2016/10/24 のログ
ご案内:「常世公園」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「はぁ~……雲~……」

長閑な秋の昼下がり。
ひょんなことから午後の授業が丸っと休講になった七生は、公園の滑り台の上でぼーっと時間を潰していた。
青空を雲が流れていくのを、ぼんやりと眺める。あそこからの眺めはどんなもんだろうか、と。
遠くから子供たちの声が聞こえてくるのは、小学生相当の生徒は放課だからだろうか。

「俺も昔はあーゆー風に帰ってたんだろうかなー」

ぼへーっとしながら賑やかな子供たちの声に耳を傾けつつ、ふとそんな一人事を口にした。

東雲七生 > 本土に居た頃の記憶は無い。
というか、4月から前の記憶が無い。
いや、正確に言えば記憶自体はあるのだが、ほんの1年ちょっと昔の事でも穴だらけで輪郭もおぼろげで、
ついでに言えば人の顔なんて判別できない黒塗り状態だ。
こんなものが本当に自分の記憶であるなら、ちょっと通院を考えた方が良いかもしれないと思う。

「……はぁ~」

七生は溜息を零しながら、遠く秋空を眺めた。
雲は自由だよなあ、なんて妙にポエミーな言葉すら口を突いて出てくる始末。
いつの間にか子供たちの声もしなくなり、遠くを電車が走っていく音が聞こえた。