2016/10/12 のログ
■シング・ダングルベール > 「カリカリするなよ。君を棒で叩いて突き出したいならそうするし、してないってことは敵意はないってことだ。
それにこんな真昼間の往来で、不幸面をぶら下げてれば誰だって声をかけたくなる……わけではないか。」
露骨に周りから避けられてたしな。こわいよなー、普通ね……。
けど、それで一人にするのは違う。
そうだろ。
「……もし君が誰からも触れられたくなければ、それこそこんなところにいなくてもいいはずだろ。
俺からしてみれば、ヒロイン気取りだよ。だから声もかけてみたくなる。」
■龍宮 鋼 >
(彼の言う事は正しい。
ケンカ腰のヤツはもっとあからさまだし、彼の態度からそんな空気は感じられない。
やや挑発的なところはあるが、元々そう言う性格のところがあるんだろう。
何より、外でこうして燻っているのは他ならぬ自分自身なのだ。)
邪魔だから家ん中引きこもってろってか。
ッハ、そりゃそうだ。
こんな不良が昼間っから公園で我が物顔してりゃ、邪魔な事この上ねェ。
(それでもこうして跳ねっ返りな受け答えをしてしまう。
最早クセのようなものだ。
自分が悪いとわかっていても、そんな拒絶するような言葉が出てきてしまうのだ。)
■シング・ダングルベール > 「うーん、そうは言ってないんだけど。」
まいったな、思ったよりも根は深そうだ。
きっと今の俺は、それなりに困り顔をしているんだろう。
無意識に指先が顎を撫でたまま、唸るように考え込む。
「じゃあそこまで自分のことを邪魔だって謳うなら、うちの店でコーヒーでも?
今の時間貸し切りみたいなものだし、クダも巻き放題。
苦いのは不得手と言うのなら、ドロドロになるまで角砂糖を入れてもいい。
俺、喫茶店に住み込んでるんだよ。」
■龍宮 鋼 >
――ナンパか。
(合点がいった、と言う様な呆れ顔。
気に入らない相手、と言う印象はなくなったが、代わりに面倒くさい相手という印象が新たに出てきた。
その手の経験は無いわけではないが、そう言う輩はとにかく面倒くさい。)
寄りにも寄ってこの俺に声掛けるたぁ、テメェも暇なヤツだな。
ナンパだったら繁華街の方行って来い。
(先ほどまでの不機嫌な気配は引っ込め、犬か猫でも追い払うように手を振る。)
■シング・ダングルベール > 「いやナンパじゃなくてだな!?」
こいつ人の話聞く気がないのか……それとも今の反応もしかして素……?
いや待て。落ち着こう。まじめな話をしていたはずだ。
そうあたふたしていたら、学園の方向から鐘の音。
おおかた次の授業がはじまったのだろう。
……って、それはマズいよ。遅刻じゃないか。
今喫茶店に誘った手前に考えることではないけれど、完全に自分の都合を失念していた。
「今度会う前に誤解は解いておいてくれよ! 俺は急ぐから……ッ!」
ままならないため息を目いっぱいこぼし、俺は教室目指して駆け出した。
ご案内:「常世公園」からシング・ダングルベールさんが去りました。
■龍宮 鋼 >
いやお前何がしてーんだよ。
(ナンパではないという。
だとすると何がしたいのかわからない。
ケンカを売るでも無し、誘うでも無し。
慌てて走り去っていく彼の背中を見ながら、そんな事をぼやいた。)
――理由なんざ、俺が知りてぇっつーの。
(自身がこうなっている理由。
それがわかればこうして無駄に時間を過ごしてなどいない。
ふとヒロイン気取りと言われた事を思い出し、誰かに助けて貰いたいのだろうか、と考えて。)
ッは。
(助けを求めるなど、弱いやつのすることだ。
笑い飛ばし、ベンチから立ち上がった。
そのまま立ち去った彼とは別の方向へと歩いていって――)
ご案内:「常世公園」から龍宮 鋼さんが去りました。