び越えて、またボードに着地する。
夜とはいえ、気にせずそれくらいはできる。
■ルベール > 「そぉい、やっ!!」
ジャンプして、階段の柵をしゅるるる、とボードで滑り降りて、またジャンプ。
散々転んだけれど、身体で覚えたタイミングで着地をすれば、スムーズにまた滑り始める。
身体的吸収力は抜群である。
「……どーすっかなー、24時間のラーメン屋あったよなー
そこでいっか。」
片足で蹴りながら深夜の歩道をひた走る女。
ザ・自由人。
ご案内:「常世公園」からルベールさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にユウさんが現れました。
ご案内:「常世公園」にルベールさんが現れました。
■ユウ > ニュー=ユード・バイパーは鼻を鳴らすと嬉しそうに、或いは楽しそうに微笑をした。
形の良い唇が綻びて白い歯並びが見え、褐色の肌に相俟って艶やかに映えていた。
彼女がこの地に異邦人として訪れて少しばかりの日が過ぎたが、今ではすっかりとこの世界の住人であったかのように振舞っている。
良く晴れた秋晴れの日に公園のベンチに腰を下ろし、心地の良い風に揺れる木々の音に機嫌を良くしている。
「生きていれば良い事もあるもんだね。いや、案外死後の世界という奴かもしれないが――」
日向にまどろむ猫のように瞳を細め、愉快そうに喉を鳴らすのは今日、待ち合わせをした知己に向けたものだ。
生憎と約束の時間を過ぎて尚相手の姿が見えなかったものだから、そういった様子は秋風に流されてしまったのだけど。
■ルベール > 呼び出しがあったのは先日の話。
自らが住んでいるアパートの扉にそっと挟まれていた手紙に、日時と場所。
それを読んだ彼女は、燃えた。
これは、かの噂に聞く「ハタシ・ジョー」ではないか!
やったぜ喧嘩ができる! と興奮して深夜まで拳を振り回し、
約束の時間ギリギリまですっかり眠りこける始末。
「………待たせたな。
この私に挑むとは、いい度胸だ。」
でも、普通の登場ではこの紅のルベールらしくない。
流石に服装はTシャツとジーパンのいつも通りの出で立ちであったが、それだけではまずい。
公園のトイレ施設の上、腕を組んで帽子を被り、仁王立ちをする金髪の女。
帽子を深々とかぶり過ぎて、相手がいるのかどうかも良く分からない。
■ユウ > 「併しまあ、出会った所で何を話したものですかねえ。土産話でもして差し上げて、代わりに此方の話でも……。」
ユウが恵比寿顔のまま顎を擦り、頤に指を添え思案の様子を示していると秋風による木々のざわめきを上書いて木々を揺らす大音声が上がる。
それは戦場に慣れ親しみ、幾多の敵を打ち倒してきた者だけが持つ戦士の声だった。
「……相変わらずぅ~……」
場が場であれば相手を威圧するに十全たるその声も、場が場であったのだから鼠に乗られた回し車のように回って何処かえと消え、
後に残るのは轢き逃げされたかのようにベンチ上に崩れ落ち、嬉しそうに落胆するユウの姿だ。
「止めてくださいよ。かつての煉獄将軍様に正面きっての一騎打ちなんか王立劇場の演目だけで沢山じゃあないですか。
尤も異世界でそういった大立ち回りと言うのは面白そうですけどね。私以外でお頼み申し上げますよ。くれぐれも」
崩れ落ちた姿勢から一転、転がるように倒立し、軽業師のように地に着地をして恭しい一礼。
声量はさして多く無い筈なのにしかして耳元で囁かれたかのような不可思議な距離感は、風精の加護と呼ばれる魔術の一端と知れるかもしれない。
■ルベール > 「んにゃっ!?」
相手の言葉にびくり、っと身体を震わせて、帽子を投げ捨てる。
煉獄将軍だとか、紅炎の魔戦士だとか、いろいろ吹きに吹きまくった過去を知り得るのは、現状この島ではいないはず。
いないはずだからこそ、その事実に戦慄して相手をじ、っと眺める。
「………うわっ!? 本物だっ!?」
しばらくの間が空いて、まるで幽霊でも見たかのように後ずさりをしてとても失礼なことを言う。
加護がなくてもはっきり聞こえる声のデカさと態度のデカさと乳のデカさは、相変わらずと形容してもいいだろう。
「ゆーちゃんもこっちに飛ばされて来てたわけ?
いつ来たのさー、連絡早く入れてよー!
一騎打ちいいね、近くに暴れてもいい場所も見つけてたからさー!」
驚いて、喜びの表情を浮かべ、びょん、っとトイレ施設から飛び降りて隣に降り立ち、そのまま肩をバンバン叩く。
距離感は近い。
一騎打ちをお茶してかない? みたいな流れで口にする。
■ユウ > 「如何にも風精団が長。ニュー=ユード・バイパーですとも。ま、こっちに来てしまっている以上そういうモノは不要ですけれど?
何せああいう御国柄ですからね。貴方や私が居なくなっても半刻もすれば次の長が恙無く決まる事でしょうや。
きっと国王陛下だって身罷られたら変わりますま――痛っだぁ!?ちょ、素早い!?いや加減を……!」
流れるように淀みなく言葉が紡がれている最中に悲鳴が上がる。
公園内を歩く数人が彼女達を視たが、その様子からして猫がじゃれているようなものであったから
特に気に留められた風もなくまた何処かへを歩き去っていった。
「ゆーちゃんは止めてくださいって言ってるでしょうが。ええぃ年長を立てる甲斐の無い……!
ていうか連絡は昨日したじゃあないですか。それで今日こうしてるんでしょーが。」
ユウは一騎打ちについては言及をしない。しても無駄だからと判っているし解っているからだ。
風に揺れる柳のように受け流す事で沈静化を謀るのは彼女の得手と言えたが、相手が炎では追い風にしかならない事もままあった。
その実それ程そういった物事が厭ではなかったのだが、ユウが明言した事は今の所無い。
取り繕った苦笑顔で、少々大袈裟に叩かれた肩を擦っている。
「一応お伝えしたい事もありましてね。貴方が居なくなった後も諸々は上手くいってましたよ。と……いやでもその様子だと、
随分と楽しんで生活されているようで。」
何から何までデカい相手をゆるやかに見上げながら、仕返しとばかりの手刀が形ばかりの鋭さを持ってルベールの脇腹を襲う。
■ルベール > 「あっはっは、だからこそ帰った時は最高にびっくりさせられるってもんよ。
ああ、私がいなくなってもやっぱり死んだか!って感じになっちゃったんじゃない? 心配は最初っからしてないさ。
いやーしっかし久しぶりだねぇ。」
からからと笑ってばしばしと叩く。
祖国に帰ることができない感じとか、自分が死んだと思われて、周りがどう考えているだろう、とか、いろいろな悲壮感とは無縁の声。
「いいじゃんゆーちゃんで。 というかそんな名前だったっけ。
ああ、昨日読んだ時にゃ喧嘩のご指名かと思ったんだけどねぇ。
あー、ここは楽しい。 楽しいもんよ。
平和でさ。かといって何もないわけじゃなく。
私みたいな戦士が生きていく土壌も無いわけじゃあないし。」
からからと笑ってド失礼なことを言い。
そのうえで楽しんで過ごしていることを伝える。
拳を握って軽くジャブで空気を打ちつつ、この世界のことを簡単に伝えて。
「んひゃっ!? や、やめろってー。 脇腹弱いって言っただろーっ」
こんにゃろ、と相手の頭を掴んでヘッドロック。
むぎゅう、と呼吸を奪ってやろうとする。 腕はそこまで絞めないけど顔を柔らかい何かで埋める。
■ユウ > 「やっぱり死んだか!ってなっていましたし、私もそう思っていましたとも。
そしてそんな名前だったんですよ、紅蓮転生殿。」
己の価値観を楽しげに語るルベールを他所にユウの態度は冷ややかだ。
それは好悪の問題では無く、彼女当人の資質に因るものだ。
平和であるとか平和でないとか、自らの世界であるとか異世界であるとかに関わらず
ニュー=ユード・バイパーは独自の価値観を持っていた。
さし当っては此方の世界の街中の匂いが好ましいな等々、些かずれもしていた。
「んがっ。……………」
そうして今は息苦しいなと思いもするのだから、呼吸を奪うルベールの手を数度叩きもするし、
それでも解放されなくば顔を覆う柔らかい何かに噛み付きもするだろう。
■ルベール > 「あっはっは、感動の再開?
………………そ、その名前はやめてほしいかなあーって思ったりするんだけど。」
からからと笑って言いながら、相手の言葉にぴくりと震え、顔を背ける。
炎の化身、生まれ変わりだとどや顔で語っていた過去に顔色が悪くなる。
彼女は粗野であったが、平和であればそれを破壊するような性格でもなく。
彼女なりの正義でもって動く性格だった。
とはいえ、相手の性格が変わっていることも理解していたから、疑問を覚えることもなく。
「……んきゃっ!?」
んふふふ、参ったかー、とか言おうとしたところでかぷー、と噛みつかれて、悲鳴を上げながら手を放してしまう。
やめろよぅー! って不満げな声を漏らしながら、胸をさする。
■ユウ > 「人の顔を覆うのが悪いんですよ。ええ、決して羨ましいなこん畜生とか半分くらい寄越せとか思っちゃあいませんとも。
それと噛み付かれるのが厭なら服の下に胸当てでも付けたら如何です?」
解放され、乱れた頭髪を手で整えながらユウが悪童のように相好を崩す。
そうすると年齢より幾分若く見える容貌がまた幾つか若く見え、服装と合間って何処か少年のようでもあった。
「……で、まあ近況報告もそこそこに済んだ所で幾つかの懸念があるんですけどね。
先ず……いったいぜんたいどうやって生計を立ててます?学び舎の方々はどこぞで臨時雇いでもしたらどうかと言っていたんですけどね。」
それはさておき、とベンチに座り直したユウがさも当惑気といった様子に眉を顰めてルベールを見上げた。
■ルベール > 「うっさい! 時々つけてるっての!」
顔を真っ赤にしながらがー!っと両腕を振り上げて怒る。
きわどい格好が多い割に、そこを弄ると恥ずかしがる。
噛んだらそりゃあクリティカルヒットである。
今日はつけてなかった。 今日、今日だけだから!
「………ん? ああ、やってるよ。臨時で日雇いとかさ。
酒屋とかで瓶運んだり、時々化け物を倒して調査とか?
いろいろ仕事そのものはあるから何とかはなるかなー。」
ベンチに相手が座れば、隣にぎしり、と座りながらんん、と考え込む。
■ユウ > 「まあそれだけ此処が平和って事なんでしょうけどね。
しかしまあ、有事に備えて革鎧程度は誂えておくべきか……。」
火山が噴火したかのように顔を含羞に染め上げて怒鳴り散らす火勢も何処吹く風といった体の思案顔。
矢除けのフード付き外套に投擲用の短剣を彼処に配した革鎧はユウの好む戦闘装束だった。
「ん、おやそうなんですか。酒屋とは……まあお似合いで。調査は何方かの御依頼で?
住む所も考えないとなりませんし、いっそ暗殺依頼でも転がってきたりしませんかねえ。」
考え込む隣でわざとらしく口端を吊り上げた笑み顔が象られる。
舞台で三流役者が悪役を演ればこういった顔をするだろう。そういう顔だ。
■ルベール > 「あった方がいいかもしれないけど、ここそういうのあんまり売ってないから、自作かなあ。
ここの世界の服、めっちゃくちゃ軽くて動きやすいよ。
まあ、硬さは無いけどさ。」
相手の言葉にうぅん、と唸りながら一緒に思案顔。
すぐ怒るけど、すぐ収まって引きずらない。
「あー、うんうん。 依頼を受けてさ。 まあ、それで生きていくってわけにゃいかないんだけどね。
住むところだったら、私んとこにしばらくいりゃいいじゃない。
暗殺とか無い無い。
ここ、権力闘争すらころがってないんだもの。」
手をひらひらと振ってあっさりとその悪い笑みを打破してしまう。
ついでのノリで部屋に来たら? と薦めて。
「どっかでちゃんと働かないといけないんだけどねー。
何ならできるかなー………。」
ちゃんとした収入は、こちらもイマイチ確定していないらしい。
■ユウ > 「修繕程度ならまだしも完全自作は厳しいですねえ。衣服の出来自体は仰るとおりに大変素晴らしいので
此方の技術で装備が作れたら大分愉快そうですけれど。」
ああ、でも武器だけは駄目ですね。そう言ってユウは表情をくるりと一転させて物憂げに嘆息してみせる。
暫くはそのまま茫洋とした風に、ルベールの振られる手を流し視ていたが同居を薦められた所でその鼻が笑った。
「……貴方の部屋ぜったい散らかってるでしょうに。足の踏み場はあるんです?
いくら私が風精の加護を得ていると言っても宙に浮くことなんて出来やしないんですから。
まあ、仕事を見つけるまでは居てもいいですけど。掃除くらいはできますからね、ええ。」
そして言外に乗り気だった。
流れるように言葉を押し流すと急かされたかのように立ち上がり、身を屈めてルベールの顔を視る。
「では帰りに諸々必要なものでも買って帰りますか。ああ勿論貴方の住まいなのでお支払いは其方で。
私としては生野菜や果物が食べたい所ですねえ。」
■ルベール > 「注文できりゃいいんだろうけど、まだまだそんなに金も余裕がないからなあ。」
ため息をつきながら、んー、っと背中をぎしとベンチの背凭れにもたれさせながら。
「…んなっ!? し、失礼なことを……!」
ぷるぷると震える。足の踏み場はあるわ! たぶん!
立ち上がる相手に合わせてこちらも立ち上がりながら、つん、とその顔をつついてやって。
「へいへい、んじゃあ歓迎会といきますか。
酒でいいよね?
…ん、野菜と果物ねー、へいへい、じゃあスーパーにでも寄っていきますか。」
勝手なことを言われても、ちぇー、と唇を尖らせる程度で嫌がる素振りは無い。
頭をわしわしと撫でながら、まあ先輩のいうことは聞き給え、なんて偉そうに言って。
へへん、と片目を閉じて舌を出す。 先輩面しておこう。
■ユウ > 頬を突かれるままに地に倒れるようにみえてしかし倒れず、重力を無視したかのような倒立からの再着地。
魔術の素養がある者が見るならば、その最中にユウの周囲に漂う螺鈿を鏤めたかのような煌きが視得たかもしれない。
「酒でいいですよ。強い奴がいいですねぇ。」
屈託無く笑う様子には何処にも魔法戦士であるかのような素振りは見られず。
その頭髪を掻き混ぜるように撫でる相手にもまた見られない。
仲の良い外国人同士にしか見えない二人は暫し酒盛りに華を咲かせて
翌日仲良く二日酔いになったりもしたのだけれど、それは閑話休題と云うものだった。
ご案内:「常世公園」からユウさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からルベールさんが去りました。