2017/01/23 のログ
ご案内:「常世公園」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > 「はぁー……さむぅー。」
相も変わらず寒さが厳しい冬の昼下がり。
散歩がてら公園に来た七生は、ベンチに腰掛けて缶コーヒーを啜っていた。
コーヒーとは言っても名ばかりの、ほぼ砂糖ミルクの様な甘ったるいものではあるが。
「やっぱ走ってねえと寒いよなー……うぅ。」
時折吹き抜ける木枯らしに身を竦めながら、ちびちびコーヒーを飲んでいく。
■東雲七生 > 「もうすぐ2月……そんであっという間に3月なんだろうなあ。」
ぼんやりと流されていく雲を眺めながら、そんな事を呟く。
寒い時期は早く過ぎ去って欲しいが、寒さが過ぎればいつの間にか自分は3年生になっている事だろう。
「深雪は今度は進級するのかな……家であんまりその話触れないけど。」
コーヒーで暖まった溜息を零しつつ、ちらりと視線を異邦人街へと向ける。
知り合った頃は同級生で、同じ家で暮らしているうちに何故か自分が先輩になっていたのは、正直驚いたが。
それももう一年前の事だ。
「はぁ~、早いなあ……。」
■東雲七生 > 「……一年、半か。」
居候を始めてから、もうそれくらい経った気がする。
当初の目的はもう大部分が風化していそうな気がするし、その事を咎められそうな気配は無い。
いっそこのまま従姉弟として関係をでっち上げてしまっても、きっと文句は言われないだろう。
しかし、七生の中で引っ掛かりが無いのかと言われればそうでもない。
むしろ、平和な日常が手の届くところに来れば来るほど、言い知れぬ不安が黒雲の様に広がって来るのだった。
「………うー、これならもっと早く動いておけば良かった。」
額に手を当て、小さく呻きながら七生は缶コーヒーを飲み干した。
■東雲七生 > 「……ま、後悔してもしゃーないんだけど……さっ!」
狙いを付けて放った空き缶は、綺麗な放物線を描いてゴミ箱に吸い込まれる様に消えていった。
少しだけ達成感に包まれながら、七生はベンチから腰を上げる。
やらなきゃならない事から目を背けて、やりたい事だけやってる間にどんどん時間は過ぎていく。
「……せめて、せめて三年生のうちに、俺が何者かはハッキリさせないと。」
小さくガッツポーズを作って気合を入れると、七生は小走りで公園を後にした。
ご案内:「常世公園」から東雲七生さんが去りました。