2016/10/12 のログ
シング・ダングルベール > 「カリカリするなよ。君を棒で叩いて突き出したいならそうするし、してないってことは敵意はないってことだ。
 それにこんな真昼間の往来で、不幸面をぶら下げてれば誰だって声をかけたくなる……わけではないか。」

露骨に周りから避けられてたしな。こわいよなー、普通ね……。
けど、それで一人にするのは違う。

そうだろ。

「……もし君が誰からも触れられたくなければ、それこそこんなところにいなくてもいいはずだろ。
 俺からしてみれば、ヒロイン気取りだよ。だから声もかけてみたくなる。」

龍宮 鋼 >  
(彼の言う事は正しい。
 ケンカ腰のヤツはもっとあからさまだし、彼の態度からそんな空気は感じられない。
 やや挑発的なところはあるが、元々そう言う性格のところがあるんだろう。
 何より、外でこうして燻っているのは他ならぬ自分自身なのだ。)

邪魔だから家ん中引きこもってろってか。
ッハ、そりゃそうだ。
こんな不良が昼間っから公園で我が物顔してりゃ、邪魔な事この上ねェ。

(それでもこうして跳ねっ返りな受け答えをしてしまう。
 最早クセのようなものだ。
 自分が悪いとわかっていても、そんな拒絶するような言葉が出てきてしまうのだ。)

シング・ダングルベール > 「うーん、そうは言ってないんだけど。」

まいったな、思ったよりも根は深そうだ。
きっと今の俺は、それなりに困り顔をしているんだろう。
無意識に指先が顎を撫でたまま、唸るように考え込む。

「じゃあそこまで自分のことを邪魔だって謳うなら、うちの店でコーヒーでも?
 今の時間貸し切りみたいなものだし、クダも巻き放題。
 苦いのは不得手と言うのなら、ドロドロになるまで角砂糖を入れてもいい。
 俺、喫茶店に住み込んでるんだよ。」

龍宮 鋼 >  
――ナンパか。

(合点がいった、と言う様な呆れ顔。
 気に入らない相手、と言う印象はなくなったが、代わりに面倒くさい相手という印象が新たに出てきた。
 その手の経験は無いわけではないが、そう言う輩はとにかく面倒くさい。)

寄りにも寄ってこの俺に声掛けるたぁ、テメェも暇なヤツだな。
ナンパだったら繁華街の方行って来い。

(先ほどまでの不機嫌な気配は引っ込め、犬か猫でも追い払うように手を振る。)

シング・ダングルベール > 「いやナンパじゃなくてだな!?」

こいつ人の話聞く気がないのか……それとも今の反応もしかして素……?
いや待て。落ち着こう。まじめな話をしていたはずだ。
そうあたふたしていたら、学園の方向から鐘の音。
おおかた次の授業がはじまったのだろう。
……って、それはマズいよ。遅刻じゃないか。
今喫茶店に誘った手前に考えることではないけれど、完全に自分の都合を失念していた。

「今度会う前に誤解は解いておいてくれよ! 俺は急ぐから……ッ!」

ままならないため息を目いっぱいこぼし、俺は教室目指して駆け出した。

ご案内:「常世公園」からシング・ダングルベールさんが去りました。
龍宮 鋼 >  
いやお前何がしてーんだよ。

(ナンパではないという。
 だとすると何がしたいのかわからない。
 ケンカを売るでも無し、誘うでも無し。
 慌てて走り去っていく彼の背中を見ながら、そんな事をぼやいた。)

――理由なんざ、俺が知りてぇっつーの。

(自身がこうなっている理由。
 それがわかればこうして無駄に時間を過ごしてなどいない。
 ふとヒロイン気取りと言われた事を思い出し、誰かに助けて貰いたいのだろうか、と考えて。)

ッは。

(助けを求めるなど、弱いやつのすることだ。
 笑い飛ばし、ベンチから立ち上がった。
 そのまま立ち去った彼とは別の方向へと歩いていって――)

ご案内:「常世公園」から龍宮 鋼さんが去りました。